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2018-2019 オフシーズンの浦和レッズ移籍情報まとめ

毎年恒例のやつ。2018年シーズンも終わり、来シーズン(2019年)に向けた移籍の話が色々と出はじめていますので、とりあえず公式に発表された移籍情報だけに絞ってまとめておくページ。適時情報更新していきます。

公式発表された移籍情報

選手の敬称略。順不同。なお、新聞などでの報道は無視して浦和レッズ、もしくは各クラブから公式に発表があったものだけを扱います。

完全移籍(期限付き移籍からの復帰含む)

ポジション IN 加入(前所属) OUT 退団(移籍先 / 浦和在籍年数) メモ
FW 杉本 健勇
(セレッソ大阪)
セレッソ大阪下部組織出身、クラブユース選手権で優勝、大会MVPに選出されたほか、年代別代表にも名を連ねる、所謂サッカーエリートの1人。2018 FIFAワールドカップのアジア3次予選からA代表にも選出され、ワールドカップへの出場は果たせなかったものの、去年の10月に行われたキリンチャレンジカップ、ハイチ戦では代表初ゴールを決めるなど今勢いに乗っている選手が浦和に完全移籍で加入となりました。
2018年シーズンの彼を見ていて素晴らしいなと思ったのはその豊富な運動量と多彩なプレーの連続性。身長もあり、高い敵陣空中戦勝率を活かしたポストプレーもこなしつつ、前線でボールを引き出す動きや、裏に抜けていく仕掛けといった攻撃面はもちろん、守備転換時のプレスバックを90分に渡って続けられるというのは浦和が求めている1トップ象としてはピッタリの選手。昔はプレーにムラがある選手だなという印象がありましたけども、最近というか尹さんが監督になったセレッソでは前述の通り90分献身的にプレーしていて、それがA代表招集にもつながっていることを考えると、指導者によるのかなと。その点でオリヴェイラさんのもとで彼がどういう進化を見せてくれるのか、楽しみではあります。
ズラタン・リュビヤンキッチ
(未定 / 4年)
旧ユーゴスラビア(現:スロベニア)・リュブリャナ出身、元スロベニア代表の長身FW。2012年の夏に大宮アルディージャへ移籍したことでJリーグでのキャリアをスタート。大宮のJ2降格をうけて、2015年シーズンから浦和に加入後は、1stステージ第5節、等々力陸上競技場で行われたアウェー川崎戦でのアディショナルタイム同点ゴールをはじめ、興梠さんなどとポジションを争ったことで不動のレギュラーとは言えない状況ながら、献身的なプレーでチームのピンチを何度も救ってくれましたし、その温和で紳士的な性格はチーム内はもちろん、サポーターからも愛されました。現時点では次のプレー先は発表されていませんが、彼の残りの選手生活、そしてその後が充実したものになることを祈っています。
李 忠成
(横浜F・マリノス / 5年)
前線からの献身的な守備と気持ちで叩き込む決定力が魅力のストライカー。浦和では本来のセンターフォワードというポジションからは少し異なりながらも、ミシャさん体制時は不動の2シャドーの一角としてKLMを形成、堀さんを経てオリヴェイラさんに監督が代わってからもここぞという時の起用で、記憶に残るゴールを度々決めてくれる心強い選手でした。
マリノス、というかアンジェ・ポステコグルー監督が目指すサッカーにおいて、前からプレスをハメていけるセンターフォワード、しかも左利きという彼の特性は喉から手が出るほど欲しい存在。特に伊藤翔選手が鹿島に移籍する中で忠成さんは後任として適任だし、忠成さん自身も興梠さんだけでなく杉本さんというライバルが増える中、本来のポジションで出場機会が得られるなら移籍を選択するのも頷ける状況ではありますが、やはり出て行ってしまうのは残念というか、来シーズンも力を貸して欲しかったなというのが正直なところ(ただ忠成さんの移籍コメントを見る限り、残りたい忠成さんに対して浦和側から契約更新のオファーがなかったっぽいので仕方ないんですが)。5年間の貢献に感謝と、埼スタで対戦できることを楽しみに。
MF 汰木 康也
(モンテディオ山形)
名字の読み方としては汰木(ゆるき)さん。横浜F・マリノスユース時代にはクラブユース選手権MVPを獲得するなど将来を嘱望されるも、マリノスのトップチームへの昇格はかなわずJ2モンテディオ山形でプロデビュー。2018年シーズンは3-4-2-1システムのシャドー、もしくは左サイドでスタメンの機会こそ少なかったものの絶対的スーパーサブとしてチームに貢献。特にそのよい意味で力の抜けたドリブルテクニックはJ1のチーム相手でも強烈で、天皇杯の仙台戦では自陣ゴール前から仙台ゴール前までひとりで持っていってシュート(GKに弾かれてゴールにはなりませんでしたが)を放つなど、インパクトを残しました。
もちろんドリブラーという印象が強いのですが、シャドーでのプレーを見ていても、狭いところでボール受けてしっかり前が向ける選手なので、オリヴェイラさんのもとでどういう起用をされるのか、ちょっと楽しみな選手です。
池高 暢希
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
代表別代表にも名を連ねる、浦和レッズユースの「背番号10」。確か、U-16代表時代に本来のポジションではないSBで起用されているところを何かでちらっと見た記憶がありますが、縦に追い越して行くような動きの質はかなり高く、90分落ちない運動量も含めてプレースタイル的にも浦和に合いそうな選手。とはいえ彼のポジションは激戦区。浦和でポジションを争うのか、経験を積むために期限付き移籍を選択するのか、プロとしてどういうスタートを切るのかわかりませんが、今後の活躍に期待です。
駒井 善成
(北海道コンサドーレ札幌 / 2年)
キレのあるドリブルと90分、攻守にわたりハードワークできるスタミナが持ち味のアタッカー。ミシャさんにそのプレースタイルを認められ2016年シーズンに京都から加入。2018年はミシャさんが監督に就任した札幌へとレンタル移籍。ウイングバックはもちろん、ボランチやシャドーでもプレーして札幌の躍進に貢献するも、仮に復帰したところでオリヴェイラさんに監督が交代した浦和ではそのプレースタイル的に恐らくマッチしないだろうなと思っていたところ、予想通りの札幌完全移籍となりました。正しい選択だと思います。2018年シーズンは契約の問題で浦和との試合には出場できませんでしたが、2019年シーズンは対戦が楽しみです。
菊池 大介
(柏レイソル / 2年)
2007年に湘南ベルマーレユースから湘南ベルマーレに昇格、トップ昇格となった2007年にはJ2リーグ最年少出場、翌2008年にはJ2リーグ最年少得点を記録するなど湘南の主力として活躍、2014年シーズンから湘南の3-4-2-1の左ウィングバックで起用されるとその突破力と豊富な運動量を活かし、カットインからのシュートやクロスでチャンスを演出していました。
浦和でも同様の活躍をしてくれるものと、彼の加入時には大きな期待を持って迎えたわけですが、ミシャさん体制下でのワイドは攻撃面だけでなく守備の能力も高いものが求められる状況で彼の守備面での弱点が足を引っ張る形でレギュラー定着には至らず、堀さん体制を経て大槻さんが暫定監督に就任後は連続してスタメンに名を連ねたものの、オリヴェイラさん就任後はベンチスタートで出場機会がない試合も多く、終盤戦は怪我の影響でベンチ外と、なかなか本来の持ち味を発揮する機会もないまま出場機会を求めての完全移籍となってしまいました。残念ですが恐らく彼の特性が活かせるであろう柏でチームを引っ張る存在になってもらいたいなと。応援してます。
DF 平川 忠亮
(引退 / 17年)
もうここで言うまでもない浦和のレジェンドといえる選手。清水商業高校→筑波大学を経て2002年に浦和に加入。2003年のナビスコカップ初制覇に始まり、天皇杯連覇、悲願のリーグ優勝、ACL制覇、ルヴァンカップ制覇、2度目のACL制覇と、Jリーグ誕生からの25年間で浦和が獲得したタイトルの全てを体験した偉大な選手。今シーズン限りで引退となりましたが、今度は指導者としてのヒラさんが浦和に戻ってきてくれる日を楽しみに待ちたいと思います。お疲れさまでした。
岡本 拓也
(湘南ベルマーレ / 9年(期限付き移籍期間含む))
2016年シーズンから湘南に期限付き移籍していますが、昨シーズン、2018年も継続。2018年シーズンはリーグ戦、出場28試合、3得点と湘南でレギュラーの地位を固め、湘南にとってはいなくてはならない選手へと着実に成長していましたが、そのまま湘南ベルマーレへの完全移籍となりました。
鈴木 大輔
(柏レイソル)
元日本代表DF。アルビレックス新潟から柏レイソルを経てスペイン2部のジムナスティック・タラゴナに移籍、2015-16シーズンから、2017-18シーズンの3シーズンをスペインで戦い、昨年の夏に柏レイソルに復帰。柏レイソルがJ2降格したことで去就に注目が集まっていましたが、2019年シーズンから浦和に完全移籍ということで加入が決まりました。
見た目の通り、高さと球際の激しさが特長の強力なCBですが、スペインでの経験によってポジショニングやプレスのかけ方が非常にうまくなった印象で、さらにビルドアップにおける貢献度も非常に高く、浦和のプレースタイルにはマッチしそうな頼もしい選手。2019年シーズン、オリヴェイラさんがどういうシステムを採用するのかはまだわかりませんが、4バックでもマウリシオさんや槙野さんと組ませて強固な中央守備陣を形成できますし、3バックだったとしてもマウリシオさんとうまくポジション争いしてくれれば、今シーズンのようにマウリシオさん不在時に阿部ちゃんがCBで駆り出されるといった事態も防げると思いますので、適切な補強をしたなと思います。
岩武 克弥
(明治大学)
大分トリニータU-18から明治大学(ということで柴戸さんの後輩ですね)。大分U-18時代にはJ2でリーグ戦出場経験あり、年代別代表に名を連ね、2017年、ユニバーシアード日本代表にも選出され大会優勝に貢献。2018年には総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの優勝を明大サッカー部主将として経験するなど、期待のDF。2018年シーズン途中には2019年シーズンからの浦和加入が内定、加えてJFA・Jリーグ特別指定選手に指定されていました。
明大ではCBでの出場が多かったようですが、本来のポジションは右のSB。2018年シーズンの3バックシステムであれば橋岡さんあたりと、もし4バックを採用するなら希望通り、右SBでの起用が想定される期待の選手です。
大城 蛍
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
2000年沖縄生まれ。沖縄のジュニアユースクラブ「Wウイング沖縄FC」→「浦和レッズユース」。180cmの身長と身体の強さを活かしたボール奪取能力がウリのディフェンダー。ユース時代はCB(3バックのセンターや4バックの左など)、もしくはボランチとして守備面を牽引。DFながら得点力も高く(昨シーズン「高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ 2018」では16試合出場で3得点)、ヘディングでの強さには定評ありと、将来に期待の新人さんです。
山中 亮輔
(横浜F・マリノス)
日本代表DF。左利き、左サイドのスペシャリストが横浜F・マリノスから加入。柏FC→柏レイソルユース所属中の2010年に2種登録、2012年トップチーム昇格。2014年のジェフ千葉期限付き移籍などを経験した後、2017年に横浜F・マリノスに加入。年代別代表常連、昨年末のキリンチャレンジカップでA代表にも招集され、代表初キャップと同時に得点まで記録した若手期待のDF。
ポステコグルー監督のもとでは彼が採用する(ポステコグルー式)アラバロール戦術の要として活躍し、マリノスさん的には手放したくない選手の筆頭だったと思いますが見事獲得と。元々ウチには右サイドに偽サイドバック的にプレー可能な森脇さんがいるし、4バックにしても色々できそうということで、4バック-3バックを柔軟に切り替えつつ戦術の幅を広げることができたりすると面白そうです。
GK 榎本 哲也
(カターレ富山 / 2年)
マリノス一筋15年のベテランGKが2017年、まさかの浦和加入。的確なコーチングとポジショニング、その俊敏性を活かしたシュートストップ能力の高さには定評があり、長いこと西川さんの独壇場となっている浦和のGK陣にポジティブなポジション争いを起こせるかと期待されたわけですが、西川さん強すぎってことで榎本さんほどの実力を持ってしてもレギュラーを奪うには至らずリーグ戦では出場機会なし(途中怪我もありましたけど)。年齢のこともあってだと思いますが、このままセカンドGK以下の地位でくすぶっているわけにもいかないでしょう。横浜F・マリノスユース時代に指導を受けた安達監督が率いるカターレ富山への完全移籍が確定しました。試合出場は少なかったとはいえ、彼のような人間性に優れたベテランの貢献は試合以外の部分で大きかったと思いますし、実力的にはまだまだ第一線で活躍できる選手だと思いますので、新天地でのご活躍を祈ります。
石井 僚
(浦和レッズユースよりトップ昇格)
2018年シーズンから2種登録されていた身長191cmの大型GK。年代別代表にも名を連ねる期待の選手。現時点ではまだ発表されていないので不明ですが、まずはどこかに期限付き移籍して出場機会を得るようなイメージでになるんでしょうか。それとも浦和で西川さんなどレベルの高いGKとポジションを争いながら切磋琢磨していくのか。将来の守護神に期待しつつ成長を見守りましょう。

期限付き移籍(復帰は完全移籍の方に記載)

ポジション IN 加入(所属) OUT 移籍(移籍先) メモ
FW オナイウ 阿道
(大分トリニータ)
年代別代表でも活躍する期待のFW。抜群の身体能力をもち、そのフィジカルの強さと、とんでもない跳躍力による空中戦の強さが売りのワントップ候補として2017年に千葉から加入しましたが、2018年シーズンは期限付き移籍によってレノファ山口にてプレー。リーグ戦、出場42試合、22得点(J2得点ランキング2位)という大活躍で実力を示しました。
個人的に過去の選手のデータを見ていて、J2で獲れた得点の1/2~1/3ってのがJ1での得点力かなと思うので、もし浦和に復帰したとして、出場機会さえもらえれば2桁得点を狙える可能性もあるし、他のFWの補強具合によっては戻すかなと思ったんですが、2019年シーズンは大分トリニータに期限付き移籍を延長してJ1チャレンジとなりました。まぁこの方がよい選択かと思います。しっかりレギュラーの座を奪い取って力を示してもらいたい。ちなみに契約上、浦和との対戦には出場不可。
武富 孝介
(湘南ベルマーレ)
埼玉県、旧浦和市出身。スピードとドリブルテクニック、攻守でハードワークできるフィジカルを活かしたプレーが特長のストライカー。裏抜けのうまさ、ゴール前にタイミング良くマークを外して入り込んでいくオフザボールでの動きの質はJリーグでもトップクラスと、大きな期待を持って2018年シーズンの移籍で浦和に迎えられたわけですが、特にオリヴェイラさん就任後はインサイドハーフ、シーズン終盤で採用したトリプルボランチシステムにおいては守備面でのプレー強度不足といった、本来ストライカーである彼の特性とは異なる点で長澤さんや途中交代でも柴戸さんなどの後塵を拝して期待通りの出場機会がつかめず、2019年シーズンは出場機会を求めて湘南ベルマーレへの期限付き移籍となりました。彼の豊富な運動量は湘南では必須となる持ち味ですし、実際に以前の所属時に結果を出しているので恐らくハマるんじゃないかなと。契約上、浦和との対戦には出場できませんのでウチの試合以外でしっかり活躍してくれることを期待しています。
MF 井澤 春輝
(徳島ヴォルティス)
各年代別代表にも名を連ねる攻撃的ミッドフィルダー。浦和レッズユース所属中の2017年にトップチームに2種登録→2018年トップ昇格。そのまま徳島ヴォルティスへの期限付き移籍で武者修行中でしたが、2019年シーズンも引き続き徳島でのプレーが確定しました。残念なことに2018年シーズンは序盤に右ひざ内側側副じん帯損傷、外側半月板損傷都という大怪我をおって手術したこともあり出場機会をつかめないまま終わってしまいましたが、来シーズンはしっかりコンディションを整え、まずは徳島でレギュラーを獲得できるところまで飛躍して欲しいなと思います。
伊藤 涼太郎
(大分トリニータ)
作陽高校から2016年に加入の高卒ルーキー。2017年10月に水戸への育成型期限付き移籍→2018年シーズンは第3節のカマタマーレ讃岐戦でプロ初得点を決めるなど、リーグ戦、出場34試合、9得点と主力として活躍。さすがの逸材ぶりを発揮しましたが、とはいえそのまま今の浦和に戻っても彼のポジション的には厳しいのは明らか。2019年シーズンは大分トリニータへの期限付き移籍が確定しましたがこれはよい判断だと思います。J1でしっかり結果を出して成長した姿を見せて欲しいなと思います。ちなみに彼もオナイウさん同様、契約の関係で浦和との対戦には出場不可。
エヴェルトン
(FCポルト)
エヴェルトン・ダ・シウヴァ・ペレイラ。ブラジル、サンパウロ出身の26歳。フルミネンセFCでプロキャリアをスタート後、2014年にポルトガル1部のポルティモネンセSCへ。2018年にFCポルトへ移籍後、古巣ポルティモネンセSCに期限付き移籍(移籍期限は2019年の6月まで)して18/19シーズンを戦い、プリメイラ・リーガで15試合出場 1ゴール、4アシスト。ポジション的にはセントラルMFを主戦場にする攻撃的な選手ですがゴールよりもアシストが多いところからもチャンスメイカーといった感じなのかもしれません(プレー動画探してみたんですがこの手の動画って前の選手は得点シーンしかなくてあまり参考にならないんですよね)。
タイプ的にはファブリシオさんと近い気がしますので、ウチでのポジション的にはファブリシオさん、長澤さんや武藤さん、ナバウトさんあたりと争うことになりそうですが、どういうプレースタイルなのか気になる選手です。
DF
GK

移籍情報がある程度出そろった時点での寸評

2018年12月27日時点
ちょっとまだ移籍情報としては出そろっていない感があるので、ひとまず記事は公開しましたがまた後で追記します。

現時点では、2018年シーズンに期限付き移籍で出していた選手の復帰はなし(山形に出していた茂木さんだけ今夏に戻ってますが)で全員、完全移籍か期限付き移籍延長。ズラタンさん、忠成さんの退団に対してFWの補強は杉本さんのみでこれからという印象。最終ライン、特に中央ラインの補強に関しては今のところ順調な滑り出しといった感じでしょうか。

2019年シーズンはACL枠も含めてまだA契約の枠(25人+2人)に余裕があるので今後の動きにはまだまだ注目です。

2018年シーズンは、怪我で離脱する選手が非常に多かった(例えばファブリシオさん、ナバウトさん、ズラタンさんの外国人3人が負傷で長期離脱しましたし、長澤さん、森脇さん、直輝さんなども1ヶ月以上離脱する負傷をしています)ので、主力として出続けていた選手にはかなり負荷がかかったんじゃないかなと思いますし、ACLも入ってくるので「選手層の厚さ」というのは2019年シーズンのポイントになりそう。

後はキャンプが始まればオリヴェイラさんの2019年シーズンの構想もある程度見えてくるかなと思いますので年明けが楽しみですねと。

2019年1月19日時点
2019シーズン加入記者会見、新ユニフォーム発表会が16日に行われ、22日からは第1次トレーニングキャンプの開始が控えている状況。2019年シーズンの体制は一旦整ったと思いますので寸評更新します。

全体評

月並みな感想になってしまいますけども、今シーズンの補強は素直に成功と言っていいレベルの補強ができたんじゃないでしょうか。

昨シーズン、主力として活躍した選手の流出はなし。一方で他クラブから獲得した選手は、ほぼ前所属クラブにおいて主力級の働きをしていた選手ばかりですし、汰木さんを除けば全員日本代表経験者という豪華なメンツ。そこに海外からエヴェルトン選手という、Jリーグでのフィットに関してはまだ未知数ながらポルトガルリーグではしっかり結果出している選手も獲得、さらに大卒の岩武さんも年代別代表の常連だったりと、まさに「即戦力」をしっかり補強できました。

さらに、補強した選手のポジション的にも、昨シーズン主力と務めた選手がいるポジションにそれぞれ強烈なライバルとなるレベルの選手が補強できていて素晴らしいなと。そのポジションをできる人がいないところにできる人を連れてくるっていうのは単純に「補充」であり、すでに適任者がいて、その選手でも十分レベルが高いところにさらに競争が生まれるレベルの選手を連れてくるのが「補強」だと思っていますので、その意味で、今シーズンは各ポジションにおいてそういう状況が生まれそうなのは吉兆。

「2チーム作れる戦力」なんて言葉も聞かれましたけども、今シーズンクラブが目標とした「Jリーグ制覇」と「ACL制覇」を同時達成するにはそのくらいの選手層は当然必要なので、立てた目標に対して、クラブも補強という面でしっかり仕事しなんじゃないかなと思います。

注目のポジションは左サイド

オリヴェイラさんが今シーズン、昨年と同様の 3-5-2 システムを主軸にするのか、それとも 4-4-2 や 4-2-3-1 など、4バックを主軸にしていくのかわかりませんが、補強したメンツを見る限り、その両方に高いレベルで対応できる人材がそろいました。その中でも特に個人的に注目しているのが左サイド、ウガのポジションですね。

過去、ミシャさんの時代からウガが左サイドでポジションを獲得以降、様々な選手が彼のポジションを奪おうとチャレンジしてきましたが、結局今までのところウガの牙城を崩すに至った選手は存在しません。

ウガとポジションを争った選手達のレベルが低かったなんてことは当然ながら全くなく、スピード、クロスの精度、シュート力など、1つ1つの能力だけを単純に比べればウガよりも優れた選手は多々いたと思いますが、気がつけばウガがポジションを守り続ける結果となってきました。

ウガはJリーグの中でスピードが飛び抜けて速いわけでもありませんし、トラップやクロス、シュートの精度に関しても(大変失礼ながら)常に安定して精度が高いわけではないけれど、たまにすげぇプレーするっていう、所謂ホームランか三振かといったタイプの選手(と言ってもホームラン率が高いので不動のレギュラーなわけですけども)。しかし彼の強みはその高い戦術理解能力と、その戦術に即した適切なポジショニング能力。さらに彼のレギュラーを確固たるものにしている最大の強みとして、ポジティブトランジションで出ていくタイミングの絶妙さと、他ポジションの選手との連携力が抜群に高いという点が挙げられますが、それらを総合すると結局ウガが左サイドのファーストチョイスになるっていう。

そんな状況が続いているうちに気がつけばウガも30歳を超えるベテランの仲間入り。もちろんこのままウガが活躍し続けてくれること自体は望むものの、同時にウガが偉大な先輩であるヒラさんを超えていくことで浦和の中心選手へと成長したように、そろそろウガのポジションを脅かす存在が現れてくれないといかんでしょう、というところでのマリノスから山中さん加入と。

今オフの噂では川崎から車屋さんの獲得を狙っていたという話が出ていましたが、それが断られちゃったってことで代わりが現役代表クラス、しかも左利きの左SBってのはクラブも頑張ったなと。ということで、過去最強と言えるレベルのライバルがウガとポジションを争うことになりますがここのポジション争いは注目です。

もちろん、オリヴェイラさんが4バックを採用したりした場合、ウガをSHに、山中さんをSBっていう共存の可能性もありますけども、左のSHであれば山形から加入の汰木さんも強烈な個性を持っていますし、荻原さんも虎視眈々とレギュラーの座を狙っていると思いますので、誰がこの熾烈な競争を勝ち抜くのか、今からとても楽しみです。

柏木さんの代わりがいない問題について

今年は各ポジションで、誰が出てもおかしくないレベルの選手がそろいましたが、それでも柏木さんのところだけは明確に「柏木さんの代わり」って言える人はいないですね。でももうそれは無理だと思ってるので個人的には気にしていません。というのはゲームメイクできて、90分守備もサボらず、しかも正確無比なキック精度を持ったあのポジションの選手なんて他チームみてもほぼ皆無。川崎に憲剛さんが1人しかいないように、あるいはピルロさんやシャビさん、モドリッチさんの代わりなどいないように、柏木さんと"同じ事ができる"代わりなど見つかるはずはないと。

なので、柏木さんがいるといないでサッカーの内容が多少変わってしまうのはもう仕方ないとして、今シーズンの補強によって、よりぶ厚くなった中盤の選手層をフル活用しつつ、相手チームや試合の状況に応じたローテーションがうまくできるといいんじゃないかなと思います。そういうのはオリヴェイラさんはうまいので、どういう選手の組み合わせを見つけてくるのか非常に楽しみです。

ということで、今シーズンの補強に対する感想はこんなところにしておきましょう。選手契約枠的にはまだ余裕ありますけども、補強した選手がかなり大物ばかりなので強化費的には結構ギリギリなんじゃないかなと。現時点でもこれだけの補強ができていて、夏の移籍ウィンドウで状況に応じて追加の補強ができる可能性を考えれば、シーズンのスタートとしては十分な戦力をそろえてくれたんじゃないでしょうか。

トレーニングキャンプが始まると、今シーズンの方向性が明確に見えてくると思いますので、開幕までのひととき、その辺にも注目しつつ楽しみたいと思います。

参考リンク

浦和以外の2018-2019シーズン移籍情報について確認したい場合は下記に全クラブの移籍情報がまとまっています。

ちなみに去年のやつは下記

この記事について浦和レッズサポーター向けFacebookグループでメンバーの方々との意見交換などもしています。詳しくはこちらをご覧ください

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