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天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準決勝 vs鹿島アントラーズ

2018年シーズンもリーグ戦は全日程を終了し、残る試合は天皇杯の最大2試合、準決勝と決勝を残すのみ。リーグ戦は5位と前半戦の監督交代を含むゴタゴタの割には持ち直したとはいえ悔しい結果。リーグ戦で逃したACL出場権獲得のためにも、そして2016年のルヴァンカップ以来、久しぶりの国内タイトル奪取のためにも天皇杯制覇に期待が膨らむ中、まずは準決勝。対戦相手は鹿島アントラーズと。

鹿島がACLタイトルを獲ったことで、CWC(FIFAクラブワールドカップ)参加の関係上、天皇杯の日程が大幅に繰り上がり、今日の準決勝後は週末に決勝というある意味ハードスケジュール。しかも会場は鹿島のホームスタジアムであるカシマスタジアムと、ウチにとってはやりにくい状況ではありますが、そこはきっちり跳ね返して、決勝の地、埼スタに戻ってきたいところ。

天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会 準決勝 vs鹿島アントラーズ

さて今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤は青木、柏木、長澤を並べた3ボランチ。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。武藤、興梠の2トップという並び。GKは西川。

先週末に行われたリーグ戦の最終節では天皇杯を見越して大幅なスタメンの入れ替えを行っていましたが、当然、この試合では温存した主力を全員先発。怪我で離脱していたマウリシオさんも何とかこの大一番に間に合って3バックのセンターを務めます。

対する鹿島はいつも通りの 4-4-2。ただし中盤でレオ・シルバ選手、三竿選手が不在ということで、西選手を永木選手と組ませてボランチに。右サイドには内田篤人選手を起用という布陣。2トップにはセルジーニョ選手と鈴木優磨選手を並べます。

試合は立ち上がりから両チームともにバチバチにやり合うインテンシティの高い展開に。主審の福島さんが後ろからのチャージに関しては比較的細かくとるものの、それ以外のフィフティなコンタクトに関してはかなり流し気味のジャッジをしたため、球際は非常に激しいものになりました。そして流れ的には鹿島優位の展開に。

システム上、4-4-2 の鹿島に対してウチの 3-5-2、守備時 5-3-2 のシステムはトリプルボランチが中央に構えて強固なブロックを作れる反面、中盤のサイドでどうしても数的不利になります。特に相手のボランチに対してウチのボランチの1枚が出ていって 5-2-3 のような形になると中盤 2枚の両サイドを使われるため、ここにサイドから斜めに楔を入れられたりするとバイタルエリアでどうしても守備が後手に回りがちになりますし、実際に前半は右サイドの内田選手からバイタルエリアに斜めにパスを通されるケースも多く、ここで対応が遅れると起点を作られて2トップに裏抜けを狙われる危険なシーンに直結します。

これに対してウチは最終ラインからマウリシオさん、中盤の底を守る青木さんが相手2トップに対して相手アタッキングサードではほぼマンマーク気味について行ってぶっ潰す守備が徹底されていたのと、サイドも岩波さん、槙野さんが鹿島の攻撃の起点となるサイドハーフ2枚に対してマンマーク気味に徹底的についていくやり方を採用していて、この辺は 4-4-2 システムとのミスマッチを突かれることを前提に対策がとられていたのではないかと思いますが、逆に言えば鹿島に対してリアクションから入った結果、かなり押し込まれて耐える展開の立ち上がりになりました。

しかしこういう状況でもセットプレーから得点できるのが今季のウチの強み。まさにその狙い通り、27分、右サイドからのコーナーキックは柏木さんが蹴ったボールに、ファーサイドでマウリシオさんが超絶打点の高いヘディングを叩き込んで先制。試合の流れ的には鹿島でしたが得点ではリードを奪ってその後もセットプレーから決定機を作るなど、徐々に流れもこちらに引き寄せつつ前半は1点リードのまま折り返し。

ただこの日はケガ人が続出するというアクシデント。前半終了後に興梠さんがピッチで動けなくなっていて「興梠さん大丈夫かね・・・」って話してたんですが、案の定後半立ち上がりに自ら交代を申請。51分に忠成さんを投入して1枚目のカードを切る形に。さらに65分には武藤さんまで足首を痛めて柴戸さんとの交代を余儀なくされると、とどめは72分、青木さんが倒れた際の手の付き方が悪かったのか、左肘を痛めて動けず、阿部ちゃんを投入と、まさかの負傷交代で交代カードを使い切るという状況に。これはさすがに想定外。

現時点で伝わっている情報を見る限り、興梠さんは「決勝戦に影響が出たら困るから自分から交代した」とインタビューでも答えたようなので大きな怪我ではなさそうでまずはひと安心。武藤さんもオリヴェイラ監督のインタビューで決勝に向けて治療に全力を挙げるとのことでしたからもう決勝は無理って言うような深刻な感じではなさそう。青木さんは担架で運ばれているときすごく痛そうな表情だったので心配ですがちょっとまだ怪我の詳細がわからないので骨折や靱帯の損傷など深刻でないことを祈るばかりです。

後半はまさに死闘。武藤さんの交代後は忠成さんを1トップした 5-4-1 で守備ブロックを作り、1点を狙って前に出てくる鹿島に対してディフェンスラインだけでなく、全選手が身体を張ってゴールを死守します。本来カウンターに強みのある鹿島が1点を追って出てきてくれたことで終盤、ウチは守ると言うことに専念できたのは大きかったと思いますが、それでも終了間際、ウガが気合いでかき出したボールなんかは失点してもおかしくないほど際どいシーンでしたし、あの辺は選手達が最後まで集中力を切らさずに戦ってくれた結果だと思いますので本当に素晴らしかったなと。後半アディショナルタイムには西川さんの治療で少し時間が止まって試合終了までが長く感じましたけども、何とか守り切って3年ぶりの決勝進出となりました。

さて、これで今週末の日曜日に埼スタでの決勝戦となりました。他会場の結果により、決勝の対戦相手は仙台。準決勝で強敵の鹿島を退けたとはいえ決勝で負けては意味がありません。中央レーンの3人が負傷交代というちょっと心配な状況ではありますが、そこは選手、フィジカルスタッフの頑張りに期待しつつ、日曜日しっかり集中してタイトルを奪取したいですね。

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試合データ

観客: 13,949人
天候: 晴
試合結果: 浦和 1-0 鹿島(前半1-0)
レッズ得点者: マウリシオ(27分)
警告・退場: -
主審: 福島孝一郎 氏

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。