2018 Jリーグ 第17節 ヤンマースタジアム長居 アウェー セレッソ大阪戦
前節は1ヶ月ちょっとの中断期間を経てのリーグ戦再開初戦でしたがホームで名古屋に 3-1 と快勝。リーグ戦後半戦に向けて、さい先のよいスタートを切ったわけですが、続く第17節は、アウェーでセレッソ大阪との対戦。
前回対戦した名古屋は現在最下位と、低迷中のチーム。一方セレッソは現在首位とは勝点で14離されてはいるものの、3位とは勝点4差の4位につけているチーム。ここできっちり勝ちり、連勝できるかで、後半戦の勢いも変わってきそうな重要な対戦となりました。
写真は「DAZN」中継映像から引用。今節は現地行けなかったのでテレビ観戦でした。
さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、マウリシオ、槙野。ダブルボランチに青木、柏木。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。2シャドーに武藤、ファブリシオを置いた上で、1トップに興梠という並び。GKは西川。
新加入のファブリシオさん、ベンチスタートを予想してたんですが、いきなりスタメンでの登場。また、この試合の前日、遠藤さんのベルギー1部リーグへの完全移籍が発表され、遠藤さんは今節が浦和でのラストマッチになりました。
なんとも急な話ですが、茂木さんをレンタル移籍から復帰させたり、森脇さんがセンターのポジションをやっていたりと、ある程度以前から予測していたことなのでしょう。まぁとにかく遠藤さんのためにも勝って送り出したい試合になりましたね。
で、ウチはシステム的に3バックを継続中。守備時には 5-4-1 の形にして最終ライン、中盤に人をそろえるやり方。対するセレッソは 4-4-2。前線に杉本選手、ハイボールのターゲットにもなる山村選手を並べ、中盤には山口蛍選手、ソウザ選手、左サイドには元浦和の高木選手も先発。前節の清水戦からは5人ばかし人を入れ替えてきましたが、セレッソさんはACLの関係で超連戦なのでその辺の事情もあったと思われます。
セレッソは前線からのプレスのハメ方、守備時の立ち位置が非常にオーガナイズされていて、2トップがウチの最終ラインにプレスをかけつつ、中盤、サイドの出足も速いため、特に前半に関しては中盤で思うようにボールを持たせてもらえず、打開策として両ワイド、トップの興梠さんや2列目から飛び出すファブリシオさん、武藤さんを狙ってある程度中盤を省略してでも裏を狙うやり方をしていましたが、サイドを抜けてもニアゾーン(ペナルティエリア角付近)には侵入できず、アウトサイドからのクロスくらいしか入らないため、高さ的に優位性のないウチの前線ではフィニッシュに結びつかず、かなり苦しい立ち上がりとなりました。
一方、ウチの守備に関して、これは別のレビューでも何度か指摘していますが、5バックになって最終ラインに人を並べることで、一見守備的には堅そうに見えますが、ボランチを含めた2列目との連携という点ではまだまだ未熟で、例えばボランチが出ていった際やサイドに引っ張られた際に、そこを最終ラインから誰か出て埋めるというような連動ができないため、相手があえて中途半端な位置でボールを受けてボランチが引き出されたりすると、それによって空いたバイタルエリアのスペースで起点を作られるなどしていました。セレッソなど上位チームと対戦すると明確にそこを狙われるのでこの辺は改善が必要な点かと思われます。
さらに特に前半はですが、相手が 4-4-2 で中盤のサイドで数的なミスマッチが生まれているにもかかわらず、インサイドハーフのプレスバックが遅れて橋岡さんやウガが数的不利な状況での守備を強いられている時間帯もあり、この辺のオーガナイズも気になるところ。もちろん30度を超えるコンディションの中、運動量を上げるのは容易ではないですが、それでもそこをやらなければ守備が機能しないわけですので、キツイとは思いますが頑張ってもらいたいところ。
また、これも気になっているんですが、組織的な連動がない一方で、ディフェンスはかなり人(相手)を捕まえに行く守備の仕方をしますが、例えば失点することになったコーナーキックを与えるきっかけになったのもバイタルで杉本選手に入ったところに槙野さんが食いついたのをターンされて外され、そこからミドルを打たれたところ(シュート自体は西川さんが弾いた)なので、人に付く意識が強いこと自体はまぁいいとしても、遅れているにもかかわらず無理な食い付き方して外されるっていうのが目立ちすぎます。
対応で先手がとれないと判断したならターンさせないことやパスコースを切ることを最優先に寄せるという切り替えが必要ですが、なんでもかんでも食いつくのはやめて欲しいなと。ちょっと厳しい言い方ですがインテリジェンスが足りないと言わざるを得ません。
とまぁなんか守備面での文句ばっか言ってる感じになっちゃいましたが話を試合に戻しましょう。
前半のうちに失点しますが、これはコーナーキックをニアに蹴られて、これを西川さんが弾いたところを詰めていた高木選手に押し込まれてという形(トシさん、恩返しゴールとかいらんのやで)。あの状況だと西川さんも弾くしかないかなという感じでしたので、味方(たぶんヘディングでクリアしようとした青木さんかな)が視界に入ってきて弾き方が中途半端になってしまったのはもったいなかったですが、まぁあの嫌らしい位置に速くて低いコーナーキックを蹴ったソウザ選手を褒めた方がいい気がします。
ある程度ウチがやりたい形を出せるようになったのは後半、立ち上がりのセレッソの攻勢を乗り切った辺りから(立ち上がり直後に杉本選手にもう「終わった」ってレベルの決定機を作られましたが、西川神がビッグセーブしてなんとかしのいだりというシーンはありましたけども)。セレッソ中盤の運動量が少し落ちた状況で、徐々に中盤でボールを保持できるようになると、そこからサイドや中央の裏を狙う形でチャンスを作り始めます。
この辺、セレッソの運動量が落ちてくる状況でもウチの運動量は落ちずに走り勝てた点については、オリヴェイラさんがキャンプで鍛え上げたフィジカルがプラスに作用しているといっていいでしょう。また、今節もそうでしたが、泥臭く走り勝って相手を押し込み、コーナーキックから得点するっていう、正直、戦術的に華々しさはないですが、逆に言えばオリヴェイラさんが狙いを持って取り組んだトレーニングが功を奏しているともいえるわけで、その辺は評価すべきかなと思います。
67分には最初の交代カードとしてウガ→荻原さん。両ワイドをユース出身者にするいつもの策でサイドの運動量を増加させます。この辺の相手の嫌がることをピンポイントでやってくるオリヴェイラさんはマジ味方にするには頼もしいけど敵だったらほんと嫌な監督さんです。
さらに70分、柏木さん→阿部ちゃんと交代。ただこれは柏木さんが痛めたっぽい感じでしたので、想定外の交代と思われます。とはいえ入ってくるのが阿部ちゃんなのでその点での心配はないわけですが、柏木さんが中盤でボール持てるようになってリズムが出てきていた矢先だったのでちょっとそこは残念でした。
ただ、78分、コーナーキックを得ると、ファーサイドで頭ひとつ抜けて相手に競り勝った槙野さんが落としたボールを興梠さんがワントラップからとんでもないキレのある反転ボレーを叩き込んで同点。試合を振り出しに戻します。
この得点直後には最後の交代カードとして武藤さん→マルティノスさん。興梠さんの下にファブリシオさん、マルティノスさんを並べるっていうある意味凶悪な前線の組み合わせでさらに得点を狙いにいきますが、逆に西川さんのビッグセーブで救われるシーンなどもありつつそのまま 1-1 で試合終了。勝点1を分け合う結果となりました。
今回先発したファブリシオさん、前半は興梠さんとの立ち位置やコンビネーションでまだ未整理の部分が多かったのか、2トップ気味に並んでしまって興梠さんのプレーエリアを消してしまったり、前線へのロングフィードに対して反応が遅れるなどちょっとフィットしていない感は出ていましたが、さすがの適応力。徐々に興梠さんと適切な距離感を保ちつつ、攻撃のアクセントになっていて、これはかなり期待できそうな感じでした。
単独で打開できる能力がありますし、ミドルレンジからのシュートにパンチ力もあるので、あとは周囲との連携がもう少し整ってくれば面白くなりそう。攻守転換でとりあえず彼に当てておけば収めて前向いてくれるっていう強さもありますし。
以前にも書いた通り、マルティノスさんはある程度中盤にスペースが出来た時間帯ので投入の方が彼の持ち味も活きるし、相手にとっても脅威だと思いますから、前半は武藤さんにしっかり走ってもらって守備的にもがんばって頂いて、後半からマルティノスさん、ファブリシオさんを並べるという今回のやり方は今後のスタンダードになる予感がします。
さて、次もアウェーが続きます。しかも首位を独走しているサンフレッチェ広島との対戦ですので、なんとか勝点を拾ってホームに戻ってきて欲しいなと思います。遠藤さんのところはどうなるんですかね。3バックでコンディションさえ整えば森脇さんもいますし、もちろん岩波さん、戻ってきた茂木さん辺りも虎視眈々とレギュラーの座を狙っているでしょう。よい競争が生まれてチームのレベルが上がってくれればいいですね。
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試合データ
観客: 27,915人
天候: 晴
試合結果: C大阪 1-1 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: 興梠(78分)
警告・退場: マウリシオ(警告×1/ラフプレー)、マルティノス(警告×1/ラフプレー)
主審: 福島 孝一郎 氏
順位:12位(5勝6敗6分/勝点21/得失点差+1)
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