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スルガ銀行チャンピオンシップ2017 埼玉スタジアム2002 シャペコエンセ戦

他のチームが先週末に戦っていた第22節を一足先に消化していたウチは週末のリーグ戦はお休みでした。週が明けての火曜日、スルガ銀行チャンピオンシップ2017が開催され、ブラジルのシャペコエンセ(正式には「アソシアソン・シャペコエンセ・ジ・フチボウ」)をホーム埼スタに迎えての対戦となりました。

スルガ銀行チャンピオンシップは、前年のJリーグ YBCルヴァンカップ優勝チームと、コパ・スダメリカーナ(Copa Sudamericana)優勝チームが王者を決定するカップウィナーズカップであり、所謂、大陸間タイトルマッチです。

スルガ銀行チャンピオンシップ2017 埼玉スタジアム2002 シャペコエンセ戦

2016年のコパ・スダメリカーナは、今回来日したシャペコエンセと、コロンビアの名門クラブ、アトレティコ・ナシオナルによる対戦カードとなりましたが、2016年11月28日、決勝1stレグに出場するために試合開催地であるコロンビアに向かっていたシャペコエンセの選手・関係者が搭乗する航空機が墜落するという事故により選手の大半、さらに多くのチーム関係者が亡くなるという最悪の事態に。

これによって決勝戦は延期となりましたが、後にアトレティコ・ナシオナルの意向もあってシャペコエンセにタイトルが譲られることになり、今回のスルガ銀行チャンピオンシップ2017への出場権を得たかたち。世界中のサッカーファンを悲嘆に暮れさせた悲劇から約9ヶ月、チーム再建の途中ながら、遙々地球の裏側からタイトルを目指して来日してくれました。ウチとしてもスルガ銀行チャンピオンシップは初の参戦。しっかりいい試合して、できればタイトルも獲っておきたい対戦となりました。

さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、マウリシオ、槙野。ボランチに阿部ちゃん、柏木。両ワイドに駒井とウガ。武藤、ラファエル・シルバをシャドーに、ズラタンのワントップ。GKは榎本。

今月新加入したブラジル人DF、マウリシオ・アントニオさんが浦和での公式戦デビュー。関根さんが抜けたことや最近菊池さんがスタメンに食い込みはじめて変化が大きい両ワイドはウガと駒井さんが先発。さらにズラタンさんがワントップに入る前線トライアングルでのスタートとなりました。

興梠さんや忠成さんは休養のためもあってか帯同メンバーから外れ、ベンチには長澤さんや矢島さん、オナイウさんなど若手に加え、リーグ戦に引き続きヒラさんが控えるといった陣容。

対するシャペコエンセは、普段試合を観ていないのでどういうチームかあまり知らない状態で観たわけですが、基本フォーメーションは4-3-3(中盤にアンカーを置いた4-1-2-3のような形に見えましたが)で、守備時には4-4-2でブロックを作るようなやり方。

攻撃面では前線に高さのあるFW、サイドにスピードのある選手を配置したサイド攻撃に加え、南米の選手ならではの高い技術を活かしたパス交換からの崩しなど狙いは見えましたが、例えば以前対戦したドルトムントのように圧倒的なスピードやフィジカルといった怖さがあるわけでもなく、事故で主力選手を失ってしまったことで再建中のチームは全体的にタレント不足ということあり、決定的な場面というのはほぼ作られることなく、ウチもかなり慎重に戦ったこともあって内容的にはつまら...... もとい、堅い試合になりました。

守備面では最終ラインにデカくて身体の強い選手がいることと、サイドで複数人がパスコースをしっかり切りながら追い込んでくる連携した守備のレベルは高く、さらにウチの5トップが両サイドで引っ張りつつ空けたCBとSBの間のスペースにシャドーが入っていくウチ特有の動きを察知すると一時的に5バックを形成してスペースを埋めたり、前半はある程度フリーでやらせてくれていた柏木さんが攻撃のキーマンとわかると、後半からはしっかりマンマーク気味について消しに来るなど、相手の長所を発揮させない戦い方や修正力はさすがと言ったところで、こちらもなかなか決定機というものは作れない時間帯が長く続きました。

気になる新戦力のマウリシオさんは、リベロでの先発でしたが、かなりよい出来だったんじゃないでしょうか。さすがに守備時のポジショニングや判断力、さらに奪うと判断した時のボール奪取能力は加入決定時に観たプレー動画でも感じていたとおりかなりレベルが高いのと、ロングフィードの精度も高く、その点では以前所属していた永田さんを彷彿とさせ、永田さんをプレー精度、メンタル的にしっかりさせた感じでしょうか。

また、単に守備面だけなら強い選手はいくらでもいると思いますが、ウチのリベロに入る場合、ビルドアップの能力や状況を見て縦に付けていくような攻撃面での働きも求められます。この点でも前述したロングフィードの精度、さらに何本か下りてきたシャドーに速い楔を入れるシーンがあって、その辺の戦術理解度も高いことが見てとれましたので、これは期待してよさそう。左右両足で蹴れるのも大きい(本来の利き足は右)。あとは早いところリーグ戦で観てみたいです。

とはいえ、彼が入ったからといって守備の課題がすべてクリアされるような過剰な期待は禁物。彼は救世主ではないし、1人の加入でチームが抱えているすべての問題が解決するような単純な話ではないですから。

注目したいのは、彼をリベロで使うとして、遠藤さんをどこで使うのかで色々と変化が起こりそうだという点。例えばマウリシオさんが最終ラインに入ったことで遠藤さんを1列上げてボランチにした場合、柏木さんをシャドーに上げて阿部ちゃんと組ませるのか、あるいはこの試合で試していましたが、森脇さんのところに入れてマウリシオさんと横関係にするのか......

遠藤さん的にはボランチでというのが本来の気持ちなんじゃないかと思いますが、柏木さんをシャドーに上げてしまった場合、柏木さんにかかる守備の負担は減って攻撃に専念できるようにはなるものの、前線トライアングルの組み合わせ、またプレーエリア的にスピードやパワーの無い彼が消えてしまう可能性も否めず、各ポジションの競争が強化されるという点ではよいものの、スターティングメンバーをどのような組み合わせにするのかという点では選択肢が増えた分悩みも増えそうな感じですね。

で、もう一点注目したいのが前線トライアングルの組み合わせ。これに関しては再考する必要がありそう。特にラファさんのシャドー起用は前節の甲府戦でも選択されていましたが、個人的にはやめた方がいいんじゃねーかなという感想。

最近のラファさん、周りとコンビネーションするという意識が薄く、単独突破に固執する傾向があるのと、周りも彼がボール持ったときにサポートせずに任せちゃう空気みたいのが感じられることも相まって、中盤で強引なドリブル→潰されて相手カウンターの起点になっているケースが多々あり、それでも失ったボールを取り返そうとしっかりプレスバックするところは素晴らしいんですが、守備があまりお上手じゃないので後ろから引っかけてファールになったりというケースも多く、シャドーに置いとくにはリスク高いんじゃないかなと。

今回は興梠さんが帯同していなかったので、ズラタンさんとの組み合わせ、さらに相手最終ラインにデカくて強い選手が多かったことを考えれば無難な組み合わせなんだと思いますが、興梠さんがいる場合の彼の使い方というのは後半戦のポイントになりそうな感じがします。

この試合で言えば、前線トライアングルが機能したとは正直言い難く、サイドで屈強なディフェンスに突破を阻まれてほぼ仕事させてもらえなかった両ワイドと合わせて、攻撃面での良さはほとんど出なかったと思いますが、これはリーグ戦でも同様、守備面に意識を振った影響もあってか、攻撃面での連動性や迫力といったものはかなり落ちていて、だからといって守備面がとてつもなくよくなったというわけでもないことを合わせて考えると、今後上位チームとの対戦においては心配な点も多いなぁというのが正直なところ。まぁ心配ばかりしていても仕方ないんですけどね。

さて、試合の方は終了間際にペナルティエリア内でズラタンさんが倒されたってことでPKゲット→阿部ちゃんがPKを冷静に決めてこれが決勝点に。

PK自体はなんていうか、90分で試合終わらせたかったんだろうなっていう感じの微妙な判定(っていうか競って倒れた相手選手にズラタンさんがつまずいてコケただけでファールじゃなかったと思いますけど)でしたが、まぁもらえたものはラッキーということで。

個人的には相手選手たちが主審囲んでる間、ぜってー俺が蹴るんだもんって顔してペナルティーマークのところでボール抱えてたラファさんからさくっとボールを回収(「監督が俺が蹴れって言ってるから」みたいな感じで説明してましたね)すると、あとは再開するまでゆったり待ってる阿部キャプテンの冷静さがツボでした。

ということで、ちょっと終わり方はあっけなかったですが、勝てたこと、タイトルを獲れたことは必ずプラスに働くと思いますので、この勝利を続くリーグ戦やACLにつなげて欲しいなと思います。

(vamos nos encontrar novamente nos campeonatos mundiais!! amigos!!! - 友よ、世界の舞台でまた会おう)

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試合データ

観客: 11,002人
天候: 雨
試合結果: 浦和 1-0 シャペコエンセ(前半0-0)
レッズ得点者: 阿部(90分+4分/PK)
警告・退場: ラファエル・シルバ(警告×1)
主審: キム・ジョンヒョク 氏

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