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2017 Jリーグ 第23節 埼玉スタジアム2002 FC東京戦

前節はアウェー甲府で柏木さんの決めた1点を守りきって勝利、堀さんに監督が交代して初の勝利となりましたが、その後行われたスルガ銀行チャンピオンシップ2017でも勝利し、このいい流れをリーグ戦にもつなげたい状況でホーム埼スタに迎えたのは、ここ10年以上埼スタではお得意様状態のFC東京(ちょっと調べたらウチが埼スタで最後に東京さんに負けたの、2003年7月12日のJ1第12節で、それ以来、引き分けはあるものの無敗)。

相性的にはよい対戦相手ながら、ウチも監督交代があった後で試行錯誤中ですから油断はできない試合。しかし同時に連勝してリーグ戦での勢いを取り戻し、終盤戦をいい形で戦うためにもホームで絶対に勝利が欲しい一戦となりました。

2017 Jリーグ 第23節 埼玉スタジアム2002 FC東京戦

ちとこの試合は試合開始前の時間帯に天気が荒れまして、強い雨と、特にカミナリがすごくてそのせいで試合開始が最終的に1時間遅れる事態となりました。ピッチコンディションも気になる激しい雨でしたが、開始前に雨がかなり弱まってくれたおかげで、その後の試合をみていた限り、水たまりでボールが止まってしまうような状況にはならず、その点はよかったです。

さて、今日のスタメンは最終ラインにマウリシオ、遠藤、槙野。ボランチに阿部ちゃん、柏木。両ワイドに菊池と駒井。武藤、李をシャドーに、興梠のワントップ。GKは西川。

スルガ銀行チャンピオンシップ2017で試合途中に少し足の具合を気にしていた森脇さんですが、筋肉系のトラブルということで数試合出場が難しい状況に。それもあって、同試合ではリベロに入ったマウリシオさんが、今節、早くもリーグ戦デビューとなりました。ポジションはリベロ。森脇さんのところには遠藤さんを配置する最終ラインに。

両ワイドは菊池さん、駒井さんという布陣。前線トライアングルはリーグ戦では札幌戦以来のKLM。ベンチメンバーでは青木さんが復帰となりました。

対する東京は前線に大久保(嘉人)選手、前田選手という強力なFWを配置した 3-3-2-2 のフォーメーション。前回、アウェーで対戦した時は 4-4-2(前田選手をワントップ気味にした 4-2-3-1 に近かった記憶)で対峙する形になりましたが、その時は 4-4-2 のブロック作った上で前線から激しくプレスをかけてくるやり方に苦戦。興梠さんの負傷交代などもあってなかなか前線で溜が作れず、チャンスを作りながらも決めきれなかったことなども影響して、後半、カウンターから決めきった1点を守り切る形での勝利となりましたが、今回は少し並びをいじって、ウチの前線と最終ラインの人数を明確に合わせるやり方をしてきました。

ただ、FC東京が最終ラインを5枚にするやり方をしてきたものの、人に対して厳しくチャージには来ないこと、また、前線からのプレスもなく、ウチの最終ラインはある程度落ち着いてビルドアップすることができたことから、比較的ウチにとってはやりやすい状況が前半から整ったかなと。

さらにここのところ中央でのコンビネーションが沈黙気味で、サイドからの個人打開に偏りがちだったウチの攻撃陣も、今日は中央でのプレッシャーがそれ程厳しくなかったこともあって久しぶりに躍動。KLMはさすがのコンビネーションで、非常に良い崩しを連発できていましたが、これはウチにとって今後のプラス材料になるんじゃないかと思います。

そんな中、試合が動いたのは17分。遠藤さんから駒井さんに展開すると、下りてきた忠成さんにダイレクトで一旦預けてスプリント。これを忠成さんが即座にサイドのスペースに送ると、このワンツーで相手サイドをブレイク。駒井さんはこのスペースに抜けたボールをそのままダイレクトで中央、ペナルティエリア内にポジションをとった武藤さんにアーリークロス。武藤さんはサポートしてきた興梠さんに落とそうとするものの、このボールは相手ディフェンスに少し当たってこともあってコントロールできず、浮いてしまってちょっと本人の意図とはずれたと思いますが、興梠さんはそれをもろともせず、冷静に浮き球をボレーシュートで叩き込んで先制点。駒井さんのところからダイレクトプレーと連動した動きが連続したことで生まれた素晴らしいゴールでした。

ところがその5分後には同点に追いつかれます。

この失点に関しては守備の対応的にいくつか疑問な点がみられましたが、まず1つは菊池さんの対応ミス。最終ラインが5枚そろっている状態で室屋選手に裏に走られると、そこに大久保選手からのふわりとしたパス。これに対して菊池さんが室屋選手の動きを把握していない状態で中途半端なアプローチに行ったため、完全に外されてフリーで折り返されると、これを逆サイドで橋本選手に押し込まれてという形。あそこまで簡単に裏をとられてしまうとさすがに厳しい。

また直前の逆サイドではボールを持ちだした大久保さんに遠藤さんがつり出される形で対応にいきますが、これによって出来たスペースに橋本選手が入り込んだことで最後彼にフィニッシュされています。本来なら大久保選手への対応はボランチがするべき状況でしたが、柏木さんが大久保さんに全くついていかなったことで遠藤さんが対応するしかない状況が生まれ、これによってマークがズレるきっかけになり、人数がそろっているにもかかわらず失点する形になってしまったのは残念でした。

とはいえ、東京の守備の緩さは引き続き。30分には中央でマウリシオさんが柏木さんへの楔。これを下りてきた興梠さんに一旦預けながら中央に抜け出すと興梠さんからリターンを受けた柏木さんは忠成さんに付けます。これを忠成さんがダイレクトで武藤さんにフリックすると、武藤さんが走り込んできた興梠さんに今度こそ絶妙の落とし。これを興梠さんが振り抜くと、シュート自体はちょっと当たりそこねだったものの素晴らしいコースに飛んだボールはそのままゴールへ。失点から8分で試合を再び1点リードの状況にしてくれました。

久々に観たKLMの素晴らしい連動と崩し。さらにマウリシオさんからの楔を受ける直前の柏木さんの動き出しは素晴らしく、うまくパスを引き出したことと、マウリシオさんもそれに気がつくと瞬時に判断を変えて縦に付けたあたり、加入から時間が経っていないにもかかわらずいい仕事してくれました。

1点目もそうでしたが、2点目も前線の素晴らしい連動からの流れるような得点で、ウチ本来の攻撃が戻って来たのは素晴らしい。

試合も後半に入ると1点リードの状況でどういう交代策をとるのかも注目点に。ウチの交代策としては66分に柏木さん→青木さんとして中盤の守備固め。柏木さんは前節少し痛めてたりすることもあって水曜のACLなどを考えれば途中交代は無難。さらに71分には興梠さん→ラファさん。79分には武藤さん→矢島さんという交代。

ラファさんの投入は、ある程度守ってカウンターという狙いが見える交代策でした。また、矢島さんの投入は、柏木さんを交代させたことでセットプレーのキッカーがいなかったこともあったと思いますが、ある程度責任のかかる時間帯、状況で彼を使うことで、今後の成長に期待するといった狙いもあったのかもしれません。

で、青木さん投入後はある程度無理せず守るという感じで守備方向にパワーを振り分けましたが、それで押し込まれる時間帯が増えるかなと懸念したものの、東京も室屋選手がアクシデントで交代してしまうとサイドの迫力がかなり落ちたことなどもありそれ程押し込まれることもなく、狙い通りカウンターから何度かチャンスを作る場面が観られたため、あとはこの辺のチャンスできっちり決めきれると、もう少し楽に試合を終わらせられたのかなと。

また、マウリシオさんが中央に入ったことで、空中戦やゴール前、1対1での球際に関してはほぼウチが勝っていた状態ですので、やっぱこの補強は当たりだったと思います。彼が中央で落ち着かせてくれるおかげで、押し込まれる状況でもバタバタせずに対応ができていましたし、最終ラインに強い選手がいてくれることで全体として余裕を持ったプレーができるようになった感があります。

最後10分間くらいは東京もバンバンクロス入れてくるパワープレー状態になったため、さすがにウチも押し込まれてクロスバー直撃(高萩選手)、コーナーポスト直撃(中島選手)といったヤバイシュートの場面も何度か作られますが、最後は気合いで守り切ってタイムアップ。2-1 での勝利となりました。対戦成績的には相性が良い相手とはいえ、しっかり勝点3を獲れたことは評価すべきだと思いますし、特に前線の連動性が今日は多く観られた点が収穫でした。これを続けられるとよいのですが。

さて、次は中3日でACL川崎戦。まずはアウェーでの対戦となります。難しい戦いになると思いますが、まずはアウェーで相手に勝点3を与えないこと、あわよくばアウェーゴールを1つでも獲って有利な状況でホームに戻って来られるようにサポートしましょう。

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試合データ

観客: 31,818人
天候: 雨(荒天により試合開始時間 1時間延期)
試合結果: 浦和 2-1 FC東京(前半2-1)
レッズ得点者: 興梠(17分)、興梠(30分)
警告・退場: 槙野(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 廣瀬 格 氏
順位(第23節終了時点):7位(11勝9敗3分/勝点36/得失点差+11)

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