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Talk on Together 2012 行ってきたよ

今シーズンのJリーグ開幕まで1ヶ月を切りましたが、2月23日、浦和市の埼玉会館にて、「Talk on Together 2012」が開催されたのでちょっくら行ってきました。

流れ的には橋本社長の挨拶に始まり、その後、ミシャを交えてのトークセッション(+開場からの質問タイム)といった感じ。トークセッションの司会はサッカージャーナリストの大住良之氏が担当されました。 ありがたいことに浦議で、「Talk on Together 2012」の全文テープ起こしが公開されていましたのでそれを引用させて頂きつつ、気になったところだけピックアップしてみたいと思います。自分で録音してきたのを起こさなきゃって思ってたので助かった…

Talk on Together 2012

まずは橋本社長の挨拶から。

強くて魅力あるチームを作る、地域の模範となるチームを作るという目標に対し、後退させてしまったことを反省する1年。監督の選任に課題を残し、それが低迷の原因。

チームの不振、クラブの不透明感、多くの人の夢や希望を減少させ、メディアの露出も減り、それが来場者減につながった。

昨年9月から監督の選任をはじめた。いろいろな部門からメンバーを集め、クラブの目指す方向を話し合って決めた。チームの再建が最重要課題と位置づけた。クラブの多くの資金をチーム編成に投資し、監督や選手のリストアップをした。 この結果、すでにチーム作りでJで実績を残しているミシャ監督を招聘できた。監督とは合意後に、直接天皇杯の試合を見てもらえた。限られた時間だったが、選手の編成でも監督と強化部門が話す貴重な時間を持てた。

一丸となって2012シーズンに向かう。チームを再建し、これからの成長につなげることを、ミシャ監督とともに歩んでいく。12シーズンにおいては今回の編成の成果を、チームの変化としてピッチで示すことが最も重要と位置づけた。

宮崎、鹿児島でのキャンプを終え、十分手ごたえがあり、シーズンインを楽しみにしている。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

埼玉新聞のインタビュー (下記参照) などでも同じような内容を話されていたので目新しいことはありませんが、過去はもういいから、そこから学んだことを活かして、とにかくミシャを含めた現場をしっかりクラブ全体でサポートしてくれよっていうだけです。

Talk on Together 2012

続いてトークセッション。登壇者は下記の通り。

  • 橋本 社長
  • 山道 強化本部長
  • ミシャ 監督
  • 杉浦 通訳兼コーチ
  • 司会:大住良之 氏(サッカージャーナリスト / 「浦和レッズの幸福」などの著書あり)
Talk on Together 2012

まずは大住氏がミシャに質問。最初の方はレッズの監督に就任してどう?みたいな質問。そこはちょっと省略。その後トレーニングなどの話に。

大住:選手に聞くと練習が厳しいと言っているがどうか?

ミシャ:私にとっても選手にとっても、我々の仕事をプロフェッショナルとして遂行しなければならない。何かあったらいつでも聞きに来て欲しいというスタンスでやっている。1か月やってきたが、楽しい雰囲気でできている。練習するときはやるし、オンとオフの切り替えをしながらやっている。

大住:選手にはどういう取り組み方を望んでいるか?

ミシャ:まず、選手に求めるのは走ること。走らなければサッカーにならない。走る中でもインテリジェンスを求めている。コンビネーションをやる中でも頭を使うことが大事。選手に言うのは考え無しに走るのはよくない。考えるだけで走らないのはよくない。走ること、考えることを両方しなければならない。トレーニングの中で日々そのことを言っている。

大住:選手はそれぞれ目標を持っていると思うが。

ミシャ:まず、ノーマルであれば選手の1つめの目標は、チームのため、クラブのためでなければならない。チームあってのものだから。クラブは存在し続ける、選手と監督は入れ替わる。クラブとサポーターは居続ける。選手は、まずチームのためクラブのために戦わなければならない。

選手個人の2つめの目標は、たとえばレギュラーをとる、代表になる、という個人的な目標を持たなければならないが、第1はクラブのものであるべき。個人の目標は2番目であるべき。ありがちなのは自分が成功することばかり考え、チームはどうでもいいと思うことだ。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

続いて話題は得点のお話へ。

大住:ジャーナリストは馬鹿なことを言うものとして許して欲しい。

合宿の練習試合で18点取ってるが、8試合で10人が点を取っている。このペースで1年を考えると40人が点を取ることになる。このペースなら1年で72点取れる。

このように、たくさんの選手が点を取るのは特徴だと思うが。

ミシャ:日本ではゴールゲッターが必要だというが、本当にお金を積んで、ゴールを量産してくれる選手は多くない。われわれが払える金額では日本には来ないと思う。

日本人選手でも点を取れる選手は多い。梅崎、平川、柏木、原口もそう。

サッカーは走らなければならない。それによって点が取れるかどうかが決まる。点の取れる位置に走っていけるかが点を取れるか。それを練習でやっていっている。

今のサッカーでは、一人の選手だけで試合を決定つけられるようなサッカーはなくなっている。2006年はワシントンがいて点を取ったりアシストしたりした。しかし、現在、あのときのワシントンがいてもJで活躍できるかはわからない。一人で決まるサッカーはなくなりつつあると思う。

日本のレベルも上がっている。いろんな人が絡んでくると、相手もマークを絞れない。いろんな人が絡む練習をやっている。

大住:そのいろいろな人が絡むサッカーにみんな興味あると思うが、それに向かって行く過程を見せてもらえるか。

ミシャ:6年間広島でやっていたが、非公開の練習や試合はやらなかった。このあと甲府、大宮と試合をするが、公開でもよかった。ただ、相手が見せたくないというので、非公開になった。私には理解できないことだが。

サポーターの方が、何をやっているか見てくれるのは幸せなこと。選手にとっても良い。最近うまくいってない中で、私の前任者は多くのことを約束されたと思う。それができない中で面白くなかったと思う。なので、私は多くを言わないが、大原で何をやっているか見て欲しい。

私は常にオープンに、選手とコミュニケーションをとりながら進めているところを見て欲しい。サポーターがあって、われわれがサッカーができる。だから隠す必要はない。見に来て欲しい。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

開幕までの間にトレーニングマッチで甲府、大宮とやるようですが、残念ながら非公開なんですね。ミシャ自身は納得いってない様子。

続いて開場からミシャへの質問タイム。

大住:この辺で客席から。(監督に)質問を。

客席1:守備について。坪井選手が縦パスを奪い取るというような守備をしていて、それが好きだが、どんな守備をするのか。

ミシャ:浦和は点を取られていないチームだ。点が取れないチームだと思っていたから、守備の話をすることはないと思っていた(笑)。

私の考えでは、以前のDFは大きくてハイボールをはね返したり、ゴール前のボールをはね返すのがDFだった。 現代ではシャドーの選手のような、ボールテクニックが必要になっていると思う。

例えば、一人のDFがボールを取った。そのときにパスを出せるところがあるのに大きく蹴りだした。スライディングでうまくボールを取ったららがんばったかも知れないが、縦にパスができる状況なのに、蹴りだすのはいいプレーではない。DFであっても攻撃が求められる。ほとんどのチームは後ろでブロックを作って守ってくる。後ろから前に出て行かないと崩せない。数的優位を作らないと点が取れない。インテリジェンスが求められる。

いかに予測能力を持っているか。相手は常に守備を崩すためにやってくる。そこからボールを奪った瞬間にどう攻撃につなげるかまで考えて欲しい。いまのサッカーでは守れるだけではダメ、質の高い攻撃、後ろから上がって数的優位を作らなければならない。

広島時代は、森崎、森脇、槙野がいて、私が止めないと、どんどん前にあがっていく。

浦和ではこれまでの3週間でよくDFの選手と戦った。永田、坪井、濱田もなかなか前に出て行かない。そこで、いかに攻撃に参加させるかを戦った。その結果、少し前に出てくるようになりました。

客席2(大田区の人):総得点が少なく残留争いになった。決定力不足は解決できそうか。

ミシャ:ゴールができるチームだと思う。わたしはゴールを量産できる、見てて面白いサッカーができるチームになると思う。何点取れるか聞かれてもわからないが。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

ディフェンスラインからのビルドアップ、守備と攻撃参加のバランスに関してはやはりミシャサッカーの重要ポイントですから、それをしっかり各選手が実行できるようにするには色々苦労がありそう。というか、欧州でもタイミングよく攻撃参加できる3バックってひとつのトレンドだし、最終ラインに鎮座してればOKみたいなDF像からは早いところ抜け出す必要がありますよね。

さて、ミシャへの質問は一段落。暇そうにしてた(といじられる)山道強化本部長に大住氏が質問。ミシャ就任の経緯など。岡ちゃん、西野さんへのオファーは報道通りだったようですね。

大住:ではこの辺で暇そうにしている(笑)山道さんに。ミシャと呼んでいるので、(山道さんは)モリで。監督がミシャになった経緯を。

山道:ミシャ監督になった経緯をお話します。2006年に強化をやっていたので、あのころに戻さなければならない。さらにちゃんと日本語で選手に伝えてこれる監督をというところで、日本人トップである監督、新聞報道に出たような人※にあたった。(※浦議注:岡田氏、西野氏と思われる)

その後、日本人じゃなくてもいいと思ったので、(日本人以外の)リストの一番上にあったミシャ監督に知り合いのつてで当たった。

ミシャ:腰を折ってすみませんが、私も6年住んでいるので日本人みたいなもんですよ(笑)。

山道:ミシャ、そのとおりだね。ごめんね。

このように、ファミリーとしてやっていくことを考えている。ミシャと広島で会ったとき、両手で握ってもらったので両手で握り返した。ポジティブに行こうと思っている。またみんなで喜べるようにしたい。

(中略 / 補強について橋本社長に話が振られる)

橋本:昨年や近年の結果を見て、選手の出入りを見た。ユースからは上がってくるが、代表になるような核になる選手の放出が多かった。

戦力のバランスを取れた感じにしたかった。山道には、一流の監督に声をかけたので、一流の選手を集めたいと話した。

FWも取りたいということで、一番最初に声をかけたFWに、最終的には断られた※。(浦議注:サウサンプトンに移籍した李忠成と思われる)

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

で、橋本社長、山道強化本部長への質問タイム。

大住:前向きなチーム作りということで。ではこの辺で会場からお二人に質問を。

客席4:経営のことで。以前のToTで目標を達成できなかったら、誰がどう責任を取るのか聞いた。最終的にはGMと監督が辞めた。というところで数字のことを。

今までのクラブからの発表で数字の話がない。レプリカの販売枚数でも何でもいいから具体的な目標数値を聞かせて欲しい。

橋本:2012年~2014年までの3年間中期計画をつくった。2012年は初年度。

具体的な数値について。まずどの順位を目指すかは、15位から再生を図るということ。ミシャ監督には順位目標を提示していない。

チームとしての目標ついて。議論した結果は、ミシャ監督がさきほど言ったとおり、「チームが変わった」とみなさんに思われるチームを作ることが目標。

3年計画の中で、他の数値について、収入は07年度のピークから落ち続けている。

入場者数は11年度は34000人を切ったが、12年度はこのくらい、(3年間中期計画最後の)14年度は44000人を目指すとした。

グッズは、現在の売り上げとして約5億円レベルだが、7億円レベルを目指すとした。

このように3年間で再建しようとしている。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

ちょっと質問というより自分の意見を永遠と話し続ける人とかが現れて…うーむって感じの時間帯もありましたが、橋本社長への批判はどうでもいいとして、クラブももうちょっと情報開示の部分で工夫したらいいのになって思うこともあるので、今回橋本社長が話したことなんかをうまく出せたらいいと思うんだけどな。

もちろん、売上だのなんだの細かい数字をすべて出す必要はないんですが、観客動員数とかなら目標値や途中実績の数字、取り組んでる施策なんかをある程度定期的にだして、次はこういう取り組みするんで協力してねーとか、この目標をクリアするためのもっといい知恵があったら聞かせてよー or 実際手伝ってよーみたいにサポーターなんかを巻き込むくらいの工夫をしてみてもいいんじゃないかなとか思ったり。

俺らサポーターとクラブは一般的な企業と株主みたいな関係じゃないんだし、もっと一緒に目標にたどり着けるようにやってこうぜっていう一体感的なものをうまく演出できたりすればいいのにね。(アイデアForレッズとかも今年からやってるし、橋本社長の挨拶でも小規模なミーティングの場を作って活用したいっていう話なんかも出てたので、期待しましょう。)

で、最後の締め。ミシャがいいクラブってどんなのよ?と大住氏から振られての話。

大住:ミシャの考える「良いクラブ」とは何か。チームでなくクラブとして。

ミシャ:そのへんについては、最近、私の関係者にも話をした。良いクラブは色々な人がいるし、いろんな部署がある。それが同じ方向に向くのが、当たり前だが大事。

ひとつのクラブが成功するには、モザイク画に例えるが、監督・コーチ・社長・強化部・選手などなど、いろいろなものが組み合わさって、きれいな絵になる。一つでも欠けたら絵ができない。

ひとつの大きな成果を出すなら、それぞれの人がそれぞれの部署で、同じ方向に向かって進むことが大事。それぞれが自分だけの事を考えやっていたらだめ。うまくいく部署もそうでないところもある。俺のところがうまくいっているから良いではダメ。 ピッチの上でも同じで、みんなが同じ方向を向かなければならない。

今日ここにいる皆さんは、ここ最近うまくいっていない中で、不満を抱えていると思う。そのなかで、会場の雰囲気がネガティブだと思った。悪いところにスポットを当てて、ネガティブになっているとおもった。起きてしまった事は変えられない。うまくいかなかったことから学ばなければならない。悪いことから学び、前を向かなければならない。

私はポジティブなことを考えたい。前に進みたい。われわれには素晴らしい選手がいる。浦和には日本一のサポーターがいる。

われわれに興味を持ってくれる人が、チームとして何位になるかという目標を持ってほしいのはわかる。

私が今シーズンやらなければならないという目標は、皆さんがスタジアムに来たときに、皆さんが笑って「もう一度試合を見たい」と思えるような試合をすること。笑顔で「楽しい試合を見た」と帰って欲しい。

言うのは簡単。しかし、今、我々には素晴らしいチームがある。私は監督を長いことやっている、その中で言えるのは素晴らしいチームがあり、そのようなゲームをする。

(熱く語りながら)ここにいる皆さんを含めチーム、ファミリーだと思っている。1試合1試合戦って、喜びを分かち合いたい。

言えることは必死で戦う、良いシーズンにする。結果がどうなるかは言えないが、1試合1試合戦う。

過去は変えられないが、そこから反省して、前を向かなければならない。

イメージは2006年の優勝。そこに向かって進んでいきましょう! なかなか気持ちの切り替えができないのも理解できる。うまくいかなかったシーズンが長かったのもわかる。しかし、われわれは変わらなければならない。

ともに戦っていきましょう。もう十分にネガティブに考えた。もう前を向きましょう、ポジティブになりましょう。

サッカーは楽しむもの。勝つか負けるかはわからない。われわれは埼玉スタジアムでスペクタクルなサッカーを楽しみましょう。話がそれたが、ネガティブな感じなので、話させてもらった。

過去は変えられないので、新しい歴史を作りましょう!サポーターの皆さんとともに新しい時代を作りましょう!

大住:監督の責任は自分のチーム、20数人の選手とコーチを引っ張っていくことだが、おっしゃったように、この会場の人、地域の人もファミリーになって、みんなで楽しみましょうということだと思います。今日の会はここで終わります。ありがとうございました。

広報:まもなく開幕です。笑顔でスタジアムで会いましょう。これにて、登壇の皆様は失礼させていただきます。

今日はありがとうございます。これで終了します。ありがとうございました。

【速報】2/23「Talk on Together2012」全文テープ起こし : 浦和レッズについて議論するページ[浦議] から引用

前段は、まぁ当たり前のお話ではあるんですが、後半、ミシャは直前の橋本社長への質問タイムでちょっと空気がよくなかったのを感じてか、「過去に起こってしまったことに対していつまでもグダグダ文句言ってても仕方ねぇだろポジティブなことに目を向けて前に進もうぜ(超意訳)」と熱弁していたのが印象的。

折角、年も変わって、新しい監督を迎えてスタートを切ってるわけですから、サポも気持ち切り替えて、現状の良いところに目を向け、スタジアムの外でもミシャや選手が戦いやすい空気を作ってあげるってのが建設的ですよね。

ということで、Talk on Together 2012の感想おわり。

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