2016 Jリーグ 2ndステージ 第12節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦
前節はホームで鳥栖をしっかり倒し、リーグ戦連敗を脱出。残り試合も今節を入れて6試合と勝点をこれ以上落とせない終盤戦に突入していますが、今節の相手はアウェーでは非常に相性の良いFC東京と。
とはいえ、FC東京との試合は先制点を食らったり、乱打戦になったりとなかなか楽な勝ち方はさせてもらえない試合も多く、決して余裕ではない対戦でしたが、PK献上で先制されるも、その後、相手の戦術変更の影響もあって終盤に押し込むと、その勢いで3得点。西川さんのスーパーセーブにも助けられるなど難しい試合ながら、しっかり勝点3をとって帰ってくることができました。
同日、川崎が大宮に敗れたことで2ndステージでは単独トップ、年間順位でも川崎との勝点差を2まで詰めて、終盤に向けて勢いをつけるに絶好な逆転勝利だったと思います。
さて、今日のスタメンは最終ラインにウガ、那須、森脇の3枚。ボランチは阿部ちゃん、柏木コンビ。両ワイドに駒井と関根(駒井:右、関根:左)、2シャドーに高木、武藤。ズラタンのワントップ。GKは西川。
槙野さんは前日練習で筋肉の張りを訴えて別メニュー調整、そのまま欠場となったため、ルヴァンカップでも採用されていた、ウガを1列下げて槙野さんのところで起用し、関根さんを右ワイドから左ワイドへ移動。空いた右ワイドに駒井さんを先発させるスタートとなりました。
ウガのストッパー起用はルヴァンカップでもしっかり結果が出ていましたし、ウガの運動量、対人能力、さらにここぞという時の攻撃参加能力と、すべて申し分なく、槙野さんが欠場時の代役としてはファーストチョイスで良いと思われます。ということで、槙野さんの欠場は痛いのに変わりはありませんが、比較的読めるというか、まぁ大丈夫だろうなという安心感のある布陣でスタート。この辺は控え選手の層の厚さに加え、ここ最近は選手の組み合わせバリエーションが広がったことが大きいと思います。
対するFC東京は、4-2-3-1スタートで、両ワイドに中島選手、河野選手というスピードと推進力のある組み合わせ。トップ下に東選手を置いて、高さと強さのある前田選手のワントップという、布陣的にはかなり強力な前線。非常にやりにくい相手で、ここ数試合好調なのも頷けます。
試合の入り、特に前半はFC東京ペースと言っていい流れ。前線の1トップと2列目の3枚がしっかりウチのビルドアップにプレッシャーをかけ、ロングボール蹴らせたところで、最終ラインがしっかり高い位置をとりつつウチの5トップを置き去りにする形で前向きにはじき返して、そのままサイドのスピードを活かしたカウンターという狙いがはっきり出ていて、しかもそれがハマった感がありました。つなぐとプレスかけられて詰まる、蹴ったら蹴ったではじき返されたボールからカウンター食らうと言う流れで、非常にウチにとってはやりにくい展開を作られてしまいました。
とはいえ、ウチも相手のプレスをうまく外して広い場所に展開できたときはチャンスを作れていましたし、西川さんからのロングフィード一発で武藤さんが裏抜けしたシーンなど、悪い流れながらも決定機に近いシーンは演出していて、前半はスコアレスと、緊張感のある拮抗した試合展開になりました。
そのまま後半に折り返し。ちなみにハーフタイムに高木さん→忠成と選手交代。
後半立ち上がり早々に試合は動きますが、これは非常にウチにとっては最悪の流れ。前半同様に前からのプレスと最終ラインでの跳ね返しという合わせ技からボールロスト、セカンドボールを中盤で一旦は収めた柏木さんでしたが、そこを潰されて再度ボールを奪取されると、一気にラインの裏に縦に抜けた中島選手に、梶山選手からの絶妙なスルーパス。後追いになった那須さんが溜まらず後ろ足引っかけてペナルティーエリア内で倒すとPKに。
PK判定自体は妥当でしたし、完全にやられたのでどうしようもないのですが、那須さんのファールはボールにプレーしようとする意図は感じられず、とりあえず止めるために倒しに行ったプレーだったのと、中島選手は完全にGKと1対1の状況になるところだったので、レフェリーによってはあれ、決定機阻止でレッドカード出されてもおかしくないプレーでした。なぜか高山主審は那須さんに一切カードを出さず、阿部ちゃんにイエローカードを出していますが、恐らくレフェリーは、阿部ちゃんのプレーがファールと判断したようで、要するによく見えていなかったということですね。
なぜ断言できるかと言えば、阿部ちゃんのイエローカードが公式記録で「C1:反スポーツ的行為」になっているから。もし異議なら「C3:異議」と記録されます。つまり、阿部ちゃんがファールしたという判断なので、C1 でイエローが出ているわけです。ただあのシーン、阿部ちゃんは中島選手からかなり離れた位置にいて、そもそも中島選手、もしくはボールに対してチャレンジできていません。なのでもしレフェリーが阿部ちゃんが倒したと思ってPK判定し、カードも提示したのであれば、あのシーンは正確に見えていなかったということで、これはかなり問題があると思いますよ。
2016-09-22 追記
やはりイエローカードの掲示ミスということで、阿部ちゃんのイエローカードは取り消し、那須さんに改めてイエローカードが付与されました。文末の試合データも修正しています。
話を試合に戻します。
立ち上がり早々に失点という、展開的には非常に厳しい流れになってしまいましたが、とはいえまだ後半はほぼ丸々時間がある状態。焦るような時間帯ではありません。しかし東京のハイプレスとサイドを活かしたスピーディーな攻撃にウチはちょっと自分たちのリズムが作れない嫌な流れ。ところがFC東京が先制したことでゲームプランを変更、58分にサイドで非常に効いていた河野選手をCBの丸山選手に変えて、3-4-3の守備時5バックにしてくれたことで状況が変わり始めます(ウチはこの直後の64分に武藤さんに代えて興梠さん投入)。
この試合、河野選手と中島選手が非常に効いていて、前田選手がしっかり1トップで収める、そこに東選手が絡んでサイドの2人がスピードを活かして抜け出したり、中島選手が中央に絞ったところで東選手がサイドから正確なクロスを供給してくるなど、この前線4枚の連携が厄介だったわけですが、その1枚を早い時間帯に下げて守備固めに走ってくれたおかげで、ウチはビルドアップが非常にやりやすくなりました。
さらに67分には中島選手→高橋選手として、中盤を締めにきますが、それによってさらに重心が後ろがかりになったところで、両ワイドのところにスペースができて、それまで押さえ込まれていたウチの攻撃陣が爆発。
77分に、左サイドでボールを受けた関根さんが正確なクロスを中央に供給。忠成さんが絶妙な相手との駆け引きからゴール前で頭で合わせると、まずは同点ゴール。さらに85分には、柏木さんの絶妙なロングボールにラインの裏に抜けたズラタンさんが、シュート性のクロスをゴール前にたたき込むと、これに走り込んできた関根さんとマークした東選手がもつれながら突っ込んできたところに、GKが弾いたボールが当たってそのままゴールへ。公式記録は東選手のオウンゴールでしたが、ズラさんと関根さんの2人でしっかりフィニッシュの形に持って行けた結果のゴール。素晴らしかったです。
逆転したところでウチは即座に柏木さん→青木さんとして、中盤を締め、相手のカウンターに備えますが、その青木さんがとどめを刺す起点に。87分に青木さんが思いきったオーバーラップで裏に抜け出し、タッチラインギリギリでボールをキープすると、フォローしてきたペナルティーエリア内の駒井さんに戻し。これを駒井さんがクロス上げると、逆サイドから絶妙な駆け引きで対面のマークを外しながら入ってきた興梠さんが余裕のヘディングシュート。これが決まって追加点と、終盤の約10分間で、一気に試合を決めきってくれました。
FC東京の選手交代については、結果論だけで言ってしまえば、流れを読み違えた監督が早すぎる守備固めを選択した結果試合をぶっ壊したと言われても仕方ないのかもしれませんが、ウチの同点弾のすこし前、橋本選手が前田選手のポストプレーから西川さんとの1対1のシーンを作ったりしていて、もしあれが決まっていれば、守備固めした上で2点差にできていたわけで、流れは全く違う方向に行ったかもしれません。それで勝っていれば監督の采配がハマった、さすがってなるわけで、難しいお仕事です。
たった1つのプレーで流れが変わることって結構ありますし、そういう意味ではあの決定機を防いだ西川さんのプレーはその後の試合の流れを決めるビッグプレーだったと思います。ちょっとこの日はFC東京の術中にハマって、前半は特に得意のキックに精彩を欠くシーンが多々見られたり、PK決められたりで苦しかったですけども、ああいうプレーでチームを救うのは、さすが西川神といったところ。
さて、これでリーグ戦2連勝と、勢いに乗ってきました。次はホームで広島という、非常に難敵を迎えての対戦となりますが、広島には今年アウェーで負けた借りがありますからね。ホームではきっちりぶっ倒して、続くホームでのガンバ大阪につなげましょう。
試合データ
観客: 33,493人
天候: 曇
試合結果: FC東京1-3浦和(前半0-0)
レッズ得点者: 李(77分)、オウンゴール(85分)、興梠(87分)
警告・退場: 阿部那須(警告×1/反スポーツ的行為)、森脇(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 高山 啓義氏
順位:(2nd第12節終了時点): 年間2位(19勝6敗4分/勝点61)/ 2ndステージ 1位
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