2016 Jリーグ 2ndステージ 第11節 埼玉スタジアム2002 サガン鳥栖戦
直近の試合はナビスコ、もといルヴァンカップ準々決勝では2戦とも神戸に勝利し、久しぶりの準決勝に駒を進めて公式戦としては連勝中ではありますが、リーグ戦だけに話を絞ると、ルヴァンカップ準々決勝前に行われた2ndステージ第10節で神戸に敗戦。その前節の第9節では首位川崎との大一番で敗戦と、2連敗中という厳しい状況。
そういう状況なので、今節のホーム鳥栖戦は何が何でも勝たないといけない試合になりましたが、鳥栖戦は過去2試合(今年の1stステージアウェー、去年の2ndステージホーム)引き分けが続いていて、ここのところ勝ち切れていない相手。今節も厳しい戦いになることが予想されましたが、相手のハードワーク、堅い守りを見事に突き崩しての2得点。終盤は押し込まれる時間帯があったものの、無失点でしっかり快勝。連敗を脱出し、ここから再度勢いに乗れそうな戦いをしてくれました。
今日のスタメンは最終ラインに槙野、那須、森脇の3枚。ボランチは阿部ちゃん、柏木コンビ。両ワイドにウガと関根、2シャドーに高木、武藤。ズラタンのワントップ。GKは西川。
前線、高木さんとズラタンさんはルヴァンカップでの働きによってスタメンを奪取。特に高木さんはルヴァンカップでは素晴らしい働きで攻守共に活躍し、忠成さんからリーグ戦スタメンのポジションを奪う躍進。ここにきて健全なポジション争いが激化していて、それはチームにとってはとても良いことだと思います。
鳥栖は守備時ボランチの1枚を最終ラインに吸収する形で5バックにして、5-3-2のような形。2列目の3枚は、横並びではなく、アンカーを置くような形で5-1-2-2のような布陣での守備が見られました。その上で、前線の2枚はウチのビルドアップに対して積極的にプレスをかけ、追い込んで奪ってからのショートカウンターやウチの前線に対してはマンマークにしてサイドに自由を与えず、ウチのストロングポイントを消すような意図が見られました。
とは言ってもウチも前線からプレスでハメに来る相手はもう慣れているのと、さすがに選手個々人の能力も高いため、細かいパスワークや個人技でうまく外してフリーのスペースを使うなどいなすことができていましたし、奪われても素早い攻守転換で相手のカウンターを発動させない守備ができていましたので、鳥栖の意図がハマった感じはそれ程ありませんでした。
一方で鳥栖がボールを保持したときの攻撃の組み立てについてもそれ程脅威はなく、ボールは保持するものの中盤をつないでくるけれどもそれ程連動したパスワークがあるわけでもないために比較的ウチは守備対応がしやすかったかなと。
終盤にサイドからバンバンクロスを放り込まれた時の方が怖い感じでしたが、ウチの両サイドが高い位置をとって鳥栖の両サイドを押し込むことができていたことや、鳥栖もサイドの守備意識が高く、あまりリスクをとらなかったことから、最後の10分間くらい以外は豊田さんの怖さを感じることもほぼないくらい押さえ込めていました。
序盤については鳥栖が最終ラインに人数をかけている関係でなかなかサイドがフリーで抜け出すようなウチの狙いが出しづらい展開ではありましたが、逆に鳥栖はアンカーまで最終ラインに吸収される形で6バック気味になると、最終ライン前には2-2のラインしかなく、中央が結構開くんですよね。
前半の残り10分くらいでそれに気がついたぽい柏木さんが思いきって中央をドリブルで持ち上がると、そこからチャンスを演出し始めますが、ついに41分、柏木さんの持ち出しからサイドをいいタイミングで裏抜けした関根さんに展開。いいタイミングでそれをフォローした森脇さんに関根さんがボールを預けると、ダイレクトでペナ内の武藤さんへ。武藤さんがそのまま中央のズラタンさんに渡すと、ゴールを背負ったズラタンさんはフォローしてきたウガにシンプルに落とし。これをウガがゴール左隅にゴラッソたたき込んで先制。中央で作ってサイド→中央でフィニッシュという、ウチの狙い通りの攻撃でいい時間帯に先制点を決めてくれました。
さらに前半終了間際には武藤さんの素晴らしいゴールで追加点。今度は阿部ちゃんが中央をドリブルで持ち出すと、中に絞りつつまたも絶妙なタイミングでボールを引き出した関根さんへ。関根さんが溜めたところで2列目からラインの裏に武藤さんが絶妙な抜けだし→そこに関根さんから柏木さんばりの見事なスルーパス。これを武藤さんが冷静なシュートでゴールに突き刺してのもの。鳥栖の守備の穴を前半の残り5分で見事に突き崩し、2得点。これで試合はかなり楽になりました。
後半は62分に高木さん→興梠さん、ズラタンさん→忠成さんと2枚同時交代。前線2枚の同時交代は悪い流れの時にミシャさんがぶち切れてやるケースが多いですが、今回の2枚替えは適切だったと思います。前線をリフレッシュしたことで、後半前に出ないといけなくなった鳥栖に対してカウンターという脅威を与えることができるようになりましたし、ルヴァンカップを戦っている高木さん、ズラタンさんを休ませつつ、さらにリオから戻って以降、いまいちコンディションの上がらない興梠さんや、ルヴァンカップではスタメンを外れていた忠成さんにコンディションを上げるためのプレー時間を与えることもできました。
この辺は高木さんが覚醒し、ズラタンさんも得点を上げてパフォーマンスが上がってきたことで誰を出しても戦力が低下しないという状況だからこそできる策。リーグ戦終盤に向けてポジティブな要因だと思います。
その後、72分には柏木さん→青木さんとして代表帰りの柏木さんも温存しつつ中盤での守備を強化。リスクマネジメントしつつ、要所要所でチャンスを作りますが、3点目が獲れなかったのは少しだけ残念でした。関根さん→ウガへの素晴らしいサイドチェンジ→ウガの絶妙なダイレクトクロスに忠成さんがドフリー&無人のゴールっていう超絶決定機があったんですけどね...... まさかの枠を外すっていう。
終盤は鳥栖がある程度リスクは割り切ってサイドが高い位置を取り始めますが(途中から3バックにしたっぽい感じでしたけど)、ラスト10分はサイドからのクロスをウチが中ではじき返すという流れが続いて押し込まれたので、ちょっとヒヤヒヤしました。とはいえマジでやばかった決定機は西川神が安定のナイスセーブでしのいでくれると、そのまま無失点で試合を終わらせることができました。振り返れば完勝でしたという試合。
さて、次はアウェーでFC東京戦。さらにホームで広島、ガンバと、1stステージでは連敗を食らわされた相手との試合が続きます。でも今日の試合を見ている限り、今のウチならきっちり連勝で抜けられると信じます。リーグ戦も残り試合が少なくなってきましたが、ここからが正念場。しっかりサポートしていきましょう。
試合データ
観客: 28,167人
天候: 晴れのち曇
試合結果: 浦和2-0鳥栖(前半2-0)
レッズ得点者: ウガ(41分)、武藤(44分)
警告・退場: -
主審: 今村 義朗氏
順位:(2nd第11節終了時点): 年間2位(18勝6敗4分/勝点58)/ 2ndステージ 2位
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