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2016 Jリーグ 1stステージ 第16節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

2週間で5試合を戦う、1stステージ終盤怒濤の連戦中、アウェー2連戦の初戦は吹田スタジアムでガンバに敗戦鹿島戦での敗戦に続き、年間優勝を狙う上では避けたかった連敗を喫する結果になりましたが、気を取り直しての第16節はサンフレッチェ広島と。

3連敗はなんとしても避けたい一戦ではありましたが、新潟戦以来の久々の得点、しかも2得点を前半に奪うも、その後の交代策のまずさなどもあって結果的には4失点。厳しい3連敗となって、1試合未消化があるとはいえ、首位の鹿島、2位川崎とは勝点差8以上離され、シーズンの折り返しに向けて危機感のつのる状況になってきてしまいました。

2016 Jリーグ 1stステージ 第16節 エディオンスタジアム広島 アウェー サンフレッチェ広島戦

ガンバ戦のレビューでも書きましたがこの2連戦は一度東京に帰らずそのまま広島入りして観光がてら土曜日の試合を迎える形になりました。そんで試合がナイトゲームだったため夜はホテル帰って寝るだけ、翌日帰ってきてさっきやっと落ち着いてこの記事を書いていますのでちょっと時間が経ってしまいましたから、とりあえず簡単にまとめたいと思います。

さて、今節のスタメンは、最終ラインに森脇、遠藤、槙野の3枚。ボランチは阿部ちゃん、駒井コンビ。両ワイドに関根とウガ、シャドーにウメ、武藤。興梠のワントップ。GKは西川さん。

前節は出場停止だった森脇さんが復帰。柏木さんをお休みさせて駒井さんをボランチで先発。両ワイドはいつも通りに戻しつつもウメが久々のトップ下先発という形で結果が出ていない連戦の中、色々と試しているのがわかるスターティングイレブン。

ここ数試合結果が出ていないことから、前半の立ち上がりはウチが前からガンガンプレスにいって、今日は絶対にやってやるっていう気迫が見て取れる立ち上がりになりました(まぁ前節はその気合いが空回りして失点しましたけどね)。

多少バランス崩れてでも両ワイドが思い切って前にポジションを取り、最終ラインから縦に積極的に楔を入れつつ、もしそこで引っかかっても素早い攻守転換で前プレかけて奪い返す。

結構無茶なやり方ではありますが、これだけ無得点が続いて結果も出ていない状況なので、ちょっと極端な方向に振り切るってものありかなと。まぁその前掛かりな入りが災いして開始早々に失点するという問題も起こりましたけど、逆に両ワイドが1得点ずつして前半のうちに逆転できたのも確かなので概ね前半に関してはこの狙いが成功したと思います。

この日ボランチに入った駒井さんは立ち上がりこそちょっと慣れないポジションで動きが硬かったですが、徐々にボールタッチを増やしてリズムが出てくると、積極的に中盤でボールを引き出しては前を向いて前線とのリンクマンとして機能。前半の彼の働きは素晴らしかったと思います。ドリブルでの推進力もあるし、柏木さんほどの視野の広さはないものの、足下のテクニックも確かで前にボールを付けられるので面白い選択肢かなと思いました。

1失点目は、ウチの守備ラインは人数はきっちりそろっていましたが、全員がゴールに向かって守備をさせられていること、(相手から見て)左ワイドで清水選手(だったと思う)が外に釣ったのにウチのディフェンスラインが対応しようと身体の向きを変えた瞬間に斜めにディフェンスラインの間に入ってきた柴崎選手にウタカ選手からの絶妙なスルーパス。

柴崎選手のトラップからシュートまでの流れも完璧でしたし、相手を褒めるべきかもしれませんが、しっかりと人数がそろっていながら、選手の距離感、マークの確認など守備の課題も多く見えた失点となりました。前掛かりに入った矢先の失点だったので、嫌な空気が流れましたが、それでも失点が早かったことで焦らず前半は戦えたと思います。

同点ゴールは中央に入った楔を大きく右サイドへ展開。そのボール自体は広島の清水選手が先に触りますが、バウンドが難しかったことでクリアしきれなかったところを関根さんがうまく身体を前に入れてかっさらうと冷静にゴールに流し込んでのもの。リーグ戦では大宮戦で柏木さんが決めたゴール以来、久々の得点となりました。

さらに40分には、今度は左サイドで中に絞ったウガへ中央にいた森脇さんからのパス。これをウガがダイレクトでシュートを狙うと、ゴール左隅に吸い込まれて逆転。ここまでは勢いでウチが押し込んで、その勢いに押された広島から2得点と、狙い通りの展開になったのではないでしょうか。

そのまま1点リードして後半に折り返し。

後半立ち上がり、広島がギアを1段上げて、前から圧力をかけてきますが、立ち上がり10分程度まではそれをうまくいなしつつ、興梠さんがフリーでキーパーと1対1のシュートを放つなど、決定機が作れていましたので、ここでしっかりと追加点が奪えていれば試合の流れも変わっていたかなと思いますが、得点ならず。

問題はこのあとです。60分手前ごろから明らかにウチの運動量が落ち、特に前半からトップ下で動き回っていたウメがポジション固定気味になると、前線と最終ラインの距離が間延び。さらに駒井さんが中盤で相手のプレッシャーに晒され動きが制限されると、縦に入れる楔を狙われてカウンター食らう悪い流れに。

たらればなのですが、この時間帯に守備を安定させるような交代、具体的には青木さん入れて駒井さんをウメのポジションに1列上げるとか、那須さん入れて遠藤さんを1列上げて高さを増しつつ中盤の守備を安定化させるようなことができていればもう少しリードした状況を落ち着いて乗り切れた気がしないでもないですが、結局ベンチが動いたのは逆転されてからの3枚同時替え......

しかも、ウメを下げるのはまぁわかるとして、比較的運動量をキープし、中盤で動き回ることでリズムを作っていた武藤さんを下げてしまったことで、より一層広島のプレスがハマりやすくなってしまった皮肉。

ミシャさんとしては逆転されてしまったことで、いつものやり方に戻してなんとか打開したかったんだと思いますが、この辺、ミシャさんの選手交代のしかたが悪い方に出てしまった形となりました。つまり、目の前のピッチ上で起こっている変化に柔軟に対応できなかった。

前半のハイペースで運動量が落ち、相手が前からハメてくるやり方に変えたことでウチが守勢に回り始めた段階でそれを修正する交代策をとれず、結果として失点してから慌てて無茶な3枚代えで無理矢理いつものやり方に変えようとするもピッチ内の選手にはあまり意図が伝わらず逆に混乱させる結果になってしまった感が強いです。

前述の通り55分くらいまではよい流れが作れていました。とはいえ前半のハイペースで90分持つわけがないのは観ていてもわかることなので、もう少しそれに対処するプランを持ってて欲しかったなと言うのが正直なところです。

あと、柏木さんの投入についてはさすがにないなと。彼のミスから致命的な4点目を失ったからという結果論だけではなく、元々ガンバ戦で足を痛めて万全のコンディションじゃなかった彼を無理に使う必要があったのか。1人の選手を信頼するのはいいのですが、過去骨折あがりの興梠さんを強行出場させて結果的にタイトルを失うきっかけになったこともありましたよね。そういうところ、もう少し冷静になって欲しいなと思いました。

とはいえ監督交代には断固反対です

ちとそういう議論が一部では盛んですが、はっきり言ってシーズン途中での監督交代は下記の2点の理由から反対です。

  • Jリーグの歴史の中で、シーズン途中で監督交代して年間優勝したチームはないこと ※
  • 監督交代は残留争いしている下位チーム以外ではほとんど効果がないこと(勝点的な意味で)

が、過去のデータからはっきりしているからです。

年間優勝を諦めてないなら、今の時期に監督を交代させていたずらに現場を混乱させるべきではありません。そもそもクラブはこの4年間でミシャさんの後任を育てる努力を全くしておらず、ましてミシャさんのサッカーが選手層についても戦術的にも特殊なことを考えれば、後任などはっきり言っていません。

確率から言えばミシャさんに今年1年間はやってもらう方が年間優勝の可能性は高いということになります。クラブ側がサポートするなら得点力のあるFWの獲得など、補強面からくらいかなと思いますがあまり期待しても無理っぽいので諦め気味ではありますが。

※ 97年、磐田のスコラーリ監督の例がありますが、あれは成績不振での交代ではなく数ヶ月で母国からオファー来て帰っちゃった例外です。

難しい時期だからこそブレるな

前回、ガンバ戦のレビューでも書いたんですけども、こういう時こそ基本に立ち返り、もう一度自分たちがやるべきサッカーを見直し、細部を詰める努力をして欲しいんです。どうもミシャさんはうまくいかないときに今まで積み上げてきた山を再点検して、もう少しここを積み上げようとか、逆に崩れているところはないかなとか確認するのではなく、隣に新しい山を中途半端に作り出す癖があるみたいに感じます。

ご本人は「自分はやり方を変えない」とおっしゃってるみたいですが、「え? 時々結構な変え方してない?」ってのが個人的な印象。変えてよかったことがないからみんな忘れてるだけかもしれないけど、結構大事な局面で急に今までと違ったことやり出したりしています。急にズラさんターゲットに放り込みやってみたり、突如4バックにしてみたり...... そんな器用なチームじゃないでしょうよと思うんですが。

4年間の積み重ねを最大限活かすためにも、今までやってきたことのレベルを全体的に少しずつ上げることに時間を使う方が効率的だと思うんですけどね。少なくとも毎年優勝争いしてるんだよ? 今やっているサッカーで十分戦えることはもうわかってるじゃん。あとはその都度、足りないところを上積みしていくしかないでしょうよ。上積みしてもどうしてもタイトルに届かないってならそんときは終わりってことですけど、その判断はシーズン終わりにすればいい。だから今はそこに全力で取り組んで欲しいんですよね。そしてこの屈辱をバネに、ひと皮むけたところをぜひ見せて欲しいなと切に願います。

1stステージ残りはホーム2連戦

さて、次は水曜日、ACLで未消化になっていた第13節、ホームでのFC東京戦です。年間優勝の勝点が68~74くらいと予想すると、シーズン折り返しに向けて、勝点34~36くらいは取っておきたかったんだけど、現時点で1stで獲得できる最大勝点は33。とにかくここに近づけられるように、最後、ホーム2連戦でしっかり勝つことが重要。

ごちゃごちゃ文句言っていてもチームが強くなるわけじゃなし、ここはサポも正念場。しっかりサポートして選手達を奮起させましょう。

(なんだかんだ書いてたら思ったより長くなってしまった。)

試合データ

観客: 24,656人
天候: 晴れ
試合結果: 広島4-2浦和(前半1-2)
レッズ得点者: 関根(26分)、ウガ(40分)
警告・退場: -
主審: 松尾一 氏
順位:(1st第16節終了時点/1試合未消化): 3位(8勝4敗3分/勝点27)

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