浦和レッズ、クラブの「2010シーズン総括」について
2010年シーズンの全試合が終わったところで発表するとアナウンスされていたクラブからの2010年総括がオフィシャルサイトに掲載されましたので、ちょっとばかし感想など。
はっきり言うとサポの聞きたいことが何も示されていないというか、ほとんどの人が知っている事象を報告しただけという内容にがっかりします。このクラブは問題点を具体的に分析し、明確にビジョンを示すということをする気がないのでしょうか…単にこれで求められていることは果たしたと思っているのか、それともサポに対してそこまで示す必要がないと思っているのか。
浦和レッズはトップチーム全試合の終了を受け、2010シーズンの検証を行いました。「これがレッズのサッカーである」といえる揺るぎないものを作り上げるために2009シーズンから着手した「レッズスタイル構築」は、「第1ステージ」としての一定の成果を挙げ、2011シーズンからは次の段階に進んでいきます。2010シーズンの総括につきまして、下記の通り、概要をお知らせいたします。共に闘っていただきましたファン・サポーターの皆様には、この場を借りてあらためて御礼申し上げます。
浦和レッズオフィシャルサイトより引用
言葉じりをとらえてフロント批判をしたいわけではまったくないんですけど、そもそも、「第1ステージ」という言葉がいきなり出てくることに違和感を覚えます。
2009年シーズンスタート時から今年まで、クラブが言う「レッズスタイルの構築」を数ステージに分けて行うなんて話は全くなかったわけで、2年でフィンケ体制を終わらせることが確定した途端に、最初から決まっていたかのように「この2年は第1ステージでした」なんて言われても…それなら来年からペトロを迎えて始まる第2ステージのゴール目標はどこで、それを何年間でどのように進めていくのかが説明されなければ、結局場当たり的に言ってるのねってとらえられても仕方がないのかなと思います。
さらに、この2年間の成果、課題と総括は続きますが「課題・反省点」としては下記のような点が挙げられています。
(2)課題・反省点
2010シーズンは「ACL出場権獲得」を目標に闘ってきましたが、優勝争いに加われない等成績は前シーズンに引き続き振るわず、中でもホームゲームで勝ち越せなかったことは大きな反省点です。具体的には、ボールポゼッションは高いものの、多くのゴールを奪えなかったこと、CKやFKからの得点が少ないこと、守備的なチームに対する攻略方法や終了間際のアディショナルタイムでの失点が6点もあったこと、コンディションや気候の変化に対応できるゲームプランを立てられなかったこと等があります。ケガ人が多く発生したほか、フィジカル面ではゲーム終盤に動きが鈍くなったことも課題です。原因をしっかり分析し、来年に向けて改善していかなければなりません。そして、ピッチに立った選手が、絶対に勝利するという強い気持ちを最後まで持ち続けることが重要です。
浦和レッズオフィシャルサイトより引用
こんなこと、ずっと試合を見ているサポならわかってます。サポが知りたいのは、何が原因でゴールを奪えなかったと考えるのか、アディショナルタイムに失点が多かった原因はなんなのか、ケガ人が多く発生した原因はなんなのかなどを分析した結果であって、今の時期に「しっかり分析して来期に向けて改善を」なんてお茶を濁されても何のための総括だよっていう話です。
ある取り組みに対する報告をするのであれば、目標に対する達成度合い、目標が未達成ならその原因と改善点を提示し、次の目標をどのように定め、どのように実行していくのかを具体的に示すのが普通というか、そうでなければ報告の意味をなしません。今回のクラブからの発表は、目標が達成していないのも関わらず、謎の「第1ステージは達成した宣言」と、「色々課題はあるけどこれから分析して来年がんばります」っていう意気込みだけ。
で、最後には「気持ちが大事」なんて言われても…それならごちゃごちゃ細かいことは言わずに「サッカーは気合いと根性が一番大事、気持ちが入っていないのが一番の課題と反省点で、その点を改善するためにペトロを呼びます。ペトロに求めるのは闘魂注入です!」って断言される方がまだスッキリするんですけどね。
と、期待していた総括には遠く及ばない内容にがっかりしたわけですが、一応最後に2011年の方針は追って発表すると書かれています。
2010シーズンは、成果はあったものの、多くの課題も明らかになりました。2011シーズンは、この総括に基づき、成果をさらに前進させ、課題の修正を図ることで確かな躍進に結びつけるよう全力を傾ける決意です。2011シーズンの方針につきましては、近日中に改めてお知らせいたします。
浦和レッズオフィシャルサイトより引用
そこで課題の分析結果と共に、それを改善するためにこういうふうな取り組みをしますっていう具体的な発表がされることを期待して、これ以上はあまり批判的なことを書くのは控えますが、収入面では実質的に「市民クラブ」として経営されていると自ら言いながら、その収入面を支えるサポに対してしっかりとしたクラブ方針の説明もできないようでは最終節の段幕が現実になってしまうのではとホント心配です。
また、もしクラブがサポへの説明などこの程度で十分と思っているのであれば、このクラブのビッククラブ病は深刻だなって思います。一時的な成功体験がクラブを慢心させ、そこに至るまでの過程でサポが果たした役割を忘れているんじゃないでしょうか。特に俺のような古参サポほど、レッズはサポと一緒に成長してきたと思っていますし、だからこそ「We are Reds」という言葉に誇りや強い思い入れがあるわけです。何でもサポの意見を聞いてその通りにしろなんて言うつもりはありませんが、観客動員が減っている今こそ、クラブとサポの関係について初心に立ち返ってよく考えてみてもいいんじゃないかなって思いました。
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