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2022 Jリーグ 第18節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦

2022 Jリーグ 第18節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

ミッドウィークに行われた天皇杯3回戦はJ2、群馬を相手に前半に喫した1失点を守り切られて敗戦。天皇杯連覇の夢は3回戦で消えてましたが、いつまでも落ち込んでばかりもいられない週末のリーグ戦は後半戦スタートとなる第18節。アウェー、ノエスタでのヴィッセル神戸戦です。

リーグ戦の方は前節、名古屋に勝利して今シーズン3勝目。前節レビューにも書いた通り、あの勝利で何か今までの問題点がすべて解消したわけではありませんし、サッカーという相手あってのスポーツにおいては1試合うまく行ったからといって他の試合も同じようにうまく行くとは限らないのが難しいところ。

とはいえ、勝つことでチームは自分たちが取り組んでいることに対する自信を深めていけることも確かで、いくら戦術的な落とし込みがトレーニングでできたとしても、結果が付いてこなければなかなか選手のモチベーションにはつながりませんから、「勝つ」ということは重要。まして現在置かれた順位を考えれば、今は目の前の試合を1つ1つ勝って勝点を積み上げて行くことが最優先事項です。

そのためにも現在最下位の神戸に対して勝点を取りこぼすなんてことはアウェーとはいえ許されない状況。神戸は彼らが今いる順位ほど簡単な相手ではありませんけども、ここでしっかり叩いて勝点3を奪えるか。チームとしての覚悟をみせる必要のある一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022 Jリーグ 第18節 ノエビアスタジアム神戸 アウェー ヴィッセル神戸戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、岩波さん、ショルツさん、宮本さん。ダブルボランチに岩尾さんと柴戸さん、左のSHに大久保さん、右に明本さん、トップ下に江坂さんを配置し、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには酒井さん、知念さん、モーベルグさん、関根さん、平野さん、松尾さん、そして彩艶さんが控えます。

シャルクさんが負傷離脱してしまったことが公表されていて残念ですが、一方でユンカーさんと酒井さんがちょっと前から全体練習に復帰していることもアナウンスされていました。そんな中、今節はユンカーさんスタメン、酒井さんも久々にサブに復帰という形になりました。心強い。

対する神戸は最終ライン左から酒井 高徳選手、小林 友希選手、大崎 玲央選手、山川 哲史選手。ダブルボランチに橋本 拳人選手と山口 蛍選手。左のSHに汰木 康也選手、右SHに武藤 嘉紀選手、トップ下にアンドレス イニエスタ選手。ワントップに大迫 勇也選手を配置した 4-2-3-1 スタート。GKは前川 黛也選手。

神戸は前節、柏レイソルを相手にイニエスタ選手を2トップの一角に起用しつつ3バックで相手にシステムを合わせて挑んだ結果先制したもののその後は守勢に回って3失点の敗戦。イニエスタ選手を攻撃面で活かしつつ同時に彼の守備的な負担を軽減してバランスをとるのかってところで今シーズン途中から就任しているさんもロティーナ監督も試行錯誤中というところでしょうか。

今節は普段通りイニエスタ選手をトップ下に置き、怪我から復帰した大迫選手を最前線に、汰木選手を左に置いてを攻撃の起点にしつつ、中央で大迫選手、あるいは逆サイドから武藤選手でフィニッシュという意図が見える配置でした。

単発でチャンスは作るも決めきれず焦れる試合に。
最後はモーベルグさんのゴラッソがチームを救う

立ち上がり早々にいきなりユンカーさんが相手CBの大崎選手にボールが戻ったところをプレスかけて奪いきったところからポストに当てる惜しいシーンがあったんですけども、シュート後のリプレイ観たらこのプレーの時点でユンカーさんが右の股関節を気にしてる仕草してて、結局ユンカーさんは開始7分で松尾さんに交代。

ユンカーさん、久々に復活しましたが元々彼はグロインペイン症候群で常にこのリスクを抱えている中での復帰。結果として立ち上がりにいきなり少し強度の高いプレーをしたことで痛みが出てしまったっぽいですが、ここに関しては仕方ないですね。とにかく焦らずしっかり痛みが引くまで休養して欲しいです。

なので、冒頭のフォーメーション図に関してはユンカーさんのところが開始早々に松尾さんに交代。彼を左SHに出して、大久保さんを右に持って行き、明本さんをワントップに出すという配置転換が行われているので、この並びがスタートポジションといえる感じになりました。

神戸は守備時 4-4-2 ブロック、イニエスタ選手と大迫選手を最前線に置きつつというオーソドックスな形ですが、そこまで全体でガンガン前から来る感じでもなく、機を見てプレスのスイッチが入るものの、前線の2トップに対してウチのビルドアップは2CB+岩尾さんなのでそこは数的優位。さらにイニエスタ選手の寄せに関してはそこまで強度がないので前線プレスでハメられるみたいな心配はあまりない。

ただ、ショルツさんに対して神戸左SHに入った汰木選手が彼が持ち出すスペースを消しにくるような寄せ方をしてきたのはちと面倒くさかったなと。とはいえ、汰木選手がショルツさんに出ていった背中は空くので、そこに大久保さんあたりが落ちることで縦にパスを引き出したりと、ウチのビルドアップに関してはそこまで難儀した印象はなかったですが、最終局面では相手も強さと個人能力のある選手が並んでいるので決定機という程のチャンスは少ない展開。

ウチのボール非保持時に関しては前線からかなりプレスに出て行っていましたが、今回に関しては神戸の最前線で大迫選手や武藤選手、さらに汰木選手が裏のスペースに駆け引きすることでウチの最終ラインが最前線のプレスに追随して全体を押し上げることができず、前線プレスで相手にロングボール蹴らせているにも関わらず最終ライン前面で簡単にボール収められちゃったりするシーンもあり、蹴らせて回収して押し込む、ということはあまりできなかった印象でした。

で、一方で神戸にそこまで危険なエリアに侵入されたシーンもなかったのでヤバイ雰囲気はなかったですけども、こっちもアタッキングサードまで運んでもクロスは相変わらず単純だし、数回作ったチャンスもフィニッシュワークの精度が足りずで得点には少し遠いなって感じの焦れる展開で前半終了。

前半最大の決定機といえそうなのはカウンターから大久保さんがカットインしてシュートしたシーンでしょうか。寄せてくる2人をカットインでかわした瞬間はキターーって思ったんですけども最後のワンプレーの精度が高まらずにシュートは枠に飛ばず。大久保さん、すげぇ勢いで相手をぶち抜いていって最後のシュートだけドカンと雑に蹴っちゃうのは癖というかそういうプレースタイルなんでしょうけども、あそこ力抜いてよく言う「ゴールにパス」する感覚で打てるようになればゴール量産できそうな匂いはするんですけどね。

やっぱりアタッカーとしての評価を絶対的なものにするには「惜しいシーンをたくさん作るけどシュート決まんない人」からは脱却してもらわないといけません。この辺は個人トレーニングとかで少し磨いていった方がいいんじゃないかななんて思いましたけどまぁ余計なお世話ですね。でも期待してるのでそこの精度を上げて欲しいなと切に思います。

話を戻しましょう。チャンスは作ってるけどそこまで決定的なものの回数も多くなく、0-0 のまま試合が進むと暑さから体力が落ちてより難しくなっていきそうな雰囲気...... そんな雰囲気を打破する狙いか、ハーフタイムに宮本さん→酒井さんを投入。

酒井さん、フィジカル的には全く心配はないものの、さすがにしばらく公式戦をお休みしているのでいきなり45分の出場ってのは大丈夫なのかなと少し不安もありましたけど(実際両足が揃った瞬間に汰木選手にカットインされてちとアブねぇっていうシーンもありましたね)、後半開始と同時にさすがの強度...... つーか改めて酒井さんのプレー強度半端ねぇっすね、ちょっと無理かなというようなシーンでもゴリゴリボール前進させるし。彼とポジション争いする選手はやっぱ大変だなと思いますけども、宮本さんも守備部分の強さや運動量では負けていないと思いますから、競争がんばって欲しいなと。

神戸が後半は前線プレスにあまり出てこなくなったことでウチがボール保持する時間も徐々に長くなるも、相手に中を固めた上で意図的に持たされてしまうと難しくなりそうな展開。そんな中いい攻撃だったなと思ったのが58分辺り、一旦は左サイドから斜めに入れた楔をはじき返されるもこれを中盤で岩尾さんが回収。大久保さん→右サイドを駆け上がった酒井さんと渡っている間に岩尾さんはそのまま一気にペナルティエリア内にスプリント。ここに酒井さんからグラウンダーのダイレクトクロスが入ってきて岩尾さんが合わせたシーン。

岩尾さんのシュートは相手に寄せられたこともあってキレイにはミートできなかったですけども、ボランチの選手がボール奪取から一気にペナルティエリア内まで侵入してくると相手もなかなかマーク付きにくいですし、あれこそボランチに求められているプレーだったなと。いい判断だったと思います。あそこに正確にクロスを通す酒井さんもさすがでしたが。

神戸も少し守備が後手に回ってファールも増え、神戸陣で試合が進む時間は長くなるものの決定機とまでは行かない...... 残り時間がどんどん少なくなってくるし、こういう展開は焦れますね。

70分には大畑さん→モーベルグさんとしてモーベルグさんを右サイドに。大久保さんを左SH、明本さんを左SBに移動。さらに85分に柴戸さん→平野さん、松尾さん→関根さんとして、関根さんを左SBの位置に入れると、大久保さんと縦関係。同時に明本さんを再度ワントップに移動(この人1試合でどんだけポジション移動すんの)。とにかく1点を奪いに行きますが、それでもなかなか決定機は訪れず、引き分けを覚悟した90分、とんでもねぇゴラッソが。

90分、相手ゴール中央より少しだけ右寄り、ゴールまで25m弱と思われる位置からのフリーキック。キッカーはモーベルグさんでしたが、その少し前(76分辺りだったかな)にも似たような位置からフリーキック蹴って枠には飛ばしていたモーベルグさん、2回のチャレンジで脅威のアジャスト力を発揮。左足から放たれたシュートは縦回転で上から落とすえげつないコースからクロスバーにぶち当てつつゴールに叩き込むゴラッソ。いやぁすげぇ久しぶりに大興奮の劇的ゴールでした(だってなんか知らんけど神戸のスタジアムDJがウチのゴールなのに「ゴーーー(ル)」って叫んでたもんね。そんくらい凄かった)。

ゴールが試合終了間際だったのでリスタート時点で90分は経過。アディショナルタイムは3分でしたがここをしっかりしのいでクリーンシートで勝利。勝ちが必須というプレッシャーがかかった難しいアウェーゲーム、相手の堅い守備に一時は引き分けも覚悟しましたがこの勝ちは大きい。これでやっと今シーズン4勝目。そして初の連勝ですね。

ということで、次節は1週間のお休みを挟んでのアウェー ガンバ大阪戦。ガンバはミッドウィーク、水曜日に広島戦(延期になっていた第15節)を挟んで中2日での対戦と、状況的にはウチが有利ですが、油断せず戦い、ここできっちり3連勝を飾って帰ってきて欲しいなと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 21,456人
天候: 晴 / 気温 26.2℃ / 湿度 69%
試合結果: 神戸 0-1 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: モーベルグ(90分)
警告・退場: 酒井(警告×1/異議)
主審: 井上 知大 氏
順位: 10位(4勝5敗9分/勝点21/得失点差+3)

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