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AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD6 山東泰山(中国)戦

AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD6 山東泰山(中国)戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

セントラル方式で開催されている2022年のACL、グループステージもいよいよ最終節。対戦相手は山東泰山。前節終了時点で所属するグループ F 内では2位以内が確定、さらに東地区の他グループの2位チームが到達するであろう勝点から考えてもグループステージ突破、決勝トーナメント進出が確定し、この試合は完全なる消化試合。

とはいえ、ウチがしっかり勝っておいて、同時間帯に行われる大邱FC×ライオン・シティ・セーラーズ戦で大邱が引き分け以下になってくれれば他力本願ながら首位突破が確定しますし、グループを首位で抜けるか、2位で抜けるかによって決勝トーナメントでの組み合わせも変わってきますから、その可能性をしっかり見据えた上で、勝利を目指しつつ、今まで少し出場機会が少ない選手にチャンスを与える、あるいはグループステージが終わって帰国後のリーグ戦に向けた連携強化やコンディション調整的なところでこの90分を有意義に使いたい。

どのようなスタメンが選択され、結果としてどういう戦い方ができるのか、とても注目の一戦となりました。

スターティングラインナップ

AFCチャンピオンズリーグ2022 グループステージ MD6 山東泰山(中国)戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、工藤さん、知念さん、宮本さん。ダブルボランチに安居さんと岩尾さん、左のSHに大久保さん、右に松崎さん、トップ下に江坂さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには馬渡さん、ショルツさん、敦樹さん、小泉さん、モーベルグさん、関根さん、柴戸さん、平野さん、木原さん、そして牲川さんが控えます。

予想通り大きくスタメンを入れ替えてきました。松尾さんのワントップ起用は途中交代策としては今までも何度かみている使われ方ですが、スタートからというのは初めてですよね。CBのコンビはこの試合がプロデビュー戦となる工藤さんに経験のある知念さんの組み合わせ。2人とも左利きのCBということで、ビルドアップにどのような効果を果たすのか注目です。

また、ベンチには京都橘高校から今シーズン加入のルーキーFW、木原さん、さらにGKでも水戸ホーリーホックから加入した牲川さんが入り、GKも含めて状況によっては投入あるかもねというところで彼らがしっかりデビューできる状況を作りたいところ。

対する山東泰山は、最終ライン左からヤン ルイチー選手、リン グオユー選手、ムスタパ タキシー選手。ダブルボランチにルー ヨンタオ選手とロン ティンウェイ選手。左のWBにチャン インカイ選手、右のWBにガオ ジンチュン選手。インサイドハーフにリウ グオバオ選手、イ シャンロン選手、ワントップがベイヘラム アブドゥワイリ選手という並びの 3-4-2-1 スタート。GKはカオ ジャン選手。

ドン引きされた中でも丁寧に穴を探し続け、巧みな連動から5得点完勝

相手のレベルがどうこうとか、そういう話は別にして、ある程度実力差がある試合でも所謂ゴール前にバス並べるような、5バック、6バックでベッタベタに引いた相手を崩しきるというのはそんなに簡単なことではありません。山東泰山もスタートから守備時 5-4-1 ブロック、ウチが相手を引っ張り出そうと相手をプレスで引き込むようなパスで釣っても全く出てこないので必然的にウチがボール保持して押し込みつつも引いた相手をどう崩すか、工夫が必要な試合展開になりました。

そんな中で非常にポジティブだなと思ったのは、あれだけ人が入れ替わった中でもサイドでのポジションチェンジ、引いて受ける味方に対してそのスペースを使って相手ディフェンスライン裏に入っていく連動みたいな部分はしっかり機能していた点。

ベストメンバーでのパフォーマンスは高いのに、少し人が入れ替わると途端に機能しなくなるなんてのは、ボール保持や配置で相手より優位に立とうというサッカーを志向する場合によくあることで、それは戦術理解度の差みたいな部分が大きいわけですが、現状のウチに関してはリカさんが全メンバーにしっかりと戦術を浸透させ、誰がでても一定のパフォーマンスを発揮できる状態にしてくれているというのがわかります。これは長いシーズンを戦う上でも後々効いてくる大きなアドバンテージになるでしょう。

先制点の時間帯、形も素晴らしく、まさに安居さんの良さが出たプレーでした。バイタルエリアで発生したネガティブトランジションの局面、相手が前向いて持ち出そうとした瞬間、安居さんがガッと圧力をかけて奪いきると、そのまま数メートル持ち出して思い切ったミドルシュート。まさにウチのボランチに求められる、中盤でのボール奪取能力+持ち出して得点に絡むプレーの見本みたいな先制点。これで安居さんはACLで2得点。素晴らしい。

2得点目は右サイドでゆるーりとボール保持している状況から左サイドを一気にゴール前に駆け上がった知念さんに対して、江坂さんから絶妙なクロスボール。タイミング、ボールの質、共に完璧でしたがけっして簡単ではないボールを知念さんがうまく走り込みながら左足ダイレクトであわせてゴール。彼の足元のうまさも垣間見られるゴールでした。

さらに前半アディショナルタイムには右サイド、江坂さん→岩尾さんダイレクトで浮き球のおしゃれパスで江坂さんへリターン→江坂さんがニアゾーン獲ってグラウンダークロスに中央で松尾さんがこれまたおしゃれヒールで流し込んで3点目。松尾さんはこれでACL4得点目。素晴らしい活躍。リーグ戦でも爆発してくれることに期待。

後半は急にスコールのような大雨が降り出す中、62分に大久保さん→木原さん、西川さん→牲川さんとして今シーズン新加入の2人が浦和デビュー。これで今シーズン全員に出場機会が回ってきたということですかね。

木原さんは松尾さんと入れ替わる形でワントップに入りましたが、裏抜けのタイミング、その鋭さなんかは十分に今後の活躍を期待させるだけのものがありました。ペナルティエリア内でボール受けてターンした惜しいシーンなんかもありましたし、今後コンスタントにベンチ入りできるようにがんばって欲しいなと。

後半にもその木原さんとワンツーで抜け出した松崎さんが抜け出したボールを相手がクリアしたボールが目の前に転がってきた松尾さんが冷静にミドルシュート流し込んで4点目(これで松尾さんはACL5得点目)、さらにコーナーキックのこぼれ球を岩尾さんがボレーシュートしてポストに当たったボールを中央に入っていた知念さんがしっかり詰めて5点目を奪取。結果的に最終節を 5得点、無失点で締めてACLグループステージは終了となりました。

前節の時点でグループステージ突破は確定。あとは裏でやっていた大邱FCとライオン・シティ・セーラーズ戦の結果次第で首位通過もありえましたが、大邱FCが自力の強さを示して逆転勝利したため、ウチはグループ2位での突破となりました。

グループステージ、全6試合を通して4勝1敗1分。得点は20得点、失点が2(その内1失点はモーベルグさんの豪快オウンゴールだったので実質大邱FC戦の1失点のみ)と、大邱FCに勝ち越せなかったことだけが心残りながら客観的にはグループ内で圧倒的な力の差を見せつけたといってもよい結果でした。

この連戦で得た経験、戦術的な積み上げが、日本に戻ってからのリーグ戦(直近は8日にアウェーで行われる柏レイソル戦です)に活かせることを期待しつつ、ひとまずお疲れさまでしたということで、気をつけて帰国して頂きたいなと思います。

また、現地で応援されたサポの皆さんもお疲れさまでした。6試合通して画面越しにもそのチームを後押しする声援はきっちり聞こえてましたし、選手たちにとっても大きな後押しになったと思います。

試合ハイライト

試合データ

会場: ブリーラムシティスタジアム / タイ
観客: 393人
天候: 曇りのち雨 / 気温 34℃ / 湿度 85%
試合結果: 山東泰山 0-5 浦和(前半0-3)
レッズ得点者: 安居(13分)、知念(34分)、松尾(45+1分)、松尾(69分)、知念(85分)
警告・退場: -
主審: アブドゥラ・アルマッリ 氏

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