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2019 Jリーグ 第18節 埼玉スタジアム2002 ベガルタ仙台戦

ミッドウィークに行われた天皇杯は大幅にメンバーを入れ替えつつ、最大のミッションである「3回戦進出」を決めましたが、あまりお休みする暇もなく週末、土曜日に行われたのはリーグ戦の第18節、ホーム埼スタにベガルタ仙台を迎えて。

仙台さんとは開幕戦で対戦してスコアレスでの引き分け。リーグ戦も日程の半分を終えて(ACL組は1節未消化の試合がありますが)、対戦も2週目に入ります。その間にこちらは監督交代があり、仙台は序盤勝点が積めず降格圏に沈みましたが、直近の4試合では連勝中(首位のFC東京にも勝利)で順位も一気にウチを抜いて10位まで上がってきています。

仙台とのホーム埼スタでの対戦成績は2002年にJ1で初対戦して以降、ここまで17年間負けなし(J2時代の駒場を入れても負けなし)という状況で、仙台からすれば埼スタは鬼門といえる場所。とはいえ、そういうジンクスに安心していると足元をすくわれる可能性は十分ある現在の仙台の好調具合はあなどれず、前節アウェー大分で敗戦していることを考えても、しっかり勝って次につなげたい重要な試合となりました。

2019 Jリーグ 第18節 埼玉スタジアム2002 ベガルタ仙台戦

ちなみに普段の埼スタではゴール裏観戦の私ですが(シーチケなので)、今節はちょっと事情があってメインスタンドからの観戦でした。アウェーで他のスタジアムに行く場合、ここ数年は指定席を選択することが多いんですが埼スタで指定席に座る機会はあまりないので新鮮でした。たまにはいいですね、こういうのも。

閑話休題。試合の話をしましょう。

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤は青木、エヴェルトン、両サイド、ウィングバックの左にウガ、右に橋岡を配置。長澤、武藤をインサイドハーフ、興梠の1トップという並び。GKは西川。

システム的にはいつも通りの 3-4-2-1。天皇杯ではベンチ入りもせず少し休養した興梠さん、青木さん、マウリシオさんなどがスタメンに。山中さんを左で使うために右での出場が多かったウガについても本来の左で先発。右には大分戦に引き続き橋岡さんが入って、埼スタでは久しぶりの復帰戦となりました。

対する仙台は石原選手、長沢選手を2トップとした 4-4-2。守備時には相手左ワイドに入った関口選手がウチの橋岡さんに付いていく形で 4-4-2 → 5-3-2 となるブロックの作り方でしたが、中盤の素早いスライドとウチの両サイドに対してきっちりプレッシャーをかけてくる守備に対してウチはなかなかワイドとインサイドハーフが前を向いてボールを持たせてもらえず、少し我慢の展開とはなりました。ただ、この相手サイドが橋岡さんに付いていくっていう守備が徹底されなかったことで岩波さんからの縦パス→武藤さんのスパーターン→興梠さんのゴールにつながるわけですけども(後述します)。

また、試合開始早々の15分くらいにエヴェルトンさんが中盤でラフなチャージを喰らって負傷(倒れたときに変な手のつき方をしてしまったみたいでしたけど大丈夫なんでしょうか・・・)。19分にファブリシオさんと交代を余儀なくされてしまうアクシデントも。これによってファブリシオさんをインサイドハーフに配置し(武藤さんを右に、ファブリシオさんを左)、長澤さんが青木さんとディフェンシブハーフでコンビを組む形に。

ちょっと仙台さんは球際の激しさってやつとラフプレーを履き違えてるんじゃないのというアフターチャージが多く、主審の飯田さんもカードを含めたマネジメントは難しかったんじゃないかなと。ただエヴェルトンさんに対する長沢選手のチャージはカード出して欲しかったですけどね。

ベガルタの攻撃は長沢選手と石原選手がマウリシオさんの両脇に位置取りして常に駆け引きしつつ、ウチの守備ブロック2列目の4枚の両サイドにサイドバックが広くポジションをとるのとあわせて相手ボランチとインサイドに絞ったサイドハーフがウチの2列目の前後で浮いたポジションを獲りつつパスを引き出してきます。

サイドに持っていかれてウチの2列目がスライドさせられると、広がったスペースにボランチが入ってきて2トップへのパスを供給、もしくはスライドが遅れて最終ラインから誰か出ていかないと行けなくなったところでそのギャップに縦が入ってくる狙い。それで最終ラインが下がらされるとセカンドボール回収にきっちり相手ボランチの1枚が入ってくるため、ここで潰せないと波状攻撃を喰らって押し込まれるという守備面で常に集中力の求められる相手。

それに対してウチは相手2トップに対して後ろ3枚回しで数的優位が作れることをうまく活用し、縦に楔をつけられる岩波さんを経由することで右サイドからの前進を基本に仙台を攻略しに行きます。で、その形が見事に得点に結びついたのが42分の興梠さんのゴール。

この時、本来橋岡さんに付いて5バックを形成する仙台の関口選手が、岩波さんにボールが入ったところで縦にプレッシャーをかけに出てきます(それによって橋岡さんには仙台SBの永戸選手が対応)。恐らく守備で縦にスイッチを入れてという感覚だったのかもしれませんが、仙台の他選手はこれに反応が遅れ、この瞬間、相手最終ラインの前でフリーになった武藤さんに岩波さんからの鋭い縦パス。

これに対応した仙台、平岡選手が最終ラインから武藤さんを潰しに出ますが、これを武藤さんが絶妙なターン一発で挟み込みに来た椎橋選手もろとも2枚を外すと、これに対してシマオ・マテ選手が対応に出ます。

しかしこのシマオ・マテ選手の動きに合わせるように裏に抜けた興梠さん(この時の興梠さんの動き方、まじ変態(褒めてる))に対して武藤さんからスルーパス。これで相手ディフェンスラインを置き去りにした興梠さんが最後は相手GK、シュミット・ダニエル選手をあざ笑うかのようなオシャレループでゴールゲット。浦和歴代ゴール数で福さんを抜いて単独首位に立つ92得点目(J1リーグ通算得点数としては141点目)のゴールは、そのまま決勝点となって勝利に貢献しました。

仙台の守備が悪かったとは思いませんが、この一瞬のズレを武藤さん、興梠さんのコンビがその個人能力とコンビネーションで上回って見せたスーパーゴール。今シーズンベストゴールと言ってもいいんじゃないですかね。素晴らしいゴールまでの一連の流れでした。

試合は1点リードのまま後半へ折り返し。後半開始早々に長澤さんに対するアフターチャージで椎橋選手に2枚目のイエローカードが提示され退場に。これで10人になった仙台は、2トップを1枚削って 4-4-1 or 5-3-1 でブロックを作るやり方に変更します。対するウチは1人少ない相手に対して無理にリスクを取りに行くことはせず、ボールを動かして相手の足を止めにいきます。

欲を言えばその後にあったマウリシオさんのコーナーキックからのヘディングシュートなどが決まっていれば(仙台はゾーンで守っていましたが、これを1発あわせられたことでその後はマンツーマンに切り替えてたくらいですからね)、それでトドメ刺して完璧でしたが、まぁ無理に行かないという判断自体は間違いではなかったと思います。

58分には武藤さん→杉本さんとして杉本さんをワントップにしますが、相手が10人になってからも無理に出ていかず、バランス的には11人いるのと同じ状態を保っていましたのでウチにとって危険なシーンはなし。仙台が終盤にハモン・ロペス選手を投入して2トップに戻し、1点を追ってリスクをかけてきたところでカウンターから沈めるという狙い方もあったかもしれませんが、それに対して86分に興梠さん→阿部ちゃんとして守備を固めると、そのまま1点を守り切って勝利となりました。

さて、これで1週間お休みを挟んでの、アウェーでの2戦が続きます。まずは横浜F・マリノスとの対戦となりますが、マリノスは現在2位と好調。折角の素晴らしい勝利を無駄にしないためにも次もしっかり勝って連勝としたいところですね。

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試合データ

観客: 28,904人
天候: 曇り
試合結果: 浦和 1-0 仙台(前半1-0)
レッズ得点者: 興梠(42分)
警告・退場: -
主審: 飯田 淳平 氏
順位: 10位(暫定)(7勝7敗3分/勝点24/得失点差-7)

試合ハイライト

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