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ヘグモさんが解任されてスコルジャさんが戻ってくる件について

ここ数試合、試合レビュー書くのをサボっていますが生きています。単に別のことで忙しくて書く気が起きないだけなのでまた気が向いたら書くかもしれませんし、書かないかもしれません。別に俺のレビューなど大した価値はないのでどうでもよいのです。

それはよいとして、昨日ですが、朝起きて何気なくTwitter(X)をみてたら浦和レッズ公式から下記の2つのお知らせが同時(本当に投稿時間も同時)に来てました。

最初、ヘグモさんの解任の件だけみちゃったので、「このタイミングで?」「後任のアテもないのに?」と思って絶望したんですけども、そのあとスコルジャさんカムバックの件も同時投稿されていることに気がついて事態を把握。あぁそういうことならわかるかもってことでひとまず落ち着いたんですが、冷静になって本件について思うところをちょっとだけ書いておきます。

ヘグモさん解任について

なんでしょうね、ここ数試合は完全に本来やりたかったことを一旦奥に引っ込めて、今いるスカッドから現実的な路線に回帰し始めて、勝てないまでも内容的には悪くない試合をしていただけに、このタイミングで諦めんのかーいっていう感想の方がまずはデカかったです。

個人的にヘグモさん就任当初になんとなくクラブがイメージしてたであろう、「スコルジャさんが構築した堅守を活かしつつ、攻撃的な部分に新しいエッセンスを加えてくれる監督さん」というある意味都合のよい願望に関しては、サッカーは堅守を手に入れたからあとは攻撃だけちょこっと手を加えれば......なんて単純なものではないし、各監督さんには自分が実現したいサッカーがあるわけだから、他人の作った基礎の上で都合よく動いてくれるわけないだろと考えて、「短期間で」劇的によい方向に行くことはないと思っていたものの、2年間の契約ということと、クラブがそれなりに気合いを入れた補強を当初はしていたこともあって、長期的には期待していました。

短期的な目線で言えば、開幕から2試合は勝てなかったですし、そこ先もなかなか思い描いているような形を作れず、連勝したと思ったら5試合くらい勝てないとか、壊滅的にダメでもないし、よくもないみたいな中途半端な感じで順位的には中位に留まったので、リーグ前半戦の浦和を客観的に評価するならとても合格点を出せるような状況ではありませんでした。

守備的な部分を考慮し、ダブルボランチにシステムを微調整してのち、6月最後の試合で磐田を一方的にボコっていい流れきた(実際にその試合のレビューでシステムの微調整がうまく行っていると書いた)かなと思ったら7月にリーグ下位4チームを相手に1勝もできない体たらくを晒したところで雲行きが怪しくなりましたが、まぁそれでももう9月になるし、勝点的にも前節終了時点で「35」は、J1残留ラインが例年通り「40」くらいだとすれば別に降格の危機にさらされているわけでもなく、今シーズンはこのまま少しずつでも色々な可能性を試して行きつつ、来シーズンに向けてどこまで完成度を上げていけるかってところだろうなと考えていたわけです。

正直もう今シーズンは消化試合なので、それ自体はムカつくというか、当然ながらこんな順位に留まっている状況を肯定する気はない(せめて終盤まで優勝 or ACL圏内の可能性くらいは見せて欲しかったよ)ですから、ヘグモさんに対する評価も当然厳しくはなりますが、とはいえ、半年かかったとはいえ、彼もきちんと現実を見ながらアジャストできる柔軟性のある監督さんだということはわかりましたし、彼が志向するサイド攻撃に関しては、ハマったときの破壊力は素晴らしく、可能性みたいなものも見えてはいたので、クラブがこの体制でやり抜くって決断するのであればそれでいいと思ってました。

一方でヘグモさん体制での課題、というか彼が目指すものを形にするために必要なのは「個の能力」であることは明かで、これは(現実的に難しいとはいえ)ソルバッケンさんクラスのサイドアタッカーがいないと多分無理っていう話。自分たちでボール保持して攻撃的にというやり方は当然どこのクラブも究極的には目指したいとは思うけど、現実的にそれをやるには局面で相手を上回る個の力をもった選手が主要ポジションにいないといけない。

とはいえ、Jリーグの現実を見ればそんな凄い選手を長いことつなぎ止めておけるような財力もないし、結果、個の能力で頭ひとつ抜けられないからリーグの上位にくるようなチームでは戦力がほぼ拮抗する。結局全員でハードワークして組織力で上回る方が勝つっていうことになって、リーグ上位にはそういうチームが名を連ねる状態。中途半端な戦力でポゼッション志向、攻撃的、というやり方は多分今のJリーグでは通用しないわけだ。

となるとクラブとしてはヘグモさんが夏以降やっていた守備から入る現実的なサッカーを許容するか、個でぶん殴れるような強力な選手を補強するかになるけれど、夏のクラブの動きを見ている限り補強に積極的には見えないし、やっぱ今の状況のまま進めていくってことにしたんだろうなと思った矢先の解任。

まぁわかりますよ、去年のやり方に近い状態に一旦戻してって話なら、なんのためにヘグモさんがやってんの?って疑問がでるのは。とはいえ(少なくとも今回の話が出る前の時点では)スコルジャさんはやめちまって戻って来ないわけだし、ここでヘグモさんを諦めたとして、また別の誰かがゼロからスタートするだけじゃんっていう。

でもまさか後任がスコルジャさんとはね...... まぁ当然彼が戻ってくるなら話は別だとなるのはわかる。

スコルジャさんカムバックについて

昨シーズン、浦和の歴史の中でも前代未聞なくらいの惜しまれかたをされつつ浦和を去った監督さんですし、クラブも最後まで続投をのぞんでいたこと、選手達からも、ものすごい信頼されてて、彼の立ち振る舞いや監督としての引き出しの多さなど、1年しか指揮を執っていないものの、歴代でもトップクラスの名将と思われるだけの人。戻ってくれる可能性があるってならそれこそ三顧の礼で迎えるのは当然っちゃ当然。

ヘグモさんの解任自体も、後任がスコルジャさんでなければ恐らく発生しなかったでしょう。というよりスコルジャさんの目処がついたからヘグモさん解任っていう流れだと思うけど。

その意味で、監督交代のショックはありつつも、後任がスコルジャさんだったという安心感があることで、ある意味冷静でいられるわけですけども、とはいえスコルジャさんが来れば全部解決ってほど甘くもないだろうなという心配も少し。

昨シーズン発生していた攻撃面の課題をどうすんの?問題

スコルジャさんは就任当初、前線からのハイプレスで相手を追い込み、そこからのショートカウンターという基本戦術を持ってスタートしたけど、頼みの前プレが全くハマらず、逆に相手にスペースを与えることで簡単に失点して開幕連敗スタート。とはいえそこからスコルジャさんがすごかったのは、即座に問題点を把握し、選手達の意見も取り入れながら大胆に修正し、その後4連勝して一気にチームを立て直したところ。

その後はショルツさん、ホイブラーテンさん、敦樹さん、岩尾さん、さらに西川さんを中心とした鉄壁の守備をベースに、酒井さんの攻撃参加と、カンテさんの理不尽を組み合わせて堅い試合を繰り返し、ACL制覇はもちろん、リーグ戦でも4位と(途中失速はありつつも)、監督就任1年目にして素晴らしい成果をあげてくれました。

とはいえ、課題もあって、失点はしないけれど得点もできないよねっていう。最後PKでなんとか1点獲ってみたいな試合も多かったですし、カンテさんの理不尽が発動しないと無理、みたいな状況もあり、スコルジャさんが続投していたとしても、恐らく前線で1人である程度打開できるような選手の補強がなければ停滞することは想定されていました。

今回スコルジャさんの再就任が決まって、クラブがどこまで補強の面から彼をサポートできるかだと思いますが、「スコルジャさんさえ招聘すれば今のスカッドで十分だ」なんて思ってるならそれは大きな間違いなので気をつけないといけないかもしれません。

グスタフソンさん残ってくれるよね問題

個人的に気になってるのはこれなんですよね。グスタフソンさんはヘグモさんが鳴り物入りで連れてきた選手で、もしかすると彼自身もヘグモさんに請われたから日本に来たっていう側面もあるんじゃないかなと。

客観的にみてグスタフソンさんは今のJリーグにいることが不思議なくらいハイレベルな中盤の選手ですし、気を抜けば即座に欧州や中東のクラブに引き抜かれてもおかしくない選手だと思います。

当然ながらヘグモさんの元でしか彼が活きないなんてことはないと思っていて、スコルジャさんが恐らく採用する 4-2-3-1 のダブルボランチの1枚として、安居さんとのコンビはスコルジャさんの指導の下でこそより高いレベルに行くんじゃないかなと。敦樹さん、岩尾さんのコンビが素晴らしかったように、安居さん、グスタフソンさんのコンビもハマったらJリーグでもトップクラスの中盤になると思います。

なので、クラブにおかれましてはグスタフソンさんをきちんとケアして浦和に長期残っていただけるようにしてもらいたいです。

結局はクラブのサポートしだいだよ問題

先にも書いたとおり、スコルジャさん呼んで、あとは任せておけば無問題、なんて簡単に考えているとろくなことにならないと思いますので、今はクラブがそういう適当な考え方でないことを祈るのみ。

特に現時点でのスカッドがサイドアタッカーに偏り過ぎている問題はなんとかしないといけないかもしれません。守備面での運動量、強度を考えれば先発できそうなサイドアタッカーが大久保さんと関根さん、あとは渡邊さんと長沼さんくらいしか思い浮かばず、他は途中交代策における攻撃的なアクセントにはなってもスタメンは厳しいかなという印象。人数はいるけれど、実は選択肢がそこまでない。

最終ラインに関してはヘグモさん体制よりはホイブラーテンさん、井上さん(あるいは佐藤さんがスタメンを取り戻すかも)に関してはよりゴール前での守備面に集中できる環境にはなると思いますが、その分、対人の強度や危険察知やスペースカバーの能力、空中戦の強さといったCBとしての基本スペックの高さが求められると考えれば、井上さん、佐藤さんがどこまでできるのかについては未知の部分も多い。

補強含め、スコルジャさんが求めるものに対してクラブがどこまで本気でサポートできるのか、今シーズンの残り、そして来シーズンの成績はそこにかかっていると思います。

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