2024 Jリーグ 第21節 埼玉スタジアム2002 ジュビロ磐田戦
前節はアウェーで、システム的にも今まで拘ってきた 4-1-2-3 から、中盤を2枚にした 4-2-3-1 で堅い試合をして(前節レビュー参照)、ウノゼロ勝利。結果がすべてという状況で、多少の妥協はしつつも、しっかり勝利して勝点3を奪ったことは最大限評価できるところ。
問題は、そういうきちんと結果を出した次の試合でそのよい流れを継続できるか。今節はホームに戻ってきての磐田戦。順位的には下のチームですし、勝利がマストの一戦。ここでしっかり連勝できるか、そして7月の快進撃へとつなげることができるか。とても重要な、6月最後の一戦となりました。
スターティングラインナップ
前節から人の入れ替えは無し。前節もスタートのフォーメーション的には安居さんをアンカーに置いた 4-1-2-3 で示しましたが、実際に試合の中では安居さん、敦樹さんが中盤2枚の立ち位置になっていて、4-2-3-1 でしたが、今節も引き続き、安居さん、敦樹さんのダブルボランチ、4-2-3-1 でスタートです。
前節は、渡邊さんがトップ下、武田さんが左のウィングでスタートしていましたが、今節は武田さんがスタートポジションとしてはトップ下、渡邊さんが左ウィングという立ち位置。ただし、この2人、またソルバッケンさんも状況に応じて左に流れてきたりと2列目の3枚はかなり流動的にポジションを動かしていましたので、あくまでスタートポジションという感じです。
ベンチには宇賀神さんが入って、やっと埼スタのピッチでおかえりと言える可能性が。酒井さんが離脱することでSBのサブがいなくなってしまう状況ですからウガがサブに入るのは当然なんですが、ぜひ彼にチャンスが回ってほしい。後半の交代策にも期待。
その他、ショルツさんの離脱に伴い、佐藤さんのバックアップということで、井上黎生人選手がベンチ入り。今後は彼も重要なCBのバックアップとしてコンスタントにベンチ入りする可能性が出てきました。
また、いつまで続くかは別としてシステムが 4-2-3-1 になったことで、パンヤさんなど、トップ下特性のある選手にとっては序列を上げるチャンスが到来しているかもしれません。そういう部分にも注目です。
紆余曲折ありつつ、昨シーズンのサッカーの正当な進化形と言える状態にたどり着いた感じで磐田を圧倒。リーグ後半戦のブーストに期待
帰ってきて時間も遅いし、明日もお仕事なのでリプレイとか見返している時間もなく、とりあえず記憶の範囲で簡単にまとめます。
磐田はジャーメイン良選手、ペイショット選手を2トップに置いた 4-4-2 スタート。ボール非保持もそのまま 4-4-2 ブロックで、意図としては2トップでこちらの2CBに規制をかけつつ外に追い出しておいて、ウチがSBに逃げたところをSHで蓋をしてる間に、全体を押し上げてボールサイドに圧縮しに来る形。
試合開始当初は、大畑さんや石原さんの立ち位置が相手SHの前面に留まったためにこの磐田のプレスにハマりかけましたけど、安居さんと敦樹さんがうまく相手2トップの背中でサポートすることでボールを引き出したり、無理なら西川さんから相手最終ライン裏を狙うことで徐々に相手プレスを無効化。
うまくプレスがハマらないことで磐田が無理に前から出てこなくなると、2CBで落ち着いてボールを左右に動かしつつ、敦樹さんが3列目から効果的に相手最終ラインの裏を狙ったり、ソルバッケンさん、渡邊さんのキープ力を活かして時間を作ったところから両SBのオーバーラップ、あるいはそれを囮に使ってのウィングのインサイドワークをうまく織り交ぜつつ試合を優位にコントロール。
中盤が安居さんと敦樹さんの2枚になったことでリスク管理も徹底され、さらにこの2枚の猛烈なプレスバックを伴う運動量豊富な守備と、最終ラインからの果敢な迎撃で磐田攻撃陣にほぼ何もさせず、一方的な展開にできたのは素晴らしかった。
アンカーシステムでやっているときに常に課題になっていたアンカー周辺のスペースのリスク管理や、ハーフスペースを縦に狙われた際に誰がそこをカバーするの問題ですが、当然ながら中盤が2枚になることでここは勝手に解決。2CBも中盤の2枚がしっかりプレスバックしてくれることで、思い切って迎撃に出られるようになってることが、バイタルエリアでほぼ相手に何もさせない守備へと結びついていると思います。
昨シーズンはボール非保持でとにかく深い位置にディフェンスブロック作るやり方でしたが、リーグ屈指の堅守を手に入れた反面、ボール奪取位置が低すぎるのと後ろが重たくなりすぎる関係で攻撃に出て行く部分ではなかなか迫力が出せず、得点力が課題になりました。
一方で今シーズンは、あまりにも急激に攻撃面にふってしまったために「あんな簡単に失点してたら勝てる試合も勝てねぇよ」状態になったわけですが、ここに来て 4-2-3-1 に割り切ったことで、ミドルゾーンでのプレスがハマりやすくなり、さらに前線のタレントによってボール奪取後の攻撃に迫力がでるようになっていて、多分、スコルジャさんがあのまま監督を継続して、得点力のある前線を的確に補強したらこんな感じになってたんじゃないの? と思わせる状況に。
ヘグモさんがある意味柔軟に選手の特性が活きる方向に微調整をしてくれたことで、結果として多くのサポが求めていた、「昨シーズンのサッカーに攻撃面での進化を加えたやつ」が突如爆誕した感じ。もちろん、相手が上位チームだったらどうなんだってのはまだわかりませんけども、少なくとも今の状況は結果オーライなのでは。
そんなシステム変更でまさに水を得た魚のようになったのが敦樹さん。今節は1ゴール2アシストと大爆発して文句なしのマンオブザマッチ。守備時は中盤でバッチバチに相手をぶっ潰しまくり、ビルドアップでは要所要所でボールを引き出して前進させ、アタッキングサードではタイミング良く、ハーフスペースを相手最終ライン裏に抜け出して決定機を創出。やはり相手最終ラインにマークされにくい3列目から飛び出すことで、ボックス・トゥ・ボックスでプレーできる敦樹さんのよさが存分に発揮される感じ。もっと早くやっとけマジで。
21分にはその敦樹さんのクロスに対して、逆サイドからペナルティエリア内に突っ込んできた石原さんが打点の高いヘディングシュートを合わせて先制点。プロ初ゴールおめ。
後半開始早々の52分には、同じく敦樹さんがハーフスペースを縦にぶち抜けてマイナスに戻したところを渡邊さんが抑えの効いた素晴らしいシュート叩き込んで追加点。
とどめはその敦樹さん自身がマイナスクロスを冷静にトラップしてから相手ディフェンスの股を抜くシュートで3点目。
73分にはソルバッケンさん→サンタナさんとして、リンセンさんをトップ下、渡邊さんを左ウィング、武田さんを右ウィングにしてサンタナさんをワントップに。その後、リンセンさんも疲れがみえたので、ここをパンヤさんに替えたのが82分。
リンセンさんはこの試合、得点こそなかったですけども、常に相手最終ラインの裏を狙い続け、この動きによってバイタルエリアでのスペースを作り出すことに成功していて、影の功労者。いい動き出ししてるので、もう少し周りが彼を見てペナルティエリア内に入れそうなところでクロス入れたりしてあげられると得点っていう結果もついてきそう。1トップのスタメン候補としてはサンタナさんの序列を抜いたのはほぼ確実。
試合終了間際、89分には3枚替え。途中、足が攣ったように見えた佐藤さん→井上さん。安居さん→堀内さん。さらに渡邊さん→ウガとしてウガを左のウィングに投入。アディショナルタイム含めて磐田を押し込みつつ時間を進め、危なげなくクリーンシートでの勝利、勝点3をゲットしてくれました。これで2連勝です。最後、ウガにシュートチャンスがあって、「いけっ」って思ったら見事な宇宙開発でしたね。
さて、6月後半の2試合はしっかり勝って、そこまでの悪い流れを断ち切ってくれました。7月に入ると、湘南(H)、京都(A)、札幌(H)と、順位的には下位にいるチームとの対戦が続きます。
この3試合が終わるとしばらく中断期間に入ってリーグ戦は8月まで無し。対戦相手を考えても、7月は全勝して一気に勢いに乗ってほしいところ。最高の7月になることを期待します。
おまけ
この試合がはじまる数日前に岩尾さん、ショルツさんの2名がチームを離れることが公式に発表されました。酒井さんに続いて3人の選手が一気にチームから去ってしまうことになります。
大きな貢献をしてくれた選手がチームを去ってしまうのはいつの時代も悲しいものですが、プロサッカー選手の皆さんは自分のキャリアを成功させるために時には所属チームを離れる決断をしなければならないものですし、応援している我々もそれを受け入れるしかない。
3選手の今後のサッカー人生が充実したものになることを心から願います。
試合ハイライト
試合データ
観客: 32,079人
天候: 雨 / 気温 25.5℃ / 湿度 75%
試合結果: 浦和 3-0 磐田(前半1-0)
レッズ得点者: 石原(21分)、渡邊(52分)、敦樹(74分)
警告・退場: ソルバッケン(警告×1/遅延行為)
主審: 川俣 秀 氏
順位: 9位(9勝7敗5分/勝点32/得失点差+7)
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