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天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦 NDソフトスタジアム山形 モンテディオ山形戦

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦 NDソフトスタジアム山形 モンテディオ山形戦

写真は「スカパー!」中継映像から引用

7月に入って連日地獄のような猛暑になっていますけども、そんな厳しいコンディションの中、ミッドウィーク水曜日に迎える試合は、天皇杯の3回戦。山形に乗り込んでのモンテディオ山形戦です。

先週待つにリーグ戦、この試合が終わると週末にはまたアウェーでリーグ戦(セレッソ大阪戦)が待っているというなかなかに厳しい連戦ですが、この試合の目標は勝って次に駒を進めること。

相手が下位カテゴリのチームということもあって、週末のリーグ戦から逆算した人の起用になることは想定できますが、2回戦でも経験したとおり、失うものがない状況で挑んでくる下位カテゴリのチーム程めんどくせぇ相手はいないわけで、週末のリーグ戦で起用が想定される各選手になるべく疲労を溜めないようにしつつも、「勝利」というミッションをしっかりコンプリートできるのか、注目の一戦となりました。

スターティングラインナップ

天皇杯 JFA 第103回全日本サッカー選手権大会 3回戦 NDソフトスタジアム山形 モンテディオ山形戦

さて今日のスタメンは、最終ライン左から大畑さん、ショルツさん、岩波さん、荻原さん。ダブルボランチに岩尾さんと平野さん、左のSHに髙橋さん、右に関根さん、トップ下に安居さんを配置し、1トップに興梠さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは彩艶さん。サブにはホイブラーテンさん、馬渡さん、大久保さん、敦樹さん、カンテさん、リンセンさん、そして牲川さんが控えます。

酒井さん不在で空いている右SBについては、馬渡さんではなく前節から引き続き荻原さんが担当。ボランチは敦樹さんをベンチスタートにして平野さん、岩尾さんのセット。左のSHで髙橋さんを先発させ、右に関根さんという個人的な感覚としては「意外と人の入れ替えしなかったな」という印象のスタメン。

ベンチメンバーを見ても、恐らく興梠さんや関根さん、岩尾さんあたりは45分、もしくは後半の早い時間帯で交代しそうなイメージで、プラン的には前半で先制して、リードを奪ってから後半の交代でリフレッシュ、あわよくば追加点でとどめを刺しつつ、全体的な選手の疲労は抑え気味にってところでしょうか。まぁ何事もプラン通りに行けば苦労はないですが。

対する山形は、最終ライン左から吉田 泰授選手、西村 慧祐選手、喜岡 佳太選手、山田 拓巳選手。ダブルボランチに新垣 貴之選手と藤田 息吹選手。左のSHに河合 秀人選手、右SHにイサカ ゼイン選手、トップ下に後藤 優介選手を配置し、ワントップに加藤 大樹選手という並びの 4-2-3-1 スタート。GKは長谷川 洸選手。

J2あまり見ていないのであれですが、今シーズンの山形は序盤の5連敗かなんかで前任のピーター・クラモフスキー監督との契約を解除。コーチだった渡邉晋さんを後任監督にしてここまで戦ってきていますが(現在J2で12位)、渡邉監督といえば仙台などでも見せた、所謂ポジショナルプレーを志向する監督さん。山形っていうとイメージ的には引いて守ってカウンターみたいなサッカーがイメージとしてはあるんですが現状の山形は4バック→擬似3バックへの可変を含め、最終ラインからしっかりボールを繋ぐ意識が高いチームになっているようです。

暑さ?連戦の影響? 相手の強度に気圧されるように停滞した前半と選手交代で活性化した後半

前半の立ち上がりに関しては、思い切った縦へのランニングとそこへのロングフィードで山形のディフェンスラインを押し下げつつ、個々人の能力で上回って敵陣でボール保持という状況を作れていて、いい入りしたなと思っていたんですが、そこを山形に耐えられてしまうと徐々に山形の方が良さを出す流れに。

山形は中盤でのトランジションも速く、(ちょっと荒いとも言えるけど)球際もかなり激しくぶつかってきたため、中盤で引っかかるケースも多く、さらに山形の3バックに可変しつつ右SB(山田選手)を高い位置に押し出すやり方によって、ウチの左サイドは常に数的不利な状況(大畑さんが大忙し)に。

もちろん、相手SBが上がっている関係上、そこにスペースはあるんだけど、そのスペースを突くためには例えば髙橋さんが多少リスクを獲ってでも山田選手の背中で起点を作るとか、興梠さんが収めて時間作ってる間にそのスペースに誰か入ってくるみたいな連動が必要。しかし、今回はそういう展開が作れず、興梠さんがボール収めても山形の激しい守備でなかなか時間を作るところまではいけなかったので、相手SBの上がりを逆手に取ったり、それによって相手SBを低い位置に押し込むような状況にできなかったことで、山形のやりたい形が出てしまった。

また、少し気になったのは、ロングフィードによる縦狙いにしても、相手最終ラインでのボール保持に対して前線がプレスに出ていった場合でも、どうもその前の押し上げに対する最終ラインの追随性が低いように感じたこと。

これはホイブラーテンさんとショルツさんのコンビの時にはあまり感じないので、岩波さんとショルツさんという組み合わせの問題なのかわかりませんけども、結構ウチの中盤にスペースがあってセカンドボールの回収もあまり効果的にできなかったですし、相手のビルドアップを規制したと思ったら結構簡単に中央で出口作られちゃったりみたいなシーンも多数。

所謂中盤のコンパクトネスが足りねぇっていう状況ですが、後ろも前で溜めが作れそうって思ったところで引っかかってトランジションされるとなかなか上げるのは難しくなっちゃうので、最終ラインだけの問題ではないというのは理解しつつも、この辺が前半、うまく行かなかった要因となりました。

あ、あと前半途中から髙橋さんと関根さんが左右入れ替えてましたね。関根さんはドリブルでの打開ができるので、それによって左サイドで時間を作って相手とのサイドの攻防で優位性を出したかったのかもしれませんが、そこまで変化は見られませんでした。

で、後半に怒濤の3枚替え。ミシャさんの時なんかだとこういうちょっとうまく行かない時の同時3枚交代は「怒りの3枚替え」とか言ってましたけど、スコルジャさんはどうなんでしょうね。表には出さないだけでぶち切れ3枚替えだったんでしょうか。それはともかく、この3枚替えで状況は好転します。

前半のうちに関根さんが左サイドに移動していたので、そのまま右サイドに大久保さんが入る形。これで左右にドリブラーが入ってそこである程度時間を作れるようになったことや、カンテさんがうまくポストプレーしてボールの収まりどころを作ってくれたため、途中交代の敦樹さんがガンガン前線に飛び出していくいつもの流れを作ることに成功。

先制点は岩波さんから大外、ワイドに張った大久保さんへのパスを大久保さんがワンタッチで相手ライン裏へフリック。ここに走り込んだ敦樹さんが対応した山形、西村選手の寄せを、股下を抜くっていう高等テクでかわすと、クロスを匂わせつつ右足で逆サイドネットにぶち抜く強烈シュートを叩き込むっていう、敦樹さん半端ねぇゴール。2回戦でもそうでしたが、敦樹さん、途中交代で出てきて試合を動かす大仕事。さすがです。

その後、72分に関根さん→リンセンさんとして関根さんを温存。リンセンさんはトップ下に、安居さんが左に出る形にしますが、ちょっと守備的なバランスが悪いと感じたのか、スコルジャさんが選択した最後の交代カードは86分、岩尾さん→ホイブラーテンさん。

3バックにするのかなと思って見てて、実際にホイブラーテンさんが入った直後は3バックっぽい並びになっていたんですが、実際にはホイブラーテンさんが左SBのような位置に入って大畑さんを1列前に上げるようなやり方になっていました。

まぁショルツさん、岩波さん、ホイブラーテンさんが揃ったウチの最終ラインは多分J1の強豪でも崩すの相当大変だと思うので、当然ながらそこから先はしっかり山形を押さえ込み、1点を守って勝利、ベスト16に駒を進めるミッションコンプリートです。

さて、次は週末、日曜日のセレッソ大阪戦。リーグ戦の方はまだまだ上位に食らいついている状況ながら、1つの敗戦でその差が一気に開いてしまう可能性もある緊迫した状況。アウェーですがしっかり勝点3を奪って帰ってこれることを祈りつつ、週末を待ちたいと思います。

試合ハイライト

試合データ

観客: 6,520人
天候: 曇り / 気温 26.5℃ / 湿度 67%
試合結果: 山形 0-1 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: 敦樹(64分)
警告・退場: -
主審: 飯田 淳平 氏

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