2022 Jリーグ 第30節 レモンガススタジアム平塚 アウェー 湘南ベルマーレ戦
前節はセレッソを相手に痛恨の敗戦を喫し、今シーズンリーグ戦、上位(要するにACL出場権を得られる3位以内、もしくは可能性がちょっとだけある4位以内)の可能性は完全に消滅。いや、計算上はまだ可能性があるとしてもそれはウチがここから全勝してウチより上位が全敗みたいな奇跡しかありえないということで事実上の消滅と、リーグ戦に関してはもう目標設定が難しい感じになってしまいました。昨シーズン(6位)より上位いければいいなくらいのフワッとした、かつ大して意味のないものくらいしか目指すものがなくなっちゃった。
となるとあとはルヴァンカップでのタイトルくらいしか年内はないわけですが、そのルヴァンカップ準決勝の2戦が来週に控える中、迎える今節、アウェーでの湘南戦をどう戦うかは結構悩みどころが多いなという印象。
ルヴァンカップを本番と考えればルヴァンカップにベストなメンバーのベストなコンディションを持って行きたい。とはいえリーグ戦をあからさまに捨てるわけにもいかないし、前節セレッソに敗戦していることでここで連敗みたいなことになればマネジメントも難しくなる。そこに来てリーグ終盤で疲労も蓄積し、ただでさえ難しいところにコロナ禍の影響で「病気による離脱」「復帰したとしてもいきなりトップフォームには戻りにくい」という部分が重なると、もし私がリカさんなら血反吐はいてぶっ倒れてるわと思うくらいストレスフルな状況だと思いますが、スタメン含めどういう選択をするのか注目の一戦となりました。
スターティングラインナップ
さて今節のスタメンは、最終ライン左から馬渡さん、ショルツさん、岩波さん、酒井さん。ダブルボランチに柴戸さんと敦樹さん、左のSHにシャルクさん、右にモーベルグさん、トップ下に江坂さんを配置し、1トップにユンカーさんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは西川さん。サブには知念さん、大畑さん、関根さん、岩尾さん、大久保さん、小泉さん、そして彩艶さんが控えます。
しばらく見かけなかった馬渡さんが突然の復活。右SBは酒井さんが前節の途中出場から先発となり、岩波さんも戻ってきたし、大畑さんもベンチ入りしたことで最終ラインの陣容は元に戻ってきた感じ。
中盤ではここのところほぼフル稼働だった岩尾さんをベンチスタートでお休みさせて柴戸さん、敦樹さんコンビに。岩尾さんの代役であればタイプ的には安居さんや平野さんじゃないかなと個人的には思いますが、この2人のユニットでどこまで中盤の立ち位置が調整できるか、別の意味で期待。
最前線はかなり特化した人選で、左右にシャルクさんとモーベルグさん、ワントップユンカーさんにそれを後ろから江坂さんが支える形。なんつーか、リードした後半からのトドメ刺し陣形としては最強な並びですが、スタートからこのラインナップでどこまでハマるのか。でもハマったらすげぇ殺傷能力高ぇなということで不安もありつつ期待も高まるスタメンとなりました。
対する湘南は、最終ライン左から杉岡 大暉選手、山本 脩斗選手、岡本 拓也選手。アンカーに茨田 陽生選手、左のWBに中野 嘉大選手、右WBに石原 広教選手。2シャドーにタリク選手と池田 昌生選手を配置し、最前線2トップが瀬川 祐輔選手、ウェリントン選手という並びの 3-3-2-2 スタート。GKは谷 晃生選手。
湘南のやり方はいつも通り。守備時ブロックも 5-3-2 → 5-2-3 みたいな感じで特にサイドは素早く寄せてスペースを消しにくる、ウチの両SH、SBの全面スペースに蓋をしてそこで詰まらせ戻したところをハイプレスからボール奪取というのはある程度見えているので、ここをどう攻略するか。
手っ取り早く縦に中盤をすっ飛ばしてある意味オープンな展開に持って行ってしまい、ユンカーさんやモーベルグさん、シャルクさんの個人能力でぶん殴るという策もありっちゃありな気もしますし、もしかするとリカさんはそういう前半を志向したスタメンの選定だったのかもしれません。ただ、オープンな殴り合いは湘南も比較的得意な方なので、下手に縦に急いで中盤で引っかかると、強烈で厚みのあるカウンターをぶち当てられる可能性もあり...... この辺が吉と出るか凶と出るか、気になりつつのキックオフ。
前半相手ペース、後半はウチが盛り返しでドローは妥当(やや負けなくてよかった寄り)な結果か
ウチのボール保持時、湘南の守備ブロックは 5-3-2 を基本に、ウチのビルドアップに対して 5-2-3 のような形で2シャドーから1枚が最前線に出てくる規制のかけ方。前述の通り、サイドはきっちり蓋をして最終ラインのビルドアップから単純に左右のSBやSHに付けただけでは詰まって終わり。
本来はここでダブルボランチの2枚が中盤、相手2列目周辺でパスコースを作って、ここを起点に大外から斜めにインサイドワークしたSHやSBを活かしてラインブレイク、みたいなシチュエーションを作りたいものの、中盤エリアもほぼマンマーク気味に消しにくる湘南に対して、特に柴戸さんがなかなか効果的な立ち位置を獲れず、引いて受ける形になると、それに引っ張られて敦樹さんも下がってきちゃうってことで、後ろが重たい割には中盤に起点が作れない状況に。
また、ボール非保持時は、さすがに最前線にユンカーさん、モーベルグさん、シャルクさんとあまり守備が得意でない人があれだけいると(誤解していただきたくないが、彼らは守備をサボるので駄目だなんて言ってるわけではなく、きちんと相手を追ったり、プレスバックは献身的にしてくれる。対人での守備はきちんと頑張ってくれるんですがセットした状態でのポジショニングや出て行くタイミングみたいなところが「うまくない」だけ)、湘南も中盤でのショートパスを駆使したボールの前進のさせ方は下手ではないので、結構押し込まれる展開に。
結局中盤で起点が作れないので、ユンカーさんを早めに使う感じの縦に急ぐ展開になりますが、こういう風にプレー速度が上がってしまうとトレードオフとしてプレー精度が落ちるのは常なので、ミスも増える→中盤で湘南にボール奪取→サイドからカウンターみたいな流れになって得点どころか失点の匂いがし始める始末。
ユンカーさんに関してもシュートチャンスはありましたが、湘南GK、谷選手のポジショニングがよいせいもあってシュートは全部正面。ちょっと無理目なシュートでも無慈悲に叩き込んで、あれはユンカーさんじゃなきゃ決められなかったねみたいな、ある意味相手にとっては理不尽に点獲ってくれるんであれば結果オーライって言えますし、多少チームバランスが崩れてでも彼を使っている意味があると思いますが、その意味では(期待が高い分)物足りなさを感じてしまう出来。
前半に関しては完全に湘南ペース。特に前半終了間際にショートカウンターからウェリントン選手にペナルティエリア内で許したシュートなんかは、完全にフリーで打たれていて、彼がミスってフカしてくれたから助かりましたけど、見ていて完全に「終わった......」って思うような相手にとっての決定機でしたし、失点しなくてよかったぁと思うくらい。
で、ハーフタイムにやっぱ中盤に岩尾さん欲しい...... とか、前線に松尾さんいないと辛い...... とか言っても詮無いことをダラダラ話ながら、うわー花火きれー(「おまけ」参照)とか言ってたら後半から岩尾さん投入(敦樹さん→岩尾さん)。あわせて馬渡さん→大畑さんとして左SBもリフレッシュ。
まぁなんていうか、岩尾さんにおんぶに抱っこというのが良いか悪いかはさておき、さすがだなと思ったのは岩尾さん入った途端に普通に中盤に起点が作れるようになるんですよ。なんなんすかこの人。まじ凄いんですけども。
岩尾さん自身がパスを受けるというだけでなく、彼がとる、相手2トップ背中での気の利いた立ち位置によって、相手2トップがウチの2CBに対して出て行きにくくしちゃう。
そこでボール受ければ相手が潰しに出てこなければならなくなることで他が空く、直接パス受けられなくても、彼の立ち位置がけん制となることで、結果的に2CBが持ち出す時間的余裕ができたり......そういう部分が彼の凄さなんでしょう。ちょっとマジで早めに徳島さんから買い取り決めてください(切実)。
中盤に落ち着きを取り戻したウチが後半は盛り返すも、前線ユニットの特性上、ニアゾーンを獲るような崩しは少なく、枠に飛ばしたシュートもほぼサイドからの横パスにペナルティエリア付近からのミドルシュートに近いものばかりだったので決定機というには少し弱かったかなと。
後半から入った大久保さんや関根さん辺りにはそういうプレーが求められていたようにも思いますけども深いところ獲って相手を崩しきるところまでは持っていけなかったですね。結局試合は両者スコアレスのまま、勝点1を分け合う結果となりました。
うーん難しい。決して内容のすべてが悪かったとも思いませんし、前線のユニットを変えて普段とは少し異なる戦い方を志向した結果、できなくなったこともありますが、逆にその良さを活かして相手ゴールに迫ったシーンもあり、そこは一長一短。
勝てないとどうしても評価は厳しくなりがちですけども、引き分けとはいえ難しいアウェーで連敗は回避。来週のルヴァンカップでしっかり結果出してくれることに期待しつつ湘南を後にしました。
おまけ
毎回湘南に試合観に行くと花火上がってるので、恒例のって感じですが、幸い天候が持ってくれたおかげで花火がとってもキレイでございました。
そういえば昨日の湘南の花火はきれいだったね(遠い目 pic.twitter.com/p6JAIuPbIj
— Yoshiki Kato (@burnworks) September 18, 2022
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試合ハイライト
試合データ
観客: 11,594人
天候: 晴 / 気温 27.9℃ / 湿度 68%
試合結果: 湘南 0-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: 岡部 拓人 氏
順位: 8位(9勝7敗13分/勝点40/得失点差+14)
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