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2022 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

2022 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

前節はアウェーの鹿島で惜しい引き分け、勝点1を持ち帰るにとどまりましたが、1週間のインターバルを経て迎えるのはホームでの第29節。対戦相手は柏レイソルです。

今シーズン、残すはリーグ戦の数試合とルヴァンカップのみ。リーグ戦の方はとにかく1つでも多く勝点を積んで、1つでも上の順位を目指すしかない状況。そんな中で迎えるホームゲームは、是が非でも勝って勝点3を積みたい重要な一戦となりました。

スターティングラインナップ

2022 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦 スターティングラインナップ

さて今節のスタメンは、最終ライン左から明本さん、知念さん、ショルツさん、宮本さん。ダブルボランチに岩尾さんと敦樹さん、左のSHにシャルクさん、右に関根さん、トップ下に大久保さんを配置し、1トップに松尾さんを置いた 4-2-3-1 スタート。GKは彩艶さん。サブには柴戸さん、安居さん、松崎さん、平野さん、ユンカーさん、江坂さん、そして牲川さんが控えます。

新型コロナウイルス感染症に関しては現状クラブは罹患者(あるいは濃厚接触者)を公表していないため、下手に推測でものを語ることは避けますが、前節、鹿島戦から引き続き複数の主力選手が離脱してしまっている状況はコロナ禍でのチーム運営の難しさを感じさせます。

ACL準決勝、全北現代でのスタメンが現状のベストメンバーと仮定すると、岩尾さんと敦樹さんのセントラルが健在なのは助かる。しかしGK、左右のSB(酒井さんは負傷離脱というのがはっきりしていますけども)、CBの1枚(岩波さん)、SHの片翼(モーベルグさん)、そしてトップ下(小泉さん)まで本来のファーストチョイスになりそうな選手がいないという状況は正直厳しいといわざるを得ません。

とはいえ、こういう状況は起こりえるので、代わってチャンスを得た選手がしっかり結果を出してくれば、それはチーム全体の選手層の底上げになりますし、終盤戦はもちろん、来シーズンに向けても重要なポイントとなるので、しっかり結果を求めたいところです。

特に、前回スタメン時に少しよくない印象になってしまった知念さんや、前節ミスから失点してしまった彩艶さん、鹿島戦レビューでも書きましたが個人的には少しプレーが消極的、というか「慎重すぎて思い切りが足りない」ように見えた宮本さんあたりがそこで出た課題をしっかり克服して、この試合でどんなプレーを見せてくれるのかも注目ポイント。各選手、次の浦和を背負う期待がかかる人たちですから失敗を恐れず、チャレンジして成長してもらいたい。

対する柏は、最終ライン左から古賀 太陽選手、上島 拓巳選手、染谷 悠太選手。中盤、アンカーの位置に椎橋 慧也選手。左のWBに三丸 拡選手、右WBに大南 拓磨選手を配置。2シャドーにドッジ選手とマテウス サヴィオ選手、最前線2トップにドウグラス選手、細谷 真大選手という並びの 3-3-2-2 (3-5-2)スタート。GKは佐々木 雅士選手。

(不可抗力とはいえ)スタメンの入れ替わりに多少心配するも、始まってみれば素晴らしい躍動感で前半を圧倒
後半流れを奪われる時間帯がありつつも4得点で快勝

ウチは試合開始早々からよい入り。1分過ぎに明本さんのハイプレスでボール引っかけて松尾さんキープ→明本さんがハーフスペース、ペナルティエリア付近でボール受けて溜めたところに外側をシャルクさんが素晴らしいタイミングとスピードでニアゾーン獲りにいって折り返し→ニアで大久保さんが先に触れれば得点っていう決定機を創出しますが、ここの攻撃の起点となったプレス強度、久々の先発となったシャルクさんがきちんと周囲と連動してニアゾーンを獲るよい動きをしているあたり、今日は行けると早々に思わせてもらえる出来。

ウチのボール保持は明本さんを高い位置に上げた疑似3バック(これはいつものスタンダードなやり方)。そこに岩尾さんが落ちてサポートしたり、相手1列目背中を獲ったりという立ち位置からビルドアップはスタート。

柏のボール非保持は 5-3-2 ブロックですが、最前線の2枚は2トップのドウグラス選手と細谷選手、さらにドウグラス選手はそこまで守備意識が高くないので相手の初期プレスはほぼ脅威にならない。岩尾さんを消す動きをされたら知念さんやショルツさんがドリブルで持ち上がる、2CBに対して出てくるなら岩尾さんが2トップの背中でボール受けて前を向くという形で最前線で積極的に裏に仕掛ける駆け引きをする松尾さんやシャルクさん、明本さんの動きと合わせて柏ディフェンス1列目と2列目以降を分断することには早い時間帯から成功していました。

鹿島戦なんかでやられて嫌だったのは、前線プレスを3枚とかにされてさらに中盤をコンパクトにした上で、2CB+岩尾さんへの規制だけでなく、ショルツさんのドリブル打開を消すような立ち位置を獲られることだったんですが、今節の柏は前2枚が少し全体からは浮いたような状態(後ろ2列は待ち構えつつ、前2枚だけプレスに出ていくような)だったので、そこでの窮屈さを感じることはなかったかなと。

ビルドアップに関しては知念さんが先発したことで普段とは2CBの立ち位置が逆になっていましたけども、左利きの知念さんが左にいることで相手が内側からパスコースを切りに来たときに、左足で外側から縦にパスを通せるってのはアドバンテージになったように思います。

実際に先制点の場面は知念さんスタートなんですが、この縦パスは左利きの利点が出たパスでした。内側からフワッと縦のパスコースを切りに寄せてきた細谷選手に対して、その横を左足でぶち抜く縦パスでしたが(右利きの選手だとあのコースは通しにくい)、細谷選手も知念さんの利き足をあまり考慮していないような曖昧な立ち位置のとり方だったというのはあるにしても大久保さんのパスコース作る動きに対して躊躇せず縦パスブッ刺したのはさすが知念さんというところ。

ちなみに、この縦パスを受けた大久保さんが相手を引きつけながらターン一発でプレスを裏っ返して前向いたプレーは現地で思わず「うまっ」ってつぶやいてしまう程の素晴らしいターンでしたが、このターンの時点で勝負あり。あとは古賀選手と上島選手の間を抜けた松尾さんにスルーパス通すと、松尾さんが冷静に流し込んで先制点となりました。

前半の柏は総じて戦前2トップの規制が適当→中盤3枚の左右やその背中で起点を作られるのでアタックが遅れてアフター気味のファールが多いみたいな流れでしたけども、それだけウチが立ち位置で優位性を作って相手を混乱させることができたということでしょう。ウチは攻守転換も速く、奪われても敦樹さんをはじめ中盤のプレスバック、強度も高く即時奪還できていましたし、前半に関してはほぼ4局面すべてで相手を上回ることが出来ていたので、その点は素晴らしかったと思います。

逆にいえば4局面のうち、ボール非保持においてはやはり前線からのプレスのインテンシティ(プレスに出ていく判断や速度も含めての強度)が重要になることは明かで、この辺がユンカーさんがスタメンでは使いにくくなる要因としてはっきりしてしまったかなというところ。それに対してシャルクさんは攻守にハードワークできるのでスタメンとしてのファーストチョイスは今後も彼になりそうな予感がします。

ユンカーさん的には不満が溜まりそうな感じもしますが、後半から出てきて試合を決めるゴールを奪うっていう部分での彼のスペシャリティは唯一無二だと思いますので、個人的には割り切ってやった方がいいようにも思いますが、その働き方で本人とクラブが納得するかはまた別の話なので難しいところです。

試合に話を戻しましょう。

前半のよい流れの中、24分にシャルクさんの追加点が炸裂しますが、これは縦パス2本で完全に相手中央ラインをぶち抜いた素晴らしいゴールでした。

自陣からのリスタートだったので最終ラインに落ちた岩尾さんが相手2トップを引きつけながら敦樹さんに縦→それを受けた敦樹さんが縦にキラーパス。左サイドから完璧なタイミングで中に絞りながら入ってきたシャルクさんがラインブレイク→GKとの1対1を決めきってというものでしたが、凄かったっすね。シャルクさん久々に復帰して早速得点を決めるあたりさすが。前回、柏との対戦時(アウェー)はゴールにすげぇミドル叩き込みながらもオフサイドで幻のゴールに終わりましたが、今回はきっちりリベンジです(ゴール後の雄叫びが激しすぎて、後ろ追っかけてきた松尾さんが少し引いて苦笑いしてたのには笑いましたけども)。

うまく行かず、先に交代カードを切ったのは柏(前半終盤に中盤がヤバイと感じたのか並びを 3-4-2-1 に変更してはいました)。HTにドウグラス選手→武藤 雄樹選手、55分にはマテウス サヴィオ選手→小屋松 知哉選手としてサイドからのクロスに対する空中戦より、武藤選手の裏抜けや小屋松選手のドリブル突破力を活かした地上戦へと移行した印象。前線プレスも2シャドーを加えた3枚で規制をかけつつ、松尾さんのところはアンカーの椎橋選手が抑えにくるような形で前への圧力を高めてきます。

それでも相手の勢いをしのぎつつ、セットプレーで点が獲れるのが今シーズンのウチの強み。57分、見事にデザインされたコーナーキックからの得点が知念さんに生まれます。

岩尾さんの蹴ったボールは密集から少し外れたところにいた明本さんへ。明本さんはシュートというより流し込むような感じで左足アウトでコースを変えますが、これをショルツさんスルー(もしくはヒールで合わせようとして結果スルー)→ファーサイドに走り込んでいた知念さんが押し込んでという形(知念さんが触らなくても入っていたようには見えましたが、あそこきちんと詰めていた知念さんにご褒美ということで)。

さらに81分には関根さんがペナルティエリア内で頑張ってボールキープからクロス上げたところでブロックに入った北爪選手のハンドリングによるPKゲット。個人的には北爪選手がスライディングした際の「支え手」だと判断してもおかしくなかったシーンでしたので、柏サイドからすればPKのジャッジは厳しいなというところだと思いますが、マイナスクロスが予想できるシーンでスライディングしてあの位置に手を置くと(置くとというか腕を伸ばしてしまうと)ハンドリングとられますよねという印象。

ウチの選手交代は66分にシャルクさん→江坂さん、大久保さん→松崎さん。さらに71分には松尾さん→ユンカーさん、敦樹さん→柴戸さんとして次節に備える交代。84分にはここまでフルタイム勤務が続いていた岩尾さんを安居さんに交代させ、少ないながらも疲労を溜めさせすぎない交代策をとりますが、残念ながらこの後に失点。

一旦はゴール前でショルツさんがボール奪取。これを柴戸さんに任せますが、寄せてくる相手をかわそうとしたプレーで引っかけられて再奪取されると武藤選手のシュート→彩艶さんが弾きますがこのボールに細谷選手が詰めて押し込まれた形。自分たちのミスからの失点でしたし、この少し前には彩艶さんが鬼神のごときスーパーセーブを連発して相手のゴールチャンスをことごとく防いでいたのでもったいない失点になってしまいました。クリーンシートで終わりたかったよね。

とまぁ、最後の失点はちょっと余計でしたけども、彩艶さん、知念さん、宮本さんなど前回チャンスをもらいながらも、プレー的にはすこしうまく行かなかったように見えた面々が見事な名誉挽回のプレー。彩艶さんのスーパーセーブ、知念さんのビルドアップでの貢献と得点。宮本さんもそのフィジカルの強さを発揮したよいプレーが何度も見られました。さらに復活のシャルクさんがいきなりゴールで存在感をアピール、大久保さんの躍動感、それに負けじと最後まで運動量の落ちない関根さん...... などなど、本当の意味で強いチームに近づいたなということが実感できる快勝でした。

さて、次はミッドウィーク、水曜日にセレッソ大阪とのホームゲーム。週末には湘南とのアウェーゲームと続きます。セレッソとは翌週にもルヴァンカップで2連戦と、短期間に3戦することになりますが、まずはリーグ戦、しっかりホームでぶっ叩いて、苦手意識を植え付けてやりましょう。

2022 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦 試合終了後の様子

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試合ハイライト

試合データ

観客: 28,632人
天候: 晴 / 気温 23.2℃ / 湿度 66%
試合結果: 浦和 4-1 柏(前半2-0)
レッズ得点者: 松尾(7分)、シャルク(24分)、知念(57分)、ショルツ(85分/PK)
警告・退場: -
主審: 佐藤 隆治 氏
順位: 9位(9勝6敗12分/勝点39/得失点差+15)

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