リカルド・ロドリゲス監督体制で2021年シーズンの浦和はどうなるのか(妄想)
2020年も残すところあと数日になりました。オフシーズンで色々と移籍の話が出ていて、今年はクラブからの公式発表も早かったこともあり、ある程度は来シーズンの陣容が明らかになってきています。
ということで、あくまで個人的な感想ではありますが、現時点(2021年2月24日時点)で公式に発表されている移籍情報に対する感想と、来シーズンの展望的なものを簡単に書いてみようと思います。
2020/2021年 移籍情報
まずは現時点で判明している移籍情報を下記にまとめます(敬称略)。
監督・コーチ(新任のみ)
- リカルド・ロドリゲス(監督/前 徳島ヴォルティス監督)
- 小幡 直嗣(コーチ兼通訳/前 徳島ヴォルティス 通訳兼コーチ)
- 林 舞輝(分析担当コーチ/前 奈良クラブ 監督)
- 守屋 優馬(分析担当テクニカルスタッフ)
新規加入(ポジション/年齢/前所属)
- 小泉 佳穂(MF(OMF)/24歳/FC琉球)
- 金子 大毅(MF(CMF)/22歳/湘南ベルマーレ)
- 田中 達也(MF(OH/LWB)/28歳/大分トリニータ)
- 明本 考浩(MF(CMF/CF)/22歳/栃木SC)
- 塩田 仁史(GK/39歳/栃木SC)
- 西 大伍(DF(RSB)/33歳/ヴィッセル神戸)
- 福島 竜弥(DF(LSB)/18歳/浦和レッズユースより昇格)
- 藤原 優大(DF(CB)/18歳/青森山田高校)
- 大久保 智明(MF(RSH)/22歳/中央大学)
- 伊藤 敦樹(MF(CMF/CB/SB)/22歳/流通経済大学)
- 宮本 優太(MF(CMF/SB)/21歳/流通経済大学)※2022年加入内定
退団(完全移籍)
- エヴェルトン → ポルティモネンセSC
- マルティノス → ベガルタ仙台
- 岩武 克弥 → 横浜FC
- 武富 孝介 → 京都サンガF.C.
- 長澤 和輝 → 名古屋グランパス
- 鈴木 大輔 → ジェフユナイテッド市原・千葉
- 井澤 春輝 → ギラヴァンツ北九州
- 青木 拓矢 → FC東京
- レオナルド → 山東泰山足球倶楽部
期限付き移籍
- 荻原 拓也 → 京都サンガF.C.
- 福島 春樹 → 京都サンガF.C.
- 石井 僚 → レノファ山口FC(育成型期限付き移籍)
- 橋岡 大樹 → シント=トロイデンVV(2022年6月30日まで)
その他
この人、いい歳したベテラン選手なのに何やってんですかね......
- 柏木 陽介 → 退団は決定(?)
まだ全部発表されていない可能性もありますけども、ここまでの補強に対する個人的な感想としては、「各ポジションに、新体制で即戦力になりそうな人をきちんと連れてきたな」ってところ(&お金ないんだろうなってのは伝わってくるけど......)。J2から加入の選手はJ1のプレー強度、スピードに対して対応できるのか未知数ってのはもちろんあるんですけども、若くて可能性のある人たちばかりなので何とかなるんじゃないかなと楽観的。
一方で気になるのは最終ラインの人の少なさですかね...... 鈴木大輔さん抜けて、プロデビューになる人しかCBの補強が今のところないって部分に、右SBに西大伍さん獲得したとはいってもそこのセカンドチョイスどうすんだろって部分でしょうか。
CBは最悪阿部ちゃん動員ってのもあるし、可能性は低いけど柴戸さんCBってのもなくはない。右SBはデンさんと橋岡さんをバックアップにってのはあるとは思いますが。(追記)橋岡さん期限付き移籍してしまったので右のSBは「ウガを右で使う」「来期加入内定の宮本優太選手を特別指定選手として登録し、出場させる」あたりが当面の起用策になりそうな予感がします。
リカルド・ロドリゲス監督体制でどう変わるか
実は私、徳島の試合ってあまりまともに観たことがなくてですね...... リカルド・ロドリゲス監督がウチにきてくれるってなった時点で、慌てて徳島の2020年の試合を何試合か見直してみました。
もちろん、全試合を細かく見ているわけではありませんし、リカルド・ロドリゲス監督は徳島で4シーズン指揮を執っている中の今シーズンの数試合しか観ていないので、全部理解した上で書いているわけではありませんが、大雑把には下記のような特徴が見てとれました。
- 所謂、ポジショナルプレー
- 幅と深さの活用、ポジショニングでピッチ上に数的優位を創り出す
- 守備時 4-4-2 → 攻撃時 3-4-2-1 の可変システムがベースっぽい
- 守備に関してはミドルゾーンでスイッチが入るイメージ
- すべては自分たちが主導権を握るため、スペイン人さんらしいというか、それを理詰めでやっていく感じ
相手に合わせてフォーメーションを柔軟に変えたりするんだけど、それはすべて自分たちが主体的にボールを動かすため、っていうのは徹底されてる。ある意味アグレッシブなサッカーですし、観てて楽しいサッカーをするので、ミシャさん退任以降、リアクションサッカーの傾向が強かったウチの試合内容にフラストレーションを溜めてた人にとって、来シーズンはとても楽しいシーズンになることは間違いないと思います。
何試合か観た中で、特に相手が2トップだった場合なんかはわかりやすかったですが、(3バックへの可変により)3枚回しで相手2トップに対して数的優位を作りつつビルドアップ。両ワイドはピッチをワイドに使う立ち位置を獲りつつ3バック両翼とで相手SHに対して数的優位、ボランチの立ち位置やトップ下が中盤に落ちつつ相手SBをつり出しておいてのワイドの選手が裏、みたいな連動がシステマティックに行われていてすげぇなって思いましたし、一方で相手が3バック、5-4-1 ブロックなどできた場合は、3バックには可変せず、4バックのまま中盤で数的優位を作りに行ったりと、複数の型を組み合わせながら柔軟に戦っていて、4年目の完成度ということを差し引いても、非常に再現性の高い、いいサッカーするなという印象でした。
一方で、選手には
- 基本的なスキル、ボールを止める、蹴るっていう部分の精度
- 複数ポジションをこなせる能力。所謂、ポリバレント
- 高い戦術理解度と実行力(個人戦術含む)
- 素早く正しいポジションを獲る、といった判断力や動作の連続性、つまり頭と身体、両方のフィジカル
が求められると思いますので、選手によっては引き続きレギュラーとして盤石な人、一方で逆に序列が下がってしまう人、あるいは2020シーズンは少し出場機会が減っていたけど、(コンバートを含め)生き返る人、みたいな感じで明暗が分かれそうな予感。基本的には足元の精度が求められるのは間違いないと思いますので、その辺が雑な人は難しくなるかも。
2021シーズン フォーメーション予測
フォーメーション予想って程、大それたものではありませんが、概ねこんな感じの並び、組み合わせになるんじゃないかなと言うのを簡単に。中にはプレーを長時間、きちんと観たことがない選手もいるので、多少は印象論も混ざっていますが。
まず、前述したとおり、4-4-2 → 3-4-2-1 へと可変する前提で考えています。で、徳島のやり方を観ている限り、4-4-2 → 3-4-2-1 への可変は、最終ラインが右(反時計)回りにポジションがズレる感じで、右のSBが高い位置に押し出され、それに押される形で右のSHがインサイドに、さらに2トップの1枚が1列落ちて2シャドーにというのが基本のようでしたので、それをベースに考えています。
まず、守備時の 4-4-2 からですが、
まず2トップは、1トップ特性の選手と、シャドー向きの選手で分類しています。興梠さん、レオナルドさん、新加入の明本さんは、可変時に1トップとなるグループ、武田さん、武藤さん、杉本さんと伊藤涼太郎さんは2列目に落ちるグループですね。
ちなみに、各ポジションで、先に名前が書いている人ほど、私個人的には優先順位が高いと考える人です。興梠さんが負傷で来シーズンの出だしがわからなかったり、ちょっと不確定な部分もありますが、そういう、コンディション的な部分は一旦抜きにして。
左のSHは汰木さんでほぼ決まりじゃないかなと。右は可変時にトップ下に入ることを考えると新加入の田中達也さんが俺的ファーストチョイス。ボランチは新加入の金子さんは間違いなく即戦力なので確定なのと、琉球から加入の小泉さんも元々は1列前の選手ですが足元の技術も高いのでこのポジションで活きるんじゃないかなと想像。
右のSBは新加入の西さんでほぼ確定でしょう。可変時に幅を獲る役割もありますし、そもそも本職の右SBが他にいねぇってことで。左のSBは攻撃を考えれば山中さんなんですけども、可変時に3バックの左って考えると山中さんよりウガかなってところ。山中さんはむしろ1列前で使っても面白いかも。
CBのコンビは、橋岡さんと岩波さんが俺的ファーストチョイス、岩波さんは展開力もあるし。フリーで持ち出す能力は槙野さんの方が高そうですけどね。
橋岡さんは期待を込めて。プレー精度的にどうなんだろってのはありますけど、そろそろ本格的にCBでの経験を積ませないとあかんやろという。橋岡さんはやればできる子だし。(追記)期限付き移籍でいなくなっちゃったから橋岡さんは選択肢から消えました。
GKは、ビルドアップへの参加、足元の精度を考えれば西川さん一択になっちゃうんですが、いい加減、若手が西川さんのケツをつつくくらいの何かを見せてくれないと困りますよね。
で、上記を踏まえて、3バックに可変すると下記のような並びになります。
書いてて思ったけど、前述したとおり、やっぱり右のSBに人がいなすぎ問題がありますね。あとCBも人が足りねぇ。まぁ来シーズンはACLもなく、国内だけの戦いなので何とかなるかもしれませんが。
一方で前線はタレント豊富なので楽しみ。今シーズン、ちょっと活躍しきれなかった武藤さんなんかはこの布陣なら再度ブレイクあるかも。あと、個人的には杉本さんがこういう2列目から裏に抜け出すの超絶うまいと思ってるので、ここで予想したような役割で使われたら、もしかしたら化ける可能性はあるんじゃないかな、なんて勝手に期待してたりします。
ということで、勝手な妄想もかなり入っていますが、来シーズンを私なりに考察してみました。年明けに移籍の話はまだ出るかもしれませんし、実際にキャンプが始動すると、徳島時代との共通点、逆に浦和の選手層ならではのアプローチなど、リカルド・ロドリゲス監督の構想が見えてくるかもしれません。
個人的には久しぶりに新年のチーム始動が楽しみなシーズンってことで、楽しみに新シーズンを待ちたいと思います。
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