2020 Jリーグ 第2節 埼玉スタジアム2002 横浜F・マリノス戦
いやぁ長かったですね中断期間・・・・・・
今シーズン最初の公式戦となるルヴァンカップ仙台戦、その後のJリーグ開幕戦となる湘南戦までの2試合を消化したところで新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行による影響でJリーグは一時中断。
それが2月末の話でしたので、約4ヶ月ぶりになるわけですが、待ちに待ったJリーグ再開の一発目はホーム、埼スタで横浜F・マリノスさんと。新型コロナウィルスの件は、まだまだ予断を許さない状況が続く中、無観客での試合にはなりますが、とにかく試合ができる状態になったことにまずは感謝です。
写真は「DAZN」中継映像から引用
試合の話に入る前に
新型コロナウィルス感染症による中断によってリーグ戦の日程は大幅に変更されました。またレギュレーション変更もされていますので重要なところだけ簡単に触れておくと、
- J1・J2ともに降格はなし
- J2・J3のそれぞれ上位2クラブは昇格可能。ただし、J1参入プレーオフは行われない
- VARは導入見送り
- 1試合の交代枠は3人→5人に拡大。ただし、交代回数は(ハーフタイムを除き)3回まで
降格がないというのはまぁ多少は気が楽になるかもしれませんね。選手も監督も評価がありますので、降格がないからといって下位でも大丈夫ってことにはなりませんけども、特にリーグ終盤などで降格圏に該当する順位のチームが、ガッチガチに守ってでも勝点「1」を意地でも取りに行く、みたいな戦い方をする必要はなくなることは確かで、終盤まで思い切った試合展開が期待できるかもしれません。特に現在のウチみたいな戦術的に試行錯誤しながら完成度を高めていっている最中のチームにはプラスに働くかも。
VARは色々な事情があって見送られるようですが、どう影響するか。例えばVAR導入後は、その対策として、セットプレー時などに対するペナルティエリア内での守備を、マンツーマンディフェンスからゾーンディフェンスに切り替える(マンツーマンディフェンス時の駆け引きによるホールディングなどを警戒して)といった傾向がありましたが、VARありきでそういう練習をしていたチームが元に戻したりするか・・・・・・ ウチも今シーズンからはゾーンディフェンスを採用していますが、その辺にどう影響するのかは気になります。
交代枠の件は日程消化のために過密日程になることや、夏場もぶっ続けでやらないといけないことからの特例ですが、交代枠が増えることでスタメン選手のペース配分や交代枠の使い方にも変化が出ると思いますので、その辺が試合にどう影響するかは注目ポイントになりそうです。
ということで本題に入りましょう。
スターティングラインナップ
最終ライン、CBコンビは新加入のトーマス・デンさんと岩波さん。右のSBに橋岡さん、左に山中さん。中央2列目に柴戸さんと青木さん、SH右が長澤さん、左が汰木さん。2トップに興梠さん、杉本さんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。
トーマス・デンさんは、YouTubeで配信された町田ゼルビアさんとの練習試合でのプレーを観ましたが、適切なポジショニング、カバーリング能力にも優れ、ロングレンジでのフィードも正確なボールが蹴れるいい選手だな、という印象で、今回のスタメンは想定内。CBの右に彼を置いたのも、攻撃の主軸となる左サイドへのロングフィードを見越してのものだと思います。フィード能力に関しては岩波さんもレベル高いので、展開力のあるCB 2人の組み合わせというのは今後楽しみかもしれません。
左サイドの山中さん、汰木さんラインはもう今シーズンの軸になる組み合わせなので基本的には不動でしょう。右は橋岡さんの前に長澤さんを配置していましたが、長澤さん的には本来のポジションではないものの、ファーストディフェンスの強度や橋岡さんがワイドに出た時のインサイドワークで彼本来の持ち味が出せるポジションなのでよい選択かも。
特に対マリノスにおいては、インサイドにポジションを絞ってビルドアップの中心を担う相手SBや、アタッキングサードまで積極的に侵入してくるボランチの2枚に対する守備面での対応は重要になりますが、運動量があって対人能力に優れた長澤さんがいることで後ろから支える柴戸さんや青木さんに対する守備負荷の軽減という意味でも適切な人選だったのではないかと。
開幕戦では右のSHは関根さんだったわけですけども、以前から何度か書いていますが、関根さん、あとマルティノスさんもそうですが、彼らは後半のスーパーサブ的使い方の方が持ち味が活きると思っていますので、今節のような守備面にバランスをとったスターティングラインナップではじめて、時間帯をみて攻撃に特化した関根さんやマルティノスさんでギアを上げに行く、みたいなやり方は良さそうですね。
2トップの組み合わせについてはレオナルドさんがベンチにも入らなかったのはコンディションの問題なのか、よくわかりませんが、まぁここから地獄の連戦でうまく選手を入れ替えながら戦わないといけないので、完全にベンチからも外してお休みさせる試合も順番で作らないとキツイだろうなと思いますので、それ程気にはなりませんでした。また、マリノスのビルドアップに対するファーストディフェンスを考えると、きちんと守備ができる興梠さんと杉本さんという組み合わせは理にかなった人選といえます。
対するマリノスは、システム的には 4-2-1-3。4-2-3-1 の方が普段の形だと思いますが、チアゴ・マルチンス選手やマルコス・ジュニオール選手はベンチスタートにし、一方で實藤友紀、天野純、小池龍太という、中断期間中に新加入した3選手がスタメンに名を連ねました。天野選手をトップ下に、エリキ選手をワントップ気味、両サイドに中川選手、遠藤渓太選手という、スピードと突破力のあるアタッカーを配置した厄介な布陣。ちなみに出場機会はなかったですけども、元浦和のオナイウ阿道選手もベンチ入りしてました。
試合はマリノスがボールを保持する展開
レビュー書くのも久しぶり過ぎるのでリハビリも兼ねて今回は簡単にまとめますが、試合内容的にはマリノスにボールを保持されて、ウチは耐える時間帯が長かったですね。相手にボール保持されるのは予想していたので驚きはないですけども。
とはいえ、ウチもドン引きしてカウンターみたいな戦い方ではなく、しっかりコンパクトな 4-4-2 の守備ブロックを作って相手のアタッキングサードでは球際も激しく潰し、そこからサイドを使った攻撃につなげる、という狙いはある程度出せていたかなと。
デンさんを始め、特に前半はサイドチェンジを効果的に織り交ぜたビルドアップができていましたし、マリノスがいつも通りかなりディフェンスラインを高く設定していたことから、相手SBの裏を狙ってサイドから崩すということもできていましたのでその辺は収穫でした。
マリノスは前線から積極的にプレスをかけてくるので、右で作っておいて相手が寄せてきたところをサイドチェンジでうまく逆サイドに外せれば、汰木さんや山中さんのところでフリーな状況も作れると。さすがに完全にペナルティエリア内まで侵入して決定機、と呼べるようなシーンは正直多くはなかったですけども、十分得点を匂わせる時間帯もありました。あとは細かい部分の精度を向上させて、決定機の回数を増やしていけるようにすればいいんですけどね。
守備面では 4-4-2 の宿命ですが、ピッチをワイドに使うマリノスに対してSBが引っ張り出されたときのCBとの間のスペースをどうケアするかがポイントで、実際にそこを突かれて危ねぇっていうシーンが何度かありましたが、開幕戦と同様、そこのスペースは基本的にボランチが下がって埋めることで対応するっていうやり方をしてましたね。
おかげでボランチの2人は死ぬほど走ることになりますけども、特に柴戸さんはその辺の運動量は文句なしですし、90分、広いスペースを豊富な運動量とアグレッシブな守備でカバーしまくっていて、守備面での貢献は大きかったと思います。さすがにマリノスの素早い攻守転換や縦に入ってくるスピードの速さに、多少対応が後手に回ることもあってピンチにもなっていましたけども。あと心配なのは過密日程でどこまで同じパフォーマンスを出せるかが少し気になります。
で、交代ですが、今節使った交代枠は4枚でした。
58分の長澤さん→マルティノスさんと汰木さん→関根さんは2枚同時交代。このあとの10~15分くらいは少しオープンな展開になって、交代した2人の持ち味が活きる流れになってくれたのでその辺で得点できたらよかったですが、マリノスにうまくしのがれてしまいました。その後はペースダウンして終盤はほぼ前に出て行く機会がなくなっちゃいましたね。
でも前述したとおりこの2人の使い方としてはこういう投入タイミングがやはりマッチしているかなと。特にディフェンスラインを高くとるマリノスのような相手にはマルティノスさんの裏への突破は効きますし、後半から関根さんみたいなドリブラーを投入されてガンガン仕掛けられるのも、相手ディフェンスラインにとっては嫌でしょう。マリノスがチアゴ・マルチンス選手を途中交代(實藤選手の負傷交代により)で投入してきたことでなかなか裏をとるのは難しい状況にはなってしまいましたけども・・・・・・
75分には興梠さん→武藤さん、88分には山中さん→ウガと交代しますが、これら含め交代はすべて同ポジションでの入れ替えでした。交代回数3回を使い切って、4枚の選手交代ですね。負傷交代など不測の事態に備えて5枚目をとっておくなら、武藤さんとウガの投入は2枚同時交代(もしくはどちらかを交代回数にカウントされないハーフタイムに交代)にしないと交代回数が終わっちゃうんですが、その辺はどういう感じで考えてたんですかね。橋岡さんが終盤足攣って大変そうでしたが、大槻さんは橋岡さんを足が攣ったくらいでは交代させない(笑)ので、結局5枚目がどうしても必要そうな感じにはならなかったのですが。
試合も70分を過ぎるとウチはなかなか高い位置でボール奪取することができず、マリノスに押し込まれて苦しい展開に。西川さんという名の神の存在によって失点は免れましたが、何とか耐えたって感じの試合終盤でした。
なので、0-0のドロー、勝点1を分けあう結果については十分な結果だったかなと。長い中断後のぶっつけ本番で、求められるプレー強度にまだ身体が完全には適応していないでしょうし、そんな中で前年王者に無失点ドローであれば上出来だと思います。
さて、週が明けた8日の水曜日には、ユアテックスタジアム仙台でアウェー仙台戦。さらに週末の日曜日にはホームに戻って鹿島戦と連戦になります。仙台戦まではリモートマッチ(無観客試合)ですが、鹿島戦は5,000人以下という条件で観客を入れる予定になっています。どんな感じになるのか想像もつきませんが、連戦の中で戦う選手たちを、我々もそれぞれができる範囲でサポートしていきましょう。
試合ハイライト
試合データ
観客: 0人(リモートマッチ)
天候: 曇 / 気温 24.4℃ / 湿度 77%
試合結果: 浦和 0-0 横浜FM(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: 岩波(警告×1/ラフプレー)、関根(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 西村 雄一 氏
順位: 4位(1勝0敗1分/勝点4/得失点差+1)
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