2018 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プレーオフステージ 第1戦 山梨中銀スタジアム アウェー ヴァンフォーレ甲府戦
J1の方はワールドカップによる中断期間中ですが、久しぶりの公式戦はルヴァンカップ。ホーム&アウェー方式で開催されるプレーオフステージ、第1戦はアウェーからのスタート。山梨中銀スタジアムに乗り込んでの、ヴァンフォーレ甲府戦です。
甲府は今年戦いの舞台をJ2に移していますが、今年のルヴァンカップレギュレーション(前年度J1の16位、17位が参加)により新潟と共にJ2からグループステージに参加、見事グループ2位で突破してきています。
甲府さんとは過去何度も対戦していますが、対戦成績的にはウチが圧倒的な勝ち越し(通算16勝5分1敗、1敗は2011年に国立でのアウェーゲームで負けたやつ)なので苦手意識はないですけども、失うものがない立場の甲府、しかも今シーズン、監督交代後の甲府は新監督の上野監督の下、非常にアグレッシブなサッカーを展開していて直近のJ2を見ても侮れない相手。オリヴェイラ監督になってからは初の対戦ですが、きっちり勝って戻ってきたい試合となりました。
今日はバックスタンドからゆったり観戦でした。行きの高速(中央道)が結構な大渋滞で疲れましたが帰りはそこそこスムーズに帰ってこられてよかった。とはいえ帰宅して色々やってたら日付け変わってるし、まぁネタバレですが試合結果も散々でしたので簡単にレビューまとめて寝ます。
さて、今日のスタメンは最終ラインに菊池、岩波、マウリシオ、ウガ。ボランチに青木、長澤。アタッカーの位置にマルティノス、忠成、2トップに武藤、興梠という並び。GKは西川。
守備時の陣形的には忠成さんと興梠さんがトップに並ぶ 4-4-2 でしたが、攻撃時には青木さんが最終ラインに落ちたり、アンカーの位置に残った状態で長澤さんを前に出しつつ、武藤さん、忠成さん、興梠さんの前3枚が縦関係を入れ替えたり、サイドに流れたりと前線はかなり流動的に動きつつ、4-2-3-1 っぽくなったりという感じ。とにかく、オリヴェイラ監督就任以降、ルヴァンカップに関しては4バックを継続して採用していますので、今日もその流れを踏襲していました。
対する甲府は、3-4-2-1 で、守備時には 5-4-1 になる3バックシステム。過去の対戦から甲府というと引いて守って縦一発、前線にいる外国人FW頼りのカウンターみたいなイメージを持ちがちですが、上野さんに監督が交代してからの甲府は、システム的には 3-4-2-1 を継続しつつも元々上野さんがレノファ山口で標榜していた攻撃的サッカーに生まれ変わっていて、前線からの守備(今日はあまりやっていなかったですけど)、最終ラインを押し上げ、中盤をコンパクトにした守備陣形でボール奪取位置を前目に設定したところから、前線に人数をかけた縦に速い攻撃と、過去対戦している甲府とは様変わりしています。
前線にポストプレーに優れる金園選手、特に2列目にいる小塚選手はかなり効いていて、ここを経由して出される縦、左右への的確なパスに対して、2列目、3列目から前線に人が入ってくるのでとても厄介。
これが同カテゴリーでの対戦や一発勝負のトーナメント戦などであれば、ウチに対して多少引き気味に入ってなど、リアクションに振ったやり方をしてくることも考えられますが、今回は甲府にとっては負けて当然、勝てば儲けもん的な、チャレンジャーの立場ということもあって、思い切っていつも通りのやり方で来られたわけですが、結果としてそれにウチはほとんど為す術なく完敗するという何とも情けない試合になってしまいましたね......
甲府がバックラインを高めに設定し、5-4 のラインをコンパクトにスペースを消してそこで奪いきってからのカウンターという狙いがかなり明確に見えた中で、ウチはそれに対して効果的な攻撃が展開できたとは言い難い内容でした。サイドにはスペースないし、5-4 の間で受けようとしても、ちょっとプレースピードが遅いと即座に潰されるしで中央で作れず、サイドも活きずみたいになっちゃいました。
興梠さんが相手ブロックの中でボール触れないので落ちてくるんだけど、そこから前に出て行ったところで効果的なラストパスが来ないので結局相手ブロックの外でしかボールが動かない状況でしたし、このシステムだとどこかで誰かが無理をして局面を打開しないことにはチャンスらしいチャンスは作れないでしょうね(ワールドカップ終わってナバウトさんが戻ってきたり、新加入のファブリシオさんが本格稼働すれば状況も変わるかもしれませんけども)。
多くの課題が見られた今日の試合ですが、4バックで重要なSBに人材が足りていないこと、そのSBと縦関係を作るアタッカーとの連携もまだまだ発展途上、さらに中盤に柏木選手のような周りを使える選手がいなかったことなども重なってミドルサードからアタッキングサードで全く起点が作れないのは致命的。対する甲府がアタッキングサードの中央やハーフスペースでうまく起点を作って攻撃を組み立ててきたのとは対象的でした。
また、守備面でもボール奪取ポイントの設定が曖昧で、どのスペースでハメてボールを奪うのかが見えない。その辺が曖昧なので相手のパスワークに対して守備対応が後手に回って出足が遅れるため、遅れて食いついては外されてスペースを使われるといった悪循環の連続でした。最終ラインも相手の裏への狙いに対して迎撃したりオフサイド引っかけたりという準備が全くできないままリアクション的な守備に終始させられていて、オフサイドもほぼ狙ってとったと言うより偶然とれたという状況でしたから、あれだと消耗も激しいし、今日の暑さなども考えるとかなりキツかったんじゃないかなと思います。
そんな状況で37分に失点。コーナーキックをショートコーナーで変化を付けてきた甲府に対してウチは完全に守備対応が遅れ、ほぼフリーであげられたクロスに対して、岩波さんのマークを引き剥がして入ってきた甲府の今津選手に頭で合わされてのもの。甲府がクイックにショートコーナーでリスタートした際、ゴール前でウチの選手が何人か呑気に給水してて対応が遅れたのもなんて言うかお粗末だったなと。
1点ビハインドで後半に折り返した後半、51分にまたしてもリスタートから失点。甲府のスローインに対してペナルティエリア内でまず青木さんが目測を誤って、というか戻りながらの苦しい体制になってしまったことでクリアが中途半端に。これを岩波さんがクリアしようとするも直前に金園選手に体入れられてゴール正面でキープされると、金園選手の落としを小塚選手に叩き込まれて甲府に追加点。後半立ち上がりの大事な時間帯に自分たちのミスから相手に追加点を与えてしまいました。もったいない。
2点ビハインドの状況をうけて、61分に忠成さん→森脇さんと最初の交代カードを切ります。これでシステムを 4-3-3 に変更。中盤をトリプルボランチにして、相手の攻撃の起点となるトップ下を抑えに行く策を取りましたが、この辺からは多少セカンドボールも拾えるようになって押し返せたかなと。
2点先に失点してしまったとはいえ、1点でもアウェーゴールを獲って帰れれば、ホームで比較的気持ち的にも楽な試合ができるわけですから、とにかく残り時間で1点でも返せるかがポイントの残り20分~30分。
72分には菊池さん→荻原さんとして、ウガを右に、荻原さんを左に持って行くと、続く81分には長澤さん→武富さんとして前線3枚を、武富さん、興梠さん、マルティノスさんとし、武藤さんを中盤に下げますが、結局得点には至らず、そのまま2点リードで第1戦を終えることになってしまいました。
さて、2点リードされた状態とはいえ、まだ半分が終わったばかり。こういうアウェーで負けて戻ってくるホーム&アウェーの戦いにウチは慣れていますし、諦めるのはまだ早いと思いますが、第2戦もメンツ的にはほぼ変わりがない状況(柏木さんや阿部ちゃんが復帰してくれればいいんですが)で、どこまで修正できるかには注目です。
と、そのまえに水曜日には駒場で天皇杯がありますので、まずはそちらでしっかり勝ってから、週末の第2戦に気持ちよく臨みたいものです。
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試合データ
観客: 10,337人
天候: 晴
試合結果: 甲府 2-0 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: マウリシオ(警告×1/ラフプレー)
主審: 池内 明彦 氏
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