2017 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 ヴィッセル神戸戦
代表ウィークによる中断があったことで前節の仙台戦からは約2週間ぶりのリーグ戦となりましたが、ここから短い3連戦(今節→ACL→ガンバ)となる初戦は、ヴィッセル神戸をホーム埼スタに迎えて。
神戸さんもシーズン途中で監督交代がありましたが、9月はリーグ戦負けなしとある程度好調な感じ。うちとしてもなんとかギリギリACL圏内に食い込むためにも負けられない終盤戦ということで、中位どうしとはいえ、注目のゲームとなりました。
しっかし、ナイトゲームだとレビュー書くのが遅くなって眠いっすね。寝ぼけてまた誤字脱字が多くなりそうですがとりあえずまとめます(先に言い訳)。
さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、阿部、マウリシオ、ウガ。アンカーに青木、インサイドハーフに柏木、矢島、両ワイドにズラタン、武藤。ワントップに興梠。GKは西川。
代表帰りの2人、槙野さんと遠藤さんはお休み(遠藤さんはベンチ入り)させて、代わりに森脇さんとウガを先発。この辺はACLも踏まえた温存ということでチームとしての優先順位がACLであることのあらわれだと思いますが、特に左は槙野さんを外すとウガとヒラくらいしかできそうな人がいないということで、このシステムやるには相変わらず駒が足りないと思わせる感じではありました。
その他、前線も以前からラファさんの先発起用は諸刃の剣と言い続けていて、特に今のシステムなら後半の切り札的な使い方の方がいいと思うと書きましたが、今節はACLに向けた温存なのか、別のやり方を試すためなのかは不明ながらラファさんをベンチに、代わりにズラタンさんを右のワイドで起用。左には武藤さんを配置し、インサイドハーフに配置した柏木さん、矢島さんと前線の攻撃陣を形成しました。
で、結論から言えばズラタンさんのワイド起用は当たりだったと思います。彼は4-1-4-1システムでワイドの選手に求められるタスクのうち、クロスに関しては置いといて、中に絞りつつインサイドハーフとの縦関係を活かして裏を狙う様な動きや、逆にサイドに張ってパスを引き出し、インサイドハーフとのパス交換で相手SBとCBの間のスペースを突く、あるいはゴール前に侵入して逆サイドからのクロスに対してその高さと強さを活かし、フィニッシュに絡むような働きはさすがにうまくて、彼の適応能力を感じさせられました。
同時に彼は守備面でも中盤のスペースを埋めるという点をかなり意識して動いていて、帰陣も早く、かなりこの辺のバランスについては気を使ってプレーしていることがうかがえました。これは前線からのプレスよりも、攻守転換時に素早くプレスバックしつつポジショニングを修正し、ある程度引いてブロックを作る方を優先するという今節のチームのやり方を反映した動きで、まぁこれは裏返せば興梠さんが前線で孤立する要因にもなっていて、よかったことばかりでもないとは思いますが、やれって言われたことをサボらずきちんとやるというのはズラタンさんのいいところかなと。
興梠さんに関しては神戸がセンターバックをほぼマンマークのような形+ボランチもプレスバックして挟む込むような形で興梠さんのところを消しにきていたこともあって、正直思ったようなプレーはできていなかったと思います。
特にウチが少し引いてブロックを作る感じの守り方をしてしまったので、ボール保持できる時間は減り、神戸に持たれて押し込まれる時間も作られてしまいました。そうなると、どうしても重心が後ろがかりになって、ボール奪取しても位置が低くなるためそこから前に出て行くにはパワーが必要でどうしても選手の距離感が遠くなる。また、相手の守備ブロック形成が間に合ってしまうため効果的なカウンターを発動させたり、相手の守備陣形がそろわないうちに裏のスペースを突くような攻撃も発動できず、決定機という意味では少ない試合になってしまいました。
一方で、中盤での柏木さんの動きはさすがだなと思いながらみていましたが、ポジションをうまく動かしながら空いているスペースにうまく顔を出したりしつつ、右サイドのズラタンさんと連携してゴール前に迫るなど、興梠さんを直接使うことができない分、サイドで崩して、フィニッシュに興梠さんで一瞬でもマーク外してくれればみたいなイメージでは攻撃を組み立てることはできていたかなと。
ただ、同点に追いついた直前のシーンなどを除けば、なかなか相手のサイド深い部分をえぐるような崩しは出せていませんでしたし、攻撃面についてはストレスフルな試合だったと思います。
とはいえ、多少後ろがかりになって引く展開でも、それによって先に失点することさえしなければ焦らず試合を進められるとは思うんですが、今節もつまらないミスから先に失点する立ち上がり。
ウチの攻撃がオフサイドになったシーンからのリスタート、相手GKのロングフィードに対してウガが対応しますが、後ろから追ってくる神戸、小川選手を恐らく感じてなかったウガがゆるーく対応したところに身体をぶつけられてかっさらわれると、西川さんとの1対1をあっさり決められて前半4分に失点。
ロングフィードに対していち早く対応したウガでしたが、この辺が試合勘なのか、ボールの落下点にうまくは入れず、小川選手に先に身体をボールとの間の有利な位置に入れられてしまったことでボール奪取から一気に決定機まで持って行かれる結果となってしまいました。結局ウガは前半のみでヒラさんと交代。同点ゴールのきっかけはウガのシュートだったので悪い点ばかりではなかったと思いますが、久々の復帰戦は恐らく本人にとって不本意な形になってしまったのは残念でした。
悪い形で早々に失点した今節ですが、それでも19分に追いつきます。右サイドをズラタンさんと柏木さんでうまくえぐって崩したところから柏木さんが右足でダイレクトのクロス。これは一旦相手ディフェンスにはじき返されますが、このこぼれ球に走り込んだウガが思い切ってシュート。シュート自体は枠を外れるものの、これをゴール前に詰めていた矢島さんがちょこんと触ってコースを変えるとこれがゴールに吸い込まれて同点。早い時間帯に追いついてくれたことで、一旦落ち着くことができました。
その後の試合展開は全体としてお互いにしっかりとした守備ブロックを作りながらの堅い展開。前述したとおり興梠さんは孤立気味で攻撃的にはなかなか前線で起点が作れないものの、個人打開できた時などは惜しいシーンを作ったり、マウリシオさんがおしいボレーやミドルを放つなどしますが、結局はゴールは遠く、結果的には1得点のみで引き分けとなりました。
選手交代はハーフタイムにウガ→ヒラ。69分には矢島さん→ウメとして、ウメを左ワイドに、武藤さんをインサイドハーフに移動する策。さらに81分にズラタンさん→ラファさんとして、ラファさんを右のワイドに置きますが、それ程効果的な感じには見えずという感じ。特にウメの交代までは攻撃的にどうこうというより、守備時のスペースカバー的なところを気にした感じに見えましたし、かなり守備(失点しないこと)に意識を使ってるなという感じがする交代だった気がします。
とはいえ、守備面では4バックのSB、CBの間のスペース、特にSBがサイドに引っ張られたときのCBとの間のスペースがみていてかなり気になりました。ボールの失い方が悪いとアンカーの横のスペースで起点を作られてそのSBとCBの間を裏抜けされる→CBが引っ張り出されて中央がフリーというシーンが何度かあり、最後のところ阿部ちゃんあたりが身体張って当ててくれるので致命的な感じにはなっていませんでしたけど、強豪相手だとここは多分狙われまくるだろうなと。
この辺の守り方は4バック守備の基本ではありますが、実はこの基本的なところの約束事があまり徹底されていないところが堀さんに監督が代わってシステムを変更してからの違和感だったりします。まぁ以前も書いた気がしますが、守備は正しい理論の理解と実戦による反復練習による刷り込みが重要なので一朝一夕に改善するわけはないので仕方ない点もあるとは思いますけども、そういう根本的な部分の改善より、守備位置を低くしてゴール前で個々人が頑張ろうみたいな守り方になってしまっている点が個人的には気になる点です。
さて、今節はウチだけナイトゲームだったこともあって、ACL圏内を狙うにライバルとなる柏やマリノスあたりが足踏みしてくれてるのが事前にわかっていたことから、なんとしても勝点3を獲って差を詰めたかったわけですが、結局はウチもお付き合いという感じになってしまいました。残念な結果ではありますが、水曜日にはACL、上海上港戦が控えていますので、ここに向けてまずはしっかりコンディションを整えて欲しいなと思います。
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試合データ
観客: 29,931人
天候: 曇り(一時雨)
試合結果: 浦和 1-1 神戸(前半1-1)
レッズ得点者: 矢島(19分)
警告・退場: -
主審: 岡部 拓人 氏
順位(第29節終了時点):7位(13勝10敗6分/勝点45/得失点差+12)
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