AFCチャンピオンズリーグ2017 準決勝 第1戦 上海体育場 アウェー 上海上港戦
週末のリーグ戦は惜しくも引き分けに終わりましたが、続く連戦の中、週明けの水曜日はACL準決勝、上海上港戦。ホーム&アウェーの2戦方式で行われるACL準決勝の第1戦はアウェー、上海での対戦となりました。
画像は日テレ News24 中継映像から引用。
Starting lineups for Shanghai SIPG vs @REDSOFFICIAL! #ACL2017 #SHAvURA pic.twitter.com/y95srxnNWP
— AFC Champions League (@TheAFCCL) 2017年9月27日
さて、今日のスタメンは最終ラインに遠藤、阿部、マウリシオ、槙野。アンカーに青木、インサイドハーフに柏木、長澤、両ワイドにラファエル・シルバ、武藤。ワントップに興梠。GKは西川。
システム的には引き続き 4-1-4-1 ですが、今日の試合では相手の前線の強烈なタレント(エウケソン、フッキ、ウーレイ、さらにトップ下にはオスカル、アフメドフまでってもうチートですよ)による攻撃力を警戒し、守備から逆算した入り方をしていました。
具体的にはここ数試合リーグ戦でもネックになっているサイドバックの裏のスペース、およびアンカーの選手(今日で言えば青木さん)の両サイドのスペースのケアをどうするかという点。
まず最終ラインについては対人能力では少し劣る森脇さんをあえて外し、遠藤さんを右サイドに出す策。左は槙野さん、中央のマウリシオさん、阿部ちゃんと、対人能力の高い4人を並べつつ、さらに左ワイドに運動量があって守備もできる武藤さんを配置することで槙野さんはフッキ選手とのマッチアップに専念させつつサイドにつり出されないように配慮。そのサイドのスペースは武藤さんに埋めさせることで槙野さんをサイドバックというよりもセンターバックっぽく働かせるやり方をしていました。
さらに中盤もフィジカルに優れる長澤さんを、基本的には柏木さんとインサイドハーフに並べながらも、守備時には青木さんと2ボランチのように並べて配置することでバイタルを埋めに行くやり方をしていて、チャンスとみるや長澤さんが前線に飛び出していくなど、彼の特性がうまく活かされた起用方法が取られていました。得点した柏木さんも素晴らしかったですけども、個人的には長澤さんの90分間にわたる頑張りは特に素晴らしかったと思います。
対する上海上港は基本的に前の3枚はほぼ守備しないこともあって、ウチのビルドアップに対するプレッシャーはそれ程でもなく、ボールを持てるため、そこは最終ラインから慌てずに試合を組み立てることができていたと思います。とはいえ前線の3人はさすがにハンパねぇ威力で、特にフッキ、エウケソン両選手に2列目からオスカル選手が絡んできた時なんかは何度かヤバイ場面を作られて、この観ているだけで心臓に悪い感じ、さすがはACLも準決勝だぜという感じでした。
で、警戒していてもやられるのがワールドクラスの実力。15分、中盤でボールを受けたフッキ選手がドリブルを開始。これに青木さんと槙野さんが2人で挟み込みに行きますがこれをフィジカルで外されると、一瞬できたシュートコースにマジかよっていう弾丸ミドルを通されて失点。早々に1点を追いかける展開になりました。
とはいえウチも中盤である程度ボールは持てていて、興梠さんが相手の最終ラインに対して積極的に裏を狙うなど、仕掛けることはできていましたし、上海上港相手に1失点くらいはまぁ想定済みだったこともあってか特に慌てることもなく、冷静に試合を進めます。
すると28分、前線で裏に抜けた興梠さんに青木さんからの絶妙な縦パス。これを興梠さんが倒れ込みながらもうまくポストプレーして落とすと、ここに走り込んできた柏木さんが右足でうまくコースを狙ったシュートを流し込んで同点に。早い時間帯に追いつけただけでなく、貴重なアウェーゴールを獲得してくれました。
興梠さんへのパスを通した青木さんの仕事も素晴らしかったですし(青木さんってこういう斜めに通すパスめちゃくちゃうまいです)、興梠さんからの落としにきちんと2列目からフォローしてていた柏木さんのタイミングと、それ冷静に決めた彼の技術力も最高でした。柏木さん公式戦復帰してすぐに結果を出すあたり、さすがです。
前半はラファさんのシュートや武藤さんのお洒落ヒールなど、何度か得点機会を作りますが一方でこちらも何度かヤバイ決定機を作られつつも西川さんのビッグセーブに救われるなどして同点で後半へと折り返し。特に西川さんは足元ピッチのコンディションが悪いのか芝に足を取られながらもキレのあるシュートブロックを連発していて、彼の働きにもかなり助けられた面もあると思います。
後半も同様の試合展開。基本的にはホームの上海上港が攻めて、ウチは守りつつ、チャンスがあれば出ていくという我慢の展開。オスカル選手のフリーキックがポスト直撃したり、後半にも増してヤバイシーンは作られますが、最後のところはなんとか守り切って試合は終盤へ。
終盤、フッキ選手が槙野選手とのマッチアップを嫌ってか左サイド(ウチからみた右サイド)にポジションを移動したり、ワントップにポジションを変えてみたりと色々と嫌な動き方をしますがそこもなんとか気合いで乗り切って試合終了。アウェーでの第1戦を 1-1 の引き分けで終えることができました。
ウチの交代策は80分にラファさん→高木さん、89分に興梠さん→ズラタンさん、あとは試合終了間際に柏木さん→ウガという3枚。ラファさんの交代はこの時間帯もうカウンターで思い切って出ていくようなパワーがなかったので、サイドでの守備を考えてフレッシュな高木さんを投入したものと思われます。またズラタンさんの交代も同じ理由でとりあえず前線でターゲットになる選手を置きたかったという感じ。この交代策は妥当だったと思います。
ウガの交代は最後なんで時間消費の面もあったでしょうが、守備の枚数を増やして終わらせるという意図ですね。ウガが戻ってきたのも今後にプラスだと思います。
ということで、結果としては満点に近いくらいの点数をあげてもいいくらいの出来だったと思います。もちろん失点は悔やまれますし、もっとやれることはあったとは思いますが、上海上港相手にアウェーで引き分け、アウェーゴールも獲れたわけですからね。
相手をしっかり分析しつつもリスペクトして守備から入ったやり方はこの試合に関しては正解でした。武藤さんを守備的に使ってでもウィークポイントを埋めに行くといった割り切ったやり方でしたので、リーグ戦で同じようなやり方でいいのかという点はまた別の問題ですが、上海上港対策としてはうまく機能してくれたと思います。
さて、これで10月に行われる第2戦では、とにかく勝ちさえすれば決勝進出というシンプルな状況になりました。引き分けの場合は無失点なら勝ち抜け、1失点以内は延長戦ということになりますけども、ホームですし、基本的には勝ちに行く姿勢で問題ないと思います。
柏木さんの復帰、長澤さんのパフォーマンスなど、今後に期待できる点もありました。第2戦が楽しみではありますが、その間にアウェーでの仙台戦、ホームでの神戸戦がありますので、そこでしっかり結果がでるように、まずはしっかり休養していただいて、今一度集中して次の試合に備えてもらいたいところです。
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試合データ
観客: 33,513人
天候: 曇り
試合結果: 上海上港 1-1 浦和(前半1-1)
レッズ得点者: 柏木(28分)
警告・退場: マウリシオ(警告×1)
主審: アブドゥル ラフマン 氏
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