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2017 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

前節はアウェーで鳥栖に敗戦して、リーグ戦は3連敗。長いトンネル入っちゃった感のある苦しい状況ですが、なんとかこの悪い状況を自分たちの力で抜け出さなければならない今節は、ホーム埼スタにサンフレッチェ広島を迎えて。

広島さんも今年は色々と苦しんでいて、現在降格圏内に沈んでいるわけですが、こういう相手こそ油断すれば足元をすくわれる簡単ではない試合。しかも相手はこちらの手の内を全部知ってるやりにくい相手。どちらも失点が先行して点が取れないっていう状況的には同じところにハマっているもの同士ですし、状況的にもお互い負けられないので白熱した試合になることが予想できました。

2017 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

なんか変な感じの写真になってますが、たまたまいた位置的にデカ旗の上辺を掴んでる状態だったので、そこから撮影したらこんな感じになりました

さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、那須、槙野。ボランチに阿部ちゃん、遠藤。両ワイドに駒井と関根。武藤、柏木をシャドーに、興梠のワントップ。GKは西川。

まさかの遠藤さんボランチがここに来てという感じですが、最終ライン中央に那須さんを入れて、バランス的には守備に少し振ったスターティングラインナップ。柏木さんが久しぶりにシャドーに入り、さらにここのところちょっと焦りからか周囲との連携が希薄になっているラファさんをベンチスタートにして、興梠さんをワントップ起用となりました。

で、最初に書いておきますが、この試合に関しては「結果がすべて」。苦しい状況で内容とかどうでもいいからまずは1勝して、悪い流れを断ち切るということ、そして得点すること、勝利することで自信を取り戻す。それが続く試合で再びよい流れに乗るためには重要ですから、苦しみながらも「勝った」というそのことだけで今日は100点満点ということでよいと思います。その上でちょっと気になる点も多かったのでいつも通りレビュー書きます。

まず、航さんのボランチ、個人的にはウチで見てみたかったポジションですし、いつかは、と思っていたので期待はしてましたけど、今日やるんかよというのが正直な感想でした。

さらに那須さんを最終ラインにして縦に並べるやり方は、恐らくここ数試合の失点の多さを鑑みて、1列前で航さんにスクリーンの役を、さらに最終ラインに那須さんを置くことで対人のところやハイボールでの強さに期待という感じだったと思いますが、この2人の並びがどうこうというより、それによって柏木さんを1列上げてしまったのは正直よいやり方ではなかったかなと思います。

ウチは前線のトライアングルに対してどうやって楔を入れて行くかというところがまずは重要なポイントですが、そのパスをチーム内で最も効率的、かつ正確に供給できる人物がトライアングルに入ってしまうことで、せっかくの攻撃のスイッチを入れる人が別のタスクに追われてしまったのが残念。

柏木さんはたまにポジション落としてきたり、裏のスペースを見つけては抜け出してみたりと、与えられたポジションで色々と工夫しながら動いているのは見てとれましたが、やはり彼はボランチでパスの供給源として使ってあげるのが最も活きる選手。実際に1点目はポジションを下げた柏木さんからの絶妙なフィードが起点になっていますし、そこはいじっちゃいけないところかなというのが正直な感想でした。

遠藤さんも何回か縦の楔でいいの入れてましたけど、青木さんが阿部ちゃんと組んだときと同じで、柏木さんの代わりとしてはさすがに荷が重く、中盤でのスクリーン役としても期待した通りの機能したとはいえず(相手パスコースの読みなどはさすがなのですがドリブルで持ち出された時などの対応に少し難あり中盤での潰し役としては)、やはり時期尚早だったのではないかなと。

とはいえ、そんな状況ながらも前半に2点取れたのはほんと素晴らしかったんですけどね。また、前半は選手達もかなり気合い入っていて、攻守の切り替えも早く、中盤、前線でのプレス、球際も激しく戦えていましたので、その点はとてもよかったと思います。

先制点は42分。前述したとおり、ポジションを下げてボールを受けた柏木さんからの絶妙なフィードに、インサイドに絞った駒井さんが反応するとダイレクトで折り返し。これに興梠さんがギリギリながらなんとか合わせてのもの。ゆっくりとしたビルドアップから、柏木さんが縦にスイッチを入れる本来のやり方で、前線の人数は少ないながらもうまく崩しきりました。

さらにその3分後の45分。左サイドで広島のクリアが少し中途半端になったところを関根さんが奪取。中央の柏木さんに横パスを付けると、柏木さんが少し持ち出しながら相手ディフェンスを引きつけたところで中央でフリーになった武藤さんへ。これを武藤さんが思いきってミドル。グランダーのボールは相手GKの指先をかすめつつポスト内側に当たるとそのままゴールに吸い込まれました。前半終了間際の2得点。流れ的には完全にウチが掴んで後半へ折り返し。

この状態で、バランスをとりつつ、出てくる相手に対してうまくカウンター当てて3点目獲ってしまえばもう試合的には決まりだったんですけども、うまく行っていないときのチームってこういうことあるよねという典型的なやられ方をします。

2点ビハインドの広島としては当然後半立ち上がりからパワーをかけて出てきますが、それに対して前半できていたような前から囲い込んで潰していく守備が発動せず、ズルズルとラインが下がったところで47分、皆川選手にペナルティエリア内から被弾してまず1失点。この時守備ラインには人数がきっちりそろっていたわけですが、簡単にマーク外してフリーでシュート打たれていて、ちょっとしたところなんですけども、集中を欠いた感は否めないもったいない失点。

さらに54分には右サイドで駒井さんが囲まれてボール奪取されると、柏選手に一気にドリブルで持っていかれて中央に入れられたところで、皆川選手の裏でドフリーになっていたアンデルソン・ロペス選手に決められあっという間に同点。ここも駒井さんが奪われた時点での寄せが甘く、柏選手にドリブルを許したことで連鎖的にマークがズレてやられた形。

この失点後の56分、武藤さん→ラファさんとして、ラファさんをトップ下に。なんとか勝ち越し点を奪いに行きますが、なかなか前線の連動が思うようには行かず。

72分には遠藤さんが相手ゴール前で潰されたところから広島のカウンターが発動。駒井さんがなんとかリトリートしますが、味方の帰陣が遅く、アンデルソン・ロペス選手にこの日2点目を喰らってついには逆転される始末。

特に3点目なんかは、駒井さんが必死で相手のプレーを遅らせているにもかかわらず、広島の選手が3人4人とゴール前に殺到している状況でウチの守備は誰も戻ってこないっていう、戦術以前にそこサボったら終わりですよというやられ方だったのでさすがに呆れてしまいそうになりました。「他の味方が戻ってくれるから大丈夫だろう......」というちょっとした甘えが連鎖した結果としてこういう形になるケースはよくありますが、そこはしっかりやっていただきたいなと思います。

とはいえここで諦めたら終わり。とにかく残り時間で同点、欲を言えば逆転できるようにと祈るような想いで選手に声援を送り続けます。73分には那須さん→忠成さんとして、柏木さんを本来のボランチのポジションへ。忠成さんをシャドーに入れて前線トライアングルを形成。さらに84分には興梠さん→ズラタンさんとして、彼をワントップに入れますが、この采配が結果的には大当たりでした。

85分、交代直後のズラタンさんが、阿部ちゃん→ラファさん→中に絞った関根さんへと続くワンタッチプレーから、関根さんの絶妙なスルーパスをうまく引き出しつつ裏のスペースに抜け出すと、反転しながら相手GKの位置をよく見た技ありのシュートをゴール上隅に叩き込んで同点。これで試合はわからなくなります。

なんとか最後、1点...... と思っていた後半アディショナルタイム。左サイドでボールを受けた関根さんが、パスコースがないと見るやドリブル開始。緩急とシュートフェイント数回でなんと相手ディフェンスを5人ぶち抜きながら右サイドゴールエリア付近まで持ち運ぶと、折り返しを意識してニアサイドを明け気味のポジションをとった相手GKのその空いたニアを打ち抜くスーパーゴールをぶちかまして逆転に成功。そのまま劇的な逆転勝利となりました。

もう、どこのメッシさんですかという感じの圧巻のドリブルゴールでしたが、あの時間帯にあのプレーができるってちょっと尋常じゃないです。実際周りは運動量が落ちて連動せず、パスコースがないから仕方なく開始したドリブルで5人抜きをやらかす関根さんまじすげぇなというゴールでした。

という感じで、最後はもう個人での打開で無理矢理得点した感じで、スマートではなかったんですが、テンション的にはヤバイ感じになる劇的な勝利。最初に書いた通り、この試合はとにかく勝つことが必要だったことを考えれば、まさに最高の結末といえるでしょう。

もちろん、課題は多くあって、これでトンネル抜けて完全復活だぜというほど甘くはないと思いますが、是非この勝利をよいきっかけにして、なんとか強い浦和レッズを取り戻して欲しいなと思います。

さて、次は水曜日にアウェーで川崎と。これでACLの関係で後ろにずれていた第13節になります。これで他のチームと消化試合数が同じになるわけですね。

言うまでもなく川崎は強敵。今日勝ったとはいえ、まだまだ特に守備面での課題も多い状況のウチとしては正直あまりやりたくない相手ではありますがそうも言っていられない。ここで連勝するか、それともあっさり上位チームに負けてしまうのかで今後の流れも変わってくると思いますので、平日夜のアウェーではありますが、きっちり勝点3をゲットして戻ってこれるように我々も全力でサポートしたいですね。

2017 Jリーグ 第17節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

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試合データ

観客: 30,853人
天候: 曇
試合結果: 浦和 4-3 広島(前半2-0)
レッズ得点者: 興梠(42分)、武藤(45分)、ズラタン(85分)、関根(90+2分)
警告・退場: 遠藤(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 福島 孝一郎 氏
順位(第17節終了時点/暫定):8位(8勝6敗2分/勝点26/得失点差+15)

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