AFCチャンピオンズリーグ2017 ラウンド16 第1戦 済州総合競技場 アウェー 済州ユナイテッドFC
ACLも決勝トーナメントがスタート。ラウンド16の対戦相手は済州ユナイテッドFC。ホーム&アウェー方式での対戦となる第1戦は、まずは敵地、韓国へ乗り込んでのアウェーゲームとなりました。
2試合の結果で勝敗が決まるホーム&アウェーでの対戦の場合、アウェーゲームで求められるのは、なんとしても勝ちにこだわるというよりは負けない戦い。もちろん勝てばベストですが、勝てないにしてもあわよくばアウェーゴールを持ち帰れればベターというのが一般的な認識になると思います。
ところが結果的には非常に稚拙な守備からの失点を先にして試合を難しくした挙げ句、追いつくのか、そのまま敗戦するにしても最少失点で終わるのかというような明確なゲームプランが見えないまま中途半端な攻撃を繰り返すと、試合終了間際にカウンターから2失点目を喰らうという最悪の結果で第1戦を折り返すことになってしまいました。
Starting lineups for @jejuutdfc vs @REDSOFFICIAL! #ACL2017 #JEJvURA pic.twitter.com/hzyIrPdqzm
— AFC Champions League (@TheAFCCL) 2017年5月24日
今日はテレビ観戦。現地に行かれた方々、お疲れ様でした。
さて、今日のスタメンは最終ラインに森脇、遠藤、槙野。ボランチに阿部ちゃん、柏木。両ワイドにウガと関根。武藤、興梠をシャドーに、ズラタンのワントップ。GKは西川。
鹿島戦で暴言吐いてリーグ戦2試合出場停止だった森脇さんが公式戦としては3試合ぶりに復帰。ラファさんが負傷して短期離脱しているため、またACLで高さや強さが必要になるケースを考慮してズラタンさんをワントップに、興梠さんと武藤さんをシャドーに配置したスタメン。
対する済州は、守備時、5-4-1のような形でサイドのスペースを埋め、さらに最終ラインからの縦への楔をうまくプレスで切りつつ、中盤では柏木さんのところを消しに来る策。ウチのサッカーを非常によく研究した上で、長所を消しに来るやり方でしたが、球際の寄せも速く、強度も高いので、非常にやりにくい相手という印象。けっして圧倒的な強さがあるわけではないのですが、相手の長所を消しつつ、自分たちの持ち味を要所要所で発揮する非常にうまい戦い方をするチームだなという印象でした。
済州の狙いは、ウチの前線に対してまっすぐ縦に入ってくる楔をぶっ潰して、そこから一気にカウンターで仕留めるというのが明確。前線に非常にスピードのある選手を擁していることからも、カウンターの切れ味は鋭い。守るときは思い切って引いて、きっちりブロックを作る、カウンターを当てる時は一気に人数をかけてやりきるという、明確なプランに基づいてやってくるので面倒。
対するウチは、前半はサイドにスペースもなく、常に数的優位を作られるので左右が沈黙。中央も縦に不用意に入れると狙われてカウンターを喰らうので、徐々にパスの出しどころがなくなって球離れも悪くなり、テンポも上がらずという感じで攻撃が停滞。
失点は開始7分でしたが、最終ラインから阿部ちゃん(?だったと思うけど)が、ロングレンジの縦パスを入れたところを狙われてインターセプト。そのまま相手のカウンターが発動したところからクロスにマルセロ選手の頭で合わされてのものでしたが、カウンターを喰らうこと自体は仕方ないにしても、クロスを供給する相手選手に対する寄せも甘く、さらに得点者となったマルセロ選手に付いていた森脇さんは相手に身体当てることすらできず、ほぼフリーであっさりヘディングシュートを許しているあたり、ちょっと看過できない軽い失点だったなと思います。
リーグ戦の前節、清水戦で喰らった失点のように、全員が戻りながら守備をさせられているような状況でマークがズレました、というのはまだ仕方ない点もあるのでいいのですが(いや、よくはないんですけど)、今回のように、きちんとゴール前にセットした状態で上がってきたクロスで、簡単にマーク外されるというのはさすがにない。こういう安い失点は避けて頂きたいと切に願います。
失点自体は良くないやられ方ですが、時間はあるので焦るようなことでもない。しっかり立て直してまずは追いつきたい流れになりますが、中盤で縦パス狙われてはカウンター喰らうの繰り返しであわや失点という場面も何度か。特に阿部ちゃん柏木さんラインのところで狙われるとヤバイカウンター喰らう感じで、中盤の人数足りてない感が強い前半。
ウチとしてはサイドには入らない(入ってもスペースがない)、最終ラインからの縦も入れにくいと言うことで手詰まり感はありましたが、一方で槙野さんや森脇さんから斜めにトップに入れる、角度を付けた楔は比較的入る傾向がありましたので(済州の守備陣は正面から入ってくるボールには強く出ていく長所が発揮しやすいものの、斜めに入ってこられると出ていく、行かないの判断やマークの受け渡しで対応が遅れる傾向がありました)、もっとそこを狙って、中央でコンビネーションできればよかったのですが、今日はそこに入ってもなかなかいつものダイレクトプレーなどが活かせず、時間かかって囲まれてみたいなシーンが多かったのが残念でした。
とはいえ、後半は多少相手の運動量も落ちて、スライドが少し遅れだしたり、中盤でのプレススピードも低下したため、このタイミングで押し込めればよかったんですが、今日はそれもイマイチうまく行かず。何度か決定機は作るものの決めきれずで試合は終盤へ。
試合時間が残りわずかになってくると、リスクをかけてでもアウェーゴールを奪いに行くのか、それとも、とにかく被害を最小に食い止めるためにもリスクをとらずに1失点で終わらせるべきかという判断を迫られることになりますが、ミシャさんが0-1で負けてオッケーなんて判断をするはずもなく、71分の武藤さん→忠成さん、82分のウガ→高木さんという交代を見ても、1点獲ってこいというメッセージがビンビンに感じられる交代。
それ自体はベンチの考え方ということで問題ないと思います。あとはそれを受けて選手がどう判断するかですが、リスクをかけてでもアウェーゴールを奪いきってやるというなら、そういうプレーをすればよいですし(結果失点のリスクが上がったとしても)、いや、ここで追加の失点を喰らうのだけは避けたいというなら、守備陣は前線の選手とコミュニケーションとってリスク管理をする必要があったと思います。これはどちらの判断が合っている、間違っているではなく、どちらを選択するにしても「明確な意図を持ってはっきりとしたプレーをするべき」という意味で。
ところが、この試合の終盤は、相手のカウンターに対してリスクマネジメントするでもなく、かといってパワーをかけて畳みかけるという意思や気迫もそれ程感じない、何とも中途半端なプレーを繰り返した結果、雑なクロスをはじき返されたところからカウンターを浴びて失点と......
まだ、それこそ死ぬ気で1点獲ってやんよくらいの気迫を持って相手を押し込んだ猛攻の末、力尽きてカウンター喰らって失点するなら諦めもつくというか、納得も行くのですが、こういう中途半端なプレーされるとちょっとねと思ってしまいました。
日中の試合、気温はともかく湿度70%を超えるコンディション、中継を見ている限り芝も深くてボールが走らない感じでしたし、運動量が求められるウチにとっては厳しい条件だったかもしれませんが、それでも球際の強度にしても中盤でのプレススピードにしても足りない点が目に付く内容だったように思います。この辺は第2戦までにどう修正するか、期待したいところです。
結構次の試合、正念場だと思うんですよね。このままあっさり敗退してしまうのか、難しい条件ながらホームで相手を圧倒して勝ち残るか、その結果によってチームが勢いを掴んで上向くか、なんか調子悪いよね~のまま行ってしまうのか、それがリーグ戦などにもつながると思うんです。だからこそここはしっかり修正して、本当にウチが強いというところを見せつけて欲しいなと思います。
さて、第2戦は来週水曜日、埼スタで。まずは絶対に失点(被アウェーゴールだけは避けたい)しないことが前提になりますが、2-0 勝利で、2試合トータルスコアがドロー。3-0 以上で勝利すればウチが勝ち抜けということになります。
伝統的にこういう所謂ノルマありの試合は苦手なウチですが、ホームで戦えるアドバンテージを十分に活かして、あとは選手に奮戦してもらうしかないです。我々はそれをきっちり後押しできるように水曜日に備えましょう。
試合データ
観客:1,913人
天候: 晴れのち曇り
試合結果: 済州 2-0 浦和(前半1-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: -
主審: アジズ・アシモフ 氏
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