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2019 Jリーグ 第33節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦

ACLの熱狂が終わり、現実に引き戻される11月最後のJリーグは、残り2節となった第33節、アウェー味スタに乗り込んでのFC東京戦。

ウチの前節終了時点での勝点は「36」、すでに自動降格となる17位以下になる可能性は消滅しているため、あとはプレーオフに回される16位をどう回避するかというところ。直接的に16位を争う相手は前節終了時点で下位にいる松本(17位)、湘南(16位)、清水(15位)、鳥栖(14位)の4チームになります。松本と湘南、清水と鳥栖は運がよいことにそれぞれ最終節に直接対決があるため、どちらかが2連勝した場合、どちらかは最高でも1勝1敗。その中で現在16位で勝点32の湘南が2連勝すると仮定した場合の最高勝点は「38」となりますので、プレーオフ回避ラインは勝点39以上(得失点差の問題もあるので38でもほぼ大丈夫なんですが)。ウチはあと1勝すれば勝点39となるので、文句なしに自力での残留確定です。

そんな状況で迎えるFC東京戦。東京さんとは対戦成績の相性はよいものの、前回対戦時もギリギリに同点に追いつく形でなんとか引き分けたくらいですし、相手は初優勝がかかっていて気合い入っている状況。相性がよいとは言ってもそう楽に勝たせてもらえる相手ではありません。一方でウチはリーグ戦、第28節の清水戦以来勝ちなし、その前に勝ったのが第20節(7月)の磐田戦ってことで8月以降、今日までたったの1勝しかしてないっていう絶望的な状況。ACLでの燃え尽き症候群も気になる今の状況でどういう戦いができるのか、非常に気になる対戦となりました。

2019 Jリーグ 第33節 味の素スタジアム アウェー FC東京戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフにエヴェルトン、青木。ウィングバック、左に山中、右に森脇。インサイドハーフに柏木、マルティノス。興梠のワントップ。GKは西川。

ACLで出ずっぱりだった関根さん、橋岡さんをお休み(ベンチスタート)させて両ウィングバックを入れ替え。前回FC東京戦で得点した山中さん→森脇さんラインを再度スタメンとするなど、相性的なところを考えての配置でしょうか。

インサイドハーフにもマルティノスさん、柏木さんというフレッシュな選手を配置しますが、特に柏木さんの先発に関しては、彼の存在がどうチームに影響を与えるかにも注目でした。

対するFC東京はいつも通りの 4-4-2。スタメンもベストメンバーといえる配置。CBは森重選手、渡辺選手のコンビ。SBは右に室屋選手、左に小川選手。髙萩選手、橋本選手のダブルボランチ。三田選手(右)、東選手(左)をSHに、ディエゴ・オリヴェイラ選手、永井選手の2トップ。

FC東京は強靱なCB、ボール奪取能力の高いボランチによって中盤でボールを刈り取りつつ、推進力のあるSBとSH、スピードのある永井選手と強さのあるディエゴ・オリヴェイラ選手を活かした縦に速い攻撃が持ち味。ウチとしては特に永井選手に走られた際の対応と、そこに引っ張られた時のディエゴ・オリヴェイラ選手をどう抑えるか、さらに積極的に高い位置を取ってくる相手両サイドとの駆け引きでどれだけ勝てるか、守備面ではこの辺がポイントになるのと、攻撃面では相手が高い位置を取ったときのSH、SBの裏のスペースをどれだけうまく突けるかが鍵。

お互いにボールを持ってしまうとそれ程持ち味が出ないチーム同士なので、なるべく相手陣地の高い位置で攻守を入れ替えてサイドの裏を突いていきたい。よって中盤のインテンシティは高く、主審の家本さんがフィフティなコンタクトは流す傾向が強かったことも相まって両者ともバッチバチにやり合う強度の高い試合となりました。

とはいえ、前半立ち上がりからペースを握ったのはFC東京。ウチのビルドアップの不備を看破してか、3バックに対して相手2トップとSHが前線からプレスをかけて追い込みにきます。SHが加わるとはいえ相手は2トップ、ウチは3バックの2対3の状況で相手のプレスがハマっちゃうのは本来問題なんですけども、今のウチにこのプレスをポジショニングで外してなんていう高度なビルドアップはできないので結果として蹴らされることになりますが、蹴るにしても相手SBの裏に蹴ってくれればよいものの中央エリアに蹴るため、簡単に跳ね返されては自陣にボールが戻ってくるっていう流れで開始数分で何度かゴールに迫られると、立ち上がりの20分くらいまではいきなり耐える展開に。

ここで勢いに負けて押し切られると一気に試合を持っていかれるところでしたが、西川さんのスーパーセーブもあって何とか立ち上がりの猛攻を防ぐと、少し試合が落ち着いたところで多少ウチがボール保持できる時間帯が増えます。

攻撃面ではやはり柏木さんが入ってくれたことが非常に大きかった。彼が左のハーフスペースでよいポジショニングを取ってくれるため、森脇さんのところにボールが入った瞬間にはよい位置でサポートができていて、右サイドの前進はある程度スムーズ。

一方で左サイドはマルティノスさんが守備面では恐らく対面となる守屋選手、三田選手にきっちり着いてけと指示されていたのか、そこはしっかり対応していましたが、とりあえず頑張って追いかけるくらいの話で、山中さんとのマークの受け渡しなどを含めた守備面での連動性は正直バラバラでしたし、槙野さんと山中さんの関係性もよいとは言いがたく、左で前進しようにも山中さんが孤立しがちで停滞。さらに対面でマッチアップする室屋選手、三田選手がスピードもあってガンガン前に出てくるため守備に追われることで低い位置に押し込まれて劣勢と、左右で少しクオリティの差はみられました。

まぁこの布陣だと元から右で作って左でフィニッシュって感じの配置なのである程度左が特に守備面でバタバタするのは仕方ないんだと思いますが、本来、右サイドの岩波さんも森脇さんも右足で精度の高いロングフィードを蹴れる人なので、もう少し山中さんがタイミングよく高い位置をとれれば、サイドチェンジによる幅を使った展開でフリーの状況を作れたかなと思うと、少しもったいなかったですかね。

ただ、前述の通り柏木さんがいてくれることでインサイドハーフのところでしっかりボールを引き出してキープできるため、ある程度前で起点を作れることからいい形でボールを奪えればアタッキングサードまで持っていけますし、柏木さんが良いタイミングで逆サイドにボールを散らしたりしてくれるので、4バック、スライド守備のFC東京としては的を絞りにくく、ここまでの数試合に比べれば改善ともいえる内容。

さらにFC東京がディエゴ・オリヴェイラ選手をアクシデントで途中交代せざるを得ない状況になったことから最終ラインのマッチアップでもウチの3バックの負担が少し減るなど(選手の怪我を喜んではいけませんが)幸運な面もあり、逆にFC東京としては初優勝のプレッシャーの中で思うように行かない展開。

そんな流れの中でセットプレーから奪ったウチの先制点は前半の39分、右サイドからのコーナーキックをショートコーナーでリスタートしたところから中央で待ち構えた山中さんが左足を一閃。とんでもないブレ球で曲がりながら落ちたボールをFC東京のGK、林選手もさすがに弾くのが精一杯。このこぼれ球に詰めたマルティノスさんが、倒れたGKに当てず、フカさないようにハーフボレー気味に上から叩いてショートバウンドさせつつゴールに蹴り込むスキルフルなシュートを叩き込むと、良い時間帯に先制点を奪うことに成功。前半はこのまま締めて1点リードで後半へ折り返し。

後半の戦い方としては相手が出てくるところをうまく潰してマルティノスさんの裏抜けを活かしたい。そんな中、FC東京はディエゴ・オリヴェイラ選手に続いて、後半立ち上がり早々に永井選手まで肩の負傷で離脱するという最悪の事態に。

両選手の交代で入った田川選手、ナ・サンホ選手はディエゴ・オリヴェイラ選手、永井選手にように裏にガンガン仕掛けてくるというよりはディフェンスライン前面で足元でボールを受けてくれるため、ウチにとっては迫力が薄まり、3バックもラインを多少上げやすい状況になると、中盤の高い位置でポジトラできる状況も増え、ウチは柏木さんを起点に狙い通りマルティノスさんが勢いを持って相手ゴール前に迫るシーンを何度か作りますが、こちらはこちらで決定機というには遠い状況のまま試合は進みます。

ただこの流れで耐えきれないのが今のウチ。69分、直前に相手ゴール前でボール奪取されたところから強烈なカウンターを喰らいますがこれはなんとかしのいだものの、それで与えたコーナーキック、三田選手の蹴ったボールにストーンの位置にいた興梠さんが思いきってクリアに飛び出しますが数センチのところで触れず、裏で森重選手に触られてしまったところからナ・サンホ選手のシュート→これは西川さんがなんとか弾いたもののこぼれ球を田川選手に押し込まれる形で失点。試合を振り出しに戻されてしまいます。

FC東京としてはこの試合で勝たないといけない状況。同点にされたことで一気に勢いを持って出てこられると嫌だなと思っていたんですが、そこまででパワーを使い切ってくれてたのか思ってたより前からガンガンくる様子もなく、両者とも運動量が低下して両チーム決定機に至らない流れに。

ウチは74分に森脇さん→橋岡さん、76分には山中さん→関根さんと両ウィングバックをリフレッシュし高い位置に起点を作って相手を押し込みに行きますが、79分に柏木さん→長澤さんの交代が行われるとこのまま同点で終わっても良いかなという雰囲気に。結果、そのまま 1-1 で試合は終了し、アウェーで勝点1をゲットすることになりました。

で、他会場で湘南が勝ってしまったため、今節の引き分けでは残留確定とはならなかったのですが、鳥栖と清水がともに敗戦して勝点36のままに留まったため、順位的には変動なし。

さらに松本が敗戦したことで松本の17位以下が確定し、16位の可能性があるのは湘南、清水、鳥栖、そしてウチの4チームに絞られましたが、冒頭に書いたとおり、最終節は清水と鳥栖が直接対決のため、ここで勝敗がつけばウチは湘南の結果や自分たちの最終節の結果に関係なく残留確定。

清水×鳥栖が引き分けの場合、ウチが最終節で負けることがあると勝点では3チームが並びますが、得失点差でウチが大きくリードしているため、最終節に0-10みたいな滅茶苦茶な負け方しないかぎりは湘南が勝利したとしてもウチは15位以上確定。

ということで、可能性的には100%ではないものの、現実的にはほぼ残留が確定しましたので、最終節は少しだけ気を楽にしてのぞめます。

もちろん、最終節ホームで勝てば文句なしの自力残留確定ですし、最後くらいはきっちり勝って締めて頂きたいですけども、勝たないとやべぇみたいな変なプレッシャーがかからないのはよいことです。

いよいよ今シーズンも残り1試合。最後は気持ちよく締められるよう、ホームでしっかり後押ししましょう。

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試合データ

観客: 40,202人
天候: 晴 / 気温 12.6℃ / 湿度 31%
試合結果: FC東京 1-1 浦和(前半0-1)
レッズ得点者: マルティノス(39分)
警告・退場: 山中(警告×1/反スポーツ的行為)、興梠(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 家本 政明 氏
順位: 13位(9勝14敗10分/勝点37/得失点差-15)

試合ハイライト

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Yoshiki Kato / burnworks
Yoshiki Kato
埼玉県出身。サッカー、フットサル (観戦 / プレー)、モータースポーツ観戦、格闘技 (主にボクシング) 観戦、インターネット、音楽鑑賞、筋トレ、腕時計収集が趣味。サッカー 4 級審判員、ウオッチコーディネーター(上級 CWC)資格認定者。好物はゼリー、グミ、お酒、ラーメン。