AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ 準決勝 第1戦 埼玉スタジアム2002 広州恒大戦

10月に入りましたね...... 今年も残り少なくなってきましたが、現在のところ唯一のタイトル獲得チャンスとして準決勝まで進んだACLは、中国の強豪、広州恒大との対戦。ミッドウィークの水曜日に行われるのはホームでの第1戦です。国内での戦いはなかなかうまく行かないことが多い状況ですが、よい流れを掴むためにもACLは勝ち抜いて自信を付けたいところ。

リーグ戦の方では直近の鳥栖戦(アウェー)に引き分け。そこから中3日でのぞむ今試合ですが、ホームで求められるのは勝利、および相手へのアウェーゴール献上阻止。とにかく失点を避けつつ勝ちきることが重要になります。広州恒大とは過去ACLで過去数回対戦していますが(直近だと2016年、2013年)、全てグループステージでの対戦で、決勝トーナメントで当たるのは今回が初めてなんですね。決勝トーナメントでの広州恒大はめっぽう強く、過去日本勢も決勝トーナメントで広州恒大を相手に苦杯をなめさせられたこと幾度。タフな相手ですが、しっかり乗り越えていきたい対戦となりました。

AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ 準決勝 第1戦 埼玉スタジアム2002 広州恒大戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに青木、エヴェルトン。ウィングバック、右に橋岡、左に関根。インサイドハーフにファブリシオ、長澤。興梠のワントップ。GKは西川。

鳥栖戦はベンチ外となった興梠さんが復活してワントップに。鳥栖戦で久々のゴールを決め、上り調子になってきそうな武藤さんは一旦ベンチに置いてファブリシオさんがインサイドハーフで先発。アジア相手の場合はファブリシオさんのような飛び道具が活きる可能性が高いということもあるでしょう。

逆に考えれば武藤さんが途中交代で入ってくるというのはリードした状況などで終盤に運動量が欲しい場合には心強い。興梠さんと武藤さんが入れ替わった以外は、鳥栖戦と同じスタメンとなりました。

対する広州恒大はエウケソン選手をワントップに、パウリーニョ選手、タリスカ選手をインサイドハーフに並べた 3-4-2-1 スタート。鄭智(ジェン・ジー)選手、黄博文(フアン・ボーウェン)選手のディフェンシブハーフ、ウィングバックの右に鄧涵文(ドン・ハンウェン)選手、左に張琳芃(ジャン・リンボン)選手。3バックは左からパク・チス選手、馮瀟霆(フォン・シャオティン)選手、高准翼(ガオ・ジュンイー)選手。GKは曾誠(ゾン・チョン)選手。

準々決勝の鹿島戦をみる限り、広州恒大は 4-2-3-1 or 4-4-2 と、4バックシステムを基本型としていましたが、今回は5バックで合わせにきました。スタメン観たときに3バックの予感がしていましたが、ちょっと予想外。守備時には 5-2-3 でブロックを作り、前線の外国人3人(正確にいうとエウケソン選手は中国に帰化してるので外国人じゃないんですけども)が横並びでプレスをかけてくるやり方。本来ならこれでウチの3バックに対して数的同数を作れるので、そこで限定しておいて中盤で潰してという意図があったのでしょう。

とはいえウチも3バックに人数を合わせられるのはよくあることで対策は十分。同様の状況ではおなじみですが、青木さんが最終ラインに落ちることで疑似的な4バックを作りだし、相手の3トップに対して数的有利な状況を作りつつ、この3枚の裏で人数が減っている2枚の両脇を取りに行きます。特に広州恒大の前線3枚があまり守備が上手ではなく、パスコースを効果的に限定してこないこともあってここを超えれば中盤でウチが数的優位。相手2列目の両脇、ハーフスペースにファブリシオさんや長澤さんが落ちてくることで最終ラインからのパスを引き出し、相手最終ラインが食いつけばターンして裏、もしくはウィングバックへと繋いで中→外という作り。これで相手ディフェンスを動かしつつ、ボールを前進させます。

また、広州恒大は攻撃もすこし大雑把ぎみ。全体的に高さもありフィジカルも強く、さらに前線3枚の迫力はあるものの、繋ぎという点ではあまりうまくなく、ビルドアップに対してこちらがプレッシャーをかけると大雑把に前線に向かって蹴ってくるだけだったため、蹴られてもウチの3バックがしっかり人を捕まえて対応することで比較的危なげなく(何度か抜けられたらやべぇっていうシーンはありましたが、鈴木さんを中心に素晴らしいチャレンジ&カバーで強固な守備を築いてくれました)ボールは回収できていて、相手に決定機を作られるというシーンもほぼない、完璧といっていい試合運びができました。

しかし、比較的ボールは持てる、よい崩しもできていて、フィニッシュまでは持って行けている...... という状況でも最後のところは相手も身体を張って守ってくるため得点とはならず、いい流れなんだけどもう少し、という状況の中、さすがに広州恒大は堅いな...... なんて思っていたのですが思ったより早い19分、ウチの飛び道具、ファブリシオさんがえげつないミドルを叩き込んで試合を動かしてくれます。

ファブリシオさんのシュート自体はもちろん素晴らしかったんですが、そのシュートに至るまでの流れも非常に素晴らしかった。

左サイドで鈴木さん→槙野さんを経由して一旦ファブリシオさんへ。これをダイレクトでファブリシオさんが左サイドを駆け上がる関根さんに預けると大外をドリブルで運んだ関根さんからアタッキングサード、ハーフスペースに侵入したファブリシオさんが再度パスを引き出します。外→中→外(で関根さんドリブル)とテンポよくボールを動かしたことで相手ディフェンスは後手に回ってファブリシオさんが中でボールを引き出した際には完全なフリー状態。ボールを受けたファブリシオさんは素早くカットインしてシュートコースを作ると、右足を一閃。放たれたシュートは少しアウトにかかりつつ相手GKから逃げるようにファーサイドのネットに突き刺さるゴラッソ。いい時間帯に力で相手のゴールをこじ開けてくれました。

その後も長澤さん→橋岡さんでGKとの1対1のシーンを作るなど、追加点のチャンスはありながらも決めきることができず、試合は 1-0 で後半へ折り返し。

ここのところのウチの課題は後半、相手がやり方を変えてきたりギアを上げて圧力を高めてきた場合などにそれにどう対応して試合を締めるかという点。今日も後半にギアを上げてきた広州恒大に対して少し受け身になってしまう時間帯もあり、相手のプレスにパスミスが続いたりして少し嫌な流れもありましたが、前半に続きウチの3バックが耐えるところを耐えて跳ね返しつつしのぐと、67分にファブリシオさん→武藤さんとしてインサイドハーフをリフレッシュ。前線での運動量が出たことで相手を押し返し、武藤さん投入直後には橋岡さん→武藤さんのドンピシャボレーシュートが相手GKのビッグセーブにあう惜しいシーンなども作るなど、一度相手に傾きかけていた流れを再度引き寄せます。

この辺で追加点が獲れれば完璧なんだけどなと思っていた75分、この日2発目のゴラッソが炸裂します。左サイドからのコーナーキック。キッカーの武藤さんが蹴ったインスイングのボールは一旦相手ディフェンスに弾かれクリアされますが、このボールを関根さんが奪取。ゴール裏から見ていて関根さんの前にシュートコースが見えたので、「打てる」と思った瞬間、関根さんの右足から放たれたシュートは無回転で地を這うような超高速ミドル。一直線に相手ゴールに突き刺さり、欲しかった追加点をゲット。

この失点で広州恒大はシステムを 4-3-3 に変更。アウェーゴールを1点でも奪おうと圧力を高めてきます。80分過ぎにタリスカ選手からの縦の楔→パウリーニョ選手に鈴木さんがアタックしたところをワンタッチフリックで外されて裏に抜けた韋世豪(ウェイ・シーハオ)選手にゴールを叩き込まれるシーンがあり、「あーアウェーゴール痛ぇ......」って思ったらこれがオフサイド判定。現地ではわからず、あとでリプレイ映像をみて完全にオフサイドじゃんってなったわけですけども、主審と副審でコミュニケーションを取ってしっかりジャッジしてくれました。ナイスジャッジ。

少しひやりとしたシーンでしたが、これをうけてウチは86分に長澤さん→阿部ちゃんとして中盤を強化。さらに88分には関根さん→ウガとしてサイドで押し込まれる状況をケアすると、あとは残り時間をしっかり守り切って 2-0 での勝利。ホームでの第1戦の結果としては完璧といっていい形で勝利を収めてくれました。

これで相手はホームとはいえ 3-0 以上の勝利が必要。逆にウチが1点でも先行すればかなり優位な戦い方ができると思います。とはいえアウェーでの広州恒大戦って過去勝ったことないんですよね。もちろん、選手達も楽観なんかはしていないと思いますが、しっかり勝って文句なしの決勝進出を決めてほしいものです。

と、その前にリーグ戦で大事な試合が続きます。直近はホームでの2連戦ですが、その最初の対戦相手は直接的に残留を争っている清水エスパルス。中3日となる週末、日曜日の対戦ですが、勝利がマストとなる試合。さらに続く大分とのホームゲーム、この2戦でもちろん連勝が理想ですが、「最低でも」勝点4(1勝1分)くらいは積みたいところです。そうすると残留ラインもかなり現実的に近づいて、残り試合を落ち着いて戦えそう。まずは目の前の清水戦を今日の試合で得た勢いをもって乗り越えましょう。

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試合データ

観客: 30,068人
天候: 晴
試合結果: 浦和 2-0 広州恒大(前半1-0)
レッズ得点者: ファブリシオ(19分)、関根(75分)
警告・退場: 橋岡(警告×1)
主審: クリストファー・ビース 氏

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