天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 4回戦 埼玉スタジアム2002 Honda FC戦

リーグ前では色々と苦労しつつも先週行われたACLでは準決勝に駒を進め、アジアでのタイトル奪取とJ1リーグ残留争いが同時に進行するっていう、うれしいんだか悲しいんだかよくわからん状況になっておりますが、国内タイトル奪取のチャンスもまだ1つ残っておりまして、それが天皇杯。ミッドウィークの水曜日に行われるのは4回戦、勝てばベスト8進出となるこの対戦、対戦相手はJFLの強豪 Honda FC(本田技研工業フットボールクラブ)。

Honda FC は静岡県代表として県予選から勝ち上がってきていますが、2回戦ではJ1札幌を4ー2で撃破、3回戦でもJ2徳島を2-0で破り4回戦進出。3試合連続ジャイアントキリングを狙って埼スタに乗り込んでくる厄介な相手。Jリーグ参入時の件もあって浦和とは関係性のある Honda FC さんですが、こちらもここでアマチュア相手に負けている場合じゃないですし、しっかり勝って続くリーグ戦に勢いをつけたいところです。

天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会 4回戦 埼玉スタジアム2002 Honda FC戦

今回対戦する Honda FC が所属するのは「JFL」(日本フットボールリーグ)。アマチュアでは最高峰のリーグになります。よくJ3の下部リーグとしてJFLという捉え方をされるんですが、公式にはJ3(プロの一番下)とJFL(アマチュアの一番上)は同格リーグという位置づけ。参加クラブ数は「16」、リーグの規模も全国リーグでレベルも高いです。その中で Honda FC は2016年~2018年を3連覇中の絶対王者(2019シーズンも22節終了時点で首位)。しかもその間、年間勝点記録を3連続更新するっていう超強豪。

ちなみに対戦相手が Honda FC に決まった際につぶやいたのが↓ですけどもこういう感じです。

さらにウチがリーグ戦を考慮して人を入れ替えることが予想されるのに対して Honda FC は日程的にかなり余裕があるため恐らくジャイアントキリングを狙ってベストメンバーで挑んでくることが予想されました。こちらもベストメンバーなら普通に考えてそれ程心配する相手ではない(本来そうじゃないと困る)のですが、3回戦で人を入れ替えた際の攻守にわたる停滞具合を観ていると余裕ぶっこいている場合でもないなという感じ。

さて、ウチのスタメンは、最終ライン、3バック右から森脇、マウリシオ、ウガ。ディフェンシブハーフは阿部、柴戸コンビ。ウィングバック、右に岩武、左に山中。インサイドハーフに池髙、汰木。杉本のワントップという布陣。GKは西川。

システム的にはいつも通りの 3-4-2-1 を継続しつつ、リーグ戦に向けてお休みさせるべき選手はしっかりお休みさせるという人の入れ替えをしてきました。3バックの左にはウガが入り、山中さんとの縦関係。ルヴァンカップの鹿島戦で審判団に対するよろしくない発言があったということで槙野さんが出場停止になってることでこの人選というのもあると思いますが、まぁ彼もリーグ戦はフル出場でお疲れだったでしょうからこの休暇はポジティブに。

前線も鳥栖戦に向けて疲労を少しでも抜いて欲しい興梠さん、関根さんあたりはきっちりお休みさせて杉本さんがワントップに。さらに池髙さんがインサイドハーフに入るサプライズ。右ウィングバックの岩武さんは天皇杯では3回戦に続く先発ですが得点に絡むプレーが求められるポジションだけにそろそろはっきりとした結果が欲しいところ。

一方でレビュー書くので難しいのが対戦相手の Honda FC。残念ながら私は Honda FC さんの試合を普段から1試合通して詳しく観てたりはしていないのでその辺の前情報があまりないところ。

直前で観ることができたのは天皇杯のハイライトで札幌戦と徳島戦をさらっと振り返るくらい。札幌戦(公式ハイライト)では3バック(3-5-2 かな)を採用して札幌のシステムに合わせつつ打ち合いを制し、徳島戦(公式ハイライト)では4バック(これが本来のシステムらしい)で2得点。

恐らく 4-4-2 をベースにしつつ相手に合わせての微調整という感じですが、どういうシステムでくるにしても前線の2トップ、Jリーグでの経験も豊富なベテランFW、古橋達弥選手(セレッソ、山形、湘南)と、2回戦の札幌戦で2ゴール、3回戦の徳島戦でも1ゴールを奪っている若手FW、遠野大弥選手の2枚は十分警戒に値するレベルの高さ。また右SHの佐々木選手など、若手を中心にサイドからの突破も非常に迫力があり、マッチアップするウチのサイドがその辺をしっかり押さえ込めるかに注目しつつの立ち上がりとなりました。

で、今日はまだ天皇杯の4回戦だし、たまには埼スタの指定でゆっくり試合を観ようと思ってバックスタンドから観戦してたんですが、購入した席がたまたま1列目だったこともあってめちゃくちゃ試合が観づらかったです...... もう少し高い位置から観たかった。なので細かい選手の配置とかがあまりわかんなかったのですが、Honda FC は前述の通り基本形となる 4-4-2 スタートでした。2トップは前述した2選手。ボランチに山藤選手、松本選手、SH、左に富田選手、右に佐々木選手。SB、左に八戸選手、右に堀内選手。CBは池松選手、鈴木選手という布陣。GKは白坂選手。

Honda FC はボランチの1枚が最終ラインに落ちてボールを保持すると、それとあわせてSHがインサイドに絞ることでボランチからの縦パスのコースを作りながらハーフスペースに侵入。同時にSBを高い位置に押し上げ、SHに縦が入ったところからそれを追い越したSBによるサイド突破、もしくはSBが受けたところからの2トップやSHによる裏抜けというのが基本的な狙いに見えました。

ポジションチェンジによってマークがズラされたところにショートパスを繋いでバイタルエリアを攻略しにくるので守備が後手に回ると危険な感じ。実際にその形でマークをズラされてフィニッシュまで持っていかれるシーンも数回あり、特にウチのインサイドハーフのところで最初の守備がズレると連鎖的に1つ1つ守備がズレてってバイタルエリアで1対1を作られるっていう厄介な相手。ほんとにこの人達アマチュアかよ......

とはいえあまりサイドの深いところを狙ってくるようなイメージはなく、SHの2枚がインサイドに入って行きたがりな感じのプレーヤーとこともあって攻撃は中央に偏りがち。左右に大きく振られるようなことはなかったのとプレー精度的にはそこまで高くないことも関係して変な形でボール失ったりして危険な場所で1対1の局面さえ作られなければ(ま、ネタバレすると最後に作られてやられたんですけどね......)中央に人を集めることで守りやすさはあったかと思います。

Honda FC の守備はセオリー通りウチのウィングバックにボールを誘導しておいてサイドに追い出す形でプレスをかけ、無理にインサイドに入ってきたところで引っかけるというやり方。相手は2トップということもあってウチは阿部ちゃんが最終ラインに落ちる形で疑似的な4バックを作り、相手前線のプレスに対して数的優位を作りながらのビルドアップで最終ラインではボールが保持できるものの中盤より前でのプランが見えず。

相手はボールサイドに人を寄せるため、ウチとしてはサイドで作っておいて逆サイドに飛ばすことで1対1の局面を作りだせれば、そこから縦に仕掛けてクロス or マイナスに戻して中央でズドン...... といったフィニッシュまで想定できるところですが、前半立ち上がりに関しては Honda FC の守備の出足が早く、サイドにうまく追い込まれてしまったので狙い通りの大きな展開というのはほぼ出せませんでした。では中央からといっても杉本さんはボール収まらないし、インサイドハーフとの距離感も悪く、池髙さんは消えちゃう(消えちゃうどころか岩武さんのプレースペースを消しちゃったりでマイナス......)しでほぼ機能しない、みたいな感じでお互いに決め手を欠く試合展開。

そんな我慢の展開の中でも前半30分過ぎくらいから徐々に相手の出足が鈍ってきたところで中盤のいい位置で柴戸さんがボールを引き出しはじめると相手を押し込めそうな雰囲気はありましたが今日はフィニッシュひとつ前のプレー精度に難あり。サイドでフリーの状況を作ってもクロスが上がってこない、最後のパスがズレるといったところで決定機には至らず。試合は後半に折り返し。

ハーフタイムに池髙さん→武藤さんとしてインサイドハーフの1枚を交代。武藤さんが積極的にボールを引き出す、あるいはうまくサイドに流れて起点を作りつつ汰木さんを使うなどして流れを引き寄せますが、前半同様フィニッシュに至る手前で精度を欠く展開。試合時間も進み、やられる感じはしないけど、ウチが点獲るニオイもあんましねぇななんて思ってた76分に森脇さん→岩波さんと交代(多分アクシデント)。80分ごろには相手ペナルティエリア角からのフリーキックのチャンスなどもあり、この辺で1点奪えれば勝利は堅いぜなんて思ってたら83分にまさかの失点。

中盤でマウリシオさんから武藤さんへの中途半端なパスを相手ディフェンスにインターセプトされると、中央でボールを受けた遠野選手がゴールに向かってドリブルで仕掛けます。ここにはサイドから岩武さんが絞ってなんとか対応しますが、こぼれ球を背後からサポートしてきた佐々木選手に拾われると、ここに対応したウガとは1対1の局面。佐々木選手はこの1対1をキレのあるフェイントから縦に仕掛けるとあっさり制してウガを置き去りに、そのままペナルティエリア内に侵入→思い切って放ったシュート(だと思う)はコース的に枠を外れたものの、フリーでペナルティエリア中央に入り込んでいた富田選手にコースを変えられゴール。最悪の時間帯に先手をとられ大ピンチ。

失点を受けて1点を獲りに行かなければならなくなったウチは失点直後の83分に山中さん→荻原さんとして左サイドをリフレッシュするも、87分にその左サイドをワンタッチパスで裏に抜けた佐々木選手と荻原さんが1対1。ここも佐々木選手がキレッキレのドリブルで荻原さんをぶっちぎるとペナルティエリアの深い位置に侵入されたところからマイナスの折り返しを、古橋選手との交代で後半から投入されていたFWの原田選手に決められてこれでほぼ試合は決まり。

90分には相手ゴール前に放り込んだボールに競った杉本さんが引っかけられてPKをゲットするものの、まさかの杉本さんPK失敗で1点を返すこともかなわず...... 結局 0-2 で試合終了。今シーズンの天皇杯はベスト16で敗退、これで来年のACL出場もなくなりました。

結果が残念なのは当たり前ですが、さらに深刻なことに特定の選手に頼らないと得点どころか攻撃の形もほぼ作れず、所属カテゴリー内では規格外の強豪チームとはいえアマチュア相手にも敗戦を喫するということがはっきりしました。主力を落としての試合だという点を考慮しても、さすがに今日の結果は「次に切り替えましょう」なんて簡単に言えるような甘い状況ではありません。次の鳥栖戦が正念場。なんとしても結果を出すために全力を尽くして頂きたいものです。

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試合データ

観客: 11,953人
天候: 晴
試合結果: 浦和 0-2 Honda FC(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: マウリシオ(警告×1)
主審: 池内 明彦 氏

試合ハイライト

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