2019シーズン、第6節までを観ての寸評とか

連敗などはしていないものの、開幕からとにかく得点できずに苦しい試合内容が続いていることと、負けるときは札幌戦(第2節)やマリノス戦(第6節)のように全くいいところなくボコられるっていうのが続いていることで、今シーズンぶち上げた「Jリーグ」「ACL」の両タイトル制覇というデカ目の目標と照らし合わせて、ちょっとチームを取り囲む空気的には重い感じになってしまっていますが、ここまでの戦いを観て、個人的に思うことをまとめておきたいと思います。

システム論はあまり関係ない

スタートポジションがが4バックか3バックかに関してはそれ程大きな問題ではないといいますか、ここ最近の問題は4バックスタートした上で守備ブロックを 4-4-2 で作った際の両サイドバックのポジショニングや、中盤より前がプレスに行ったときの後ろのポジショニングにあると考えます。

仮に4バックでスタートしたとしても、守備時には例えばアンカー(今だと青木さん)を最終ラインに落として5バックにするような方法もあると思いますし、最終ラインに合わせる形で前が「戻って」しっかりとスペースを埋めて 5-4-1 のような形でブロックを作れば、そこまで失点する要素は見当たりません。

というのも、ウチは前向きに受け持ちエリアに入ってきたところを潰すことに関しては国内でもトップクラスの選手が最終ラインにそろってるから(逆に言えばそういう選手しかいないとも言えますが)ですね。

なので、最終ラインの位置を基準にブロックを作って待ち構える分には、そこのスペースに入ってきた相手を出ていってぶっ潰してポジティブトランジションできると思いますし、システムが云々よりも、そういう「引いて受ける」を基本とした方が今の選手層からすれば適しているといえるんじゃないでしょうか。実際に昨年の後半はこの戦い方で派手に得点することはなくても 1-0 みたいな堅い試合を積み重ねて、最終的には天皇杯のタイトルまでたどり着いたわけですし。

引いて受けるやり方で発生するジレンマ

上記の通り、選手層等を考えれば、まずは「引いて受ける」ってところから入るのが選手層的には最も適しているという前提がありながら、なんで札幌戦や直近のマリノス戦のように無理に前からハメにいって外されては完敗するのか・・・・・・

最終ラインに合わせてブロックを設定するのではなく、前のプレスに最終ラインを合わせようとして、結果ラインを上げることができず、中盤にスペース作って失敗しているわけですが、ウチの最終ラインには高いラインを設定してそれを素早く上げ下げしたり、裏を抜かれても戻りながらの守備でなんとかできるようなスピード、運動量のある選手がいるわけでもなく、前述したとおり特性的にも、前に出て行く守備で強さを発揮する選手達であることを考えれば、やりたいこととメンツがマッチしていないのが明らかです。

一方で、引いて受けてもボール奪取位置が低いとそこからロングカウンターで決めきる程の飛び道具は今のところウチにはないので(ファブリシオさんが戻ればある程度見えるかもしれませんが)、どうしても得点がセットプレー頼みになってしまうというジレンマがあり、実際に昨シーズンも得点力という面では物足りないものがあったのは確かですし、今シーズンも開幕からここまで6節で4得点しかできていないことを考えれば、そこをなんとかしたいと思うのは当然でしょう。

また、ここ最近、選手の口から「我慢」という言葉が出てるのをよく耳にしますが、口では「結果が大事なので多少引いて受ける時間帯が続いてもそこは我慢で・・・・・・」 みたいに言っていても、本来は主体的にボール持ちたい人が多いウチの選手達にとって、「引いて受けて、セットプレーでもいいから1点拾って」みたいな戦い方がかなりストレス溜まる感じになっているのは想像に難くありません。

なので、前から主体的にプレスをかけて主導権を握りつつ、ボール奪取位置をなるべくアタッキングサードに近い位置にしてあげることで、より前に人数をかけたショートカウンターで決めきりたい、あるいはそうやって守備ブロックの位置を前に持っていくことで、武藤さんや興梠さんをなるべくゴールに近い位置でプレーさせてその得点能力を活かしたいという考えになるのはわかります。

やりたいことに対して準備が足りていない現状

しかし、それならば最終ラインの人選は、よりスピードと運動量、さらにセンターバックは常に高めのラインを設定しつつ的確にコントロールできる能力に重点を置いて選択されるべきだと思います(実際にはそういう人がいないのでどうしようもないんですが)し、前線のプレスのかけ方や、その際の中盤以降の立ち位置などに関しても、より明確な意図を持ってルールが徹底される必要があります。

ところが、前節のマリノス戦もそうでしたが、前線のプレスは無秩序でボールをどこに追い込むのかという意図が感じられず、中盤の選手達の立ち位置も、ファーストプレスが外された場合に備えるポジショニング修正もなく中途半端。両サイドバックもあれだけ何度もガッツリ裏を狙われているにもかかわらず、前線に引っ張られて中途半端に高い位置取りをするので全てのプレーが相手の後手に回るという最悪の状況を作ってしまいました(ぶっちゃけマリノスがすごいと言うよりウチが勝手にバランス崩して相手の長所を引き出したという方が印象としては強いです)。

「前から積極的なプレスでハメる」と言葉で言うのは簡単ですし、なんとなく前からガンガン行けば素人目には頑張って見えるのかもしれませんが、ボールの奪いどころ、追い込む位置から逆算した上でデザインされていないプレスは単なる無駄走りであって、マリノスに限らず、札幌(実際にコテンパンにされた)、これから対戦がひかえているチームだと、川崎、名古屋を始めとしたチーム全体でボールを動かすのに長けたチーム、あるいは鹿島や広島といった個々の選手の能力が高く、ボールをしっかり保持できる上位争いの常連チーム相手の場合はサクッと外されていい鴨にされるだけです。

あのプレスでビルドアップが機能不全を起こすのであれば、少し厳しい言い方ですがそれはウチのプレスがハマったのではなく、単に相手の能力が低いからでしょう。

戦術的な改善は期待できなさそうな予感

ここまでを見てきて、オリヴェイラさんは確固たる戦術的なプランがあるわけではなく、選手の個人能力に任せてある程度自由にやらせるという方法を取っているように見えます。よく言えば選手の自主性を重んじているというこでしょうが、悪く言えば監督に戦術的な能力があまりなく、勝つも負けるも選手の能力とコンディション次第となりそう。

実際にここまでの試合を見ている限り、試合途中の交代策で戦局を打開したことはあっても、戦術的な変更ではなく、あくまで人の入れ替えのみ。攻守にわたっての戦術的な意図が見えてこないことを考えても、試合を重ねることで補強した選手が徐々にフィットしてくる、あるいは現状で負傷離脱しているファブリシオさんあたりが戻ってこないと、チームの状況に変化はなさそうです。

今は割り切ってやるしかないんじゃないの

今日(4月9日)はACLで全北現代と対戦しますが、ACLで対戦する韓国や中国の強豪チームの場合、前線に強くてデカいみたいな選手がいて、戦術的にも比較的中盤でのボール保持より、シンプルに蹴ってくるみたいなチームが多かったりします。そうするとどうしても押し込まれる時間帯が増えるので、自然とウチが強い守り方になるケースがあります。

なので、Jリーグの方でマリノス戦みたいな完敗を喰らったあと、ACLで結構良い試合して勝ったりするなんてことが普通にありえるわけですが、それって単なる相性の問題でそうなっているだけなので、あまり手放しで喜ばない方が良さそうです(といっても当たり前ですが、今日の試合結果がわからない状態で書いているので勝ってくれたならまだいいんですけどね)。

で、前述の通り、戦術的な改善が期待できないとなると、あとはいかに選手のコンディションを落とさず、その強みを最大限活かす形で試合を乗り切りながら、新加入選手のフィットを待つっていうのが現実的な気がします。

なので難しいことは一旦抜きにして、最終ラインにしっかりラインの基準を定め、まずはスペースを消すことを優先しつつ、出て行けそうなところだけプレスに出ていくという、「まずはできることからコツコツと」というやり方に割り切って集中した方がよいのではないかと思います。で、欲を言えば引いて受けている間に少しでも相手を走らせて、後半相手の運動量が落ちたところでワンチャンス決めきってしまえばいいわけです。多分「守ってばかりだな」「つまらない」「セットプレーからしか点取れないのかよ」・・・・・・ 色々言われると思いますし、やっている選手達もストレスだとは思うんですが。

ということで、とりあえず現状に思うところを書き殴ってみました。

余談ながらあまり考えたくはないですが、前からプレスではめるっていうのにこだわって、しかもその改善方法が守備戦術の整備ではなく「より速く、強く」みたいな根性論になったりすると結構やばいなと思っていますので、その辺は注意して見ておきたいなと思います。

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