2018 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦 埼玉スタジアム2002 ヴァンフォーレ甲府戦

ミッドウィークに開催された天皇杯ではJ3、Y.S.C.C.横浜を相手に多少危なげな点もありつつ 3-0 の勝利。その勢いを持って臨む週末のルヴァンカップは、プレーオフステージの第2戦。

アウェーで行われた第1戦では甲府に90分を通して上回られた挙げ句の2失点、無得点での敗戦。第2戦、勝ち抜けのためには3得点以上での勝利が必須(2得点でトータルスコアは同点)。同時に失点すると相手のアウェーゴールが活きてくるため、3-0 以上での勝利を目指す試合となりました。

2018 Jリーグ YBC ルヴァンカップ プレーオフステージ 第2戦 埼玉スタジアム2002 ヴァンフォーレ甲府戦

ACLなんかでもこの手のアウェーで負けて帰ってきて、ホームで○点以上必須みたいのは経験済みですし、そこを突破してきた経験もあるので、2点のビハインドに関してそれ程悲観するような状況ではないものの、第1戦の甲府の試合内容と、一方で現時点でのウチの出来を見ている限り、楽観もできないというのが正直なところ。とりあえずは試合を振り出しに戻すためにもできれば前半の早いうちに2得点することが最優先課題となりました。

さて、今日のスタメンは最終ラインに橋岡、岩波、マウリシオ、ウガ。ボランチに青木、阿部。アタッカーの位置にマルティノス、武藤、トップ下に直輝、1トップに興梠という並び。GKは西川。

阿部ちゃんが天皇杯に続いてボランチでスタメン。トゥーロン国際大会から急遽帰国した橋岡さんが右のサイドバックとして先発。直輝さんは天皇杯で長澤さんの負傷により途中交代で出場しましたが、長澤さんは肩の脱臼ということで離脱。引き続き直輝さんが先発ということになりました。

ということで、システム的には 4-2-3-1 で、守備時には直輝さん、興梠さん、マルティノスさんが最前線、武藤さんがボランチ脇に落ちる形で 4-3-3 の守備ブロックを作る形。これは水曜日の天皇杯でやっていたのと同じ形です。

ただ、今回は得点が必要な試合と言うことで、恐らくSBのオーバーラップを強く意識したやり方をしていました。アタッカーの位置に入った武藤さん、マルティノスさんが中に絞り目のポジショニングをすることで、ウガ、橋岡さんの前になるべくスペースを作ることが意識されていたと思います。90分にわたり上下の動きが継続できる橋岡さんを戻したのもこれを狙ってのことでしょう(個人的にはどっかで森脇さんに交代してもよかったと思いますけども / 理由は後述)。

対する甲府は前回同様、3-4-2-1 で、守備時には 5-4-1 になる3バックシステム。今日も各選手間の距離感もよく、ウチのディフェンスブロックの間、間にうまく顔を出してボールを受けるため、非常にやりにくい立ち上がり。甲府としても2点のリードを得て守り切ろうというより、早いところアウェーゴールを決めて試合を決めてやろうという意図が見えるアグレッシブな入り方をしてきました。

で、結論から言ってしまうと、この試合単体で見れば勝利しているわけですし、前半の2ゴールは興梠さんの個人技が70%くらいとはいえ、ボールの奪い方から起点の作り方含め素晴らしいものでした。本来ならアウェーでもこういう試合をして勝って帰って来なきゃいけなかったなと。まぁ今さら言っても仕方ないんですが。

しかし前半の失点、あれがこちらに傾きかけていた試合の流れを甲府有利な状況に一気に傾けてしまいましたね...... 直接的なミスをしたマウリシオさんを責めても仕方ないしそんな気は全くありませんが、避けられた失点だっただけにもったいなかったなと。

オリヴェイラさんになってここ最近は4バックを採用していますが、ことさら攻撃面で点が獲れないことがクローズアップされがちです。しかし、見ている限り守備面でもまだまだ全体のオーガナイズが出来ていないシーンは多く、まだ個人の能力に頼った守備で、組織としてどこでボールを奪うのか、マークの受け渡しやスペースのケアといった部分が未完成なのが気になります。もちろんこの辺は時間がかかるものなのである程度は仕方ないのですが。

例えば、中盤で阿部ちゃんが前からプレスに出ていったところで彼が開けた青木さんのサイドのスペースで相手にボール受けられて、そこを起点にディフェンスラインの裏を使われたりというシーンが特に前半は何度か見られました。中盤でボランチの1枚が出ていったのなら連動して最終ラインを上げるなりしてスペースをケアしなければそこを使われるのは当たり前なんですが、その辺の約束事がまだ少し曖昧に感じられます。J2相手なので最後のプレー精度の所で助かっているシーンもありましたが、J1のトップレベルを相手にこのままだとちょっと厳しいのかなと。中断期間中にどの程度この辺を作り込んでくれるのか、オリヴェイラさんの手腕に期待したいところです。

さて、守備面でちょっと気になる点はありつつも、前半の2得点まではほぼ狙い通り、完璧な展開だったと思います。1点目は19分、中盤で阿部ちゃんが一旦相手ボールになったところを激しいプレスで再度奪取したところから、ファールを受けて潰されつつもマルティノスさんに繋いだ(廣瀬主審、ナイス アドバンテージの判断でした)ことで一気にショートカウンターが発動。

マルティノスさん→直輝と繋いで、そこから中央スペースでパスを受けた興梠さんが一気にドリブルでゴール前に迫ると左足を一閃、素晴らしい腰のキレでニアサイドにグラウンダーのシュートを、しかもブロックに入った相手ディフェンスの股下を抜きつつ叩き込むゴラッソ。さすが浦和のエースという見事なゴールでした。

さらに24分、今度は中に絞ったマルティノスさんからの絶妙な裏へのパスに、ディフェンスラインと駆け引きしながら斜めに入ってきた興梠さんがGKと1対1、相手GKの寄せが早かったことで一旦はシュートを諦めますが、ターンしつつループでファーサイド、ゴール左隅に流し込むオシャレシュートでこの日2点目。どうした興梠さんってくらいのキレッキレの2得点で、ひとまずの目標だった 2-0、試合を振り出しに戻すというミッションを前半だけでコンプリートしてくれました。

あとは一旦落ち着いて前半はこのまま 2-0 で折り返しつつ、後半の交代策で3点目が獲れれば完璧と思っていた矢先の27分、甲府、森選手に裏のスペースに走り込まれたところで対応したマウリシオさんが痛恨のミス。ある程度ゆとりを持って処理できそうな状況ではあったんですが、入れ替わられてしまったことで西川さんとの1対1の大ピンチに。森選手のシュート自体はマウリシオさんが気合いで後ろから足伸ばして弾くものの、そのこぼれ球が運悪くゴール前詰めていた甲府、小塚選手の前に転がってしまったことで、押し込まれて甲府にアウェーゴールを献上してしまいます。

これで、延長戦という選択肢は消え、ウチがここから2点獲ってこの試合 4-1、トータルスコア 4-3 で勝つという、「3点差以上」勝利が必須、それ以外は敗退決定の状況に。自分たちのミスから難しい状況を作ってしまったのは非常に残念でした。

試合は 2-1 で後半へ折り返し。

ハーフタイムにマルティノスさん→柏木さんとして、柏木さんをトップ下の位置に。直輝さんをマルティノスさんがいた右に出して追加点を狙いにいきます。

マルティノスさんの評価

マルティノスさん、なんかサポからの評価が著しく低いみたいですけども、個人的には彼は得意なこととそうでないことがはっきりしている選手。なので使い方次第だと思っていて、ここ数試合見ていて感じるのは、彼が得意というか好むプレースタイルと、実際の使われ方がちょっとズレている感はあるので、彼が駄目だとは思いません。

ただ、左利きの彼を右のアタッカーで使うのであれば、彼はやはり右足でのトラップをしっかり出来るようにならないと厳しいんじゃないかなと。左利きのマルティノスさんを右で使っているのはもちろんゴール前でカットインからシュートやクロスを考えてのことなのはわかりますが、彼右足でトラップできないのか、できるけどしないのかはわかりませんが、基本左足でトラップするので、ボールの受け方が全部後ろ向きになっちゃうんですよね。

私も(レベルは全く違えど)長年サッカーやってて左利き、さらに右足が下手くそなのでわかるんですけど、相手のプレッシャーがある状況で右のハーフスペースにいてインサイド側からのパス(例えば自チームのボランチとかCBとかから出てくるパスですね)を左足で受けようとすると、ボールに正対するしかなく(左足のアウトサイドでなら前向いててもトラップできますが、そうするとディフェンスにボールを晒すことになるので奪われやすい)、ディフェンダーを背中にしょってしまいます。ここからターンすると余程相手との実力差異がない限り抜ききるの無理なんですよ。

これが、身体を半開きでゴール方向に向けたまま、右足でトラップして収められると、左側から詰めてくるディフェンスから遠い位置でボールを収めつつ前を向いて受けられますので、相手もうかつに飛び込めず、飛び込んできてくれるなら前にスピードを持って抜け出せます。

前述したとおり、わかっていてやらないのか、出来ないのかはわかりませんけども、彼があの位置で前を向いてプレーできればもっと攻撃の幅は広がると思います。そうしないと裏のスペースに彼の頭を越えるようなボールを蹴って、よーいドンでスピード勝負みたいな使い方しかできなくなりますし、それなら先制して相手が前掛かりになっている状況などで使うべきで、スタメンに彼を入れておく必要性は低いんじゃないかなと。

閑話休題。話を試合に戻しましょう。

柏木さんが入ったことで裏に仕掛ける興梠さんのところに正確なパスが入る確率は高まりますし、アタッカーをインサイドに絞らせてSBのオーバーラップを意図したにもかかわらず、思ったよりその回数は増えなかったこと、さらに橋岡さんのサイドは彼が抜け出してもクロスはことごとく相手ディフェンスに当たって上げきるところまで行かないなど、橋岡さんの課題ともいえる点が浮き彫りになってそれ程迫力のあるサイド攻撃が演出できていなかったので、それなら中央の柏木さんを起点にど真ん中から興梠さんに裏をぶち抜いてもらう方が早いという判断は妥当だったと思います。前述の通りマルティノスさんもアシストが1つあったとはいえ活きていたとは言い難かったですし。

この日の興梠さんは90分間、ひたすら相手最終ラインに駆け引きを仕掛け、圧倒的に相手ディフェンスラインを翻弄し続けたことで、最終的には相手ディフェンスラインが低い位置をとってスペースを消さないと無理っていうところまで追い込んでくれました。そこに柏木さんが加わることで中央からの脅威を増やすことはできていたと思います。なので、その後の選手交代がもう少しミドルレンジからのパンチ力やセカンドボール回収能力のある森脇さんの方がよかったんじゃないかなと言うのが個人的な意見。

しかし実際に投入されたのは56分に武藤さん→忠成さん、64分に阿部ちゃん→武富さんという前の2枚(武富さん交代後に忠成さん、興梠さんの2トップの 4-4-2 に変更)。まぁ阿部ちゃんは90分厳しかったのかもしれないので仕方ないんですが、前にフィニッシャーばかりそろってしまったので、逆にそれが前線大渋滞を引き起こすっていう...... みんなゴール前に入っちゃうから甲府のディフェンスも集結しちゃうし。

ここでせめて橋岡さん→森脇さんとかだったらもう少し変わったんじゃないかなとか思ったので、冒頭の方で書いたわけですが、バランスを崩してでもああいう交代策をとったのも、相手のアウェーゴールが大きかったことを考えれば仕方なかったのかなとも思います。

結局必要な2点を奪うには至らず、残り5分はマウリシオさんを2トップに上げて青木さんを最終ラインに下げつつパワープレーを発動しますが、まぁ予想通りの不発...... マウリシオさん上がってんだからもう割り切ってそこめがけて蹴るしかないのにパス回すし、何なんでしょうか。パワープレー自体の是非はともかく、不本意だろうがパワープレーって言われたら言われたことをやれと思うんですがその辺の徹底もまだまだですね。

ということで、第2戦自体は 2-1 で勝利したものの、トータルスコア 2-3 での敗戦となって今年のルヴァンカップは終了となりました。

これでワールドカップ、しばらくはスタジアムともお別れですね。次は7月11日の天皇杯、松本山雅戦が中断明け最初の公式戦になります。約1ヶ月空きますので、その間の補強(ファブリシオさんがほぼ確定ですかね)やキャンプを含めたトレーニングでどこまでチームの完成度を高められるか、そこに後半戦がかかっていると思いますので、期待しつつひとまずワールドカップに集中しようと思います。

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試合データ

観客: 22,664人
天候: 晴
試合結果: 浦和 2-1 甲府(前半2-1)/ 2戦トータルスコア 浦和 2-3 甲府
レッズ得点者: 興梠(19分)、興梠(24分)
警告・退場: マウリシオ(警告×1/異議)
主審: 廣瀬 格 氏

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