Keep on Jumpin'

2017 Jリーグ 第25節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

YBC ルヴァンカップは準々決勝で敗退となり、残された戦いはACL、天皇杯、リーグ戦の3つに絞られましたが、今節はリーグ戦に戻って第25節。リーグ戦、前節は清水を相手にアウェーで逆転勝利を収め、3連勝...

YBC ルヴァンカップは準々決勝で敗退となり、残された戦いはACL、天皇杯、リーグ戦の3つに絞られましたが、今節はリーグ戦に戻って第25節。リーグ戦、前節は清水を相手にアウェーで逆転勝利を収め、3連勝中という状況ではありますが、清水戦でのレビューの最後にも書いたとおり、同じ戦い方を上位チーム相手にできるかが本来の実力を測る上で重要。そんな中で迎える柏戦は、現在の立ち位置を知る重要な1戦となりました。

2017 Jリーグ 第25節 埼玉スタジアム2002 柏レイソル戦

さて、今日のスタメンは、森脇、遠藤、槙野、阿部、青木、高木、矢島、武藤、ラファエル・シルバ、興梠。GKは西川というメンツでスタート。スタメン発表時に気になったのは、普段の 3-4-2-1 でスタートする場合、高木さんが左(もしくは右)のワイドに出るとして、逆サイドをやる人がいないじゃんという疑問。

この辺は多くの人が疑問に思った点で、実際に矢島さんやラファさんがサイドやるのかな? それとも阿部ちゃんを最終ラインに下げて、森脇さんを1列上げてワイドで使う? みたいな感じで色々と予測がされる中、始まってみればまさかの4バックっていう。

阿部ちゃんを最終ラインに下げ、森脇さん、遠藤さん、阿部ちゃん、槙野さんという4バックに。アンカー気味に青木さんを置きつつ、その前に矢島さんと武藤さんを置いて中盤を3枚に。

前線は興梠さんをワントップに置き、左右に高木さんとラファさんを配置。基本的には堀さんお得意の 4-1-4-1 なんですが、4-3-3 の方が近い感じのフォーメーション。両ワイドの高木さん、ラファさんが中に積極的に絞ることで両サイドバックの槙野さん、森脇さんをオーバーラップさせる意図が明確に見えるやり方を採用してきました。

で、上位チーム相手の終盤戦に入ってからの4バック採用ってのは、結果が伴えば堀さんの采配素晴らしいって話になるわけですけども、結果的には前半、うちのシステム変更に戸惑った感じの柏が守備対応で少し混乱したこともあって押し込めた時間帯に得点できず、後半修正されると攻撃は停滞気味になり、守備面でのリスクが表面化、前半からの柏の狙いであるカウンターから2発喰らっての敗戦ということで、そこに関しては厳しい評価にならざるを得ないというのが現状かと思います。

ミシャさんが築いた 3-4-2-1 可変システムは攻守で大きく選手のポジションが変化しますので、攻守転換(トランジション)のスピードが要求され、各ポジションの選手たちが攻守転換時に適切なポジションを的確に、さらに素早くとらなければ特にネガティブトランジション時にギャップを突かれてやられるケースが多くなります。結局ミシャさん解任につながったのも、このトランジション速度がなかなか上がらずに失点だけが積み重なり、そこが改善できる見込みがないという評価をされたことが主要因かと思いますが、堀さんのやり方は可変システムをやめ、攻守における選手のポジションを固定することで攻守転換時の難易度を下げつつ(要するにタスクを単純化し)、さらに中盤の人数を増やすことで、被カウンター時に中盤で数的不利になることを避ける狙いが見えるやり方。

ただ、現在ウチに所属している選手たちはミシャさんのやり方に特化した選手が多いため、システムの変更によって評価が変わってしまう選手も出そう。後で書きますが特に忠成さんとか、駒井さんなどは堀さんのシステムだと割を食いそうな感じがしますね。

さて、今回の4バックシステム、攻撃時に4バックになる形は普段通りですのでその辺で大きな変化はなかったと思いますが、両サイドバックがかなり高い位置をとるため、守備時には最終ラインの枚数が足りないという状況が起こる、比較的リスクをとったやり方だったと思います。

そこで取ったリスクに見合う得点が獲れればよかったわけですが、その思惑とは逆に、前述の通り被カウンター時に最終ラインの人数が足りない、その結果1対1の局面を作られたところで対人で負けてやられるっていう、リスクそのまま失点に反映されちゃった感じになってしまったのは残念でした。

攻撃時には 3-4-2-1 システムの時の特徴となる所謂5トップの陣形にはならず、シャドーの2人はどちらかというと守備的なポジショニング。簡単に言えば両ワイドの2人がそれ程守備でプレスバックしない(特にラファさんをあそこに置いている時点で両ワイドの運動量は恐らく期待してない)ため、守備時、シャドーの2人にかかる負担は凄まじく、武藤さんなんかネガトラ時は相手ゴール前から自陣ゴール前までプレスバックしているようなシーンもあって、あれは武藤さんじゃなかったら恐らく成り立たなかっただろうなと。

で、さすがにシャドーの2枚と青木さんだけで攻守にわたって中盤のスペースを埋めるのは無理なので、阿部ちゃん、遠藤さんの両CBが押し上げてスペースを埋める必要が生じ、これによってメリットとしては中盤はコンパクトネスを保てるものの、デメリットとして最終ラインの裏にスペースが生じやすく、柏のような前線3枚で点取ってきてくださいみたいなカウンターサッカーをやるチームには相性が良くないことが推測されました(結局はこのデメリット面が大きく出たわけですけども)。

前半に関しては柏がウチの4バックを恐らく想定していなかったために、守備時のミスマッチが特に両サイドで起きていて、カウンターから数度の決定機と呼べる状況を作っていました。結果的にはそこで決めきれなかったことが後半の苦戦につながるわけですが、個人的にはウチの4バックシステムが良かったからというよりも、柏さんがウチが普段の3バックでくるものだと思い込んで後手を踏んでくれたからというイメージが強く、前半良かったのであそこで点が獲れていれば勝ててたよねと言えるほどの評価はしかねる感じ。

で、後半は柏に対策されると両ワイドの仕掛けはことごとく封じられ、5トップ陣形を作らないことで前線は相手の4バックに対して数的不利、サイドバックが上がることでサイドでは数的有利が作れるものの、そこでフィニッシュまで行けないとサイドバックが上がった裏のスペースを使ってのカウンターで最終ラインに人が足りず、1対1の状況を作られるという流れに。

柏としては前線に屈強な外国人選手を配置しているわけで、カウンターから1対1の状況が作れれば狙い通りと思われます。実際にその対人の部分で上回られたところで失点しているわけで、その意味ではうまく対処されて、狙い通りにやられましたねという後半になってしまいました。

で、ここでどうしても1対1で負けた遠藤さんあたりに批判が行くのは仕方ないことだと思いますが、あれだけ最終ラインを高く保ちつつ、サイドバックが上がっちまってカウンター時にサポートもなく相手のFW(しかも相手はクリスティアーノ選手、ディエゴ・オリヴェイラ選手とかハモン・ロペス選手......)に対処しなきゃいけない状況ってのは、常に攻撃側が先手を取れて有利という点を考慮すれば相当の実力差が必要です。ですからあの状況で遠藤さんに失点の責任を押しつけてしまうのはちょっと酷かなと。

結局はあのやられ方は堀さんが今回採用したシステムでは最も可能性の高いやられ方で、あの状況を何度も作ってしまうこと自体が間違い。特に1点先に失点してからはより一層槙野さん、森脇さんの両サイドバックが前線に出て攻撃参加するため、CBの2人にかかる負荷は相当なものだったと思いますし。

で、具体的な失点シーンですが、50分にクリスティアーノ→ディエゴ・オリヴェイラ選手と渡ったところでディエゴ・オリヴェイラ選手が遠藤さんとのマッチアップで競り勝つと、カバーに入った森脇さんもかわしてハモン・ロペス選手へ。これをハモン・ロペス選手が右足一閃、クロスバーに当たりながらもゴールラインを割る強烈なシュート叩き込む形で1点ビハインド。

さらに86分には、前線へのロングフィードに反応したハモン・ロペス選手がまたも遠藤さんをぶっちぎってゴール前に折り返し→途中交代で入っていた武富選手が合わせて2失点目という形。この間、ウチも武藤さんのおしいシュートなど、同点に追いつくチャンスはあったものの決めきれず、前掛かりになったところを突き放される形になってこれが柏の決勝点としてウチにとっては重くのしかかる結果になってしまいました。

ウチの交代策としては66分に高木さん→駒井さん、さらに74分には矢島さん→忠成さん、最後85分にラファさん→ズラタンさん。74分の忠成さん投入、さらにズラタンさん投入である程度シンプルにゴール前に放り込む所謂パワープレーを展開しますが、終了間際に相手のハンドでPKゲット→興梠さんが決めて1点差にするのが限界。そのまま試合終了となりました。

もし堀さんのやり方を今後も続けるなら、シャドーの2人はかなり運動量と攻守にわたる状況判断が必要になると思いますので、恐らく忠成さんなんかはスタメン難しくなるんじゃないかなとか、両ワイドも守備的なタスクは軽減され、攻撃に専念することはできると思いますが、仕掛けて抜いてという元々の両ワイドに求められていた仕事より、中に絞ってのフィニッシャーとしての役割や、サイドからのクロス供給という面でのタスクが重要になると思われますので、駒井さんなんかはちょっと出番減りそうな予感もします。この辺、監督が採用する戦術によって今まで評価されていた人が試合に出られなくなるケースもあるかもしれません。

一方で矢島さんなんかは堀さんになってからスタメンの座を確保しているわけですが、個人的にはこのシステムでやるなら矢島さんより長澤さんの方がやれるんじゃないのと思ったり。厳しい言い方ですが今のところ矢島さんをスタメンで使っている理由があんまりわからないなと言うのが正直なところで、武藤さんに比べて運動量があるわけでもなく、対人で強いわけでもなく、中距離からのパンチ力があるわけでもないパサーをシャドーに置いといてどうすんの? という印象しかありませんでした。続くACL、川崎戦では武藤さんが警告の累積で出場できませんが、その状況でどういう人選になるのか、ちょっと注目してみてみたいところです。

ということで、監督が代わればやり方も変わるのは当然。ミシャさんのやり方を単に継続するだけなら堀さんがやる意味などないわけで、徐々に堀さんの色を出していくことについては異論はありません。ただ、システムを変えて挑むなら、短期間である程度の結果を出さなければ、評価が難しくなってしまうのも現実。システム変更初回は結果が伴わなかったわけですが、ここで出た課題をどのように解決していくのか、残り試合は少ないですが注目したいと思います。

さて、次は水曜日にACL川崎戦ですね。2-0 で勝てば逆転で準決勝進出という、難しい状況ながらも希望が全くないわけでもない試合。平日開催ということで埼スタに来られる人の数はそれ程多くはないかもしれませんが、可能な限り後押しして、次につながる試合にしたいものです。

このレビュー記事について浦和レッズサポーター向けFacebookグループでメンバーの方々との意見交換などもしています。詳しくはこちらをご覧ください

試合データ

観客: 31,619人
天候: 晴
試合結果: 浦和 1-2 柏(前半0-0)
レッズ得点者: 興梠(90分)
警告・退場: -
主審: 西村 雄一 氏
順位(第25節終了時点):8位(12勝10敗3分/勝点39/得失点差+11)

Recent Entry

全ての記事一覧を見る