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2020 Jリーグ 第27節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦

前節は広島を相手に先制しながらも同点に追いつかれてのドロー。6戦負けなしとはいいつつ、直近の2試合は3バックの相手に守備がハマらず狙いがあまり出せない中で、得点も振るわず引き分けが続く状況。現在チームはアウェー4連戦中ですが、今節はその3戦目、アウェーでの横浜F・マリノス戦。

中盤できっちり守備をハメたいウチとしては、マルノスさんの可変システム、特にインサイドワークしてくるサイドバックに対してのマークをどうするか、相手の3トップ、1シャドーを4バック+ボランチでどう押さえ込んでいくのか、という点がプラン通りに行くかどうかがポイントとなりそうな事前の予想。その辺に注目しつつのキックオフとなりました。

2020 Jリーグ 第27節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

スターティングラインナップ

2020 Jリーグ 第27節 日産スタジアム アウェー 横浜F・マリノス戦 スターティングラインナップ

さて、今日のスタメンは最終ライン、CBは岩波さん、槙野さんのコンビ。右のSBには橋岡さん、左にウガ、ボランチのコンビはエヴェルトンさんと長澤さん、SH右がマルティノスさん、左が汰木さん。2トップには武藤さん、興梠さんを配置した 4-4-2。GKは西川さん。前節、広島戦からスタメンの変更なしと。

対する横浜F・マリノスは、最終ライン左からティーラトン選手、伊藤槙人選手、實藤友紀選手、小池龍太選手。ダブルボランチに扇原貴宏選手と和田拓也選手。トップ下にオナイウ阿道選手、左のアタッカーに前田大然選手、右に水沼宏太選手、ワントップがジュニオール・サントス選手という並びの 4-2-3-1(実際にはオナイウ選手をトップ下に置いた3トップみたいな感じなので、4-2-1-3 の方が近いですかね)。GKはオビ・パウエル・オビンナ選手。

中10日のウチに対して、マリノスさんは中2日での連戦ってこともあったり、ACLが始まることもあってかなりスタメンをいじってきました。前節の湘南戦から引き続きスタメンなのはSBの小池選手とボランチの和田選手だけかな。なので11人中、9人を入れ替えてきたという形ですね。

マリノスさんのトップ下、フリーにしちゃダメ絶対

開始早々の50秒くらいの時点で、1トップのジュニオール・サントス選手と縦関係を作ったオナイウ選手にフィニッシュまで持って行かれたシーンがあったんですけども、この時点でオナイウ選手に対するマークが曖昧なのはなんとなく感じていて、ここに誰が付くのか、はっきりした方がいいんじゃないのと思っていたんですが、どうもここがはっきりしないまま試合が進んでしまった結果、序盤に失点を重ねる最悪の入りになってしまいましたね。

マリノス、ワントップのジュニオール・サントス選手に対しては槙野さんがかなりはっきりとマークに出て行っていて、岩波さんのサポートも含めて2対1になる状況を作ろうってのは見えましたし、相手の両ワイドに対してはウガ、橋岡さんの両SBがケア、インサイドに絞ってくる相手SBに対してはSHがそのままインサイドに絞ってでもマークに付きつつ、ウチのボランチは相手のボランチ2枚に対して前から積極的に出ていくという感じでマークに関しては整理されていたように見えましたが、相手トップ下に対して誰が付くのかだけがふわっとしたまま、オナイウ選手にうまくボランチと最終ラインの間の中間スペースに立たれてしまったことで全部無効にされちゃった感じ。

開始2分の失点も、ウチの攻撃終わり、相手GKからのリスタートの時点でウチの前2列がプレスに出ていったところで中盤のスペースにうまく落ちてきたオナイウ選手に対してだーれもマークについておらず、簡単にボール引き出してターンされたところに長澤さんと槙野さんが対応しますが、ここに槙野さんが引っ張り出されたことでジュニオール・サントス選手がフリーに。

幅を獲った水沼選手にパスが渡ったところで当然ウガはそこに寄せに行きますけども、それによって間延びした岩波さんとウガの間のスペースをセオリー通りにうまく獲ったジュニオール・サントス選手へと水沼選手からワンタッチでパス→岩波さんが対応ミスったところでフィニッシュまで持って行かれた形ですが、ボールと相手との間に身体入れるような対応でミスしがちな岩波さんの個人的スキルの問題は置いておくとして、オナイウ選手がフリーの中盤でボール受けてターンした時点でウチは前線5枚が裏返されてる状態で、さらに槙野さんが引っ張り出されてジュニオール・サントス選手にCBと1対1の状況を作られた時点で勝負的には負け。オナイウ選手に対するマークが曖昧になったことでそこから1つずつズレるっていうよくあるパターンです。

10分に喰らった追加点は相手CKからのリスタートの流れでしたが、一旦下がったボールに対して左サイドで汰木さんがプレスに出ていったところでウガのところで2対1を作られていて、インサイドワークしたマリノス、右SBの小池選手にウガがマーク付くために絞ると当然ながら大外の水沼選手がフリー。本来はここに汰木さんがプレスバックしなければならない状況ですが危機察知が遅れ、ウガは状況的に水沼選手には寄せられなかったところで、ほぼフリーでアーリークロス入れられると、大外で橋岡さんの裏から入ってきた前田選手に合わせられてという形。

これもマリノスの特徴的なポジショニングに引っ張られてギャップを作られたところから、マリノスお得意の、GKと最終ラインの間に供給される速いクロスからファーで失点。ニアでオナイウ選手が潰れて、その裏に相手は2枚(橋岡さんの前にジュニオール・サントス選手、裏から前田選手)入ってきた状況で橋岡さんのところも2対1になっていて、橋岡さんのところではすでにどうしようもない状況でした。局面でうまく数的優位を作られて、対応が後手に回ったところを仕留められるっていう、構造的には最初の失点と同じですね。

14分に喰らった3失点目もオナイウ選手に対するマークがはっきりしなかったことで起点となられて、という形。リスタートで少し集中が切れたのかもしれませんが、ウチはボランチ2枚がパスコース切るでもない中途半端な位置にセットしてしまったところでジュニオール・サントス選手に實藤選手(だったと思う)から縦の楔。ここには槙野さんが潰しに出ますが、潰しきれずにポストプレーで落とされたところでオナイウ選手がフリー。槙野選手がジュニオール・サントス選手を潰すために出ていってできたギャップにマリノス、右SBの小池選手がスプリントすると、オナイウ選手から絶妙なスルーパス。あとはGKとの1対1を決めるだけという状況で、小池選手に裏抜けされた時点で勝負あり。

最終ラインも右サイドで橋岡さんが中途半端に戻っていたために岩波さんのラインとでギャップができていてオフサイドも取れずというラインコントロールの不備も重なって(左サイドはウガがオナイウ選手からパスが出る瞬間、岩波さんとラインそろえてオフサイドを獲りにいってたので、橋岡さんも冷静にライン見て欲しかったですけどもまぁ仕方ないっすね)綺麗に抜け出される形になってしまいましたが、開始14分で3失点したことで、試合的にはほぼ決まってしまったのと、開始早々からのマークのズレがピッチ内で修正されないまま一気に3失点までいってしまったので、混乱した感じになっちゃいましたね。

ハイラインの裏を突いて何度かチャンスは作るも

ウチがチャンスを作れなかったかというとそんなことはなくて、マリノスが前線に人数をかけてくるかわりに最終ラインは2枚回しのため、ウチの2トップに対しては数的同数。しかもマリノスさんは尋常じゃないハイラインを設定するため、裏抜けが得意な2トップ、スピードのある両SHを擁するウチにとっては狙い所。いい位置でトランジションできた場合にはその狙いも何度か出せていましたし、31分の相手オウンゴールも興梠さんが裏に抜け出したところを相手GKが出たところで処理をミスってという形でしたから、チャンスがなかったわけではないんですけどね。

しかし、そのきっかけのところ、高い位置でトランジションしようにも、ボランチが前からハメに行くとその裏でパスを引き出されるし、そこを塞ぎたければやはり最終ラインが勇気を持ってもう5mくらいはラインを上げないといけないと思うんですが、走力的に不安があるってのと、特性的に前向きに出ていって守備したいウチの最終ラインとしてはなかなかラインを上げられないので、結局この構造的な問題を解消できないまま試合が(時間的にじゃなくスコア的に決まって)終わっちゃったという感じ。

本来、ウチのストロングポイントであるボランチのところでトランジションしたいわけで、相手ボランチに対してウチのボランチがプレスかけることでそれを実行したかったところ、今節はそれをマリノスにことごとく外されたってのと、本来ハメたかったボランチのところで思ったより規制がかからず、その裏でトップ下のオナイウ選手に起点作られまくった際に、それを修正する手が用意されていなかったのが痛かった。

で、結果として守備崩壊みたいになって、37分にもジュニオール・サントス選手にこの日2得点目となるゴールを喰らうと、これでスコアは4-1と、ウチが3点を追う展開で前半終了。

ハーフタイムの交代策で中盤を安定させようとしたけど結局追加の2失点で撃沈

ハーフタイムの交代策はウガ→山中さんと、エヴェルトンさん→青木さんの2枚。ウガはイエローカードもらってたってこともあったと思いますし、山中さんに高い位置獲らせてもう少し相手右サイドを押し込むプレッシャーを与えたいってのもあったんじゃないかなと思います。青木さんは完全に中盤でフリーになりがちだったオナイウ選手対策ですね。

青木さんが中盤の底でバランスをとりつつ最終ラインとの間のスペースを埋めることで、前半自由にやられすぎていたスペースをケアするって部分を修正してきたのはわかりましたが、実際には思ったほど改善しなかったってのが正直なところで、67分にオナイウ選手→水沼選手の華麗なワンツーからのシュートで5失点目を喰らうとサポの心はお通夜モードへ。

水沼選手がアウトサイドから斜めに入ってきたところで山中さんが付くのか、槙野さんが受け渡されるのかが曖昧になったところでサクッと技ありのループ気味なシュートを打たれるっていう・・・・・・ 敵ながらお見事でした。

56分には武藤さん→レオナルドさん、78分には興梠さん→杉本さんと2トップを入れ替えて多少オープンな展開にしてでもワンチャンスって感じでしたが、オープンな展開になると良さがでちゃうのはどっちかというとマリノスさんの方なので中盤にスペースができるような展開はちと怖い。実際に何度か決定機作られるもそこは気合いで死守し、1点でも点差を埋めに出ていきます。

90分にカウンターから山中さん→マルティノスさんで1点を返すも、その直後の90+1分には逆にカウンターからジュニオール・サントス選手にこの日ハットトリックとなる得点を決められて再度4点差にされると、結局6-2で試合終了。久しぶりの大敗になっちゃいました。

さて、これで残り試合は6試合。そろそろ来シーズンどうすんの?っていう話も出てくる状況で、現実的な話、今シーズンはこのまま中位で終わりそうな感じが見えてきました。

ここまでの戦いで、チームとして少しづつではあるものの成長しているとは思いますが、その成長スピードが求めているレベルなのかという点や、来シーズンは4チーム自動降格っていう地獄のようなリーグ戦が待っている中でここから見込める上積みで来シーズンを戦い抜けるのかどうかなど、難しい判断が求められるのかなと思います。

とりあえずは直近の試合、水曜日にアウェーでの神戸戦が控えていますが、こういう大敗をしたあとの試合でどういう戦い方ができるのかというもの重要ですので、その辺に注目しつつ次節を待ちたいと思います。

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試合ハイライト

試合データ

観客: 18,148人(入場制限付きマッチ)
天候: 晴 / 気温 16.5℃ / 湿度 39%
試合結果: 横浜FM 6-2 浦和(前半4-1)
レッズ得点者:OG(31分)、マルティノス(90分)
警告・退場: ウガ(警告×1/ラフプレー)
主審: 福島 孝一郎 氏
順位: 9位(12勝10敗6分/勝点42/得失点差-5)

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