AFCチャンピオンズリーグ2019 ノックアウトステージ 準決勝 第2戦 広州天河体育中心 アウェー 広州恒大戦

ACLもいよいよ佳境に入ってまいりました。ホームで行われた第1戦は、ファブリシオさん、関根さんのミドルシュートが1試合で2発もブッ刺さるっていう展開で 2-0 の勝利。ホームでの勝利だけでなく、広州恒大にアウェーゴールも与えず第2戦に折り返すというほぼ完璧とも言える結果を残してくれましたが、まだ試合は半分が終わっただけ。いわば180分の試合の前半を2点リードして後半へ折り返した状態で、残りの90分をどう終わらせられるか、試合巧者たることが求められる一戦。

浦和の勝ち抜け条件は引き分け以上、もしくは最悪1失点以内の敗戦(1-0)。2失点以上して敗戦した場合、得点できず、2-0 までなら延長戦突入。こちらが1点でも獲れば、3点差以上付けられなければ勝ち抜けという条件的にはウチが圧倒的に有利。とにかく先に1点でも獲ってしまえば相手は4点が必要になり、かなりの確率で相手の心を折れそう。このことからも単に引いて受けるのではなく、特に前半は過度なリスクテイクは自重しつつ 0-0 の時間を長くし、優位な状況で時間を使った上で相手に隙あらば1点を狙っていく狡猾さが求められます。

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写真は「日テレ」中継映像から引用

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに阿部、エヴェルトン。ウィングバック、左に関根、右に橋岡。インサイドハーフにファブリシオ、長澤。興梠のワントップ。GKは西川。

リーグ、大分戦でも欠場した青木さんはこの試合に間に合わず、引き続き、阿部ちゃんがディフェンシブハーフとして先発し、エヴェルトンさんとコンビを組みます。右のウィングバックには橋岡さんが復帰して左に関根さんを配置。ファブリシオさん、長澤さん、興梠さんの前線トライアングル。青木さんが欠場して阿部ちゃんに変更された以外は第1戦と同様の布陣でスタートです。

対する広州恒大は前線、中央にエウケソン選手、左に韋世豪(ウェイ・シーハオ)選手、右に楊立瑜(ヤン・リーユー)選手を並べる3トップ。パウリーニョ選手、タリスカ選手の2列目を後方からアンカーの鄭智(ジェン・ジー)選手が支える 4-3-3(4-1-2-3)スタート。左のSBにジョン・ジーチャオ選手、右に張琳芃(ジャン・リンボン)選手。CBはパク・チス選手、梅方(メイ・ファン)選手のコンビ。GKは曾誠(ゾン・チョン)選手。

第1戦でジェン・ジー選手とディフェンシブハーフでコンビを組んでいた黄博文(フアン・ボーウェン)選手、3バックに入っていた馮瀟霆(フォン・シャオティン)選手、高准翼(ガオ・ジュンイー)選手という主力級選手が直近の国内リーグ戦で負傷したらしく欠場。この辺がウチにとってプラスに働くか...... といったところ。

第1戦で広州恒大はエウケソン選手をワントップに、パウリーニョ選手、タリスカ選手をインサイドハーフに並べた 3-4-2-1 でスタート。2点リードされた後半に 4-3-3 にシステムを変更してきましたが、今回は広州恒大にとっても先に得点が欲しい状況。システム的にも中盤でウチに対して数的優位を作りやすい 4-3-3 を採用し、最初からトップギアで襲いかかってきました。

ウチはいつも通りの 5-4-1 ブロック。システム的に相手の前3枚+SBで最終ラインは数的同数。しかし中盤はウチのディフェンシブハーフ2枚に対して相手は3枚と数的不利。ウチの前線トライアングルに対して相手は2CBで数的不利というマッチアップ。なのでウチとしてはうまく前3枚で限定して、相手2列目に入ってくるボールを最終ラインから出ていって潰したいところ。ところがそこまでうまくは行きませんでした。

広州恒大のビルドアップはパウリーニョ選手が落ちてボールを引き出し、タリスカ選手は逆に多少サイドに流れつつエウケソン選手の後方からシャドーストライカー的な動きでゴール前に入ってくる。エウケソン選手の裏への仕掛けによってウチの最終ラインが下げさせられると、必然的にウチのバイタルエリア、ディフェンシブハーフ両脇にスペースができてしまうため阿部ちゃんとエヴェルトンさんは広いスペースでの守備に忙殺されて高い位置をとれなくなります。結果として前線トライアングルとの距離は間延びし、こちらのビルドアップは停滞。ポジティブトランジションしても前線までの距離が遠く、押し上げられる人数も少ないのですぐにボールロスト。再び相手の攻撃を受けるという流れで完全に押し込まれます。

特に相手右サイドはヤン・リーユー選手、ジャン・リンボン選手がスピードもあり高い位置を取ってくるのに対して、対面のインサイドハーフであるファブリシオさんがそれ程守備面での貢献が高くないため(これはもう仕方ないのでファブリシオさんが悪いわけではないです)、同サイドのウィングバックである関根さんがこの2枚を相手に守備をしなければならないシーンが結構あり、西川さんの神セーブやクロスバーさんがいい仕事して失点までには至らなかったものの、いつやられてもおかしくないような心臓に悪い試合展開が続きます。

ただ、広州恒大の攻撃も最後の精度を欠いてくれたおかげでなんとかしのぎ、0-0 のまま後半へ折り返し。ここまでは苦しいながらも狙い通りの展開です。これで焦って後半広州恒大が出てきてくれたり、点が欲しい前線が攻め残って相手守備の人数がそろわなくなったりしてくれればウチとしては逆襲のチャンスあり......

なんて思ってたらまさかの50分、早くもエース興梠さんのゴールが炸裂します。右サイドでボールを持った橋岡さん。インサイドにカットインしつつペナルティエリア角を取りに行きますがちょっと相手ディフェンスに詰まったかなと思った矢先に縦に突破を図ります。この動きで相手ディフェンスラインはボールウォッチャーに。橋岡さんからのクロスはファーサイド、相手ディフェンス(右SBのジャン・リンボン選手)の死角から一気にゴール前に入ってきた興梠さんの頭にぴったり合うと、興梠さんの打点の高いヘディングシュートは相手GKも反応できない速度でゴールに突き刺さり先制。これで広州恒大は残り時間で4得点が必要になり、このほぼ絶望的な状況に相手選手はもちろん、サポーターの熱量も一気に冷めたのがテレビ画面を通じても伝わってきました。

これで残る課題はどうこの試合を締めるか。苦しい状況でプレーがラフになった広州恒大に対して我慢の展開。相手にイエローカードが乱発される中でもウチの選手達は冷静さを失わずしっかりブロックを作ってスペースを埋め、相手の攻撃をしのぎます。特に得点前と異なり、前線トライアングルがしっかり引いて5-4-1ブロックをコンパクトに保つ方向でチーム全体が意思統一されたことで得点後の守備は安定方向に向かいましたが、個人的にはネックはやはりファブリシオさん。

この辺で彼を交代させ、運動量と守備面で計算できる人、例えば柏木さんや、もしくは柴戸さんを入れて中盤をトリプルボランチにするなどの策を取った方がいいんじゃないかななんて思いながら見ていたわけですが、ベンチの考えは全く異なったみたいで最初の交代は75分、興梠さん→杉本さん。杉本さんに何か特別なタスクが与えられたというより、興梠さんの温存という方が意図的には強かった気がしますがワントップを入れ替え。

しかしファブリシオさんのところで追えずに関根さんが数的不利になるという状況はこの段階でも発生していてちとやばいんじゃねと思っていたら84分の交代は橋岡さん→ウガ。これでウガを左に持っていくのかなと思ったら特にポジションチェンジはありませんでした。まぁこの辺の時間帯になると完全に相手は戦意喪失し始めてプレーも適当になり、残り時間で4失点というのが現実的にほぼないことを考えれば終わった感は強かったですけどね。

88分には最後の交代カードで阿部ちゃん→柴戸さんとするとそのまま無失点で守り切り2戦トータルスコア 3-0 の完勝。ホームではめっぽう強い広州恒大をきっちり倒して、2年ぶり3度目の決勝進出を決めてくれました。決勝の対戦相手はサウジアラビアのアル・ヒラル。2017年の決勝でも対戦した相手ですが、ここまで来たら2年前同様にぶっ倒してアジアのタイトルを獲りたいですね。

ちなみに今試合のイエローカード累積によって決勝の第1戦(アウェー)は西川さんが出場停止のピンチ。しかしこういう時にこそ福島さんがしっかり仕事をしてくれるでしょう。決勝の第1戦は11月9日の土曜日。その前にリーグ戦、アウェー広島、アウェー鹿島、ホーム川崎っていう地獄の3連戦が挟まります。火曜日(広島)→金曜日(鹿島)→火曜日(埼スタ)って立て続けに試合をしてからサウジアラビア遠征っていうちょっとマジかよっていうスケジュールではありますが、リーグ戦の方もいい加減残留ラインまで勝点を積まないとACL決勝に集中できないですし、ここが踏ん張りどころ。サポも一丸になって乗り越えましょう。

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試合データ

観客: 39,999人
天候: 晴
試合結果: 広州恒大 0-1 浦和(前半0-0)2戦トータル 浦和 3-0 広州恒大
レッズ得点者: 興梠(50分)
警告・退場: 鈴木(警告×1)、西川(警告×1/決勝 第1戦 出場停止)
主審: アリレザ・ファガニ 氏

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