2019 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 大分トリニータ戦

代表戦ウィークによる中断期間でリーグ戦の方は少しお休みしていましたが、再開1発目となるのがホームでの大分トリニータ戦。ACLの関係で金曜日開催となった今節ですが、今シーズン金曜日開催の試合はことごとく負けているっていう変なジンクスもあり、これをしっかりぶち破って続くアウェーでのACLにつなげたいところ。

ポジティブな面としては前節の清水戦、その前のACL準決勝第1戦とホームでは現在2連勝中といういい流れが来ていること。この流れを切らないためにも、順位的には上位の大分とはいえきっちり倒して勝点3をゲットし勝点を積みたいところ。ちなみに今日勝てば勝点「38」となり、残留ラインのギリギリくらいまでは行きますので、かなり気持ち的にも楽になると思われ、ここからしばらくアウェーゲームが重なることを考えても重要なホームゲームとなりました。

2019 Jリーグ 第29節 埼玉スタジアム2002 大分トリニータ戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。ディフェンシブハーフに阿部、エヴェルトン。ウィングバック、左にウガ、右に関根。インサイドハーフに武藤、長澤。興梠のワントップ。GKは西川。

青木さんがコンディション不良で一時離脱。阿部ちゃんがディフェンシブハーフとして先発し、エヴェルトンさんとコンビを組みます。ここ数試合は最終ラインの真ん中に鈴木さんが入り、非常に安定した働きをしてくれていましたが、今節はここにマウリシオさんが入り、鈴木さんは一旦お休み。U-22代表としてブラジル遠征から戻ったばかりの橋岡さんも無理はさせずにウガが右サイドに入る布陣でいつも通りの 3-4-2-1。

対する大分もシステム的には同じ 3-4-2-1 を採用。最終ラインに左から三竿選手、鈴木選手、岩田選手。中盤ディフェンシブハーフに長谷川選手と小林裕紀選手。左のウィングバックに田中選手、右に松本選手。小塚選手、小林成豪選手をインサイドハーフに、後藤選手がワントップという並び。本来ならオナイウ阿道選手がワントップ、もしくはインサイドハーフに入りますが、ウチから期限付き移籍中ということで契約上出場ができないことや、夏の移籍で絶対エースだった藤本選手を失っていることから、大分としても前線のタレント不足という部分では色々と苦しい台所事情。

2チームとも同じシステムを採用することから所謂ミラーゲーム。ただ、ラインの設定の仕方などは両チームに差みられました。

ウチはなるべくポジティブトランジションを相手陣地で発生させたい狙い。興梠さんやインサイドハーフの2枚が裏に抜ける動きを含め、ゴールに近いところで能力を発揮するタイプということもあってトランジションする位置が深すぎると前線で孤立して活きないというのはすでにはっきりしているところ。だからラインも高く設定して押し上げる。一方の大分は最終ラインからボールを繋いでしっかりビルドアップすることを重視するため、それ程ラインは押し上げない。

またウチは阿部ちゃんが最終ラインに落ちて疑似的な4バックを作りだし、相手の前線3枚に対して数的優位を作るやり方(これは青木さんがいるときも良くやる形)を採用しているのに対して大分はディフェンシブハーフの2枚は最終ラインをサポートはするものの完全に落ちてくることはなく、縦関係でパスコースを作るポジショニング。そしてGKがビルドアップに積極的に参加することでウチの前線3に対して4枚の状況を作りにくる。

さらにウチがあまりスライドをしないようにある程度幅を取ってディフェンスブロックを形成するのに対して、大分はかなりボールサイドに人を寄せるスライド守備。この辺はポジトラした瞬間の距離感などを考えてのことだと思いますが、結果としてウチはなかなかパスコースが作れず、インサイドハーフに縦に楔を狙いに行くもののなかなかそこで前を向かせてもらえなかったり、そこからのパス交換で興梠さんが裏を狙うも中央を閉められてフィニッシュまでには持っていけなかったりと我慢の展開となりました。

同じ5バックで守るチームということもあって4バック相手の時のようにサイドチェンジ一発でずらすみたいなこともできないし、橋岡さんがいないことでロングフィード蹴っても前で収まらないし......

この辺、面白いなと思ったのはウチの方が高いラインを取って相手陣地に侵入し、大分はラインも低く一見すると押し込まれているように見えるものの、前線3枚のプレスやパスコールの限定が少し甘くなったりして中盤で前向きにボールを持たれると、逆に高く設定したラインの裏を狙ってゴール前に迫る回数的には大分の方が多いという...... 実際に試合開始早々の10分過ぎくらいには右サイドで2対1の状況を作られたところからドリブルで仕掛けた松本選手に小塚選手とのパス交換でペナルティエリア内に進入され、ポストに当たるシュートを打たれるなど、「あぁやられた」っていう決定機もあり、ウチは思うように相手のビルドアップを阻害することができず、前半は大分ペースで試合を進められてしまいました。

ウチとしては前からプレスをはめて大分のビルドアップを阻害し、高い位置でのポジトラからショートカウンターで沈めるというのが理想ではありますが、前述の通り巧みなポジショニングで局地的数的優位を作ってくる大分に対してヘタに前からハメに行くと簡単に外されてスペース使われて終了っていう形になりかねません。とはいえこのまま前半と同じ事を続けていても状況は変わらず...... その辺をどう修正するのか注目しつつの後半に折り返し。

流れが少し変わったのは後半に入ってから。前からの無理なプレスがダメならどこで相手をハメるか...... その答えは「ネガティブトランジション時のプレー強度を高める」でしたね。ウチは攻撃終わりでボールロストすると、素早い攻守転換ですぐさま相手ボールホルダーに対して強度の高いプレスをかけ、パスミスを誘発させることで大分のビルドアップを機能不全に陥らせます。前線の素早いプレスに合わせて最終ラインも押し上げ、特に槙野さんが高い位置を取った左サイドを中心に大分を押し込む流れ。

左サイドを起点に、長澤さん→武藤さんドリブル→興梠さんと渡ってペナルティエリア内で興梠さんが鋭いシュートフェイントから相手ディフェンスをずらして左足で放ったシュートがゴールをかすめるなど、ここで1点獲れれば、というシーンもあり、徐々に流れはウチに傾いてきたかなというところでまさかのアクシデント。

56分、武藤さんが大分の岩田選手とライン際での競り合いでもつれて倒れた際にどうやら肩を痛めてしまったようでそのまま続行不可能となりファブリシオさんと交代。これで折角機能しはじめていたプレスワークが減衰。さらに75分に長澤さん→杉本さんとしたことでインサイドハーフからプレスをハメられる選手が消滅すると、落ち着きを取り戻した大分に再度主導権を握られるまずい流れに。

正直この試合で最もまずい交代策が個人的にはこの長澤さん→杉本さんだったなと。

長澤さんの疲労や、続くACLのこと(あとすでにイエローカードを1枚もらっていたことも多少関係あるかも)を考慮しての交代だったことは想像に難くないですし、仕方ない部分もあったかと思います。

また、杉本さん以外で長澤さんに替えるとしてベンチメンバーを見てもいなかったなというのはあるので「長澤さんを90分使えない」となったらあれしか方法はないのかなと思いますので、一概に大槻さんを責める気にはなりませんが、興梠さん、杉本さん、ファブリシオさんという前線トライアングルは、攻撃面での迫力という面ではプラスに働くものの、興梠さん以外の守備が下手すぎてファーストディフェンスとしての役割をほぼ果たさなくなり、大分は簡単にウチの前線3枚を超えていくことができるようになってしまいました(相手GKの右足を切るように頑張って興梠さんが寄せて左足で蹴らせてるのに、インサイドハーフの2枚がそのコースを切りに行くようなポジショニングを全くしていなくて簡単にボール繋がれて、振り返った興梠さんが「マジかよ」って顔、というか仕草をしてるシーンが何度かあったことからもわかります)。

冒頭に書いたとおり、この試合で勝てれば勝点「38」と、残留争いの中ではかなり楽になる状況。ホームでの試合ということや、次の30節から33節の4試合は全て優勝争い、もしくはACL出場枠に絡む上位チーム、その上直近の2試合はアウェーゲームということを考えると、この試合でどうしても勝点3が欲しい気持ちはわかります。

しかし相手はウチよりも順位的に上にいる大分。勝点3を目指すのは当然ながら、それでも最低限の勝点1を確保する冷静さも同時に持っていて欲しかったわけですが、杉本さんの投入である程度ラフに前線にボールを入れても高さで起点を作ってくれる状況からもう一歩で得点、というシーンもあり、この空気に押されたのか最後の交代カードは左サイドの山中さん。

前線には杉本さんもいるし、左サイドからよいクロスが入ってくればという狙いは明確でわかりやすかったですが、これで著しく攻撃にバランスが傾いたことで最後に巨大なしっぺ返しを喰らう羽目になってしまいます。

アディショナルタイム3分、押し込んだ状況から阿部ちゃんがゴール前にクロス。大分のGK、高木選手が一旦跳ね返したボールをファブリシオさんが拾って落としたところにマウリシオさんがミドルシュート。

しかしこれが大分ディフェンスに弾かれると大分のカウンターが発動。中盤で阿部ちゃん、さらにファブリシオさんが一度はボール奪取しそうになりますが運悪くことごとく奪いきれずに大分のパスがつながってしまいます。左サイドで大分の選手(誰だったか忘れた)がボールを持った時にはウチの3バックに対して大分は4枚、ウチは両ウィングバックの関根さんも山中さんも戻りきれず、数的不利な状況に。

ウチの右サイド深い位置に入り込んだ三竿選手からのクロスに、中央を駆け上がってきていた後藤選手に頭で合わせられるとこれが決勝点となって敗戦。押し込んで押し込んで、手が届くかなと思った勝点3が、ラスト数秒で0になるっていう悔しい結果になってしまいました。

まぁ、勝点3のためにリスクを取りにいっての失点。もっとうまくやれたとか、勝点1でよかったのにっていうのは全て結果論なのでどうしようもないんですが、もったいない敗戦になってしまったことは確か。残り試合は少なくなってきましたが、一旦切り替えて、アウェーでのACL、広州恒大戦に集中してもらいたいところ。しっかり決勝進出を決めて戻って来て頂いて、続く広島戦 or 鹿島戦に備えましょう。

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試合データ

観客: 19,698人
天候: 雨
試合結果: 浦和 0-1 大分(前半0-0)
レッズ得点者: -
警告・退場: 長澤(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 山岡 良介 氏
順位: 12位(9勝12敗8分/勝点35/得失点差-12)

試合ハイライト

おまけ

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