2019 Jリーグ 第27節 駅前不動産スタジアム アウェー サガン鳥栖戦

ミッドウィークに行われた天皇杯の4回戦は Honda FC さんに2失点して完敗するっていう残念な結果になってしまいましたが、そこから中2日の土曜日、アウェーは佐賀に移動して行われるJリーグの第27節。対戦相手は順位的にウチのすぐ下、16位に位置するサガン鳥栖。つまりは残留争い直接対決となります。

前節終了時点でのウチの勝点は「31」の15位。対する鳥栖は勝点「27」の16位ということで、この試合結果によって順位が入れ替わることはありませんが、万が一敗れれば16位との勝点差はわずか「1」(今年のレギュレーションでは16位は自動降格ではなくJ1参入プレーオフでJ2の3位~6位で行われるトーナメントに決勝から参加です)、続く28節が同じく残留を争う清水との対戦ということを考えれば、鳥栖→清水の2戦はなんとしてでも勝点3を積みたいところ。

ポジティブな要素をみれば、前節終了時点で15位のウチから9位の神戸(勝点32)までは勝点「1」しか差がなく、1試合の結果で簡単に順位が入れ替わる団子状態。つまりこの試合で勝点3が積めれば、一気に9位まで順位を上げられる可能性もあるということでここがターニングポイントになる試合。この試合のために大幅なターンオーバーをしてのぞんだ結果天皇杯を失うっていう高い代償を払わされたわけですし、それを無駄にしないためにも「勝点3」という結果だけが求められるアウェーゲームとなりました。

2019 Jリーグ 第27節 駅前不動産スタジアム アウェー サガン鳥栖戦

写真は「DAZN」中継映像から引用

で、そんな大事な試合にもかかわらず予定が合わなくて現地行けなかったので現地の皆さんに託しつつのテレビ観戦。今日のスタメンは最終ラインに岩波、鈴木、槙野。ディフェンシブハーフに青木、エヴェルトン。ウィングバック、右に橋岡、左に関根。インサイドハーフにファブリシオ、長澤。武藤のワントップ。GKは西川。

スタメン発表時に少し驚いたのは興梠さんがまさかの離脱でベンチにも入らず。ワントップは武藤さんが代わりに入ってファブリシオさんをインサイドハーフに配置。事前のフォーメーション予想でファブリシオさんのワントップと書いているところが多かったですけども武藤さんのワントップは正しい判断かと思います。足元でボールをもらう事を好み、裏のスペースに対する仕掛けの意識が高くないファブリシオさんをワントップに置くより、裏に積極的に駆け引きしつつボールを引き出したり、そこからのターン一発で裏に抜ける能力が高い武藤さんの方がワントップ適性が高いでしょう。ファブリシオさんが武藤さんと良い距離感で仕事ができれば相手ディフェンスラインに対してかなりの脅威を与えられるはずです。

「興梠さんがいない」ということがどうしてもネガティブな印象になりがちな現状ではありますが、興梠さんにおんぶに抱っこで頼り切ってばかりもいられないというのもあります。ここで代わりに出場した選手がしっかり結果を出して、興梠さんにかかる負担を減らしてあげるのも重要なこと。特に今シーズンまだゴールのない武藤さんには大きな期待がかかるのと同時に、ここで結果が出せればそれは終盤戦に向けてポジティブな要素となりますのでぜひ意地を見せて欲しいところ。ちなみに西川さんはこの試合でJ1通算450試合出場のメモリアル。

対する鳥栖は 4-4-2。CBは高橋秀人選手、高橋祐治選手、SB左に金井選手、右に原選手。ダブルボランチ、松岡選手と原川選手。SH左にクエンカ選手、右に金森選手。小野選手、金崎選手の2トップ。控えには高さのある豊田選手、左利きでサイドからの突破力のある安選手(ここ数試合は彼がスタメンで起用されていましたが今日はベンチスタートでしたね)などが控えます。鳥栖はしっかりボールを動かしつつ最終ラインからパスを繋いで崩すスタイル。前回対戦はホームでウチが勝利しているものの、その時は不在だったクエンカ選手が入るなど陣容が変わっていたりとまた違うゲームになる可能性は高く油断できません。

鳥栖は左のSHに入ったクエンカ選手が中に絞ってプレーする時間帯が多く見られました。2トップに左右SHが近い位置でポジションを取り、前線に4枚が張ってくる形。クエンカ選手が絞ったスペースにSBの金井選手が入ってくると最終ラインで5対5を作られるのと、ウチのウィングバックが引いたスペースで相手に中盤で2列目脇を取られ、ウチのディフェンシブハーフがサイドに引っ張り出されると、空いた中央スペースを起点にディフェンスライン裏にパスを通されるような崩しを発動されるのでなるべくウチの両サイドを押し込まれたくない。

普段ウチの守備は 5-4-1 ブロック。この日も基本形は 5-4-1 でブロックとしながらも、関根さんが積極的に前に出ていって 4-4-2 のような形にしていました。これによって2トップを相手2CBに当てつつ、中盤で数的同数を作り、相手のビルドアップを阻害する策。この辺は鳥栖対策として大槻さんが狙ってやってきた部分かなと思います。もちろん、関根さんが縦に出ていくことでウチの最終ラインは4枚でスライドしないといけないので鳥栖の逆サイドのSBが大外でフリーになるわけですけども、そこはプレスの出足を速くして対角線上にロングフィードを飛ばされないようにという守り方。

このやり方でボール自体は鳥栖に持たれつつも、ビルドアップの途中で引っかけて前に出て行くという形が作れていましたし、ウィングバックが押し込まれなかったことでポジティブトランジション時の前線の人数も確保でき、さらに鈴木さんを中心に頑張って最終ラインを押し上げ中盤をコンパクトに。そのコンパクトにした中盤エリアでエヴェルトンさんと青木さんが素晴らしい働きをしてセカンドボールをガッシガシ回収してくれたおかげでぶ厚い攻撃を展開することができていました。

また、右サイドの橋岡さんはその運動量と高さを存分に活かして上下の動きを繰り返しながらロングフィードのターゲットとしてハイボールをガンガン収めまくる、自陣で守備したと思ったら今後は相手陣地の深いところまで進出してクロス、もしくはコーナーキックをとりまくるなど、各ポジションが躍動して特に前半に関しては完璧という内容になりました。

で、予想外に試合を早く動かしたのはウチ。7分、自陣ゴール前からのフリーキックにキッカーは西川さん。このロングフィードを右サイドから橋岡さんが競って中央に飛ばすと、ゴール前ペナルティエリア付近でファブリシオさんが空中戦に勝利して落としたところに完全にフリーになった武藤さん。少し難しい落としではありましたがトラップしてコントロールするとそのまま左足を振り抜いてゴール右隅にグラウンダーのシュートを叩き込むと、これが今シーズン初得点。

武藤さん、リーグ戦では2018年11月10日の札幌戦(第32節)で決めたゴールを最後になんと22試合ぶりのゴール。いやー長い我慢の時間でしたが、やっとウチのもうひとりのエースが興梠さん不在の試合で求められる働きをしてくれました。空中戦での勝利2発という、華麗な崩しというより1対1の局面を個人能力で打ち勝ってのゴールでしたが、今のウチにできることをしっかりやった結果の得点です。

さらに12分過ぎにも岩波さんからの対角線上のロングフィード→関根さん→仕掛けてクロスに中央で武藤さんスルー(スルーというか空振り)→長澤さんが合わせて決定機(これは相手GKがビッグセーブ)を作るなど、サイドチェンジを活用した大きな展開からサイドで1対1の状況を作り、そこからのクロスに対して中央で複数枚が入ってきてフィニッシュという、本来ウチがやりたい形をしっかり出せていて、その辺も素晴らしかったなと。

先制点を早い時間に奪い、次の課題としては追加点を獲って試合を優位に持っていけるか。そんなことを考えていたらやってくれました。29分、鳥栖のクリアボールを抜群の出足でインターセプトした鈴木さんが前線に持ち出します。鈴木さんはバイタルエリアまでボールを持ち出すと一旦長澤さんに預けてそのままゴール前に侵入すると同時に長澤さんは右サイド、ハーフスペースを上がってきた橋岡さんにボールを展開。橋岡さんがペナルティエリア角に侵入しつつクロスを上げると、このボールを鈴木さんが触る手前、長澤さんがオーバーヘッド気味の難しいボレーで合わせるゴラッソ。欲しい時間帯に完璧な形で追加点をゲット。このまま前半は危なげなく進めて2点リードのまま後半へ。

いやーなんか久しぶりに気持ちいい試合展開で酒がうまいぜなんていいながら余裕ぶっこいてたわけですよ。↓こんなツイートしながらね......

ハーフタイムに鳥栖はボランチの松岡選手に替えて豊田選手を投入(小野選手がボランチの位置に落ちて豊田選手が金崎選手との2トップになります)。彼を活かす形で高さを前面に押し出したやり方に変えてくることは予想できましたが、後半立ち上がりにもカウンターから3対2の状況(ここは決めきって欲しかったけど)という決定機を作るなどしていて、うまく相手が出てくるところを3点目奪ってトドメ刺しちゃおうぜなんて言ってたわけです。

しかし試合の流れが一気に変わったのが55分、鳥栖が金森選手を下げ、安庸佑選手を右サイドに投入してきたところから、ウチが60分にエヴェルトンさん→柴戸さんとして中盤を変更したあと。

柴戸さんの投入に関して試合後の大槻さんのインタビューにおける「運動量の担保」「真ん中が空いていたのでそこを埋めたかった」という発言からその意図はわかりますが、毎度書いてるとおり、柴戸さんは中盤でスペースのカバーリングを得意とするようなタイプではなく、人に対してガンガン前から食いついて行きたいタイプの選手。その意味ではエヴェルトンさんとそれ程タイプ的な差はなく、エヴェルトンさんを下げてスペースを埋めるために投入する選手としては少し的外れ感を感じます。これは柴戸さんが悪いとかではなく、求めているプレーと投入している選手の特性があってないですよね。という話。

本来なら阿部ちゃんなどが適任なんでしょうが彼は前節のレッドカードによって今節は出場停止。他に適任者がいないってのもあるとは思いますが、スペースを埋めるなら埋めるで各選手のポジショニングの確認をしっかり行い、どこで出ていくのか、逆にいかないのかという部分の共通認識が必要かと思いますけども、なんかそれが希薄なまま選手が交代して、ボールの奪いどころがはっきりしないままフィジカル全面押しでギアを上げてきた相手に対して後手に回って不要なファールだけが増え、ボールは奪えないという状況になってしまったのは非常に残念。

右サイドに投入された安選手が高い位置を取って積極的に縦に仕掛けてくることで対面の関根さんが押し込まれてしまったことでラインを下げられ、中盤を制圧されてセカンドボールが回収できなくなると、鳥栖の厚みのある攻撃に一方的に晒されて耐える展開にされてしまいました。

鳥栖の反撃が始まる最初の失点は69分。ゴール前で豊田選手に対する関根さんのファールでペナルティエリア付近、ゴール右寄りの位置で相手のフリーキック。これを原川選手にとんでもない直接フリーキックで叩き込まれてのもの。

豊田選手がゴール前にいてここに合わせるボールが飛んでくるケースを考えると壁に高さのある選手は使えない。結果として壁に入った3枚はウチの中で小さい方の武藤さん、関根さん、長澤さんだったわけですが、原川選手のシュートはこの壁の上を越えつつ、ニアサイドのゴール上角にブッ刺さるえげつないシュート。まぁあのシュートじゃどうしようもないというか、もう原川選手を褒めた方がいいんですが、悔しい失点でした。

失点後の72分にはファブリシオさん→汰木さんとしてインサイドハーフを入れ替えます。しかしこの交代直後にまたも失点。74分、コーナーキックを一旦は弾き返したところで再度ゴール前に入れられたボールをペナルティエリア内で豊田選手に胸トラップされると、その落としたボールを金崎選手に蹴り込まれて同点に。2点のビハインドを守れず。試合を振り出しに戻されてしまいます。

相手のフィードが入ってくる前、コーナーキックを槙野さんが頭でクリアした直後ですが、全員がラインを上げに行っている中で、豊田選手にマーク付いていた橋岡さんだけが後ろに残ってしまったことで、豊田選手をオフサイドポジションに残すことができなかったのが失点の大きな要因。素早くラインを上げていれば難なくオフサイドで相手の攻撃は終わっていたでしょう。この辺は細かい部分ですが徹底したいところです。

しかしこれだけで終わらない今節。トドメは82分、攻撃に転じたところでフィフティなボールを奪いきろうと安選手に食いついた柴戸さんが相手のワンツーでサクッと外されたところから鳥栖のショートカウンター。ポジトラして関根さんも前に出て行こうとしていたところで裏っかえされたことで、関根さんが空けたスペースで完全にフリーになった金崎選手がペナルティエリア右の角へドリブルで侵入。カットインすると見せかけつつ時間を作ったところを追い越した安選手がペナルティエリア内を縦に突破→グラウンダーの折り返しに逆サイドから斜めにゴール中央に入ってきたクエンカ選手にフリーで合わせられて失点。

完璧な前半2得点から、後半、たったの15分の間に3失点して一気に勝点3を失う展開に。絶望しかねぇ。

80分には武藤さん→杉本さんとして最前線に高さをプラス。残り時間、とにかく1点を追って出ていきます。青木さんの超絶ミドルで決定機を作るなど、ウチの選手達も最後まで諦めず闘いますが、それが報われたがアディショナルタイム6分のうち4分ほど経過した最後の最後。

左サイドの深い位置から一旦青木さんに戻ったボールを青木さんがゴール前に放り込みます。この混戦の競り合いの中で鳥栖の金井選手が岩波さんを強烈プッシング。これがPK判定となって土壇場で同点のチャンス。キッカーは杉本さんということで当然数日前の天皇杯でのPK失敗が頭をよぎりますがここは強靱なメンタルをみせた杉本さん。しっかり決めきって何とか同点に追いつくと、試合は 3-3 で終了。両チーム勝点1を分け合う結果となりました。

PK判定に関しては相手の監督さんが試合後インタビューでもめちゃキレてましたけど、主審の目の前であんだけド派手に突き飛ばせばそりゃPKでしょうよと...... 客観的に特におかしい判定ではなかったと思われます。

さて、試合展開を無視して言えば、アウェーで残留を直接争う相手と引き分け。相手に勝点3を与えなかったという点で十分評価できる結果だと思いますが、どうしても前半のできを考えてしまうので評価が辛口になってしまいますね。2点のリードも守れないのかよと。

ここのところ、終盤に相手がギアを上げてきたり、システムを変えてきたりというのに対してうまく対応できず、後手を踏んでやられるっていうのを観ている側としてはそこが改善されない点に苛立ちを覚えてしまうのは仕方ないことだと思います。とはいえ、興梠さん不在の中で2得点できたこと、苦しい流れの中、土壇場まで諦めずに同点に追いつけたことをポジティブに捉え、次のACL広州恒大戦、そして続く残留争いでの重要な一戦となるホーム清水戦をしっかりサポートしたいなと思います。

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試合データ

観客: 14,099人
天候: 晴のち雨
試合結果: 鳥栖 3-3 浦和(前半0-2)
レッズ得点者: 武藤(7分)、長澤(29分)、杉本(90+7分)
警告・退場: 武藤(警告×1/ラフプレー)、鈴木(警告×1/ラフプレー)
主審: 村上 伸次 氏
順位: 13位(8勝11敗8分/勝点32/得失点差-12)

試合ハイライト

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