2019 Jリーグ 第14節 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦

先週末は広島にホームで4失点の完敗を喰らったことでリーグ戦は4連敗と厳しい状況に追い込まれているわけですが、さらにその広島戦から週が明けた28日火曜日、なんとオリヴェイラ監督が成績不振により解任という知らせ。新監督は大槻さん、ヘッドコーチに育成部門から上野優作氏が就任して以降の指揮を執ることになりました。とりあえず監督交代の是非については置いておいて(別記事で書いた)、試合の内容に絞って話を進めます。

4連敗中という苦しい状況での対戦となる川崎は現在リーグ戦2位(勝点26)。開幕当初は主力の怪我、新加入選手のフィットに少し時間を要したことでスロースタート、ACLもそれが祟ってグループステージ敗退となってしまいましたが、若手期待の知念選手が台頭したり、新加入のレアンドロ・ダミアン選手も徐々にフィットして得点をあげだすと、直近ではリーグ戦9試合負けなしと、昨年の対戦成績ではウチが2勝のシーズンダブルかましているとはいえ、現状連敗中の身としてはあまり対戦したくない好調ぶりを発揮中。

監督交代直後はショック療法的に選手にも気合いが入ってそれがプラスに働くケースもあるんですが、逆に言えばこの強敵相手に大槻さんは就任から実質3日のトレーニングのみでのぞむ形になり、準備期間としてはほぼなし。現実的にはやり方は変えず、優先度の高い課題・修正点のみ対応する形であとは選手の奮起に期待するしかなさそう(大槻さん就任後の練習は全部非公開だったので予想できない)。その辺がどうなるか注目のアウェーゲームとなりました。

2019 Jリーグ 第14節 等々力陸上競技場 アウェー 川崎フロンターレ戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤は青木、柴戸、両サイドにウガ(左)、岩武(右)を配置。武藤、マルティノスをシャドー、興梠の1トップという並び。GKは西川。

スタメン発表を見たときにはまさかのぶっつけ本番4バック? と思ったりもしましたが、スタートしてみれば3バックを継続。今日はちょっと見ていた席がアウェー指定席っていう、メインスタンドの下層で、しかもコーナー付近から斜めにピッチを見る感じだったので細かい並びがわからなかったんですが、柴戸さん、青木さんをダブルボランチにしてその前にマルティノスさん、武藤さん、興梠さんをトライアングルに配置した 3-4-2-1 でしたか。

守備時には基本的に 5-4-1 ブロック。最前線の興梠さんに加えて武藤さんとマルティノスさん、さらにサイドはウガ、岩武さんの5枚が川崎のビルドアップに対して強度をもって当てに行くやり方で、川崎のビルドアップを機能不全にしつつ、そこで引っかけられればマルティノスさんのスピードを活かして、もしくは素早い両サイドの上がりを使って一気にカウンターを発動。中央でフィニッシュという狙いが明確に見てとれました。また、前半立ち上がりからプレーインテンシティが高く、その飛ばしっぷりからは前半に点を奪って一気に主導権を握りたいという意図も感じました。

前線からハメにいって出ていった5枚の裏で受けられると(よく言うプレスを裏返えされるってやつですね)2ボランチのところで数的不利になりますが、そこは最終ラインとボランチがリトリートしつつ、前線が気合いのプレスバックでなんとかするって言うやり方をしていて、もちろんリスクはありますが、ウガ、武藤さん、そして若い岩武さんなど運動量のある選手を配置することでそこをカバー。また、ボランチを2枚、中盤で潰し役ができる柴戸さんと青木さんを並べることで前プレが外された場合でも最終ライン前のスペースで川崎に起点を作らせないという意図も機能していたかと思います。

また、前線からもプレスも闇雲に前からハメに行くのではなく、ここは出て行けないなと判断したらおとなしく 5-4-1 ブロックを作って相手に持たせる、攻撃時にもポゼッションは目指すものの、つなげなければ潔く裏に蹴ってという部分でかなり賢く、現実的な戦いができていたんじゃないかなと。この辺はしっかりと規律を持って戦うことができていました。

で、攻撃時につなげないなら蹴っちゃおうっていう局面で、今までは興梠さんが気合いで収めてくれるの頼りで彼が孤立したり高い位置を取れなくなると蹴って終わりっていう場合が多かったんですが、ある程度雑にスペースに蹴られてもスピードで追いつけちゃうマルティノスさんがいることで興梠さんのポストプレー以外にも可能性が残るあたり、うまくスタメンの人選をしたなというのが印象的でした。

しかし、課題としてはやはり立ち上がりからの勢いが90分という全体をみたときに続くのか、また前半に得点できなかった場合にどうなるかってところ。やはり相当なプレー強度、運動量が求められる両ワイドに関してはさすがに若い岩武さん、ウガでも立ち上がり当初のプレー強度を維持し続けるのは難しく、徐々に川崎にポゼッションされると、前プレがハマらない状況に。

こうなると前線で外されたところで潰しに出る青木さん、柴戸さんが徐々に疲弊、押し込まれて耐える時間帯が増えてしまうという流れで試合は川崎ペースに。この辺、たらればですが、開始早々にウガのミドルシュートがオフサイド判定でノーゴールになったのが悔やまれるなぁと。

この日スタメン、Jリーグデビュー戦となった岩武さんですが、プレーとしてはほぼ前半のみではあったものの、デビュー戦にもかかわらずしっかりタスクをこなして及第点だったと思います。川崎の同サイド、登里選手、長谷川選手のコンビネーションによって前半の終盤は右サイドで裏を取られるシーンも多く、後半の失点もそこからやられた形で結局岩武さんは後半開始早々に交代となってしまいましたが、交代で入った森脇さんも相手左サイドのこの2選手が繰り出すコンビネーションには結構やられてましたので、岩武さんが悪かったわけではありません。

ちなみに後半の失点は右サイドで長谷川選手にドリブルで突っかけられて足を止められたところに2列目から登里選手に裏→逆サイドでレアンド・ロダミアン選手にフィニッシュという形で崩されました。川崎相手にあまり受けてしまうと人がそろっていてもこういう形できっちり崩されるという典型的なパターンでしたね。この辺はさすが川崎と言ったところです。

ウチの選手交代策としてはすべて54分の失点後。55分にマルティノスさん→荻原さん、58分に前述の通り岩武さん→森脇さんと時間帯的にはかなり早めに交代カードを切りましたが、押し込まれて失点してからなので、積極的交代と言うよりは失点を受けての対処的交代。特に岩武さん→森脇さんの交代に関しては散々押し込まれていた右サイドでの守備の安定を狙ってのものでしょう。

一方、マルティノスさんと交代で入った荻原さんは左サイドにうまく流れつつ、相手SBの裏を取ることで相手右サイドを押し込んでそこから打開しようという意図が見えましたが、右サイドでは前述の通り森脇さんが登里選手、長谷川選手に押し込まれて苦労していたので、逆サイドに勝機を見いだす形。彼の働きは効いていたと思いますし、彼の積極的な仕掛けが後半アディショナルタイムの同点ゴールにつながるコーナーキックを得ることにもなったわけで、この交代に関してはうまくハマったかなと。

69分の興梠さん→杉本さんの交代は、交代前に興梠さんが少し膝を気にしているような感じだったのでそのせいかと思いますが、正直杉本さん、もうちょっと頑張らんとスタメンは遠いぞと思わせる消えっぷりでしたので特筆すべきこともなし(まぁ押し込まれた状況での1トップ起用が彼の特性に合ってない可能性もあるのでこの試合だけで判断しても仕方ないというのはありますが)。

交代策はうったものの、試合は終始川崎ペースのまま耐える展開。実際、2失点目を喰らえば終わりっていう状況で、やべぇっていう相手の決定機も何度かありましたが、そこは気合いで何とか耐えているうちに最後、ワンチャンスがウチに転がり込んできます。提示されたアディショナルタイムの4分が終わる直前、左サイドからのコーナーキックを獲得すると武藤さんがキッカー。このボールは相手ディフェンスにクリアされますが、このこぼれ球をウガがミドルシュート。

シュートがミスキックっぽくなったのであぁぁと思ったらラストプレーだってことでゴール前に上がっていた西川さんがなんとフリック。このボールを森脇さんがシュートするとこれもぶっちゃけミスキックだったんですがボールが川崎の谷口選手に当たってコースが変わったことで川崎GK、チョン・ソンリョン選手も反応できず。ボールはゴールに吸い込まれる形で同点。もうサポは勝ったかのようなお祭り騒ぎでしたが、何とか勝点1をアウェーで積んで連敗もストップ。課題は多々あるものの、まずはよい滑り出しをしてくれました。この辺、最後に追いつくあたりは大槻さんが持ってるってことでしょうかね。

さて、次は代表戦ウィークで少しお休みを挟んでのホーム鳥栖戦。川崎戦を時間のない中、最低限の結果で切り抜けた後、次のホームが非常に重要です。ここで勝利して大槻さん体制に勢いをつけられるか、中断期間の使い方で変わると思いますので、大槻さんはじめ、新体制の仕事に期待しつつ、時節を待ちたいと思います。

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試合データ

観客: 24,578人
天候: 晴のち曇り
試合結果: 川崎 1-1 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: 森脇(90+5分)
警告・退場: ウガ(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 荒木 友輔 氏
順位: 10位(5勝6敗3分/勝点18/得失点差-7)

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