2019 Jリーグ 第13節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

ミッドウィークのACLは北京国安を相手に今シーズンベストとも言える試合内容、3得点、無失点の完勝で気持ちよくグループステージ突破を果たしてくれました。相手とマッチアップがかみ合えば北京国安レベルのチームも圧倒できるという点ではオリヴェイラさんのサッカーがハマるシチュエーションがはっきりした試合。一方でリーグ戦ではここのところ3連敗中と、なかなかウチの得意な形に持ち込めていない(湘南戦の前半はうまく行きましたが後半はそれを維持できませんでした)状況で、ACLで少し取り戻した自信を次につなげられるかが重要な今節は、サンフレッチェ広島をホーム埼スタに迎えて。

広島さんもACLでは5勝1敗という強さを発揮してグループステージを首位突破したものの、リーグ戦の方は開幕から第7節まで負けなしで好調かと思われながらそれ以降は前節まで5連敗中と好不調の波が大きい今シーズン。共にサイド攻撃が鍵となるチーム同士の対戦、5月だっていうのに30度超えの猛暑が予想される日曜の真っ昼間、どちらが主導権を握って良さを出すのか。重要な対戦となりました。

2019 Jリーグ 第13節 埼玉スタジアム2002 サンフレッチェ広島戦

さて、今日のスタメンは最終ラインに鈴木、マウリシオ、槙野。中盤は青木、長澤、エヴェルトンを並べた3ボランチ。ウィングバック、右に森脇、左に山中。武藤、興梠の2トップという並び。GKは西川。

ACL北京国安戦での接触プレーにより負傷交替してしまった柏木さんはクラブからの公式発表によると右膝関節軟骨損傷での手術を経て全治まで約4週間とのことで復帰は恐らく夏ごろ。チーム状況が苦しいところでキャプテンの離脱は痛いところですが、柏木さんにはまずはしっかり怪我を治すことに集中してもらいたい。

抜けてしまった柏木さんのところには、ACLで途中交代で入った長澤さんがそのままスタメンに名を連ねる形で、そこの変更以外はメンバーの入れ替えなし。ただし、5月とは思えない猛暑に襲われた埼スタで、ホームとはいえミッドウィークにタフな試合を戦ったスタメン選手たちのコンディションは気になるところ。システム的には 5-3-2(3-3-2-2)を継続です。

対する広島はドウグラス・ヴィエイラ選手を1トップに、柴崎晃誠選手、森島選手をシャドーに配置した 3-4-2-1 でスタート。左のアタッカーには柏選手、右にはエミル・サロモンソン選手とスピードのある強烈な選手が並び、冒頭に書いたとおり、サイドの攻防はひとつポイントとなる部分。ウチと同じく、ミッドウィークにはACLを戦った広島ですが、そこからはかなりメンバーを入れ替えつつ、GKに若手の大迫選手、ディフェンスラインには荒木選手、中盤には松本選手や川辺選手、森島選手といったフレッシュな若手を起用し、連敗ストップにかける意気込みは相当なもの。

広島は守備時 5-4-1 でブロックを作るやり方でしたが、試合立ち上がりは広島がウチのビルドアップに対して前からハメに出てきてくれたことで、青木さんが最終ラインに落ちてうまく数的有利を作ると、出てきた2列目の裏をうまく使って相手最終ラインの前で起点を作りつつ、開始早々にはリスタートからですが左サイドで相手ディフェンスを背負いながら溜めた興梠さんの落としに山中さんがペナルティエリアに侵入したところからニアで武藤さんが合わせてコーナーポスト直撃のシュートを放つなど悪くない入り。

しかし、これで広島が無理に前から出てこなくなって引いてブロックを作られると、コンパクトに設定された 5-4-1 ブロックを崩す術がウチにはなし。広島はあえて引いてブロックをセットし、ウチにボールを保持させると、サイドに関しては縦をしっかり切って突破を防ぎつつ、バイタルエリアに入ってきたところで引っかけて、そのままウチの高い最終ラインの裏のスペースを狙うというやり方を徹底することで決定機を作ります。

特にウチの右サイド、森脇さんと鈴木さんのところは、鈴木さんが森脇さんを押し出す形でサイドが高い位置を取るのがここのところのウチの特徴的な形になっていますが、今日は完全にこの部分を狙われていました。

広島は攻守転換すると素早くトップからドウグラス・ヴィエイラ選手がサイドに流れて森脇さん、鈴木さんの裏のスペースでボールを受けようとしますが、それに対してマウリシオさんがカバーリングに走らされると、中央からマウリシオさんが引っ張り出されることによってでできたスペースにウチの2列目のプレスバックが遅れると一気に決定機まで持っていかれます。

また、この裏狙いでウチの最終ラインを縦に引っ張っておきつつ、一方でウチの2列目がかなり積極的に前からプレスをハメに行きたがるところを逆手にとって、ウチの最終ラインの前のスペースを広島が狙いに来ているのは明確でした。ここで起点を作られると、どうしても最終ラインから出ていくしかなく、出て行ったギャップで裏を取られるみたいな形を再三作られていましたが、それに対してウチのディフェンスラインは効果的な策を打てなかったのが最終的には4失点につながりました。

この辺はACLで、「チーム全体としてハードワークした結果の勝利」みたいな成功体験が悪い方に出てしまったかなというのが個人的な感想。元々ウチの守備は組織的な連動性がなく、個々の身体的能力と判断力、そして運動量でその連携のなさをカバーするっていう根性守備ですが、これで結果が出せるのは、チーム全体のコンディションがよく、運動量で相手を上回れた上で局面でのマッチアップ勝負に持ち込めた時のみ。今節はACLでの疲労がある上、30度を超える猛暑の中で運動量は上がらず、前に出て行ったのはいいけどプレスバックできずに逆に中盤にスペースを与える→後追いになるのでより疲労→運動量落ちる・・・・・・ っていう悪循環になってしまったのは戦い方として失敗したなと。

最初の失点は前半6分。左サイド深い位置でボールを受けた柏選手が一旦サポートしてきた川辺選手に預けつつ一気に縦に裏を突くと、マウリシオさんが柏選手にはついていきますが、切り替えされてマークを外されたところから右足でファーに巻いたシュートを狙われます。これを至近距離で鈴木さんがヘディングクリアしようとしますが、運悪くボールは逆サイドのポストに当たって跳ね返る形に。このボールを広島、森島選手にペナルティエリア内で反応されるとダイレクトでシュート叩き込まれて失点。ポストに跳ね返った時点でウチのディフェンスはボールウォッチャーになってしまったので反応が遅れ、山中さんが何とかシュートコースにブロックに入ろうとするも時すでに遅し。

さらに25分にはコーナーキックからドウグラス・ヴィエイラ選手に槙野さんが背中を取られ、ほぼフリーでヘディングを合わせられて失点。このコーナーキックも、柏選手に左サイドを突破されたところから中央でエミル・サロモンソン選手にフリーでミドル打たれたのを西川さんがファインセーブしたことで与えたものですので、崩され方としては同じ形でチャンスを作られ、それをものにされたことになります。

で、試合は終始この流れ。後半は右サイド、森脇さん→ウガとして恐らくは縦への突破を意図した交代を行いますが、広島はサイドにはきっちりフタして縦への突破を許さず、なかなかよい形が作れない流れ。

すると63分に前述の形、中盤で2列目が前に出て行ってしまったところの裏で最終ラインの前に起点を作られると、左サイド、山中さんの背中側からCB(槙野さん)との間のスペースを途中出場のハイネル選手に見事に裏に抜けされて西川さんとの1対1からフィニッシュされます。このシュートは一旦は西川さんが気合いで弾くものの、弾くのが精一杯だったところのこぼれ球に素早く詰められて失点。

さらに80分にはこれまた途中出場の渡選手に同じようにサイドを攻略されたところから得点を許して撃沈。この失点も最終ラインの前で起点作られたところで2列目から入ってきた川辺選手を捕まえきれず一気にペナルティエリア内に侵入されると、折り返しに逆サイドでフリーだった渡選手にフィニッシュっていう完璧に崩された形でしたので、もうどうしようもないなと。

ウチの交代策としては54分に長澤さん→ファブリシオさんとして、ファブリシオさんをワントップ気味に、武藤さんと興梠さんが後ろからそれをサポートするような形に変えますが広島の 5-4-1 ブロックをどう崩すかという明確なプランは見えず。77分には興梠さん→汰木さんとして前線にドリブラーを配置。しかし、ウチがボール保持している際は引いてしっかりブロックを作る広島に対してドリブルで仕掛けられるようなスペースもなく、強引な突破で意地は見せるものの決定機とは程遠いまま結局無得点、4失点の完敗となってしまいました。

4失点目を喰らう前に相手ゴール前で武藤さんのミドルシュートに対して佐々木選手のハンドリングっぽいシーンもあり、主審が取ってくれなかったっていう不運もありましたが、まぁそれがあったとしても4失点という事実は動かず。相手の守備に対して為す術なく無得点だったことも問題ながら、それよりも先に相手の攻撃の狙いに対して再三同じ形でチャンスを作られながら全く対策が取れずに一方的にやられたという点についてはちょっと深刻に考えていただきたい苦い敗戦となりました。

さて、次はアウェーでの川崎戦。すでにリーグ戦は4連敗と、ここ数年でも最悪の状況で迎える中で迎える強敵との対戦となりますが、ここが正念場。チームにはしっかりコンディションを整えていただいて、次節、連敗をストップできるよう、我々もしっかりサポートしていきましょう。

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試合データ

観客: 33,235人
天候: 晴
試合結果: 浦和 0-4 広島(前半0-2)
レッズ得点者: -
警告・退場: ウガ(警告×1/繰り返しの違反)、山中(警告×1/反スポーツ的行為)、ファブリシオ(警告×1/反スポーツ的行為)、エヴェルトン(警告×1/反スポーツ的行為)
主審: 福島 孝一郎 氏
順位: 11位(5勝6敗2分/勝点17/得失点差-7)

試合ハイライト

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