FUJI XEROX SUPER CUP 2019 埼玉スタジアム2002 川崎フロンターレ戦

さて今シーズンも開幕が近づいてきましたね。浦和レッズにとっての今シーズン公式戦初試合は、埼玉スタジアム2002で行われる、「FUJI XEROX SUPER CUP 2019」。対戦相手は昨シーズンのJリーグ王者、川崎フロンターレ。

Jリーグ開幕前に今シーズンの展望をする上でとても有意義な試合。昨シーズンも川崎に対してはダブルかますなど、相性的には悪くない相手ですが、川崎も新加入のレアンドロ・ダミアン選手(ブラジル代表 ロンドンオリンピック得点王)をはじめ、強力な補強を加えてJリーグ3連覇を狙う万全の体制、ここ数年シーズン序盤で勝ちきれず、あっさりACL落としたりしてスロースターターと揶揄されがちな川崎さんですが、事前のインタビューなどを聞いても今年は最初から飛ばしていくぜという感じでこの試合にかける意気込みもかなりのもの。ウチとしてもそう思い通りにはさせないと言うことで、きっちり勝ってさい先のよいスタートを切りたい対戦となりました。

FUJI XEROX SUPER CUP 2019 埼玉スタジアム2002 川崎フロンターレ戦

さて、今日は公式戦とはいえシーズン開幕前のプレシーズンマッチという位置づけということもあって、のんびり指定席からの観戦となりました。ちょっとピッチから近すぎたせいで試合が見づらくてあれだったんですが、今シーズン最初の試合観戦レビュー。簡単にまとめたいと思います。

システム的には昨シーズンからの3バックを継続

今日のスタメンは最終ラインに岩波、マウリシオ、槙野。中盤はエヴェルトン、柏木、長澤を並べた3ボランチ。ウィングバック、右に橋岡、左にウガ。杉本、興梠の2トップという並び。GKは西川。

この試合はレギュレーション上、選手交代は5人まで可能(ただし交代回数は3回まで、ハーフタイムでの交代は交代回数に入れず)という変則ルール。テストマッチ的な意味合いもあるので交代枠は全部使ってくるだろうなとは思っていましたが、実際ハーフタイムでの2枚替え、後半の比較的早い時間帯に残り3枚の交代カードも使い切るという形で色々な選手の組み合わせを見ることができました。この辺は収穫。

新加入の2選手、エヴェルトンさんと杉本さんが早くもスタメンとして起用され、エヴェルトンさんが3ボランチの真ん中、杉本さんが興梠さんと2トップを組むという形で、システム的には昨シーズンから継続の 3-5-2(3-3-2-2)でスタートとなりました。

試合の主導権は川崎。課題はビルドアップの出口

対する川崎はいつも通りの 4-2-3-1、ワントップに新加入のレアンドロ・ダミアン選手。エウシーニョ選手が抜けた右のサイドバックにはブラジルから新加入のマギーニョ選手がスタメン。川崎さんに関してはほぼ完成されているというか、特に攻撃面の方が注目されがちですけども、整理されたプレスをはじめ、守備面での安定感や攻守転換の速さはさすがのひと言で、しかもこの試合にピークをきっちり持ってきたなと感じさせるコンディションでした。

試合開始から10分くらいはお互いに様子見モードといった入りでしたが、主導権を握ったのは予想通り川崎。川崎は立ち上がり早々、前からプレスをハメにくるのに対して、ウチは川崎にある程度ボールを持たれても、中央に楔入れさせずにサイドに追いやって奪えればという守り方。

昨年同様、守備時には 5-3-2 にして、2トップが相手のボランチを捕まえに行きつつ、相手の前線、3-1 の部分に対しては 5-3 で人を並べて数的優位を作り、奪ったら幅と深みを使ってスピーディーに攻めきるという狙いが見えました。この辺は4バック相手にセオリー通りの戦い方。

川崎も守備面は非常に整理されていて、ワントップが西川さんのところ含めてウチのビルドアップの開始点にプレスをかけつつ(とはいえ、序盤はダミアン選手が西川さんの左足の方を切らないので結構簡単に西川さんがプレス外しつつ前線にいいボール付けたりはしてたんですけどね)、(ウチの)右サイドにボールを追いやっての橋岡さんのところでハメて奪ってという狙い。

前半の30分過ぎまではこの形でかなり狙いどころを作られて苦労していましたが、これは橋岡さんだけの問題ではなく、対人能力面で槙野さんに比べれば押し込みやすい岩波さんと攻撃面で個人打開能力がウチの選手の中では劣る橋岡さんのところでハメて奪うってのはまともにスカウティングができるチームならどこでも狙ってくる形。ハメられてんなって感づいたところでピッチ内で早めに修正できるかが重要ですが、35分くらいからは橋岡さんをおとりに1列飛ばして前線の杉本さんや長澤さんに岩波さんのところから縦につけるようなシーンもあり、それなりに相手の狙いを見抜いて対応できていたのではないかと思います。

ただ、川崎は攻守転換も非常に速く、ボール奪取しても素早く囲まれて前を向かせてもらえず、ビルドアップ途中で引っかかってしまうシーンが多かったので、やりたいことをやらせてもらえた時間帯としては非常に短かったなと。後半、柴戸さんが投入されてからの10分~15分くらいはリスクとって前からハメに行く守備が機能して、いい流れにはできたんですが、フィニッシュの一歩手前で引っかかってしまうので得点の匂いとまではいかず。

特に後半の立ち上がりから失点するくらいまでの時間帯は、ナバウトさんが相手のボランチ捨てて積極的に前から行っちゃうのに引っ張られる形で重心が前に傾いた前線と、それについていけない最終ラインの間で中盤が間延びし、前半はうまく抑えていた縦の楔をバッシバシ通されると川崎に一気に流れを持っていかれてその勢いのまま失点してしまったので、もう少し落ち着いて相手を焦らすような戦い方ができてもよかったかもしれません。

とはいえ、途中で引っかかってしまうと書いたビルドアップに関しても、局地的に4枚で四角型を作りつつのボックスビルドアップはかなり形になってきていて、細かいミスがあってビルドアップの出口的なところまでは到達できていませんでしたが、その一歩手前までは来ていることを確認。この辺がきっちり仕上がってくると今シーズンは自分たちから主体的にボールを握って崩していくような戦い方も選択出来るようになるんじゃないかなと思います。その意味で、試合結果的には点差以上に川崎にやられた敗戦ではありましたけども、ポジティブな面もあったなと。

この試合に標準を合わせて勝ちに来た川崎とぶっつけ本番の浦和

この辺は負けといていうと負け惜しみっぽく聞こえちゃうかもしれませんが、ウチはまだコンディションのピークという感じではありませんでした。オリヴェイラさんとしてはかなりハードなトレーニングキャンプを実施し、しかもキャンプ中に対外的な実戦はほぼ行わずこの試合に臨んでいることからも、キャンプで溜まった疲労が抜けきる前にこの試合で実戦を一発、その後、コンディション的にはJリーグ開幕戦で整う感じを想定してるんじゃないかなと。

また、前半の終盤から良くなり始めていた前線の杉本さんをハーフタイムに交代したのも、恐らく最初からそういうプランでやっていたと思われ、結果として後半に失点してしまったことや、得点できなかったこと自体は残念に思っているとは思いますが、ある程度は想定内として捉えていそう。

選手層の厚さを改めて確認

試合に話を戻しましょう。

選手交代は冒頭にも書いた通り、ハーフタイムで2枚替え。杉本さん→ナバウトさん、エヴェルトンさん→阿部ちゃんとして、ポジション的にはそのまま入れ替え。

さらに66分には長澤さん→山中さんとして、ウガを右サイドに移動し、山中さんを左サイドに。同時に橋岡さん→柴戸さんとして、柴戸さんは長澤さんのいた3ボランチの右に入ります。最後の交代カードは81分の柏木さん→マルティノスさん。マルティノスさんはそのまま柏木さんのいた位置へ。

途中交代選手の中でも特によかったと思うのは柴戸さん。昨シーズンも終盤戦に出場機会を得ると、その豊富な運動量と対人能力の高さで後半戦の躍進に貢献してくれましたが、この試合でも交代直後から積極的に前に出て行ってボール奪取するとそのままカウンターの起点となってよい流れを一時引き寄せました。まぁそのいい流れの中でもフィニッシュまでは行けていないので課題はありますが、今シーズンも彼の活躍には期待できそう。

また、柏木さんの位置に入ったマルティノスさんも、左サイドに入った山中さんが比較的行ってこいっていうボールをスペースに蹴ってくれるので本領発揮しているシーンが何度か見られました。スピードはありますし、ハーフスペースで縦に抜けて来られると川崎としても守備対応が難しい部分があるのでしょう。

一方で山中さんに関して、個人的にはもうちょっと思い切ったプレーをして欲しかったなとは思います。ウガとポジションを争っている以上、サイドからの攻撃面で違いを見せないとポジションを奪い取るのは難しいと思いますし、こういう試合で、かつリードされている状況で出番が回ってきているわけですから(彼には期待値が高いだけにそう思いました)。ただ、終盤にアーリーで放り込んだクロスの精度など、さすがという部分もあったのでやはり期待値は高いです。

選手交代を見ていても、出てくる選手がすべて他クラブで主力張ってておかしくないメンツばかり。今シーズンの補強を経て、改めてウチの選手層の厚さを再確認できました。

今試合、アンカーの位置でスタメン起用されたエヴェルトンさんも、守備面だけ見てしまうとやはりあまり得意そうには見えず、アンカー起用は少しかわいそうな気もしましたが、それでも中盤でのキープ力や前向いたときの推進力はさすがという点もありましたし、杉本さんにしても前半のみながら、さすがの身体能力を垣間見ることができました。今シーズンの補強に関しては下記の記事でもまとめていますが、個々の能力がうまくかみ合ってくれば非常に面白いんじゃないかなと期待しています。

ということで、今シーズン最初の公式戦は残念ながら黒星スタート。いよいよ来週末にはJリーグが開幕しますし、すぐにACLのグループステージも始まります。この試合で出た課題をうまく消化しつつ、万全のコンディションで仙台に乗り込んでいただきたいなと思います。

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試合データ

観客: 52,587人
天候: 晴れ
試合結果: 川崎 1-0 浦和(前半0-0)
レッズ得点者: -
主審: 家本政明 氏

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