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2016-2017 オフシーズンの浦和レッズ移籍情報まとめ

2016年シーズンも終わり、来シーズンに向けた移籍の話が色々と出はじめていますので、とりあえず公式に発表された移籍情報だけに絞ってまとめておくページ。適時情報更新していきます。

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2016年シーズンも終わり、来シーズンに向けた移籍の話が色々と出はじめていますので、とりあえず公式に発表された移籍情報だけに絞ってまとめておくページ。適時情報更新していきます。

公式発表された移籍情報

2017-02-10 更新 / 選手の敬称略。順不同。

完全移籍(期限付き移籍からの復帰含む)

ポジション IN 加入(前所属) OUT 退団(移籍先 / 浦和在籍年数) メモ
FW ラファエル・シルバ
(アルビレックス新潟)
ブラジル出身の24歳。抜群のスピードとテクニック、シュートセンスを活かして相手ディフェンスを引き裂くアタッカー。つい最近もウチの遠藤さんがぶっちぎられて得点決められた敵にすると嫌な相手。
個人的には左のサイドアタッカーとしての起用が彼のスピードが活かせて、カットインからのシュートも狙えるためいいんじゃないかなと思っていますがどう使われるのか。あとはミシャさんが求める運動量に付いてこられるかがカギ。
オナイウ 阿道
(ジェフユナイテッド市原・千葉)
年代別代表でも活躍する期待のFW。お父様(ナイジェリア人)の血か、抜群の身体能力をもち、そのフィジカルの強さと、とんでもない跳躍力による空中戦の強さ(身長は180cmと特に大きいわけではない)が売りのワントップ候補。っていうかよく千葉は手放したな。
阪野 豊史
(モンテディオ山形 / 4年)
浦和ユースから2013年に昇格、その年はリーグ戦9試合に出場するもののその後は出場機会に恵まれず、2015年、J2栃木SCに期限付き移籍。今シーズンからは同じくJ2の愛媛FCに期限付き移籍するとチームの主力として定着。リーグ戦42試合出場、12得点とキャリアハイを達成していましたが、このまま浦和に戻っても恐らくは難しいということで今回完全移籍という流れになりました。
愛媛で今シーズン監督を務めた木山さんが来季から山形の監督に就任ということで、期待されての移籍。出て行ってしまうのはもちろん残念ですが、J2できちんと活躍し、浦和ユース出身の意地を見せてくれることに期待したいと思います。
MF 長澤 和輝
(ジェフユナイテッド市原・千葉 / 期限付き移籍から復帰)
大学サッカーのエースにして、横浜F・マリノスに特別指定選手として大学在学中に公式戦(ナビ杯)デビューしますが、Jのクラブには加入せず、2013年からドイツ、1.FCケルンに加入して2シーズンで20試合以上に出場(2014-15シーズンは怪我で出場数が伸びませんでしたが)。将来を嘱望される期待の若手選手です。
去年、ウチへの加入が発表されるも怪我の影響で公式戦から離れていたこともあって試合勘を取り戻すためそのまま千葉にレンタル。期待通り千葉では主力として活躍し、満を持しての浦和復帰となりました。豊富な運動量と繊細なボールタッチが特徴。中盤でのゲームコントロールに期待。
矢島 慎也
(ファジアーノ岡山 / 期限付き移籍から復帰)
浦和生まれの浦和育ち、2012年に浦和ユースからトップ昇格。同年内にはリーグ戦デビュー、翌年2013年にはJリーグ初ゴールも記録し、年代別代表にも選ばれてリオデジャネイロオリンピックにも出場するなど期待の若手MF。
本職はトップ下ですが、2015年から期限付き移籍で加入したファジアーノ岡山ではボランチとして起用され新境地を開くと不動のレギュラーを獲得。岡山サポからも惜しまれつつの2017年浦和復帰となりました。
身体は大きくないのですが、その俊敏性を活かしたドリブル、広い視野と正確なパス精度が最大の武器。岡山では中盤の底からゲームを組み立てる、浦和でいう柏木さんと同じような役割を高いレベルで果たしていましたが、同ポジションには柏木さん、阿部ちゃんという強烈な2枚がいる浦和への復帰で彼がどのように起用されるのか、恐らく、まずは本来の攻撃的MFで高木さんや忠成さん、武藤さんあたりとポジションを争うことになりそうですが、どっちにしろ浦和のトップ下は激戦区ですので、その中で彼がどこまでポジション争いに食い込めるのかは注目。
菊池 大介
(湘南ベルマーレ)
2007年に湘南ベルマーレユースから湘南ベルマーレに昇格、トップ昇格となった2007年にはJ2リーグ最年少出場、翌2008年にはJ2リーグ最年少得点を記録するなど湘南の主力として活躍、2014年シーズンから湘南の3-4-2-1の左ウィングバックで起用されるとその突破力を活かし、カットインからのシュートやクロスでチャンスを演出していました。 浦和でも左のウィングバック、もしくは槙野さんのところ、左のサイドバックで起用されることが予想されますが、湘南上がりは運動量がすげぇ選手が多いので、ウチのサッカーにもすぐにハマりそうな予感。期待しています。
DF 橋本 和
(ヴィッセル神戸 / 2年)
サイドの突破力と正確な高速クロスが持ち味のレフティー。加入が決定したとき個人的には一番期待していた選手でしたが、上下に絶え間ない運動量を求められるミシャサッカーではマッチせず。守備面での能力不足などもあって残念ながら槙野さん、ウガや関根さん、駒井さんの後塵を拝する形で出場機会に恵まれず、今シーズン途中から期限付き移籍→完全移籍という流れになりました。
永田 充
(東京ヴェルディ / 6年)
がたいのデカさからくる空中戦の強さと、ウチのビルドアップには欠かせない、正確なロングフィードを兼ね備えたセンターバック。加入当初はその特徴を活かしてレギュラーの地位を築くも、運悪く負傷で離脱したところで那須の兄貴が大活躍して結局そのままレギュラーの座を明け渡し、今年は遠藤さんの加入によって3番手になってしまうさらに厳しい状況。怪我から復帰後もたまにチャンスもらうも、試合勘からか、彼の代名詞(悪い方)とも言える、1試合1うっかり(ミス)を連発し、レギュラーに返り咲くことはかなわず完全移籍となりました。
加賀 健一
(モンテディオ山形 / 2年)
J1でも屈指のスピードを誇り、身体能力にも優れ、1対1での強さも誇るDF。守備面での能力は文句なしながら、攻撃参加時の精度や推進力、ビルドアップにおけるフィード能力など、加賀さんの特徴ではないところを多く求められるウチのストッパー陣の中ではいまいちフィットせず、一時期はベンチ入りもできていたものの、最終的には槙野さん不在時に本来ポジションの異なるウガにポジション争いで敗れるという流れからの今回出場機会を求めての退団。浦和のイケメン枠が1つ減るという女子サポにも悲しいお知らせとなっています
ブランコ・イリッチ
(NKオリンピア・リュブリャナ / 1年)
2016年に加入するも同年、公式戦への出場は1試合。そのまま出場機会もなく退団ということでですが、個人的には彼が唯一出場した ACL 2016 グループステージ 第6節 浦項スティーラーズ戦のレビューにウチじゃ無理じゃね? と書いたこともあり、そうなるでしょうねという感想しかありません。まぁなんていいますかひと言でいってしまえばマッチしなかったですね。補強した選手が全員マッチすれば誰も苦労しないわけで、致し方ないとは思いますが、新天地での活躍をお祈り申し上げます。
GK 榎本 哲也
(横浜F・マリノス)
マリノス一筋15年(マリノスユース上がりなので実際はもっと長い生え抜き)のベテランGKがここにきてまさかの浦和加入。的確なコーチング、その俊敏性を活かしたシュートストップ能力の高さには定評があります。そして何より人柄的にも若手の見本になれる選手ということで、レンタルから戻った若い福島選手などにとってもよい指導役にもなるんじゃないでしょうか。
一方で足下のテクニックについてはそれ程高いレベルのものを持っている印象はないので、ビルドアップへの参加や正確なフィードが求められるウチにどの程度マッチするのかは未知数ですが、今まで西川さんと2ndゴールキーパーの力の差がありすぎて、ポジション争いという面ではほぼ競争にならない問題がありました。そこにこのレベルのGKが入ってきてくれると本来あるべきポジション争いが起こって結果全体のレベルも上がるんじゃないかと期待しています。
ところで最近(だけでもないか......)マリノスさんは長年チームに貢献した選手に対するあまりリスペクトを感じない対応が目立ち、主力、ベテラン勢が多く離脱していますが大丈夫なんでしょうか。
福島 春樹
(ガイナーレ鳥取 / 育成型期限付き移籍から復帰)
2015年に特別指定選手→2016年加入→2016年7月1日~2017年1月31日までの予定で育成型期限付き移籍していましたが、予定通り復帰。残念ながら公式戦で右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷という重傷を負ってしまっているため現在はプレー不可ですが期待の若手GK
大谷 幸輝
(アルビレックス新潟 / 9年)
浦和レッズユースから2008年にトップ昇格。生粋の浦和育ち(出身は熊本)のGK。正GKのレベルが高いウチにあってはなかなかレギュラーの座を勝ち取ることはできずも、淡々と3rd、2ndGKを努め、カップ戦などでは正GK不在の穴をきちんと埋める仕事人。
そんな彼ももう27歳。そろそろ外に出て新たなチャレンジをする時期ということでしょう。ウチにいる限り西川神からレギュラーを奪うことはほぼ無理ゲーですし、いつまでも試合経験のないままキャリアの大半を過ごすというのはプロにとってはやはり厳しいものです。新潟できっちりレギュラー奪ってもらって、対戦できることを楽しみに。

期限付き移籍(復帰は完全移籍の方に記載)

ポジション IN 加入(所属) OUT 移籍(移籍先) メモ
FW 石原 直樹
(ベガルタ仙台 / 2017年シーズンは浦和レッズと対戦するすべての公式戦に出場不可)
オフザボールの質、ゴール前での駆け引きのうまさ、一瞬のスピードと決定力はJリーグでも屈指のストライカー。2015年広島から加入後、すぐにレギュラーの地位を獲得するも同年のリーグ戦 第5節(川崎戦)での負傷によって離脱。大きな怪我だったこともあり完全復帰に時間を要して今シーズンも数試合の出場にとどまる残念な結果に(結果として石原さんの代わりに出場機会を得た武藤さんが大ブレイクして、復帰後も彼の牙城を崩せずという感じになっちゃいましたね)。
結局出場機会を求めて来シーズンは仙台でのプレーを選択という流れですが、しっかり試合勘を取り戻してもらって、絶好調の石原さんとして戻ってきて欲しいなと思います。
MF 山田 直輝
(湘南ベルマーレ / 期限付き移籍延期)
直輝さんもこれで湘南3年目のシーズンに突入決定と。今シーズン終盤はレギュラーにも定着しはじめ、いい流れができつつありますので、このまま来年もチョウさんの下で、1年間にわたってきっちり結果出してもらえれば、満を持しての浦和復帰も見えて来ると思いますから頑張って欲しいです。
DF 茂木 力也
(モンテディオ山形)
ユース上がりの茂木さんですが、出場機会を得るための期限付き移籍ということで、ぜひJ2で経験を積んで戻ってきていただきたいところ。
岡本 拓也
(湘南ベルマーレ / 期限付き移籍延期)
今シーズンから湘南に期限付き移籍していますが、来年も継続ということで決まりました。今シーズンは不動のレギュラーとまではいかないものの、かなりの試合数出場ができていますので、このままいい経験を積んでさらなる成長をして欲しいなと思います。
田村 友
(アビスパ福岡)
福岡大学から2015年アビスパ福岡に加入した大卒Jリーガー。元々はボランチの選手ですが、井原監督の下、右のCB(アビスパ福岡は3バックを採用しているので浦和でいう森脇さんのところですね)にコンバートされて起用されると、その恵まれたフィジカルと1対1の強さを活かして終盤はレギュラーに定着。2015年シーズン、福岡の終盤の快進撃、およびJ1昇格に大きく貢献しました。
今シーズンはコンディション不良で出遅れ、結果的にはリーグ戦出場16試合と、恐らく本人にとっては不本意なシーズンだったと思いますが、新たなチャレンジの場として浦和を選択と。正直あまり詳しく見ていなかった選手なので、印象として残っているのはデカい、とにかく対人で強い、ロングフィードの精度も比較的高いという感じ。退団した永田さんの若い版みたいな感じでしょうかね。ハマると面白そうな選手です。
GK

移籍情報がある程度出そろった時点での寸評

[2017-01-09 追記] 年も明けて以前から噂されていた移籍情報についてはほぼすべて公式に発表されましたので、上記移籍データを元に簡単にですが今シーズンの補強についての個人的な感想をまとめます。

ディフェンスラインの補強

ディフェンス、最終ラインの3枚については、永田さん、加賀さん、橋本さんの3選手を放出する一方で、新規加入は福岡から期限付き移籍の田村選手のみという補強。

田村さんは身体のデカさを活かしてセンターバックもできると思いますし、福岡では最終ライン右、ウチでいう森脇さんのところでその能力を発揮していましたので、森脇さんのバックアッパーとしては大きな期待が持てそう。

最終ラインの人選に関しては守備面はもちろん、ウチの攻撃時のビルドアップにも大きく影響するためミシャさんとしてもなるべく「森脇-遠藤(那須)-槙野」という3枚については代えたくないというのが現実でしょう。なのでここについては代表招集による離脱、もしくはシーズン中の疲労、負傷や累積警告による出場停止に備えたバックアッパーの確保というのが主な目的なのがわかりやすい補強です。

最終ライン3人のポジション争い

遠藤さんと那須さんは昨年以降、良いポジション争いの状況になっていると思います。遠藤さんがもちろん現状はファーストチョイスなのですが、気を抜けば那須さんがそのポジションを奪い返すだけのコンディション、パフォーマンスを常に維持してくれていますから、遠藤さんのポジションは安泰ではありません。

次に森脇さんのところですが、今までここのバックアッパーがいなかったんですよね(イリッチさんがまぁいるんだけどさ......)。今回ここに福岡から期限付き移籍ですが田村さんが加入したことで、森脇さんのバックアッパーが確保できそうですから、ここの選手層が厚くなったのはよいことかと。あとは田村さんがどの程度森脇さんのポジションを脅かせるかに期待したいところ。

で、最後に槙野さんのところです。今回、直接的に槙野さんのポジションでの補強は行われていませんが(あえて言えば湘南から加入の菊池選手が近いですけどね)、実はディフェンスラインの補強ではなく、ラファエル・シルバ選手、長澤選手、菊池選手といった前線の選手の補強によって逆にポジション争いが加速すると思われます。

というのは、この3人の加入によって、ウチの左ワイドのポジションは競争がとんでもないことになると思われ、結果として、今年はウガが最終ラインに本格的にコンバートされるんじゃないかなと予想するからです。そうなると槙野さんのポジションはウガがバックアッパーとして存在し、2人ともダメなら森脇さんを左に回す作戦(森脇さんのバックアッパーができたことでやりやすい)でいけそう。

ということで、ディフェンスラインの補強が少ないという意見が多そうですが、前述したとおり「森脇-遠藤(那須)-槙野」を基本として考え、そこにそれぞれバックアッパーを置くという点で考えれば、妥当な補強がされていると思います。

繰り返しますがウチのディフェンスラインはビルドアップ等、攻撃面でも大きく影響するためコロコロとメンバーを入れ替えられる程簡単なポジションではありません。実際に昨シーズンはリーグ最少失点と、今のメンツで十分な結果がでているため、バックアッパーが確保できれば十分と思われますから、その点では問題ない補強ができていると思います。

ボランチの補強

ボランチについては基本的に阿部ちゃん、柏木さんのコンビがほぼ不動なため、ここもバックアッパーをどうするかという点と、オプションとして柏木さんを1列上げたときにどうするかという点くらいしか補強ポイントはないと思われます。その点ですでに後者については青木さんが盤石ですのでよいとして、あとはバックアッパーの件。

バックアッパーについては、柏木さんのバックアッパー候補としては当然期限付き移籍から復帰の矢島さんが筆頭。さらに伊藤(涼太郎)さんも虎視眈々とレギュラー争いに加わることを狙っていますから候補としては十分。

問題はここのところずーっとですが阿部ちゃんのバックアッパーがいないことなんですが、もうね、ここは諦めた方がよいです。キャプテンの代わりはいないし(全盛期の啓太とか、あとは長谷部さんくらいしか思い浮かばないもの)、彼は自分から代えてくれっていう人ではないので、今年もフル出場し続けるんでしょう。

万が一の場合は青木さんがなんとかしてくれると思いますので、ボランチについてはここまで挙げた4人を中心に回っていくと思います。よってここも大きな問題はないと思われ。

攻撃陣の補強

今年も前線の選手(1トップ、2シャドーおよび両ワイドの候補)は結構補強されましたね。ワントップ候補としてはオナイウ阿道選手(ジェフユナイテッド市原・千葉)、シャドー候補としてはラファエル・シルバ選手(アルビレックス新潟)に加え、長澤さん、矢島さんが期限付き移籍から復帰。両ワイドの候補としては、菊池大介選手(湘南ベルマーレ)が新たに加入。

ということで一旦現有戦力を候補になりそうなポジション別にまとめると下記のような感じ(重複あり / 順不同)。

  • ワントップ:
    興梠さん、ズラタンさん、忠成さん、オナイウさん
  • シャドー:
    武藤さん、忠成さん、高木さん、ウメ(負傷離脱中)、ラファエル・シルバさん、長澤さん、矢島さん、伊藤さん、柏木さん(オプション)
  • 両ワイド:
    関根さん、ウガ、駒井さん、ヒラ、菊池さん、ラファエル・シルバさん、高木さん、ウメ(負傷離脱中)

メンツだけ見ると豪華。この中から実際にレギュラーを掴むのは誰になるんでしょうね。もちろん、昨シーズンまでの主力がまずは第1候補だと思いますが、特に2シャドーと両ワイドについては競争激しすぎてすごいことになりそうな予感がします。

ミシャさんとしては昨シーズン、守備面はリーグ最少失点と十分すぎる出来だったわけですし、もともとミシャさんは守備より攻撃の人ですから、もう守備はいいかなって思ってそう。

あとは昨シーズン、得点力不足で落とした勝点を今年は落とさんという気持ちが見える補強っぷり。確かに昨シーズン同様に最少失点を維持しつつ得点力がアップすれば、数値上は文句なしに優勝狙えるわけですから理にかなった補強かなと思います。

両ワイドの攻撃バリエーション増加に期待

[2017-01-11 追記] 両ワイドの補強について思ったところを補足します。

今回の補強では、両ワイドの候補として「カットインからシュート」が特長の選手が数人補強されました。例えばラファエル・シルバさん、菊池さんがその筆頭です。

今までのウチの両ワイドの基本は、「縦」への突破でした。状況に応じて中に仕掛けることはあっても、基本は縦を強く意識し、相手サイドの深い位置をえぐること、そこからのマイナスクロス(これが一番相手ディフェンスは対応しづらい)が第一選択なのは明らかです。

例えば昨シーズン、このワイドのポジションで出場機会が多かったウガ、関根さん、駒井さんという3人は縦への突破にその長所が活きる人たち。ウガは裏に抜け出すタイミングがチーム内でも絶妙にうまい、関根さん、駒井さんは一瞬のスプリントとドリブルのテクニックで相手を置き去りにできる。

もちろんこの3人が縦への突破以外はダメ? って言われればそんなことはないですが、例えば関根さんなんかはシュート精度が低くてカットインからシュート狙ってもミドルレンジでは難しいと思いますし、駒井さんも昨シーズン見ている限りは同程度。特長としては「縦」「ショートレンジ」で、そこを意識した方が活きる選手たちです。

一方で、選手交代策として試合中盤で両ワイドの選手が交代するケースは多いですが、選手交代で元気な選手にリフレッシュはされるものの、攻撃パターンとしては同じ「縦」への突破が基本という点で変化はありませんでした。

そこで、今回補強された選手を見てみると、ここに「カットインからシュートというオプションを、しかも強烈なレベルで追加しよう」という意図が感じられます。ラファエル・シルバさんはワイドで起用されるかはわかりませんけども、菊池さんなんかはこの特徴にぴったりマッチする選手。突破力に加えてミドルレンジからの強烈なカットインシュートを持っています。

「縦」「ショートレンジ」が強みの選手が多いところに、「カットイン」「ミドルレンジ」の特長を持った選手が加わったわけです。これによる「サイド攻撃のバリエーション増加」というのが、今シーズン期待できそうなポイントとなるんじゃないでしょうか。

あ、ちなみにウメ(負傷離脱中)とか高木さんは「カットイン」「ミドルレンジ」の特長あるし、ワイドも出来るんだから彼らでもいいじゃんという意見もあるかも知れませんが、彼らは本来トップ下適正の選手ですので、今回の補強で彼らの競うポジションがシャドーに絞られるんじゃないかと思いますし、その方がいいんじゃないですかね。(ウメはご存じの通り、高木さんまで先日疲労骨折ってニュースがあって、開幕からしばらくは無理っぽいのが残念ですが......)

その他

ゴールキーパーの補強として、マリノスからベテラン榎本選手が加入してくれました。これは結構大きいと思います。というのは今まで西川さんのところ、全くポジション争いがなく、さらに西川さんが代表招集による離脱をすると、2ndゴールキーパーとの力量差がありすぎてサッカーの内容が変わってしまうことすらありました。

これは2ndゴールキーパーが悪いということではなく、西川さんクラスのゴールキーパーはそう簡単にいないですし、さらにポジション争い枠が「1」しかないゴールキーパーは、代表クラスを2名確保して、どちらかが試合に出られなくてもずっとチームに残っていてくれるような簡単なポジションではありませんので仕方がないことなのですが。

正直、西川さんっていう不動の守護神がいるチームに、榎本さんクラスが加入するって結構大変な決断だと思うんですよ。もしかするとキャリアの最後をレギュラー獲れず、ベンチで過ごすことになるかもしれないだけでなく、彼の実力なら他のチームでは正ゴールキーパーの地位を確保することはそれ程難しいわけでもないことがわかっている状況で、あえてJリーグでも今最もポジション奪取が難しいチームに移籍したわけですからね。

それでも彼の加入によって西川さんの良い意味でケツに火が付くと思いますし、彼クラスが入ってくれれば西川さんにとってもいいライバルとして、そして先輩としてさらなる成長の助けになってくれる気がします。さらに若い岩館さんなんかにとってもいい影響を与えてくれると思いますから、その意味でよく獲得したなと。

まとめ

ということで、個人的に今年の補強は昨シーズン足りなかった部分をしっかり補いつつ、各ポジションのバックアッパーを確実に確保した上でレギュラー争いをさらに激化させ、去年より勝点を上積みするために必要な補強をある程度きっちりやったなという印象。

今年はDAZNさんのおかげでJリーグは優勝賞金だけでなく強化分配金をあわせると優勝チームには最大で20億円程度の収入があります。まずは今年国内タイトルを取ることで、この資金を元手に来年はACLも狙える立場にステップアップすることが可能になるでしょう。

ミシャさん体制になって今シーズンは6年目。もうチームとしては固まっていて、各ポジションも適正のある選手がきっちりそろっている状態。あとはACLが関係してくるシーズン前半戦の過密日程によるパフォーマンスの落ち込み、シーズン終盤、疲労が溜まってきた時期の踏ん張り、あとは代表ウィークで主力が抜かれた際のカバーという点で選手層を厚くしておければ十分という判断は理にかなっているとは思います。

あとは補強した選手がしっかりハマってくれることを祈るのみでございます。

参考リンク

浦和以外の2016-2017シーズン移籍情報について確認したい場合は下記に全クラブの移籍情報がまとまっています。

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